フロントガラスの油膜とは?
油膜とはシリコン
油膜とはその名の通り油の膜です。車のフロントガラス表面に出来てしまい運転手に主に視界面で悪影響を及ぼします。油膜の原因はシリコンです。そのシリコンが車のフロントガラスに付着して視界を悪くします。
日中のみ車を運転する人にも多少は影響がありますが、夜間雨天時に運転する場合は特に注意する必要があり、最悪命に関わる事故に繋がる可能性もあります。
外だけじゃない!?車内に出来るフロントガラスの油膜とは
車外と車内、意外と気付かないフロントガラスの油膜
車内側に付着する油膜は意外とみなさん気が付かれないのではないでしょうか?「油膜が出来るのはフロントガラスの外側」と考えている人が多いので放置してしまう方も多いです。車内に出来る油膜も夜間走行中に光の乱反射を起こし、事故の原因になることもあります。
車内の油膜は人の手で付く?
フロントガラスの車内側の油膜は主に車内清掃や結露拭きなどでふいに触ってしまったさいに手の油が付くことが主な原因と言われています。
ほんの少し触るだけですが、それも蓄積されると立派な油膜となるのでしょう。あとは子供が手でガラスを触ってしまうということも原因の一つです。ただ子供がつけた手の跡ははっきり見えるためすぐ気付きます。
意外な落とし穴!窓を開けておくと外気に含まれた脂分が油膜の原因になることも
少し窓を開けた状態で放置したとき、脂分を含んだ一般家庭や飲食店から排気されたものが車内に入ったために油膜が出来てしまうこともあります。
特に夏場は朝といえども車内の温度は非常に高くなるため、ドアバイザー分少し窓を開けておく方も居るのではないでしょうか。焼肉店など油を含んだ空気を排出する飲食店の近くに駐車する際は出来るだけ閉めるよう心がけましょう。
フロントガラスに油膜が付くとどうなる?
視界不良を起こす
フロントガラスの表面に幕のような薄い層が視界を悪くします。晴れている日や日中車を運転しているとあまり気が付きませんが、雨の日の夜は対向車のヘッドライトに反射し視界を悪くします。もし油膜がひどい状態で雨天時で夜対向車がハイビームにしていたりするとフロントガラス全体が光り輝きホワイトアウトになることもあります。
雨の日の水捌けが悪くなる
フロントガラスに油膜が付着すると、たとえワイパーで雨をふき取っても薄い膜のようなものが残ってしまいます。ワイパーが劣化してしまった場合も考えられますが、交換したあとも同様の症状が続く場合は油膜が原因でしょう。
実際はフロントガラスと油膜の上に付いている雨水はちゃんとワイパーがふき取っていますが、油膜の層の雨水はこびり付き、ワイパーでは取れないため水捌けが悪くなったと思うようになります。
夜のあらゆる光が乱反射する
油膜は光を乱反射させます。《ギラつく》とも表現されますね。対向車のヘッドライトはもちろん、街頭や看板、スポットライトなどあらゆる光が輝いて見えます。その結果フロントガラス全体が真っ白になってしまうことすらあります。
これは雪国などで吹雪の際に見られる《ホワイトアウト》に近いためそう呼ばれることもあります。特に対向車のヘッドライトのハイビームは通常より数段眩しく、目を細めたりするほどです。
フロントガラスの油膜の原因の数々
原因として一番多いかも?カーワックスが落ちてフロントガラスに付着する
油膜の原因となるシリコンは脂分を主成分としています。その最も原因と言われているのはカーワックスです。ボディの表面に付けるカーワックス、主にルーフ(天井)にしたワックスが少しずつ剥がれ、流れ落ちてきたものがフロントガラスの付着し蓄積した結果油膜となります。
他の車の排気ガスに含まれる油が付着する
車の排気ガスの中にも微量の脂分が含まれています。それが少しずつ蓄積されて油膜を作ります。車を通勤に使っている方は朝のラッシュ時や帰宅時間帯の渋滞時に大量の排気ガスを浴びているので原因の一つになります。
また毎日車を使用しなくても、駐車している場所が車の通りが激しい所だと排気ガスが多く漂っているため油膜を作る一因になるでしょう。
