グラトリとは何?
グラウンド・トリック略して《グラトリ》
スノボード用語でグラウンド・トリックを略してグラトリと呼んでいます。人によってはグランド・トリックとも言っていますが、2017-2018シーズンでも同じ意味で捉えられています。
《グラウンド》とは地面とか平面という意味で使われますが、ここでは【雪面】という意味です。《トリック》は仕掛けなどの意味を持ちますが、スノーボードの世界では【技】という意味を持ちます。したがってグラウンド・トリックは【雪面で行う技】という意味です。
スノーパークではなくコース上で魅せる技=トリック
もともとトリックはキッカーやレール・ボックスなどのアイテムが置いてあるスノーパークで魅せる技のことを指していましたが、グラトリはそこから派生した雪面で魅せる技です。
長年のトレーニングや経験が必要で危険を伴うスノーパークで行うトリックとは違い、初心者でも手軽に行うことが出来るため最近はとても人気があります。もちろん逆エッヂなどの危険はありますが、骨折などの重傷を負う確立はスノーパークに比べ格段に低いです。
誰でも出来るようになるグラトリ専用の板
グラトリのために出来た板はトリックがやりやすい
スノーボードは様々な種類があり、どんなこともある程度できるフリーラン用の板やパウダースノーを滑るために出来た板、キッカーやジブなどで使いやすい板などそれぞれに特化した板があります。
もちろんグラトリ用に作られた板も存在し、はじめたばかりの初心者も単純なグラトリがすぐ出来たりもします。
グラトリ専用のメリット・デメリット
グラトリ専用の板のメリットはなんといっても初心者でもすぐにグラトリを行いやすく設計されている所でしょう。単純なプレスや雪面に板を付けたままスピンするなら1日目でも出来る人は居ます。
デメリットは少し癖のある設計がされていますので、スノーボードの基礎が疎かになります。もちろん人それぞれでしょうが、出来れば初心者の人はフリーラン用の板を選び滑り込んだあとにグラトリ用の板を購入したほうが良いでしょう。
グラトリ専用の板じゃなくても大丈夫?
グラトリはどんな板でも出来る
上でも書きましたがスノーボードには色々な種類があります。そのなかでもフリーラン用の板を購入すればどんな場所でも滑ることができます。もちろんそれはグラトリも一緒で、慣れればグラトリ用の板よりもフリーラン用の板のほうがグラトリがやりやすいという人も居ます。
グラトリを極めれば大袈裟に言うようですがどんな板でも出来ます。
グラトリ専用の板と比べればやりづらい
どんな板でもグラトリができると書きましたが、やりやすさでいえばグラトリ専用の板に敵いません。グラトリ専用の板はライダーさんが何度もテストを重ね、フラックスやトーション、キャンバーの高さをそれこそミリ単位でテストして出来た板です。
このようにグラトリに特化して作られた板なので、個人差はありますが一般人にとってこれ以上グラトリがやりやすい板はないでしょう。
グラトリ用の板の特徴とは?
グラトリ用の板は基本的にツインチップ
グラトリは様々なトリックを混ぜる複雑なトリックです。基本的には雪面や空中などで行う《スピン》や板を反らして滑る《プレス》などを複合的に行います。
もちろん自分のスタンスとは逆向きで滑るスイッチも多用するので基本的に使用するのは前後同じ形のツインチップの板です。
スノーボードはみんな同じような形状に見えますが、前後の形が違う《ディレクショナル》という板もあります。
《ディレクショナル》と《ツインチップ》のいいところをあわせた《ディレクショナルツイン》というものも存在しますが、グラトリで使う板はツインチップが多いです。
グラトリ用の板はとにかく柔らかい
グラトリには基本トリックに《プレス》というものがあります。《マニュアル》とも呼ばれますが、これは雪面に対して板を反らせ、片側を浮かせるトリックです。このためグラトリの板は柔らかいものが多いです。2017-2018シーズンも、来シーズンもこのスタンスは各社変わらないでしょう。
グラトリ用の板のキャンバーはフラット寄り
スノーボードの板は平面に置くと真ん中部分か少し浮いています。この部分を《キャンバー》と言い、詳しくは書き出せませんが、簡単に言うとキャンバーがあることでターンがしやすく、板の反発も強くなる傾向にあります。
グラトリ用の板は基本的にキャンバーがあまりありません。キャンバーが無い事を《フラットキャンバー》と言いますが、グラトリ用の板はフラット寄りのキャンバーが多いです。
板が逆に反っている《ロッカー》と呼ばれる板もありますが、ここ最近では《ダブルキャンバー》と呼ばれるキャンバーが2箇所あるものが好まれています。
グラトリ用の板の選び方
長さは自分の身長から-20cmでそこから+-5cm以内!
