カラミンサとは
カラミンサは育てやすい
カラミンサは、園芸店によっては「カラミント」という名前で販売されていることもあります。カラミンサは、地中海沿岸が原産地ですが、耐寒性の強い多年草のため、日本の気候でも越冬可能です。カラミンサを露地植えしていると、原産地と同様に、草丈が50cm程度まで大きく育ちます。そのうえ、カラミンサは病害虫にも強いため、多少手入れを怠ってもしっかりと育ってくれるので、ガーデニング初心者にも育てやすい品種と言えます。
カラミンサの花
カラミンサは、5月ごろから11月ごろまでが開花期で、小さな花を株いっぱいに咲かせます。花の色は、白いものが多いですが、ピンクや紫色のものも人気があり、よく見かけます。草丈が高く、小花を花茎にたくさん咲かせることから、切り花としての需要もあり、花束においてカスミソウのような使い方をされることも多いです。
カラミンサの入手方法
カラミンサの苗が並ぶのは初春ごろから
カラミンサは、苗を購入し育てるのが一般的です。園芸店やホームセンターなどでは、カラミンサの品種の1つ、「ネペタ」という名前で苗が販売されていることもあるので、カラミンサが見つからなくてもあきらめずに、店員さんに声をかけてみてくださいね。カラミンサは、4月ごろから徐々に苗を見かけるようになります。店頭に並ぶ時点で、15㎝程度の草丈になっているものも多いため、苗売り場でも目立っていますよ。
カラミンサの苗の選び方
カラミンサばブッシュ状(根元から枝が生えるため、どれも主幹のように見える樹形)の植物なので、苗を選ぶときは、たくさんの枝が生えているものを選ぶと、大きく育ちやすいです。また、できるだけ間延びしていない苗を選ぶのもポイントです。
ハーブの苗/カラミンサ3〜3.5号ポット2株セット
カラミンサの種もおすすめ
カラミンサは苗のほか、種の販売もあります。発芽率も比較的高いので、広い範囲にカラミンサを植えたい場合は、種を撒くのが効率的かもしれません。1株でも見ごたえのあるカラミンサは、広範囲に植えると、まさにカラミンサの海状態に。とても素晴らしい景色が広がりますよ。
FRANCHI社カラミンサの種
カラミンサの育て方1.栽培環境
カラミンサは日当たりが良い場所で育てると、花つきがよくなります。半日陰でもしっかりと育ちますが、やはり花の数は少なくなってしまうので、花を楽しみたい方は、できるだけ日向で育てましょう。ただ、カラミンサは乾燥した場所が非常に苦手なので、砂地への地植えや鉢植えの場合は、腐葉土やたい肥など保水性の高い用土をしっかりと混ぜ込んでおきましょう。
カラミンサの育て方2.土づくり
カラミンサは、一般的な培養土でもしっかり育ちますが、安価な培養土の場合は、腐葉土を少し足してあげると育てやすさが増しますよ。もし、自分でカラミンサ用の土を配合する場合は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:軽石1」を目安に、土を配合しましょう。乾燥は苦手ですが、通気性のよい土を好みます。鉢植えの場合は、鉢底石を必ず入れてくださいね。
カラミンサの育て方3.水やり
カラミンサは、乾燥すると一気に弱ってしまいます。そのため、根がしっかり張るまでは、地植えでも鉢植えでも、たっぷりと水やりをしましょう。また、カラミンサは水切れすると葉がしおれてきます。雨が降らない時期や夏場はこまめに葉の様子を確認し、葉に張りがないようであれば、土がしっかりと湿るまで水やりをしてあげてくださいね。
カラミンサの育て方4.肥料
カラミンサは植え付けの際、緩効性化学肥料を元肥としてしっかり入れておけば、特に追肥をしなくてもよく育ちます。ただ、株の勢いが衰えた場合や、大きく育てたい場合は、春と秋に追肥を行いましょう。使用する肥料は、緩効性化学肥料や油粕、液体肥料などどんな肥料でも構いません。ただ、使用量を守り、肥料やけを起こさないように注意してあげましょう。
カラミンサの育て方5.増やし方
増やし方1.種
カラミンサは、種で増やすことができます。発芽率もよいため、種による増やし方を意識しなくても、こぼれ種によって、気づけば株が増えているということもよくあります。もしこぼれ種で増えている場合は、ある程度成長したら広い場所に植え替えてあげましょう。
種まきの方法
カラミンサは1つの花茎にたくさんの花をつけるので、種の量も多いです。地面に落ちてしまった種を探すのは難しいので、カラミンサの花が終わって茶色っぽく変色してきたら、早めに種を採取しましょう。採取した種は、ポットやセルトレイに入れた土の表面に撒き、発芽するまで乾燥しないよう管理します。本葉が6~8枚生えたら、広い場所に定植しましょう。
増やし方2.株分け
カラミンサは、株分けによる増やし方もできます。株分けは、新芽が出始める前の3月ごろに行うと、株へのダメージが少なくてすみますよ。
株分けの方法
カラミンサの株分けの方法は一般的な株分けと同様、根を傷つけないように彫り上げ、土がついたままざっくりと2~3つに株分けします。もし、カラミンサの植え替えを予定している場合は、植え替えの際に一緒に株分けも行えば、手間も省けるうえ、株の負担も半分ですむのでおすすめです。植え替えと株分けを同時に行う場合も、3月ごろが適しています。
増やし方3.挿し木
カラミンサの増やし方には、挿し木という選択肢もあります。株分けや種まきより手間がかかりますが、挿し木も比較的成功率が高く、効率よく株の数を増やせるので、ぜひお試しください。