撥水コーティング剤の劣化が原因の場合も
フロントガラスに塗布する撥水コーティングの劣化が油膜の原因にもなります。撥水コーティング剤にも変性シリコーンという油膜の原因となる成分が含有されており、それが劣化・蓄積することにより油膜を形成します。
盲点!お店の換気扇から出てくる脂分が原因の場合も
これは昔から言われている事なのですが、飲食店の換気扇近くに駐車したことにより急速に油膜を形成する事があります。『買ったばかりの新車が油膜付だった』という悩みを抱えている人で、飲食店の換気扇から出てくる排気の中に含まれていた脂分がフロントガラスに付着したせいだったという話を聞いたことがあります。
上でも述べましたが、焼肉店や揚げ物屋の近くの長時間駐車するとすぐに油膜を作ります。何度油膜を取り除いてもすぐ付着してしまうという方は、これが原因の場合もあります。
とにかく落ちないフロントガラスの油膜
蓄積されたシリコンは落としづらい
長い時間をかけて何層にも重なった油膜は本当に落としづらいです。油膜を生成する主成分のシリコンはカーワックスや撥水コーティング剤、大気中を漂う脂分に含有されたものですが、落ちない理由はシリコンのゲル化と言われています。
ワックスなどのコーティングがフロントガラスに流れ、それが太陽光などの熱により乾き液体から固体状態へ変化したことをゲル化と言われます。ゲル化したシリコンが蓄積されたことにより非常に頑強な油膜層が出来たため落としづらくなります。
取り終えた思った油膜、実は取れていません
上でも述べましたが何層にもなっている油膜は落としたと思っても実際は落としきれていないことがよくあります。油膜表面だけを落としても最初はきれいになったと感じますが、残った油膜成分の上はシリコンが付きやすくなっているため、新たに大気中やコーティング剤に含有されているシリコン成分がすぐ付着します。
それは油膜?それとも水垢?分かりづらい2つの原因
光に反射する油膜
フロントガラス等に付いている汚れを全て油膜と言うわけではありません。油膜は今まで述べてきたような原因がもとでフロントガラスに何層にも重なって付着するシリコン成分です。油が染みたようなこの油膜は光を乱反射させ、特に雨の日の夜間の走行時に視界を悪くさせるものです。
通称《ウロコ》頑固な汚れの水垢
水垢はガラス表面に水滴のような丸い跡が付いているものを言います。これは特に晴れた日に洗車をした際、よく水を拭き取らなかったせいで出来ます。
原因は残っていた水滴が太陽光で乾き、その水滴の中に入っていた汚れが固まったものです。汚れは様々なものがあり、空気中の埃や砂粒などがまとまり固まるため非常に頑固な汚れになります。その結果ただ洗車しただけでは落とすことができず、丸い跡を作ります。
フロントガラスの油膜の簡単な落とし方
家庭用品でも可能!すぐ出来る油膜取り
油膜はその名の通り油の膜なので家庭用洗剤で油を取るようなものでも落とす事が可能です。食器洗いようの洗剤や、CMで『ガンコな油汚れにはコレ!』と謳われているような洗剤は効果が望めます。また同様にお皿を洗う際に使われるスコッチブライトやスポンジなど食器洗いに使用されるものは効果が期待できますね。
新聞紙を利用した油膜の取り方
意外と思いますが新聞紙を利用しても油膜を取ることが可能です。新聞紙に使用されているインクが油膜と反応して浮かび上がらせるためです。
濡らした新聞紙でフロントガラスを拭き油膜を浮かび上がらせ、仕上げに乾いた布などで拭きあげることで水だけでは取れない油膜を少し落とすことが可能です。やり方は簡単ですが効果的かといわれれば疑問が残ります。
カー用品を使った油膜取り
カー用品店で売られているものでも手軽で簡単に油膜を落とす事が出来るものがあります。手軽さで言えば油膜取りシートなどがあります。これは洗車後など綺麗になったフロントガラスに使用します。ある程度力を入れて擦ると油膜を落とす事が出来ます。
また、油膜取りのウォッシャー液なども売られています。ただウォッシャー液の油膜落としはあくまで油膜落とし剤が入っている液体をフロントガラスの汚れ落としに使用し、ワイパーで広げるのみなので効果は薄いです。
