ハーブを育ててみない?
英国風のお庭に憧れて、ハーブの寄せ植えをしてみたいと思われた方もいらっしゃるかもしれません。ハーブは畑の片隅やプランターなど小スペースでも丈夫に育つものも多く、育てておいておくと観賞用やお部屋のフレグランス、料理などいろいろアレンジもできるので楽しいですよ。 今回は図鑑形式にして、簡単にさらっとご紹介いたします。
1.初心者でも育てやすい、香味の定番ハーブ一覧
まずご紹介するのは、初心者でも育てやすいハーブの種類です。放っておいてもぐんぐん育つので、育てはじめは特にワクワクしますよ。
ハーブ図鑑1-1.ミント(ペパーミント)
よく見る爽やかな香料で人気のハーブ
よく見かけるハーブです。歯磨き粉や洗剤の香料として使われていたり、喫茶店のアイスクリームに添えてあったりするあのミントです。葉っぱの匂いを嗅ぐとスッとするメントールの香りがします。地下茎で増えるミントは、水につけておくだけでも根っこが伸びやすく、放っておいてもどんどん増える性質があります。写真でも群生している姿が見てとれるでしょう。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:3~4月,または9~10月 ・収穫:3~11月 ・効能:抗菌効果や清涼効果、また血管を広げる効果など
ハーブ図鑑1-2.オレガノ
トマトやチーズとの相性◎
地中海沿岸原産のシソ科の多年草です。香りが強く肉料理などに味の引きたて役として大活躍。トマトやチーズとも相性のよいハーブです。とても強く育てやすい反面、高温多湿に弱い性質があります。夏は特に風通しのよいところに置くようにします。また乾燥に強いので、水やりは控えめに。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:4月中旬~6月上旬 ・収穫:株が茂りはじめたら収穫可能です。必要な分を株元から10㎝程度残すようにハサミで切り取ります。 ・効能:抗ウイルス、抗菌作用、抗酸化作用によるアンチエイジング効果など
ハーブ図鑑1-3.レモンバーム
レモンのさわやかな香りが魅力的
ハーブ園などでも見かけたことがあるかもしれません。名前にあるとおり、レモンのさわやかな香りをもつハーブです。ミントと同じように育てやすさではおすすめです。また一年中収穫できるのもメリットです。さわやかなレモンの香りをハーブティーでいただくのもおすすめ。さわやかな香りで不安な気持ちや緊張を和らげてくれます。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:4~10月 ・収穫:1年中 ・効能:抗うつ作用、抗菌作用や抗ウイルス作用、不眠症や生理不順の改善
ハーブ図鑑1-4.ローズゼラニウム
蚊よけにもなる!?
エッセンシャルオイルにも使われる香り高いローズゼラニウムは、蚊が嫌がる香りをもっていることから別名、「蚊蓮草」と呼ばれています。写真にもある薄紫色の可憐な花がかわいいですね。ベランダや窓際においておくと虫よけにもなるので便利ですし、寒さにも強く丈夫な性質、挿し木でも簡単に増やすことができます。切った茎を一度日陰で乾燥させてから、砂に挿しておくだけで発芽します。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:9月~11月 ・収穫:7月頃(花の収穫を兼ねて収穫) ・効能:抗うつ作用、抗菌作用、自律神経を整える、更年期障害・女性特有の症状への効果、利尿作用など
ハーブ図鑑1-5.ローズマリー
育ちやすく香りが強い種類のハーブ
こちらもよく見かける種類です。強い香りと薬効があり、「若返りのハーブ」といわれています。肉の鮮度を長持ちさせる効果があり、肉料理にはお菓子のエッセンスとして用いられることもあるようです。毎年どんどん大きく育つので、いつのまにかこんもり茂った「木」のようになっていることもあるので、真夏の時期を避けて古い枝や葉っぱを生え際から取り除きましょう。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:4~6月、9~10月 ・収穫:4~11月 ・効能:記憶力や集中力を高める作用、血行促進、消化機能を高めるなど ※ポイント:日当たりのよい場所におき、風通しがよく乾燥した状態を保つ。
