検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ステンレスが錆びる原因はなに?その実態と錆への防止策や落とし方をご紹介!

ステンレスは錆びない金属だと思っていませんか?実はステンレスであっても間違った使い方をすると錆びることがあるのです。ステンレスが錆びる原因と実態、さらに錆への防止策や落とし方をご紹介します。赤錆・黒錆・もらい錆と種類に応じた防止策や落とし方を解説!
更新: 2022年5月3日
石倉
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ステンレスは錆びるのか錆びないのか

台所などの水場で活用されるステンレス

皆さんのご家庭にステンレスで作られたものはいくつあるでしょうか。おそらく、お手洗い場やお風呂などで、この銀色に輝く金属メタルを見つけられることでしょう。

ステンレスは錆びるのか錆びないのか

さて、皆さんは「ステンレス」と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。ごく一般的には「錆びない材質である」という認識で知られていますよね。

しかし「錆びにくい」だけで、錆びないわけではないのです。

ステンレスの「錆びにくい」メカニズム

この材質が錆びにくいワケはそのメカニズムにあります。鉄や他のスチールと比較して極端に腐食に強いこの材質。正しい使い方を知れば錆びないようにずっと使い続けていくことも可能です。

この材質が錆びるのか錆びないのかは皆さんの使い方次第といえます。それでは、以下でこの材質について詳しく知っていきましょう。

ステンレスってなに?

ステンレスはスチール(鋼)の一種

この材質はスチール、つまり鋼のなかの1つです。鉄を主な成分として、ニッケルやクロムなどの腐食に強い材質を組み合わせて構築されたものがこの材質です。“stainless”スチール、つまり”錆びにくい”スチールという意味で、この名前が付けられました。

かつては不銹鋼(ふしゅうこう)の名で呼ばれていた

かつて日本にこの材質が移入してきた当初は不銹鋼(ふしゅうこう)と呼ばれていました。これは”錆びない”スチールという意味です。

それまでメインで活躍していた鉄や合金が、ほんの少しの時間であっという間に錆びてしまったのに対して、ほぼ錆びない材質だったステンレスは日本人にとってまさに魔法の材質でした。

ステンレスは錆びるのか?

前述したように、「Q.ステンレスは錆びるのか?」という問いに対しては「A.ステンレスは錆びる」というのが正しい解答です。この材質が腐食に極端に強い最大の理由は、不動態皮膜(ふどうたいひまく)にあります。

この材質の表面はナノメートル単位の薄い膜でカバーされているのです。膜がこの材質の本体部分をカバーすることで類を見ないほどの頑強な防御力を得ているというわけです。

不動態皮膜(ふどうたいひまく)は未知のバリア

この膜はまるでバリアのようにこの材質を24時間保護しているのです。さらに、このバリアはまるでわれわれ人間のカサブタのように再生する性質をもっているため、たとえバリアが傷つけられても自然に治癒、復元します。

この特徴的な材質を発明したのは、ハリー・ブレアリーという名のイギリスの研究者です。この材質は今より100年以上前に開発されたわけですが、このバリアの原理については未解明な部分が残っておりこれからの科学の発展による解明に期待されます。

もしもこのバリアが他の鉄などに付けられれば、メタル分野に革命が起きるかも?

ステンレスはなぜ錆びるのか

使い方を誤るとステンレスでも錆びてしまう

とても頑強な性質をもっているこの材質ですが、正しい使い方を守らなければ鉄や他のスチールと同じようにあっという間に錆びてしまいます。それでは、ここからこの材質をあっというまに弱らせる原因について見ていくことにしましょう。

ステンレスが錆びる原因.1 塩分


ご家庭でのステンレスで作られた品が錆びる原因と考えられるのが「塩分」です。塩分というと皆さんご存知の通り、メタルにとっては最大の天敵ですね。この材質がいかに頑強なものだといってもやはり例外ではないのです。塩分が付着したまま放置するのはNGです。

ステンレスが錆びる原因.2 汚れ

皆さんのご家庭のシンク、汚れていませんか?お料理で使った醤油などの調味料に、お味噌汁などの吹きこぼれなど、そんな汚れが溜まっていくと、そこに菌や微生物が繁殖します。

これらが存在すると、表面をカバーして保護しているバリアが傷つけられ続けて、この材質本体に錆が生まれる原因になってしまいます。

ステンレスが錆びる原因.3 薬品

最後に、特に台所などで使用される機会の多い「塩素」が含まれた漂白剤や洗浄剤などの薬品も、この材質の保護膜をボロボロにしてダメージを与えます。

ほとんどのケースで、この材質が錆びていくのは、不動態皮膜(ふどうたいひまく)を破壊する”何か”が原因となっています。

最大の注意点は水分!