カー用品で簡単にガッツリ油膜取り
上で述べた家庭用品やカー用品で行う油膜取りは、汚れ落しなどと兼用できるようなとても簡単でお手軽にできるもので効果がそれほど長続きしません。そこで使用したいのが油膜落とし専用のカー用品です。これらは色々なカー用品を扱う会社が出しています。油膜取り専用ということで非常に強力な効果が望めるものです。
使用方法は洗車しフロントガラスに汚れが残っていない状態のときに塗布し力を入れて擦り、油膜成分を浮かび上がらせ成分を拭き取ります。他の方法に比べれば少し手間はかかりますが、それでもそこまで時間はかからず、一回でほとんどの油膜を取り除く事が出来るので結果的には時間短縮になるでしょう。
スプレーやシートなど色々種類がある油膜取り方法
カー用品店で手に入る油膜取りの種類
今まで述べてきた油膜の取りかたは色々ありますが、カー用品店でどのような油膜取りがあるのかを調べてみました。他の作業ついでに出来る非常に簡単なものから、油膜のみにスポットを当てた油膜落としまで数種類あります。
ただ拭くだけのシート式油膜取り
お手ごろさでみるなら一番簡単ではないでしょうか?フロントガラスの汚れ落としと同時に油膜を落とすシート式の油膜取り。
フロントガラスが汚れて見づらい時やワイパーがかけられたところとかけられていないところの境目が気になるときなどサッとふきあげる事が出来ます。ただ、表面の汚れ取りがメインなので、油膜鳥としての効果はそれほど期待できません。
スプレー式の油膜取り
スプレー缶や霧吹き状のもので油膜を落とすタイプのものです。シート式のものと同様に油膜の取り方は簡単で、フロントガラスに拭きつけた油膜落とし成分付きの液体をただふきあげるだけのものです。単純な油膜の取り方ですが、上で述べたシート式に比べ直接液体を拭きつけることで効果は格段にあがります。
ウォッシャー液に油膜取り効果を!
ウォッシャー液に油膜取り成分を含有させる事で汚れ落としついでに油膜まで対応する取り方です。最近では撥水効果のウォッシャー液がメジャーですが、頑丈な油膜に悩んでいる方はこちらを選ぶのもありではないでしょうか。さすがに相反する撥水効果と油膜取り効果が同時にあるウォッシャー液は無いです。
油膜を撃滅!塗りこみタイプの油膜取り
本当に取れない油膜に対してはこの塗りこみタイプを使用しましょう。主に油膜取り専用で売られているものです。ですが油膜の取り方は他に比べれば手間がかかります。
それほど車を使わない方、夜間運転しない方など油膜をあまり気にならない時に運転されている人の車はかなり油膜層が蓄積されているでしょう。そういう簡単な方法で取りきれない油膜に対してはこの塗りこみタイプでないと落ちないでしょう。
意外に使える!?油膜落としにウーロン茶
ウーロン茶で油膜取りは可能!?
油膜は脂分、なので身体の脂肪を分解するといわれるウーロン茶が油膜の取り方の一つにあげられる事があります。
布やタオルなどにウーロン茶を垂らし、その面でフロントガラスの油膜を擦るだけという油膜の取り方としては簡単な方法ですが意外と効果があります。昨今はネット上でも油膜落としの方法として検索結果で上の方に現れるくらいメジャーで簡単な油膜取りです。
あくまで応急処置!
カー用品など専用の油膜落としと違い油膜の取り方としての力は弱いため長い時間はもちません。所詮は人間が飲んでも大丈夫で脂肪分を落とす効果があるだけです。出先などで油膜がひどく視界を確保できない時に応急処置としてみる分には十分な効果が期待できます。
ウーロン茶を使用した油膜取りのやり方
タオルなどの布製品にウーロン茶を染みこませ、濡れている部分でフロントガラスを力を入れて擦りあげます。それでもやはり効果が弱く、どんなに力を入れてもある程度しか油膜は取れないでしょう。ホームセンターなどで売られているマイクロファイバークロスを使用すればもうすこし落とすことが出来るでしょう。
ちょっと怖いけど確かに落ちる!油膜取りにアルミホイル!