2.生で食べたり料理に添えたりするとおいしいハーブ一覧
次に肉や魚料理のスパイスとして用いたり、葉をそのままパスタやサラダに加えて食べたりできる便利な食用ハーブの種類についてご紹介いたします。洋風、エスニック風の料理に使われることが多いです。料理に添えることで写真にもあるように色合いや風味がぐっと違ってきますよ。またイタリアンパセリやルッコラなどはキッチンの窓際でポットを置いて育てる「窓際ガーデニング」にもおすすめです。
ハーブ図鑑2-1.イタリアンパセリ
パセリの種類でもマイルドな風味
写真で見ると普通のパセリと違って平べっい葉っぱが特徴なのがわかるでしょうか。マイルドな風味で料理に使いやすく、スープやサラダに加えてもおいしくいただける人気のハーブです。 春、または秋に良く育ち15~20度ぐらいの気温下、そして日当たりと水はけのよい環境で育てるのがポイントです。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:3~5月頃、9~10月 ・収穫:1~5月、7~10月 ・効能:抗菌作用、殺菌作用、βカロテン、ビタミンCによる抗酸化作用など。
ハーブ図鑑2-2.シャンツァイ(コリアンダー)
別名はいろいろあるがすべて同じ種類
別名「コリアンダー」となっていますが、「パクチー」とも呼ばれおり、タイ料理やベトナム料理によく使われていますよね。独特の香りがあることから、好き嫌いが分かれやすい香草でもあります。夏の強い日差しを浴びすぎると塔立ち(開花)し、葉が硬くなってしまうので寒冷地以外では秋に種まき、植え付けするのをおすすめします。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け:3~5月、または9~10月 ・収穫:3~6月 ・効能:ビタミンCやビタミンB2など豊富なビタミン類が含まれていることから、美肌効果や口内炎やニキビ予防、老化予防や疲労回復効果がある。
ハーブ図鑑2-3.バジル
イタリア料理でよく使われる人気のハーブ
ピザやパスタなどイタリア料理によく使われている人気のハーブ。特にトマトやチーズとの相性はバツグン!料理でのトマトはもちろんですが、トマトの栽培時にトマトの近くに植えておくことで、トマトの風味がよくなる「コンパニオンプランツ」の1種です。春ごろに種まきをすると夏に花を咲かせ、晩秋の頃枯れる1年草です。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け 3~6月 ・収穫5~11月 ・効能:心身及び中枢神経の強壮作用、鎮静、抗菌、抗うつ作用、便秘作用など
ハーブ図鑑2-4.ルッコラ
種類もいろいろ、料理アレンジも豊富なハーブ
イタリアでは「ルッコラ」、フランスでは「ロケット」と呼ばれています。生で食べられる葉はごまに似た風味とぴりっとした辛みがあり、サラダにしたり、パスタ、ピザなどのトッピングにしたりアレンジもいろいろ。日当たりが強すぎると葉が硬くなり苦みが増すので、半日陰もしくは1日のうちの2~3時間日光が当たるぐらいでの環境のほうが葉が柔らかく育ちおいしくいただけます。乾燥に強いので水やりは控えめに、またアブラムシやアオムシに食べられやすいのが難点。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け 3~6月,または9~10月 ・収穫3~11月 ・効能:ビタミンEやビタミンCなど風邪予防や美肌効果、βカロテンによる皮膚や粘膜を守る働きなど
ハーブ図鑑2-5.クレソン
水耕栽培に適した種類のハーブ
別名「オランダミズガラシ」と呼ばれ、ピリッとした辛みと独特の香りが特徴のハーブです。洋食レストランでお肉料理の付け合わせの野菜というイメージがありますが、最近ではスーパーなどでもよく見かけるようになり、サラダや炒め物、和え物などさまざまな料理に利用されています。もともと清流の近くに生えることが多かったクレソンは、水を好みます。写真では土に植わっているようですが、ご自宅で水耕栽培可能です。 【育て方・効能一覧】 ・植え付け 4~5月,または9~11月 ・収穫:(1年中 ※冬場に5度を下回らないように管理すること) ・効能:ビタミン類が豊富なため、抗菌効果や血液酸化防止、高血圧予防の効果がある。