通常のスノーボードの板の長さの選び方として、不変の法則【身長-15cmくらい】がありますが、グラトリ用の板はさらに短めのものが好まれます。
それは小回りを利きやすくするためです。もちろん短ければ短いほうが小回りは利きやすくなりますが、安定感が無くなるというデメリットがあるため、そういう基準が出来ました。
硬さは少し柔らかめのものがベター
スノーボードの板の硬さは少し柔らかめの板を選ぶのが良いでしょう。最近の板は総じて柔らかめですが、グラトリを行うならある程度の反発も必要になります。正直言いますとどの程度の柔らかさが良いのかという基準は一般人にはわかりません。
私はスノーボード暦15年以上ありますがいまだにわかりません。なのでショップの店員に確認してもらうのが一番確実です。
また、スポーツ用品を扱う量販店で売られている1万円台の板はもの凄い柔らかいです、ですがこういう板はただ柔らかいだけで反発力は無く、おすすめは出来ません。
板の形状はできればツインチップで
長さと硬さの次は形状です。上でも述べましたが形状は3種類ありますが出来ればツインチップの板を選びましょう。
グラトリ専用の物はほぼツインチップですが、フリーランやスノーパークなどにも入ってみたいという人はショップによってはディレクショナルをおすすめされる場合もあります。主にグラトリをやりたいという人は出来れば前後の形が一緒なツインチップの形状の板を選びましょう。
グラトリ用の板を購入する際の注意点
初心者はネットで買うのではなく必ずショップなどで自分の目で見て買う
ある程度滑り込むと、【この板はどんな板で自分の滑りに合っているか】などわかってきますが、初心者の人は分からないと思います。初心者以外の方でも、今までフリーランのみやってきた人が『これからグラトリをメインでやりたい!』と思いネットで購入する事をしないほうがいいでしょう。
中途半端な知識で板を購入し、痛い思いをするならショップに自ら赴き店員さんと相談しながら板を選ぶのが確実です。そこでは板の特徴などだけではなく、長さや硬さ、色々な知識も教えてもらえるなどデメリットが全くないので是非自分の目で見て触って板を選びましょう。
おすすめグラトリ板10選①
011 Artistic《DOUBLE SPIN》
2017-18シーズンの遥か以前から、スノーパークのジブやグラトリをメインに考えて板を製作した元祖である【011 Artistic(ゼロワンワン)】。中でも人気の《DOUBLE SPIN》は硬さとフレックスの柔らかさを両立させた万能スノーボードです。
扱いやすい板にダブルキャンバーを搭載し、グラトリ好きにかなり好まれる作りになった1枚です。
おすすめグラトリ板10選②
011 Artistic《BALANCE SPIN》
ある程度の反発力を保ったまま、限界までフレックスの柔らかさを求めた今年から出る新作の《BALANCE SPIN》。こちらもダブルキャンバーを採用し、硬さもキープしているという名前のとおりバランスの取れた板です。
この板の特徴の2段サイドカーブという形状はエッヂングのクイックさを増し、カービングなどもスムーズに行うことが出来る設計になっています。
おすすめグラトリ板10選③
NOVEMBER SNOWMATERIAL《DESIRE》
フリーランからパウダーランまで、何でも出来る万能スノーボードを作り出している人気のスノーボードブランド【NOVEMBER SNOWMATERIAL(ノベンバー)】の中でも《DESIRE》はグラトリとジブに特化させたスノーボードです。
形状は普通のスノーボードに見えますが、その実いろいろ工夫がされており、グラトリで重要な小回りも利きやすくなっています。サイズも138cmから154cmと女性も選べるのも人気の一つ。
キャンバーの形状は【フリーキャンバー】呼ばれている【ロッカーボード】でスピンのしやすさもメリットです。
おすすめグラトリ板10選④
NOVEMBER SNOWMATERIAL《ARTISTE》
ノベンバーで一番人気の《ARTISTE》はどんな状況でも対応できる高性能オールラウンドフルツイン。ライダーが数々のテストを重ねた結果出した答えがこの板です。