自己責任!アルミホイルを利用した油膜取り
ネットでも出回っているなかなか取れない油膜の落とし方の一つに挙げられているアルミホイルを使用した方法です。やり方は少し大きめに切ったアルミホイルを手のひらサイズに綺麗に折り曲げ、油膜に少し水分を含ませた状態で擦り上げます。
アルミホイルを利用した油膜落としの注意点
本来こういう目的で作られたわけではないアルミホイルで行う油膜の取り方ですが、上のやり方の中でも説明しましたが綺麗に折り曲げないとフロントガラスの表面を傷つける可能性があります。もしこの方法を行う場合はきっちり折り曲げましょう。
アルミホイルを使用した油膜落としのメリット・デメリット
メリットは非常に簡単に出来て安上がりなところです。家庭用品なのでどこのご家庭にもあるものですし、非常に安価なところもメリットと言えるでしょう。
デメリットはやはりキズを付ける可能性があることと、専用の物ではないので油膜がそこまで取れないこと、あとは撥水コーティングなども一緒に削り取ってしまう事でしょう。油膜の取り方としてはこちらも応急処置として見ておくほうがいいです。
プロに頼むフロントガラスの油膜落とし
確実な方法はプロにお願いした油膜落とし
カー用品店やボディのコーティングを行っているお店でやってもらえる油膜落としは確実に、そして完璧に処理してくれます。素人の手では綺麗に取れない油膜はもちろん、頑固な水垢も綺麗に落としてくれます。
もちろん撥水コーティングなども落ちてしまいますが、ボディコーティングなどのお店でしたら処理のあと撥水コーティングを施してくれるお店もあります。
プロに頼む油膜落としのメリット・デメリット
私達とは違い、様々な道具を使用して素人の手では簡単に取れないような隅の汚れや油膜、撥水コーティングなどきれいに取り除く経験や技術を有しているプロフェッショナル。
メリットとしてはどんなに慣れていても素人では落としきれない油膜も非常に短時間に、そして完璧に油膜を落としてくれます。デメリットはお金がかかることですが、それでも費用対効果を考えれば自分で処理するのとそこまで変わりません。
油膜取りの際の注意点
フロントガラスにキズをつけてしまう
最初に洗車しないままフロントガラスを油膜が取れないからといって力いっぱい擦ってしまい、残っていた塵などでガラス表面を傷つける場合があります。必ず最初に拭き取りだけではなく、洗車を行いガラス表面になにもない状態で油膜落としを行うようにしましょう
やり方を間違えると落とすのではなく油膜をのばすだけ
ちゃんとしたやり方があるにもかかわらず、それを実施せず油膜取りを行うと付着している油膜をただ延ばすだけになる場合もあります。カー用品を使う際は必ず説明を見てから作業を行いましょう。また、自分で行う際はすべて自己責任扱いになることを覚えておきましょう。
これはダメ!やってはいけない油膜落とし方法!
用途の違う道具を使用する
油膜は本当に取れないです。だからといって素人が「なかなか油膜が取れないからもっと落ちそうなものを使おう」と考えいろいろなものを使用してみることはよくあります。今回書き出だしたものは先人の方々や、プロフェッショナルの皆様が考え出してきたものです。
油膜や水垢、撥水コーティングを取るために金たわしや荒めの紙やすりなどを考える人も居るかもしれませんが、そういうまったく違った用途の道具を使用するのは絶対にやめましょう。
油膜取りまとめ
油膜はなかなか取れないですが、少し手間をかけてちゃんとした取り方を覚えれば簡単に取ることもできます。完全に油膜を取り除いたあとに撥水コーティングをおこなうと雨天時の夜間走行中の視界は劇的に変わります。その結果事故を起こす確立も減るでしょう。
雨天時の事故は晴天時に比べおよそ4倍にものぼるというデータも報告されていますので油膜落としの重要性を再確認し、もし違和感を油膜が張っているような感じがしたら出来るだけ早く処理を行いましょう。
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