3.花や実を楽しむハーブ
ここでご紹介するハーブは、葉だけでなく花の見た目がきれいです。また他のハーブと同様香りもよく、精神の安定作用や美肌効果なども期待できる種類もあります。ちなみに写真はワイルドストロベリーです。
ハーブ図鑑3-1.カモミール
2種類から選べる。ハーブティーにおすすめのハーブ
リンゴのような香りの花が特徴のハーブ。種から育てる「ジャーマン種」と苗を植えて育てる「ローマン種」の2種類があります。「カモミールティー」はハーブティーの中でもよく名前を聞きますよね。お風呂に入れると美肌効果があるといわれています。一株植えるとどんどん育つ丈夫な性質。写真でも群生していますね。時に踏まれても生き延びます。日当たりのよい場所で乾燥気味に栽培すると大きく育ちます。 【育て方・効能などについて】 ・植え付け (ジャーマン種)3~5月、(ローマン種)9~10月 ・収穫:3~5月、6~7月 ・効能:鎮静、抗炎症、発汗、消化促進、抗菌・殺菌、利尿作用など
ハーブ図鑑3-2.ラベンダー
ポピュラーなハーブ。リラックスできる香り
ポプリやお部屋のフレグランスなどにもよく使われる香りの人気のハーブ。精神鎮静作用やリラックス効果があり、ニキビ予防やストレス予防に効果的です。育てるときは、初心者の場合は苗を買って育てるのがおすすめ。 土が乾燥したら水やりを。風通しのよい明るい場所において育てましょう。 【育て方・効能などについて】 ・植え付け 3~4月、または9~10月 ・収穫:3~11月 ・効能:抗菌効果や抗感染作用、安眠作用、神経バランス作用など他多数の効能あり
ハーブ図鑑3-3.ワイルドストロベリー
白い種類もある。甘いイチゴの香りが魅惑的。
別名「エゾヘビイチゴ」といって、春から夏にかけてイチゴによく似た赤い小さな実を付け、甘い香りが漂います。実はそのままだと種が多いので、イチゴジャムの香味づけとして加えるなどして食用とします。葉はハーブティーにもできます。暑さや乾燥にも強く、種が落ちるとよく増えます。実がなると恋愛や結婚などに関する幸せが訪れるというジンクスもある、若い女性の間でも人気のハーブです。 【育て方・効能などについて】 ・植え付け:4月~5月、9月~10月 ・収穫:5~10月頃(実を収穫する場合) ・効能:肝臓の機能を高める効果や、体内の浄化作用が促進される効果など
ハーブ図鑑3-4.アーティチョーク
つぼみを食べるハーブ!?
フランスなどでは野菜としてポピュラーな存在として知られるハーブの仲間です。開花する前のつぼみを摘み取り、がくをゆでてソースなどで味付けして食べるとおいしくいただけます。一年を通して日当たりの良い場所で育てましょう。茎にアブラムシが付きやすいので早めに駆除しましょう。 【育て方・効能などについて】 ・植え付け:4月頃 ・収穫:6~9月 ・効能:胆汁分泌促進、肝臓を強くする、コレステロール低下、消化促進、利尿作用など
ハーブ図鑑3-5.ナスタチウム
赤や黄色など花の種類はいくつかある
「キンレンカ」といわれる葉や花は食用になりピリッとした辛みがあり、サラダの彩りなどにも最適です。赤や黄色の鮮やかな花は、ただ植えておくだけでも美しいので畑が華やかになります。花の香りが独特なのでアブラムシを遠ざけるといわれ、コンパニオンプランツとして利用されることもあります。高温多湿に弱いので、夏に枯れてしまったり見栄えが汚くなってしまったりすることがあります。 【育て方・効能などについて】 ・植え付け:4~6月 ・収穫5~7月、9~10月 ・効能:ビタミンCや、鉄分などが多く含まれ、強壮作用があるといわれている。
ハーブを育てて日常生活に癒しを
ハーブがあるだけで食卓にも新たな彩りが加わり、日常生活に癒しがもたらされることでしょう。 ここでご紹介した以外にもまだまだハーブの種類についてはたくさんあります。ハーブの種類によっては増えすぎて畑や花壇を占領してしまうこともありますので、最初はプランターや鉢植えにしてあらかじめ分けて植えることをおすすめします。