FFヒーターを知ってますか
FFヒーターを知っていますか。多分なんとなくイメージが有るのは、FF暖房だと思います。FFヒーターはFF暖房の良さを取り入れた車の車内を温めてくれる優れた製品なのです。車にも暖房がついているじゃないかという人も、エンジンを入れなくても暖房することができるんだよといえば、なるほどと納得できるのではないでしょうか。
FF暖房とは
FF暖房とは、電動のファンなどで給気と排気を強制的に行う暖房器具のことです。FFはForced Flue(強制通気)の頭文字です。機械による換気ができる暖房器具のことです。暖房器具の後ろには屋外への配管があり、そこで給排気を行います。発生するCo2やNoxなどを室外に出して、室外からは新たな空気を取り込みます。そのため、室内の換気があまり必要ありません。最近の気密住宅で一般の暖房器具を使うと一酸化炭素中毒などの危険性があります、FF暖房器具は安全性が高いのがいいですね。
FF暖房を自動車の車内に
FF暖房のことはなんとなくご理解いただけたでしょうか。簡単に言えば車内の空気を汚さずに暖房できる器具だと思ってください。車の内部は密閉性が高いですから、その中で普通の燃焼系暖房器具を使用したら、あっという間に不完全燃焼で発生する一酸化炭素が充満します、最悪死に至ることがあるでしょう。自動車の車内の密閉度は高いので注意が必要です。
車の暖房は燃費が悪い
短時間ならば、エンジンをかけたまま暖房を使うということもあります。でも、例えば一晩中エンジンを付けておいたらどうでしょう。アイドリング状態でもエンジンが動いています。エネルギーは暖房だけでなく無駄に使用されてしまいます。エンジンからの熱が外に逃げてしまうことも燃費の悪さに影響します。
車のエンジンは騒音が気になる
例えば、登山などで道の駅や駐車場に寝泊まりした経験が有る方もいるのではないでしょうか。寝袋や毛布を使っていても朝方の冷え込みで思わずエンジンをかけたことが有る方はいませんか。静かな駐車場にエンジンの音が響きます。周りの人を起こしかねませんね。自分だけが楽しんでいるという考えではいけません。
車のFFヒーターはおすすめ
そんなとき騒音も出さず、また燃費も優れているFFヒーターがあれば本当にありがたいですね。最近はオートキャンプ場などの人気が高く、キャンピングカーなどを購入する人も多くなっています。テントは、慣れていない方は設置などが大変ですから抵抗があるのではないでしょうか。キャンピングカーなど車内が広い車にも対応していますので、FFヒーターは本当におすすめの製品です。2015年夏に実施した、日本RV協会のアンケートでも、「装着して一番良かった装備」の一位にFFヒーターが挙げられました。
FFヒーターは暖房だけ
FFヒーターは残念ながら、車の内部を温めることしかできません。なぜなら、ガソリンやガスなどの車の燃料を使うヒーターだからです。FFヒーターがあれば燃料が許す限り車内を暖かく保てます。冷房が必要な場合は、別途エアコンを取り付ける必要があります。先程のRV協会のアンケートでは、ルームエアコンは4位で、FFヒーターの半分以下の割合でした。暑い時は高地でキャンプするので、ルームエアコンよりはFF暖房が重宝するのでしょう。
FFヒーターのメーカー
FFヒーターは、現在2社が製品を販売しています。ベバスト社とエバスペッヒャー社です。この2社の製品はどちらも優れた特徴がありますから、どちらの会社の製品を選ぶのかは取付業者と相談の上決定してください。どうしてかというと、FFヒーターの取り付けは新車購入時に取り付けるのがおすすめであり、取り付ける場合は両社ともに研修を終了した人にだけ取り付けを行わせています。取付業者の得意不得意も考慮に入れる必要があるからです。
ベバスト社
ベバスト社は、1901年のドイツでの創業です。100年以上の歴史を持つルーフシステムの世界のトップ企業です。サンルーフシステムや、コンバーチブルルーフシステム、空調管理システムの開発・製造を行っている会社です。世界50カ国以上に営業の拠点を持ち、そのうち30カ国以上に製造の拠点があります。今回はベバスト社の製品を中心に紹介していきます。
エバスペッヒャー社
エバスペッヒャーは、1865年にドイツのエスリンゲン市に創立し、今では世界中に部品を提供している有名メーカーです。
エバスペッヒャーは、1865年にドイツ・シュツットガルト近郊のエスリンゲン市に創立、以後車の快適部品に力を注ぎ、排気系のアドバンスモデルやヒーティング&クーリング・システムを世界の自動車メーカー及び部品メーカーに提供してきました。
FFヒーターに必要な器具
FFヒーター本体
FFヒーターの本体です。ベバスト社の製品もエバスヘッヒャー車の製品も機能は同じです。ヒーターの内部で燃料を燃焼します。燃焼する際に取り入れるのは燃料と燃焼に必要な空気(酸素)です。燃料ポンプから送られた燃料と車外から取り入れた空気に点火し、燃焼して空気を暖めます。燃焼後の空気は車外に排出します。暖気は、車内の空気を取り入れ熱交換機で暖め車内に温風を送ります。そのため、車内の空気を汚すことなく一酸化炭素中毒や酸欠の心配がないのです。
燃料取り出し菅
FFヒーターの燃料は車の燃料を使用します。そのため、車の燃料タンクに燃料を取り出す管を装着する必要があります。ディーゼル車の場合は、車の燃料ホースから管を分けることができますが、ガソリン車の場合は、新しく燃料取り出し管をタンクに付ける必要があります。
