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西洋ニンジンボクの育て方!植え方から増やし方、冬での管理方法まで解説!

西洋ニンジンボク(チェストツリー)の基本の育て方をまとめました。西洋ニンジンボクの植え方から挿し木などによる増やし方、さらにはハーブとしての楽しみ方までご紹介。夏も元気に花を咲かせる貴重な西洋ニンジンボク。ぜひ育ててみてくださいね。
2020年8月27日
吉岡てんぱ
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西洋ニンジンボクとは

西洋ニンジンボクとチェストツリー

西洋ニンジンボクは南ヨーロッパや西アジアが原産の、シソ科ハマゴウ属の植物です。「西洋ニンジンボク」は和名なのですが、もしかすると「チェストツリー」という名前で呼んだ方がピンとくる方も多いかもしれませんね。耐寒性のある落葉低木ですが、日本でもうまく育てると3m程度にまで育つこともあります。地植えはもちろん、鉢植えでもしっかり育ってくれる、とても育てやすい強靭な植物です。

西洋ニンジンボクの名前の由来

紫の花が美しい西洋ニンジンボク…なぜ「ニンジン」という名前がついているのか気になりませんか。実は、西洋ニンジンボクの葉の形が朝鮮ニンジンの葉の形に似ていることから、この名前がつけられたと言われています。ちなみに朝鮮人参の葉の形はこちらです。

そしてこちらが西洋ニンジンボクの葉です。

確に何となく葉の生え方が似ていますよね。さらに、西洋原産の植物であることから「西洋」とつけられ、結果的に「西洋」原産のの朝鮮「ニンジン」に似た葉を持つ「木(ボク)」ということで、西洋ニンジンボクという名がつけられたと考えられています。

西洋ニンジンボクの育て方は簡単?

西洋ニンジンボクは耐寒性耐暑性が強く、真夏の高温期にもたくさん花を咲かせてくれるため、今とても人気がある植物の1つです。耐陰性はやや弱いですが、寒さと暑さに強いため、育てやすい植物と言えるでしょう。また植え方も簡単なので、気軽に栽培にチャレンジしてみてくださいね。

西洋ニンジンボクの開花時期

西洋ニンジンボクは6月下旬ごろから徐々に咲き始め、10月上旬ごろまで咲き続けます。真夏の高温期でも花を咲かせ続けるので、温暖地では特に重宝されています。

西洋ニンジンボクはハーブ

西洋ニンジンボクの香り

西洋ニンジンボクは葉を軽くこすると、ミントのような爽やかな香りが漂うため、園芸店などでもハーブコーナーで取り扱われていることも多いです。ただ風に乗って香りが周囲に広がるということはないので、大きく育ってもご近所の目を気にしなければならない…というようなことはありません。

また、花が咲き終わってできる実にも強い香りがあります。西洋ニンジンボクのハーブティーは葉を使うこともあるようですが、基本的には実を使って作られることが一般的です。

西洋ニンジンボクのハーブとしての効果・効能

西洋ニンジンボクは女性のホルモンバランスを整えるハーブとして人気があります。そのため、妊娠を望む女性や妊娠中、授乳中の女性には特に人気のあるハーブです。またPMS対策や更年期対策にも効果があると言われています。

西洋ニンジンボクをハーブとして使う方法

西洋ニンジンボクは、実をハーブティーとして使用するのが一番簡単な使い方です。また、西洋ニンジンボクの実を乾燥させすりつぶし、スパイスとして使用することもできますよ。コショウのような味わいなので、肉料理などの隠し味にぴったりです。


西洋ニンジンボクの育て方1.環境

地植えの場合

西洋ニンジンボクは耐陰性が弱いので、午前中から日当たりがよい場所に植えてあげるとよく育ちます。放置していてもある程度は育ってくれますが、極端に乾燥すると株が弱ってしまうので、ある程度湿り気を保てるような場所に植えるのがおすすめですよ。幹がぐんぐん伸びるので、周りの植物との距離を1m~2m程度開けておくといいですね。