主婦・主夫の皆さんを悩ませる「水垢」。家事のあとで水分が残っていた箇所に発生する水垢ですが、錆もまた同様に水分を原料にして生まれていきます。

錆は、塩分や汚れ、薬品などに水分が付着することで生まれるのです。そこで、ステンレス製のシンクなどを洗ったあとは乾拭きをして水分をきちんと除去しておくことも重要です。

ステンレスを錆びから守る防止策①:赤錆

ステンレスに発生する赤錆とは?

メタルに発生する錆には、大きく分けて2パターンがあります。その一つがこの褐色の汚いカラーをした錆です。この錆は、かすんだ血のような色彩が特徴的です。一般に錆といわれて頭に浮かぶのはこのパターンの錆でしょう。

メタルを腐食し、ボロボロにしてしまうもっとも厄介な錆です。

赤錆は汚れや塩気などから発生する

この錆は自然に使用していくなかで発生する錆です。たとえば、台所にある生ゴミの破片や、醤油などの塩分をそのままにしておくと、いつのまにかその場所に血痕のような錆が生まれています。

しっかりとお掃除をして赤錆の腐食を防止!

目に見えないような小さなものであれば、拭き掃除で知らぬ間に除去していることもあります。この錆が発生し拡大していくのを未然に防ぐには、丁寧なお掃除が何より重要です。

ステンレスを錆びから守る防止策②:黒錆

ステンレスに発生する黒錆とは?

皆さんがメタルで作られたものを使うなかで、錆を見つけたときには「あれ?いつのまにこんなところに錆が・・・」と驚くことも少なくありませんよね。ただ、黒錆に関しては、そんな一般的な錆のイメージとは少し“できかた”が違います。

この錆は赤錆とはまた違った形態でじんわりと暗く侵食していくので目立ちますね。この材質以外にも鉄やスチール全般に発生します。

黒錆は溶接跡や高熱などから発生する

黒錆は溶接跡や高熱に接する部位に生じます。外側を覆うようにメタルに発生し、赤錆などのタチの悪い腐食から材質本体を保護する役割をはたしてくれるので、錆のなかでも「善玉」として認知している方が多いです。

見た目は悪いが黒錆には利点もある

ステンレスを材質に使ったシンクや機材などは、美しい光沢もまた魅力の一つですよね。黒錆は審美性でいえば、あまり好ましくないかもしれません。ただ、悪玉の錆として知られる赤錆の発生を防止してくれるという利点もあります。

「あえて高熱で外側を処理して黒錆を付ける」という手法もあるほどです。

ステンレスを錆びから守る防止策③:もらい錆

ステンレスに発生するもらい錆とは?


その名前からもたらされるイメージの通り、他のメタルで作られたものから錆をもらう形で腐食が広がることをいいます。「病気みたいに錆だけが伝染するなんてあるの!?」と驚かれる方は少なくありません。

ただ、ご家庭のステンレス製品を蝕んでいる錆のはじまりは、このタイプの錆をスタート地点にしていることが多いのです。

ステンレスは他の金属との接触に弱い

この材質には注意すべき難点があります。ステンレス以外のメタルと触れ合うとバリアがはがれてしまうのです。この材質はその表面に薄い膜が覆っているのですが、この膜が他のメタルと干渉してしまうのが問題なのです。

特に、錆の発生している他のメタルで作られたものをこの材質の流し台などに置きっぱなしにしていると、そこからもらい錆が進行していくことがあるのです。

もらい錆を防止するには

この材質に他の鉄製品やスチール製品を接触させること自体、ステンレスにとっては好ましいことではありません。たとえば、この材質の流し台を使っているのであれば、お玉やフライパンは完全に離して管理するなどの工夫をするとよいでしょう。