燃焼用空気吸入排気管
燃焼用の空気と、燃焼後の空気は車の外から取り入れ車の外に排出します。これが、車内の空気を汚さない仕組みです。せっかく暖房したのですから、車外の空気が漏れないよう車に密着する必要があります。
暖房用空気取り入れ排出ダクト
暖房用の空気は室内の取り入れダクトから空気ファンを回して取り入れ、燃焼して温めたてから、車内に送風します。そのための送風用のパイプとダクトを装着します。どこから、取り入れてどこから送風するかで暖房効率が変わりますから、うまく設計する必要がありますね。
FFヒーターのコントロール
ベバストのFFヒーターは標準のダイヤルスイッチが付いています。これにより、スイッチを入れ、温度を調節することになります。予算に余裕があればコントローラーを設置すると、タイマーでon、offや、細かな温度設定ができますから便利です。
FFヒーターの費用は約30万円
本体の標準価格
ベバスト社のAir Top 2000STCのヒーター本体はおよそ17万~18万円の価格です。その他に、マルチコントローラーや高地対応のためのスイッチなどのオプションの費用がかかります。
設置費用
設置費用は燃焼の種類によって施工方法が変わってきます。燃料取り出し管の必要ないディーゼル車は7000円ぐらい、ガソリン車は40000円ぐらいはかかると見込んできましょう。車種よっては燃料タンクの脱着が必要になります。その場合は別費用が発生する場合もあります。
コントロールパーツ
FFヒーターのスイッチや温度設定ができるコントローラーなどを取り付ける際には、コントローラーを本体と設置費用で60000円ぐらい見込みましょう。なお、これらの価格は、業者によっても変わってきますから、前もってしっかり費用を見積もっておきましょう。
FFヒーターの設置・取り付け
燃料の取り出し
燃料は車載のタンクから取り出しますから、ディーゼル車かガソリン車かによって変わります。ディーゼル車の場合はヒーターに燃料を送るホースを車に付いている燃料ホースから分けて取り付けることができます。その場合、車体の下で作業ができます。ガソリン車の場合は燃料タンクに新しい燃料取り出しホースを取り付けます。場合によっては、燃料タンクを外して取り出して設置することになります。
FFヒーター本体等の設置
FFヒーターを自動車の内側に取り付けます。ヒーター本体は邪魔にならない部分に設置しましょう。吸気、排気の配管、送風ダクトの設置と配管をします。排気や吸気などのホースは車体の下の方に出す必要がありますのでベバストFFヒーターの下に穴が必要となります。本体の位置は業者と相談の上適切な場所に設置しましょう。最後にスイッチの配線を行い正常に運転可能かコンピューターによる診断を行います。コンピューター診断は、車検時などには定期的に行うことをおすすめします。
FFヒーターの使い方
FFヒーターの標準スイッチの使い方
FFヒーターには標準装備でダイヤルスイッチが付属しています。これでいい場合は、使い方は簡単で標準スイッチでFFヒーターのon、offと温度設定を行います。
FFヒーターマルチコントローラー
別売で液晶付きのマルチコントロールに交換できます。マルチコントロールに変更すると、on.offのタイマー設定や細かな温度設定などの使い方が可能となります。
FFヒーターの車内は
FFヒーターは安全性能が高い
一般的に車を長い間アイドリングをしていると、一酸化炭素中毒を起こす可能性があります。特に冬場は寒さや雪のためにトラブルが起きやすいので注意が必要です。雪がマフラーを塞いでしまったため、最悪の事態が生じることも時折ニュースになります。FFヒーターは、車外の空気を取り込み燃焼します。僅かな排気は車の外に排出されますから、一酸化炭素中毒の心配がありません。車中泊でつけっぱなしで寝てしまっても安全なところがFFヒーターの一番オススメな点です。
FFヒーターは車中泊におすすめ
FFヒーターがあれば冬に車中泊できることができます。それだけで、アウトドアの機会が大変広がります。今まで行けなかった遠くのスキー場やキャンプ場にも気軽にドライブすることができます。沢山遊んで戻ってきたら、使い方の簡単なマルチコントローラによりスイッチが前もって入りますから、車内が暖かく快適に過ごせます。寒い中で帰ってきて暖かいのは本当に快適です。
まとめ
車中泊におすすめな、FFヒーターについて、その快適な性能に合わせて必要な機器や費用、使い方などを紹介しました。RV車愛好家の一番人気の商品です。いかがですか、新しいアイテムであなたのRV生活を更に快適にしてみませんか。冬の車内泊や寒冷地でのキャンプなど、新たな世界が広がりますよ。
車中泊が気になる人はこちらもチェック
ハイエースでキャンプ車中泊!快適なキャンピングカー仕様にする方法をご紹介!
キャンピングカーの種類は多様にありますが、その中でもハイエースのキャンピングカーについてご紹介します。ハイエースをキャンプで使い、車中泊でき...
軽自動車を車中泊仕様に!おすすめの車種とおしゃれな車内の改造事例を紹介!
コンパクト設計された軽自動車をフルに活かす車中泊には、軽自動車と感じさせないインテリアの魅力があり、また専用キットの組み合わせをお伝えします...