スノーパークではジブやキッカーも余裕で対応し、グラトリでは高い反発力を利用した空中でのスピンも難なくこなせます。板の長さも多数揃えてあり、女性でも対応しています。その性能を見ればこの人気の高さは理解できます。
おすすめグラトリ板10選⑤
TORQREX《UNICORN GlassPopper》
以前は高い反発力を生む固めのフレックスが主流だった【TORQREX(トルクレックス)】が出した軽量で遊べるキャンバーボードの《UNICORN GlassPopper》、この板の特徴はグラスハイキャンバーと呼ばれる特殊なキャンバー構造です。
通常足の下辺りにある雪面との設置面が少し広めに取ってあり、正確なカービングやキッカー・ハーフパイプなどでの安定感を出すことが出来るようになっています。
もちろんグラトリにも利用でき、ギャップなどを利用しなくてもコース上で高く長いエアをすることができ、グラトリで高回転スピンも夢じゃありません。
おすすめグラトリ板10選⑥
ACC SNOWBOARD《CASINO》
【ACC SNOWBOARD】の《CASINO》はグラトリからパウダーランまであらゆる状況で性能を発揮する高性能スノーボードです。
もちろんパウダーランなどする場合は少し長い板を利用したほうが良いでしょうが、特徴であるクセのないダブルキャンバー形状が数々のフィールドでの滑りをサポートしてくれる人気の板です。
おすすめグラトリ板10選⑦
ALLIAN SNOWBOARDS《DAMAGE》
今現在、私も利用している【ALLIAN SNOWBOARDS(アライアン)】の《DAMAGE》は本当に扱いやすい板です。ちゃんと自分に合った長さの板を利用すれば、適度な硬さに高反発の板が考えたとおりに動いてくれるオールラウンドツインです。
性能の高さの割りに手が出しやすいお値段なのでアライアンの中でも人気があり、サイズも様々な長さが用意されています。
とくにこれといった個性的な特徴などはありませんが、「スノーパーク回しついでにグラトリもしたい!」という私のような欲張りには是非おすすめの板です。
おすすめグラトリ板10選⑧
ALLIAN SNOWBOARDS《GRIND》
アライアンの中でもグラトリよりの性能を持つ《GRIND》はキャンバーも2mm程しかない低さと取り回しのよさからスケート感覚で使える板です。硬さは柔らかめで長さのサイズは151cmから155cmまでの3種類のみです。反発力も適度にあり、値段も安いためセカンドボードとして持つのも良いでしょう。
おすすめグラトリ板10選⑨
眞空雪板等《SHOKI》
【眞空雪板等(まくうせっぱんとう)】の《SHOKI》はグラトリ好きおすすめのソフトフレックスキャンバーモデルの板です。硬さは柔らかく、特徴的な形状のテールとノーズの部分にVの字でカーボンを仕込んであり、反発力と粘りのあるグラトリが可能になりました。長さのサイズは150cmと152cmの2種類しかなく使う人を選びますが、その性能を使いこなせればコース上で目立てる事間違いなしの板です。
おすすめグラトリ板10選⑩
RICE28《GTS》
【RICE28】の数々の板の中で、グラトリを極限まで追求したモデルの《GTS》。公式も「玄人も唸る性能」と言うようにグラトリのみに特化させた板です。その特徴は足下に入れてあるプレートのおかげで得られる板と身体の一体感です。長さのサイズは4種類とそれほど多くは無いですが、老舗のスノーボードブランドがここまで自信をもっておすすめするくらいですから、グラトリ好きなら一度は使ってみたいと思う性能の板でしょう。
まとめ
自分だけの一枚を探す参考に!
2017-2018シーズンも雪山で遊びまくった皆さんに向け、ベテランから来シーズンはグラトリに挑戦してみたい初心者の人達までの記事を作りました。
ここで紹介したスノーボードブランド以外でもグラトリ向きの性能の板は出していますが最低限ここの板を抑えておけば間違いないという板を選出してみました。
ですが結局は自分自身の手で自分に合った板を探すと思います。色々なブランドのサイトの説明文を読んで、どれが人気でどんな性能で特徴はなんなのか、硬さや反発力はどうなのか、長さはあるかなど調べ、実際に興味のある板を扱っているショップで見てみて触って、是非自分の一枚を探してください。
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