ステンレスの錆びの落とし方①:赤錆

赤錆の錆取り処理

もっとも厄介でこしゃくな錆である赤錆の落とし方は、一筋縄ではいきません。特にこの材質に付いた赤錆は、荒いたわしでゴリゴリと強く擦ってしまうと赤錆と一緒に表面の不動態皮膜(ふどうたいひまく)まで削り落としてしまいます。

落とし方のコツは”クエン酸”にあり

薬局などで簡単に手に入る”クエン酸”を使用して、赤錆に対抗します。まず、雑巾や汚れてもよいタオルなどにクエン酸をたっぷりと染み込ませてください。そして、問題のある箇所にこのタオルをかぶせて一晩ほど置きます。その後で、スポンジなどで軽く擦っていくと赤錆が落ちていきます。

ステンレスの錆びの落とし方②:黒錆

黒錆の錆取り処理

黒錆の落とし方は赤錆に比べてシンプルです。市販されているシンクに使えるように開発された研磨剤入りの洗剤を使って、スポンジでこすっていけば少しずつ黒錆は落ちていくでしょう。

”クレンザー”などを上手に使おう

研磨剤などが入っている洗剤はいろいろなメーカーが販売しています。おすすめなのは台所などのステンレス部分にも使用できるタイプの製品です。例えば、クレンザーなどが代表的ですね。

洗剤の成分表などに記載されている注意書きをよく読んでから、用途にあわせた洗剤を購入してください。

ステンレスの錆びの落とし方③:もらい錆

もらい錆の錆取り処理

このタイプの錆でも付着したばかりのものであれば、中性洗剤を付けたスポンジで擦っていけば錆取り処理は簡単にできます。ただ、材質の深い部分にまで到達してしまったケースでは、赤錆の処理方法と同じくクエン酸を使った落とし方で処理していきましょう。

もらい錆処理は浅いうちに!

もらい錆は他の錆に比べて、発生した場所や発生したワケを特定しやすいのも特徴です。置きっぱなしになっている空き缶などは要注意!もしも変色の気配を感じたなら、こまめに表面を観察し、もらい錆を発見してください。浅いうちにスポンジで擦れば簡単に処理できますよ。

ステンレスの錆を落とすおすすめアイテム

クエン酸


柑橘系の果実に含まれているのがクエン酸。この成分は、赤錆の構成物質を効率よく分解してくれます。お掃除全般に使えることに加えて、価格も安いのでご家庭で1本は常備しておきたいおすすめのアイテムです。

お酢

「クエン酸が近くの薬局で売り切れていた」という方におすすめしたいのが”お酢”です。お酢もまた、クエン酸と同じく赤錆の構成物質を分解してくれます。

ただ、市販されているお酢は掃除用のクエン酸と比較すると効き目が薄く、また価格も高いのであくまで「クエン酸が手に入るまでの代用品」という扱いで使ってみてください。

クレンザー

研磨剤と汚れを浮かせる界面活性剤を含んだ洗剤がクレンザーです。クリーム状のものや粉末状のものなど、さまざまなタイプの製品をメーカーが販売しています。浅い錆であれば、赤錆・黒錆・もらい錆とオールマイティに活躍できるコストパフォーマンスのよい洗剤です。

重曹

ピクス マルチ重曹クリーナー

出典:Amazon

他にも掃除をする際にはもはや定石になっている”重曹”もまた、錆を取るのに重宝します。錆が発生した箇所に重曹をのせます。そして、雑巾やスポンジでごしごしと擦ることで錆を除去できますよ。

ステンレス専用の錆落とし剤

「クエン酸や重曹を使ったスポンジで擦っても落ちない」といったケースでは、最終手段としてこの材質専用の錆落とし剤を使ってみましょう。錆落とし剤はホームセンターなど購入できますが、必ずステンレスに使用できるかどうかを確認したうえで使用してください。

まとめ

錆びるのか錆びないのかは使い方によって変わる

ステンレスは、大事に使用していけば錆・腐食とは縁の遠いメタルです。この材質が錆びるのか錆びないのかは使い手の心がけにかかっています。長く使えるポテンシャルを秘めたものは大事に使っていきたいですね。

ステンレス製品について知りたい方はこちらもチェック!

ステンレスを使ったダッチオーブンやステンレス製のマグは、使いやすいだけでなく頑丈さまで追求した性能に優れた製品です。下記リンクから、各アイテムのおすすめポイントについて知りましょう。