挿し木の方法
カラミンサの挿し木は、6月ごろと10月ごろに行いましょう。カラミンサの茎の中から、勢いのある茎を選び、5~10cmほどでカットします。カットしたカラミンサの茎は、そのまま挿し木用の土や赤玉土(小粒)、鹿沼土、川砂など栄養分のない清潔な土に挿し木します。2週間~3週間で発根するので、発根が確認されたら、一般的な培養土に移植しましょう。
カラミンサの育て方6.手入れ
手入れ1.コンパクトにするための切り戻し
カラミンサは、生長が旺盛なので、大きくなりすぎたら適宜切り戻しを行いましょう。切り戻しに最適な時期は、3月ごろです。切り戻しの際は、お好みのサイズまで切り戻して問題ありません。
手入れ2.花がら摘みを兼ねた切り戻し
カラミンサは、次々に花を咲かせますが、梅雨時期の5月下旬から6月ごろに花がら摘みを兼ねた切り戻しを行うと、夏場もある程度花の勢いを保てますよ。切り戻す量は、品種によって異なりますが、花がある程度なくなるまで切り戻しましょう。だいたい、株の3分の1から半分程度が目安です。
手入れ3.植え替え
カラミンサの株の勢いが衰えた場合は、植え替えで土を入れ替えるのがおすすめです。鉢植えの場合は、1~2まわり大きい鉢に植え替えると、さらに大株に育ちますよ。植え替えは、3月~4月、9月~10月ごろに行いましょう。植え替えの際は、土にたい肥や腐葉土などの有機質をしっかり入れて、湿らせてから植え付けます。カラミンサは乾燥に弱いです。しっかり根を崩して、根付きやすいように広げて植え替えましょう。
カラミンサをハーブとして楽しむ方法
カラミンサはハーブ
カラミンサはハーブの一種で、葉に触れるとミントの香りがします。そのため、ミント同様、ハーブティーとして楽しむことができますよ。
カラミンサはハーブティーで楽しむ
カラミンサのハーブティーは作り方も簡単です。適量カラミンサの葉を摘んできてお湯を注ぐだけでもできますし、カラミンサの葉を乾燥させてから楽しむこともできます。葉をそのまま使ったハーブティーはさわやかな味わいで、乾燥させて淹れたハーブティーは濃い香りがします。興味がある方は、両方試して、味わいの違いを楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
カラミンサはハーバルバスにもぴったり
カラミンサは、ハーバルバスにも利用できますよ。カラミンサの葉は、摘みたての葉も乾燥させた葉も、どちらもハーバルバスに使えます。いずれも、ガーゼなどにカラミンサの葉を適量包んで、お湯に入れるだけで、ハーバルバスが楽しめますよ。
カラミンサのハーブとしての効能
効能1.消化促進作用
カラミンサの効能の中でも有名なのは、消化促進作用です。胃もたれがするときに消化促進の効能があるカラミンサのハーブティーを飲むと、胃がすっきりし、徐々に食欲も戻ってきますよ。すっきりとした味わいなので、なんとなく体が重いな…と感じる日にもおすすめです。
効能2.発汗作用
カラミンサには、発汗作用という効能もあります。そのため、ハーバルバスにカラミンサを使用すると、発汗が促され、結果的に美肌やダイエットの効能も期待できますよ。ただ、のぼせてしまうこともあるので、入浴前にはしっかりと水分を取り、入浴中も水分を持ち込み、いつでも水分補給ができるようにしておきましょう。
効能3.風邪の諸症状への作用
風邪をひいたときに、カラミンサティーを飲むと、痰が取れたり、のどの痛みや頭痛が和らぐとも言われています。先述の通り、カラミンサには胃の調子を整える効果もあるので、風邪気味かな?と感じたら、カラミンサティーを飲んでみてもいいかもしれませんね。ただし、症状の改善がない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
カミランサの主な品種
カラミンサ・ネペタ
カラミンサ・ネペタは、カラミンサの中で最も流通している品種です。育てやすさも抜群で、その上花つきもいいので、初めてのカラミンサの栽培にもおすすめです。カラミンサ・ネペタは、すっと花茎が伸びるので見ごたえも十分で、切り花にもできますよ。
カラミンサ・グランディフローラ
カラミンサ・グランディフローラは、カラミンサ・ネペタよりも花や葉が大きいことで知られています。花の長さは3cmにも及ぶので、存在感も抜群ですよ。
カラミンサ・グランディフローラ・バリエガータ
カラミンサ・グランディフローラ・バリエガータは、葉に斑が入ったカラミンサの品種です。葉に斑が入るだけで、全体的に明るい雰囲気になるので、半日陰の花壇の印象を明るくするのにも役立ちますよ。
カラミンサの花も葉も楽しもう!
カラミンサがハーブだと知らない人は、いい香りの葉をもった美しい花というイメージしかないかもしれません。一方、カラミンサを葉を楽しむために育てている人は、美しい花が咲くことに驚くかもしれません。カラミンサは、数あるハーブの中でも花がとても美しい品種として人気です。カラミンサを育てる際は、ぜひ花も葉も楽しんで、心も体もリフレッシュさせましょう。
カラミンサが気になる方はこちらもチェック
カラミンサは花を楽しめるハーブとして人気ですが、ほかにも花が美しいハーブがあります。ハーブは香りを楽しめるうえ、育てやすい品種も多いので、ぜひお気に入りのハーブを見つけて、楽しんでみてくださいね。
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