鉢植えの場合

西洋ニンジンボクは背丈が大きくなる植物なので、できるだけ安定感のある鉢を利用しましょう。また、乾燥しすぎるのを防ぐためにも、深さのある大きめの鉢を利用するのもおすすめです。地植え同様、鉢植えの場合も日当たりのよい場所で育てましょう。

西洋ニンジンボクの育て方2.用土

地植えの場合

西洋ニンジンボクはどんな土壌でもよく育つと言われています。ただ、乾燥のし過ぎを嫌うため、砂地は避けたいですね。もしさらさらとした土に植える際は、腐葉土や堆肥などをたっぷりと混ぜ込み、保水性の高い土に改良しましょう。

鉢植えの場合

西洋ニンジンボクを鉢植えで楽しむ場合は、一般的な培養土を使用しましょう。また、鉢底には鉢底石を入れるのも忘れないようにしてくださいね。

西洋ニンジンボクの育て方3.植え方

セイヨウニンジンボクの植え方のポイントで一番重要なのは、植え付けの時期です。植え付けは2月から3月ごろ、新しい葉が生え始める前に行いましょう。ポット苗やプラ鉢で購入した際は、できるだけ土を崩さないような植え方をするのがおすすめです。ただ、購入した時点ですでに根詰まりしている場合は、根の先端から3分の1程度ならほぐしても問題ありません。

西洋ニンジンボクの育て方4.水やり

地植えの場合

西洋ニンジンボクはやや湿っている状態の土壌だとよく育ちます。ただ、湿りすぎもよくなくて、逆に乾きすぎもよくないです。そのため、根付くまではしっかりと水をやり、その後は雨が1週間以上降らない場合や葉が乾燥してきたときに水をやるようにしましょう。

鉢植えの場合

西洋ニンジンボクを鉢植えで育てている場合は、土の表面が乾いたらたっぷり水をあげましょう。ただ、鉢皿に溜まった水はきちんと捨て、常に土が湿った状態になるのだけは避けてくださいね。

西洋ニンジンボクの育て方5.追肥

西洋ニンジンボクは通常特に追肥を行う必要はありませんが、株の勢いが弱まったときや株をさらに大きく育てたいときは、2月か3月に緩効性肥料や油粕を与えましょう。追肥の量は使用する肥料のパッケージに書かれている分量で構いません。

西洋ニンジンボクの育て方6.増やし方


増やし方1.挿し木

西洋ニンジンボクの増やし方として一般的なのが挿し木です。挿し木による増やし方は簡単なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

挿し木の方法1.挿し木に適した時期

挿し木は9月、もしくは3月に行うのが一番失敗しにくいと言われています。挿し木による増やし方は、乾燥すると失敗しやすくなるので、あまり挿し木の経験がない人は、3月に行った方が気候的にも簡単かもしれませんね。

挿し木の方法2.挿し芽を用意する

勢いのある枝を先端から2~3節目で摘み、挿し芽として利用します。挿し木用の挿し芽を摘み取ったら、節から約1㎝下の部分をカッターナイフで斜めに切り、1時間程度水に挿しておきます。

挿し木の方法3.土に挿す

水揚げができたら、セルトレイや育苗用ポットに入れた挿し木用の土に挿し芽を挿します。その後、明るい日陰に置き、水を切らさないように管理し続けましょう。

新たに新芽が出るなど根付いたことが確認できたら、鉢や庭に定植しましょう。

増やし方2.種まき

西洋ニンジンボクは種まきによる増やし方も可能です。花が咲いた後に摘芯等せず放置しておくと、花がらが茶色く変色し乾いてきます。その中に種ができるので、種を採取して育苗ポットなどで育てましょう。種は、ポロポロと勝手に落ちていきます。すべて落ちてしまわないように、花が終わった後はしっかり観察して黒く成熟した種から順番に採取していきましょう。

