検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

バイクを冬眠させる方法!必要な作業や注意点と冬眠明けにすることも解説!

冬はバイクに乗らない人や降雪量が多い地域の人にとって、バイクの冬眠は年間行事の一つ。バイクによって冬眠方法が違う箇所がありますので注意しましょう。初心者からベテランまで満足していただけるよう、方法ごとに根拠も解説します。
2020年8月27日
hosokawa_taka
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

【ワコーズ WAKO'S】F-1 / フューエルワン 清浄系燃料添加剤 品番:F101

デイトナ DAYTONA 71143 ワイヤーインジェクター(ワイドタイプ)+ワイヤオイル80mlセット バイク 自転車に

【DAYTONA/デイトナ】ワイヤーインジェクターワイド 【カード払限定/同梱区分:TS1】

【メーカー在庫あり】 呉工業(株) KURE 5-56 70ml NO2001 JP

【あす楽】モーガンブルー チェーンクリーナー 1000cc

YACCO チェーンルブ 400ml

【ヤマハ(YAMAHA)】 ヤマルーブ ギアオイル 1L 90793-36101 スクーターの後輪などに 【ビックスクーターなどに】

エスコ ポケットデジタルテスター(品番:EA707AD-13)

バイクの冬眠方法と冬眠明けの作業:はじめに

冬は寒いだけでなくイベントごとが多いのでバイクに乗る機会が減りがちです。降雪量が多くてバイクに乗れない地域もあります。乗るかもしれないと思って放置するくらいなら、バイクを長期保管するのも一つの手段。ここでは冬眠バイクを冬眠させる方法、注意点、冬眠明けの始動について解説しますね。

定期的にエンジンを動かすだけはNG

10分程度のアイドリングではバイクのコンディションを維持できません。短時間のアイドリングではガソリンを燃やした時に発生する水分が蒸発する前にエンジンを止めてしまうことになりますので、オイルに水分を溜めてしまいます。バッテリー上がりの対策としては一定の効果がありますが、駆動系やブレーキ装置を動かせないので意味がありません。

バイクを冬眠させる方法:キャブレター①

冬の長期保管ではキャブレター下部にあるフロートチャンバー内のガソリンを抜き取ります。フロートチャンバー内のガソリンは1か月ほどで変質劣化し、もっと長期保管になるとドロドロした堆積物(ガム成分)が溜まってしまう可能性があるからです。ガム成分がスロージェットに詰まるとアイドリング不良の原因になります。

手動コックの場合

燃料コックが手動型のコックはレバーを合わす位置がON、OFF、RESの3通りになっています。レバーをOFFの位置に合わせてからフロートチャンバーのドレンボルトを緩めれば、ガソリンはチューブを通って排出されます。

負圧式コックの場合

燃料コックが負圧型のコックはレバーを合わす位置がON、RES、PRIの3通りになっています。負圧コックは手動コックと違い、ONとRESの位置ではエンジンがまわっていないとガソリンが流れないようになっています。ですので、燃料コックのレバーはONのままガソリンを抜くことになります。フロートチャンバーからのガソリンの抜き方は、手動式コックと同じです。

注意点

キャブレターからガソリンを抜く時の注意点は①床にガソリンがこぼれないよう、ドレンボルトを緩める前に空き缶などで受ける②ドレンボルトが固着している可能性がありますので、ねじ山を傷めないよう適したサイズのドライバーを使い、丁寧に作業する…です。ドレンボルトを固着させないために、締めるときはガソリンが抜けない程度で締め、強く締めすぎないようにします。

冬眠明けの作業は?

手動コックの場合…

手動コックの場合は、ガソリンコックをONの位置に戻してからエンジン始動をします。戻し忘れているとガソリンが供給されないエンジンをセルモーターで回し続けることになり、バッテリーに負担をかけてしまいます。

負圧コックの場合

負圧コックの場合、PRIに合わせばエンジンが回っていなくてもガソリンがタンクからキャブレターへ供給されます。燃料コックのレバーをPRIに合わせてキャブレターにガソリンを送り込み、フロートチャンバーにガソリンが溜まったらONに戻し、エンジンを始動します。

バイクを冬眠させる方法:キャブレター②

多気筒エンジンの場合

多気筒エンジンを搭載したバイクにあってはドレンボルトにアクセスしにくい場合がありますので、長いドライバーを使ってフロートチャンバー内のガソリンを抜きます。タンクを外してドレンボルトにアクセスする方法もありますが、あまり現実的ではありません。

ガソリン添加剤を使って冬眠させる方法

ドレンボルトにアクセスするのが大変な場合はガソリン添加剤を活用して長期保管する方法があります。ワコーズの清浄系燃料添加剤フューエルワンはガソリンの酸化劣化を防ぎ、ガム質を除去することが可能です。ゴムや樹脂パーツにダメージを与えませんので安心です。

燃料コックが手動式ならレバーはONのまま、負圧コックならONからPRIにし、ガソリンが蒸発してもキャブレターにガソリンが供給されるようにしましょう。

【ワコーズ WAKO'S】F-1 / フューエルワン 清浄系燃料添加剤 品番:F101

キャブレター内ガス欠作戦の方法

ガソリンタンクからキャブレターへガソリンが送られる経路を断ち、エンジンを回してキャブレター内のみガス欠させる方法もあります。

燃料コックが手動式ならOFFにし、負圧コックならONのままガソリンタンク側の燃料ホースを抜いてエンジンを始動します。キャブレターに少しだけガソリンが残ってしまいますが、手軽にフロートチャンバーを空に近い状態にできます。

エンジンに負担がかかる可能性がありますので自己責任でお願いします。


冬眠明けの作業は?

フューエルワンを投入した場合

フューエルワンを投入した場合は燃料コックを手動コックならONになっていることを確認、負圧コックならPRIからONへ戻してからエンジンを始動します。

キャブレター内ガス欠作戦の場合

キャブレターへガソリンを送ってから冬眠明けのエンジン始動を行います。手動コックならON、負圧コックならPRIに合わせてしばらくしてからONにします。燃料コックから抜いたホース付近やキャブレター周辺からガソリン漏れがないかもチェックしましょう。

バイクを冬眠させる方法:インジェクション

インジェクション(FI)を搭載したバイクはガソリンを抜くなどの冬眠準備をする必要がありません。なぜなら、インジェクションにはガソリンを一時的にためておくフロートチャンバーがないからです。またタンクからインジェクションまでの気密性が高いので、インジェクション内でガソリンが変質劣化するのは最小限で済みます。

燃料コックは?

インジェクション車には燃料コックがありません。タンクとインジェクションの間にある電気式のポンプはエンジンを回さないと稼働しないので、ガソリンが漏れる可能性が低いからです。

インジェクション車では燃料を止める手段がありませんし、止める必要もありません。※ガソリンタンクに燃料コックがないキャブレター車もありますので、燃料コックがない=インジェクション車と捉えないようにしましょう。

冬眠明けの作業は?

インジェクション車はインジェクションに関する冬眠準備はしなくてもいいですね。しかし、インジェクションだからと油断してはいけません。冬眠期間程度なら問題ありませんが、1年近く放置するとガソリンタンク内のガソリンが変質劣化する可能性があります。

バイクを冬眠させる方法:ワイヤー類

クラッチやアクセルなどのワイヤーは洗浄と注油を行います。ワイヤー類の点検は12か月点検の項目に入っていますので、ちょうどいいタイミングだといえますね。フロントブレーキがドラム式のバイクなら、ブレーキワイヤーも洗浄と注油を行いましょう。

グリスアップ方法①念入り

一つ目のワイヤー類のグリスアップ方法は、ワイヤー類をバイクから取り外しての念入りな方法です。手順は①バイクからワイヤーを取り外す②ワイヤーの片端をもって垂らす③上方からパーツクリーナーや灯油を注入する④ワイヤー類専用オイルやエンジンオイル等を注入する…です。

デイトナ DAYTONA 71143 ワイヤーインジェクター(ワイドタイプ)+ワイヤオイル80mlセット バイク 自転車に

グリスアップ方法②お手軽

2つ目のワイヤー類のグリスアップ方法は、ワイヤー類の片方をバイクから外した手軽な方法です。手順は①ワイヤーの上方を外してワイヤーインジェクターをセットする②パーツクリーナのノズルをワイヤーインジェクターに差して注入する③ワイヤー類専用オイルかシリコンスプレーを注入する…です。

【DAYTONA/デイトナ】ワイヤーインジェクターワイド 【カード払限定/同梱区分:TS1】

注意点

念入りとお手軽のどちらであっても、ワイヤーの下方から洗浄液やオイルが流れるまで注入しましょう。余分な洗浄液やオイルはウェスでしっかり拭き取ります。

お手軽方法では、ワイヤー下方から流れ出てきた汚れた洗浄液やオイルでバイクを汚してしまいますので注意しましょう。

冬眠明けの作業は?