西洋ニンジンボクの育て方7.植え替え方

地植えの場合

西洋ニンジンボクは根があまり密に生えないため、地植えの場合はできるだけ植え替えは行わないようにしましょう。どうしても植え替えが必要な場合は、3月~4月ごろに植え替えを行い、植え替え先の土をしっかりと作り、植え替え後根付くまでしっかりと水をやるようにしてくださいね。

鉢植えの場合

鉢植えの場合も地植え同様に、あまり植え替えはしない方がいいです。ただ、どうしても植え替えが必要な場合は3月~4月ごろに行いましょう。根を傷つけないように古い鉢から西洋ニンジンボクを抜き取り、根の表面から4分の1程度を軽くほぐし、1~2周り大きめの鉢に植え替えます。その際はたっぷりと腐葉土を入れ、元肥などもしっかりと施しておきましょう。

西洋ニンジンボクの育て方8.剪定のやり方

西洋ニンジンボクは剪定をしなくてもある程度美しい樹形に育ちます。ただ、生育が旺盛な植物なので、大きくなりすぎたと感じた際は、ある程度の切り戻しは可能です。しかし、西洋ニンジンボクは枝の数があまり多くありません。強めの剪定をすると枯れてしまうこともあるので、剪定をする際は株の大きさの3分の1程度までにとどめておきましょう。

西洋ニンジンボクの冬の管理方法

地植えの場合

西洋ニンジンボクは耐寒性は強いですが、冬の気温が-5℃を下回ると一気に株が衰弱化して枯れてしまいます。地植えの場合は、あらかじめ北風が当たる場所を避けた植え方をするのがおすすめです。また、冬になったら株元に敷き藁をしたり、腐葉土を厚めに敷き、保温効果を高めるのもいいですね。


鉢植えの場合

西洋ニンジンボクを鉢植えで育てている場合、冬の間は北風や霜が当たらない場所に移動させてあげるのが無難です。冬の間も日当たりのよいベランダがあれば、そこで育てるのが一番好ましいです。鉢植えの場合、冬の低温の影響を強く受けやすいです。晩秋から初冬の間に鉢植えを移動させておいた方がいいかもしれませんね。

西洋ニンジンボクの主な種類

西洋ニンジンボクの種類1.プルプレア

西洋ニンジンボクと同じハマゴウ属の種類に、プルプレアがあります。葉の形は異なりますが、花の形や色が似ていることから、「ニンジンボクプルプレア」という名前で流通しているのもよく見かけます。開花時期なども同じで植え方や育て方も似ているので、西洋ニンジンボクと一緒に育てるのも楽しいかもしれませんね。

西洋ニンジンボクの種類2.ロゼア

西洋ニンジンボクは紫色の花が一般的ですが、最近はうす桃色のロゼアの見かけるようになってきました。涼しげな色味で華やかさもあり、とても人気がある種類ですよ。

西洋ニンジンボクの種類3.シルバー・スパイア

西洋ニンジンボクには、白い花を咲かせる「シルバー・スパイア」という種類も人気です。紫色や薄桃色の花色の西洋ニンジンボクよりもさらに涼し気で、和洋問わずどんな庭にもなじむので、紫色の西洋ニンジンボクの種類には負けるものの、非常に多く流通するようになってきました。

西洋ニンジンボクで爽やかな庭づくりを

西洋ニンジンボクは、夏の暑さで花数が減る庭に、爽やかな色味を添えてくれる貴重な植物です。実は、西洋ニンジンボクは、近年まであまり園芸用として一般的ではありませんでした。しかし、開花時期に加え、葉の形状や茂りすぎない樹形も夏にぴったりなので、今後はさらに流通量が増加すると言われています。ぜひ西洋ニンジンボクを、爽やかで心地の良い庭づくりに役立ててくださいね。

ハーブが気になる方はこちらもチェック!

西洋ニンジンボクのほかにも、育て方が簡単なハーブは数多く存在しています。ハーブは1度植えるとあまり手入れをしなくても上手く育ってくれる種類が多いです。ぜひそのほかのハーブの栽培にもチャレンジしてみてくださいね。