ワイヤー類に関しては冬眠明けにする作業はありません。しかし、しばらく動かしていないワイヤー類はグリスアップしていても動きが渋くなっている可能性がありますので、始動前に必ず点検しましょう。

バイクを冬眠させる方法:スイッチ類

ハンドル周りにあるスイッチ類が冬眠中に固着し、動きが渋くなるのを防止します。スイッチ類が一度固着すると正常な状態に戻しにくくなり、悪い状態が年中続くこともあります。メンテナンスの一環てして捉えて冬眠準備するといいですね。


グリスアップ方法

スイッチ類の冬眠準備には可動部分に浸透性防錆潤滑剤を差すのが一般的です。差した後は数回動かしておきましょう。樹脂部分についた余分な潤滑剤はウェスで拭き取ります。メインキーの鍵穴にもノズルを差し込んで注油しておくと動きがスムーズになります。

時間があればハンドル周りだけでなく、灯火類の経路にある接点やソケット、電気系統のカプラー、スターターリレースイッチにも注油するといいですね。

【メーカー在庫あり】 呉工業(株) KURE 5-56 70ml NO2001 JP

注意点

スイッチ類へのグリスアップは確実に浸透させるよう心がけましょう。一度に大量を注油するよりも、数回に分けて差し、接点に浸透することを確かめながら注油させるのがポイントです。

冬眠明けの作業は?

スイッチ類に関する冬眠明けの作業中はありません。スイッチの操作にバイクが反応するかを点検してから走行しましょう。灯火類はスイッチの動きと併せて、点灯しているかを目視で点検する必要があります。

バイクを冬眠させる方法:ドライブチェーン

ドライブチェーンはバイクの整備でもっとも頻度が高いので、日ごろからメンテナンスしている人なら多くの手間を必要としません。しかし、あまりメンテナンスをしていない人は念入りに冬眠準備をするのがおすすめです。リアタイヤを浮かせて作業すれば効率的です。

洗浄

ドライブチェーンの洗浄方法は①ドライブ(フロント)スプロケットカバーを外す②スラッジ(オイルとほこりや土が混ざったペースト状の汚れ)を取り除く③チェーンクリーナーで洗浄④水溶性洗剤(カーシャンプー等)か水で洗い流す…です。

【あす楽】モーガンブルー チェーンクリーナー 1000cc

グリスアップ

ドライブチェーンの冬眠準備としての作業ですので、可動部分への注油と併せてチェーン外側の防錆も必要です。グリスアップ方法は①下側になっているチェーンの外プレートと内プレートの間を狙って注油する②タイヤを手で回してオイルが内部に浸透させる③余分なチェーンオイルを拭き取りながら、チェーン全体にオイルを塗布する…です。

YACCO チェーンルブ 400ml

冬眠期間はギアオイルもありです

チェーンオイルは♯80または♯90のギアオイルでも代用できますので試してみましょう。チェーンソー用オイルでも代用できます。バイク用チェーンルブよりも油膜切れが早いのですが、冬眠期間中はチェーンを動かさないので心配しなくていいですね。バイク用チェーンルブよりも楽にメンテナンスできます。

【ヤマハ(YAMAHA)】 ヤマルーブ ギアオイル 1L 90793-36101 スクーターの後輪などに 【ビックスクーターなどに】

注意点

普段からドライブチェーンのメンテナンスをしていない人はしっかり洗浄しましょう。スラッジがたまったまま注油するとチェーンオイルが浸透しにくいですよ。普段からこまめにメンテナンスしている人ならグリスアップだけで十分です。
 

冬眠明けの作業は?

冬眠中の長期保管ではドライブチェーンを全く動かさないので、オイルが部分的に偏っているかもです。走行前にタイヤを手で数回回すか、バイクを手押しして馴染ませます。多めにチェーンオイルを塗布した場合はウェスで拭き取ってオイルの飛散を防止しましょう。

ギアオイルをドライブチェーンに使うとグリスアップ時期が早まりますので、バイク用チェーンルブでグリスアップしなおしてもいいですね。

バイクを冬眠させる方法:バッテリー

バッテリーの冬眠準備は点検、取り外し、保管を行います。バッテリーは気温の変化で能力が低下します。一度電圧が下がってしまったバッテリーは充電能力も落ちてしまいますよ。

能力をチェック


バッテリーの能力をチェックするときは、バッテリー単体での電圧と充電状態での電圧を計測します。冬眠明けにエンジンが始動できなかった時に、その要因を特定しやすくするためです。

バッテリー単体で12.8V以上あれば完全充電されています。12.3V以下ですと充電不足ですね。充電状態の電圧は、エンジン回転数約5,000rpmで14~14.8Vあれば正常に充電されています。

エスコ ポケットデジタルテスター(品番:EA707AD-13)

バッテリーを外して保管

バッテリーを外す方法は①マイナス側を外す②プラス側を外す…です。冬眠中はバッテリーを取り外して室内で保管します。電極が通電するものに接触してショートすると発熱や発火の原因になりますので、整理された場所で保管しましょう。

気温が下がらない場所でバイクを長期保管できる場合は、マイナス側のケーブルを外すだけの方法もあります。

注意点

バッテリー単体での電圧が低い場合は完全充電電圧になるまでバッテリーチャージャーで充電しましょう。充電しても電圧が低いバッテリーは寿命ですので、冬眠期間中に交換品を購入するのがおすすめです。

充電状態の電圧が低い場合はACジェネレータ―やレギュレート/レクチファイヤを点検し、不良であればパーツの交換修理をしなければなりません。

冬眠明けの作業は?

バッテリーをバイクに載せる方法は①プラス側のケーブルを接続②マイナス側のケーブルを接続③取り付け後に清潔なグリスを塗布する(浸透性潤滑剤でも可)…です。バッテリー単体での電圧を計測し、トラブル防止のためにバッテリーのターミナルについたホコリを拭ってからバイクに載せましょう。

バイクを冬眠させる方法:その他

その他、冬眠で長期保管させるときにしておいたほうがいい項目は①ブレーキユニットの洗浄(ブレーキダストによる固着を防止)②タイヤの空気圧調整(高めに入れるとタイヤの変形を防ぎやすい)③屋内もしくはバイクカバーでの保管(気温低下や紫外線による樹脂・ゴムパーツの劣化を防ぎ、汚れの付着を防止)④ガソリンタンク満タン(タンク内部の結露による錆を防止)⑤金属・樹脂・ゴムパーツへのシリコンスプレー塗布(ブレーキパーツへの塗布は厳禁)です。

日常点検

冬眠明けには法律上定められた日常点検をおこないます。特にブレーキの利き具合、タイヤの空気圧、エンジンンのかかり具合、エンジンンの低速・加速の状態、灯火類は念入りに点検したいですね。タイヤの空気圧は体感ではなくエアレベルゲージで計測しましょう。

オイル交換は冬眠前?冬眠明け?

オイル交換は「冬眠前に交換する」が多数派です。冬眠中にエンジンオイルに混じった不純物がオイルパンに堆積するのを防ぐためです。また、フレッシュなオイルをエンジン内部に行きわたらせておくと、オイルが落ちてくるのを防げます。オイル交換のサイクルが短い人は冬眠後にオイル交換する人が多いですね。

バイクの冬眠方法と冬眠明け作業:まとめ

バイクにとっては冬眠させるよりも定期的に乗るほうがコンディションを保ちやすいのですが、降雪量が多い地域では冬眠させるしかありません。ガソリンの変質劣化、可動部のグリスアップ、バッテリーの保護を中心に冬眠準備をしましょう。冬眠期間は短くて3カ月くらいですが、地域によっては半年間冬眠させる場合もあります。半年以上長期保管する場合は今回紹介した方法では不十分ですよ。

冬のバイクライフが気になる人はこちらをチェック!

冬眠期間中はバイクのメンテナンスをするのがおすすめです。バイクのメンテナンスを自分ですればツーリング中のトラブルから脱出しやすくなります。メンテナンスに関する記事もチェックしてくださいね。