はじめに（台中の概要）
台中の場所・概要
台中（たいちゅん）市は台湾の西側の中部ににある台湾の中間クラスの都市です。町はどちらかといえば静かで「台湾の京都」ともいわれています。しかし北部の台北や南部の台南・高雄あたりと比べると、結構良い観光スポットが多いのですが、まだまだ知られていない場所が数多くあります。今回は台中の中心部や郊外にあるおすすめの観光スポットを紹介していきます。
台中までのアクセス
台中は北部の台北と南部の高雄を結ぶ台湾の幹線沿いにあるので、色々な方法でアクセスすることができます。そのなかでも一番便利な方法が、台湾高鐵（台湾新幹線）を利用することです。台北から所要時間1時間程度で行くことができます。また途中にある桃園駅とは台湾の玄関口である国際空港ともリンクしています。ただ台湾高鐵の台中駅は郊外にあり、そこから在来線に乗りかえて台中の中心部にある台中駅に到着します。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット①
名所「草悟道」の見どころ
台中の中心部、国立自然科学博物館から美術園道緑園道まで全長3.6kmにわたり連なる草悟道（カオウダオ）は、日本の表参道などを参考に作られました。ここはお散歩とショッピングが楽しめるエリアです。グリーンのエリア内は車の通行などを気にせずにのんびり散策ができますので、特に休日の時には地元の台中の人たちが多くここに来て、思い思いのひと時を過ごしています。
この観光地の1日で回る日帰りプラン
草吾道に点在する彫刻を眺めたり、パフォーマンスを見ながら散策をのんびりするだけでも、できれば半日近くかけたいところですし、周辺のショッピングやグルメ、近くにある公園での休息ややミュージアムの見学を組み入れるとちょうど丸1日すごしても飽きる事はないでしょう。アクセスですが台中駅からは徒歩40分くらいかかります。出来ればバスで行く方が無難でしょう。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット②
名所「逢甲夜市」の見どころ
台湾では大小どの町に行っても毎晩「観光夜市」が行われます。台中の夜市は「逢甲夜市（ほうこうよいち）」と呼ばれる場所が有名です。これは台中の西側「西屯区（せいとんく）」という場所にあります。この夜市は1963年に設立されました。大変規模が大きく、台北にあるの最大級の夜市に匹敵するほどの賑わいがあります。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
逢甲夜市は逢甲大学の周りに夕方から広がるように設置されます。夜市なので夕方から夜遅くまで回るプランとなります。この夜市は規模も大きく、多くの人でにぎわいます。B級グルメ屋台をはじめ雑貨や服飾店など夜遅くまで飽きることはないでしょう。実は屋台グルメの中には台北では存在しない珍しい物もあります。アクセスは台中駅からはバス「逢甲大学」で下車です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット③
名所「宝覚寺」の見どころ
台中の観光地で真っ先に登場するほど有名なのが「宝覚寺（ほうがくじ）」です。この寺院は日本統治時代の1923年に建立されました。日本ゆかりの寺院で宗派が臨済宗妙心寺です。境内にある存在感のある黄金の笑う大仏像の正体は弥勒菩薩（みろくぼさつ）で、布袋（ほてい）でもあります。この笑う大仏をただ眺めているだけで、不思議と癒されるでしょう。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
宝覚寺の大仏以外にも個性的な仏像やいくつかあり、また本堂の方に足を向ければ、創建当時の木造の旧本堂を守るためにコンクリートの巨大な本堂が造られている様子が見ものです。また日本人遺骨安置所もあります。台中駅からも比較的近く、ここは短時間で見学できるので、近隣のスポットとセットで回れます。以前大仏の内部が博物館になっていたそうですが、今は公開していません。アクセスは台中駅からはバスで15分ほど、施設はすべて無料です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット④
名所「国立台湾美術館」の見どころ
台中には台湾国立の台湾美術館があります。この美術館はアートを身近に普及させる目的があり、嬉しいことに無料開放されています。そのため非常におすすめの観光スポットです。館内の展示物は、現代アートを中心とした美術品が常設展示の者と定期的に行われる企画展などによって変わっていきます。建物は3階建てで規模が広く見ごたえが十分です。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
美術館自体をゆっくりとすべて見終えると3時間近くかかります。美術館の周りは芝生になっていて、そこにもアート作品が点在し、館内にはレストランやカフェ、ショップもあるので、軽く半日以上かかります。徒歩圏内に行ける周辺のエリアと、組み合わせば1日楽しめるエリアでしょう。アクセスは台中駅からバス、徒歩でも40分程度て到着できます。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑤
名所「台中国家歌劇院」の見どころ
台中の再開発エリアにある、個性的で巨大な建物が、台中国家歌劇院（たいちゅうこっかかげきいん）です。この建物は2016年に完成し、台北にあるホール以来30年ぶりに国家級の巨大コンサートホール（オペラハウス）が完成しました。内部は3種類の劇場と飲食店ブース他にも空中庭園を備えた小劇場（屋外）があります。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
内部は一部を除いて自由に見学できます。日本人の伊東豊雄（いとう とよお）氏が設計した建物は、世界的にも注目されています。この施設の見学だけでは短時間で終わりますが、すぐ近くに新光三越デパートがあるのでショッピングなどとセットで回りながら、距離はありますが、台中駅までゆっくり歩いてみるのもよいでしょう。アクセスは台中駅からバス新光三越前下車で、すぐ近くにあります。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑥
名所「台中市役所」の見どころ
日本統治時代の1911年に台中初のコンクリート建築として造られました。1945年以降に市役所としての役目は終わりましたが、様々な用途に使われていました。後に文化財として登録され、修復されました。現在はカフェやアートスペースに利用されています。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
この台中市役所は台中駅から近く、またその先にある草吾道や国立美術館に向かう途中にあるので、セットで回るのがおすすめです。建物自体の見学時間は知れていますので、中のカフェで一息つくのもよいでしょう。台中市役所のアクセスは台中駅から徒歩10分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑦
名所「新社古堡花園」の見どころ
台中市の中心部から北東側の郊外の山間のエリア、新社（シンシャー）区にあるのが、新社古堡花園です。ここは2005年にオープンした南ヨーロッパをイメージしたテーマパークでヨーロピアンのなが目印です。ここは本来の地形を生かしながら古いリサイクル品を使って作られましたので、周辺の景色との違和感があまりありません。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
台中中心部から少し離れていますが、近くにはひっそりとたたずむレストランやフラワーガーデン、キノコ料理専門店など、個性豊かなお店が点在し、また夜になれば高台から台中中心部の夜景が大変美しいので、1日かけて日帰りで回るにはちょうど良いエリアです。アクセスは台中駅からバスで3・40分程度です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑧
名所「霧峰林家邸宅」の見どころ
19世紀ごろから台中の周辺の田畑の経営を行い、清朝後期に行われた角戦争にも活躍が見られたために特別な権利が認められるようになり、現在でも銀行を経営して金融界への影響力が強い大富豪一族「霧峰林家（むほうりんけ）」が、1858年ごろに建てた豪邸の一部が公開されています。敷地面積は11,000㎡あります。現在公開されているのは「宮保第」「大花庁」の2か所です。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
最も素晴らしいのは賓客をもてなすために建てられた「大花庁」で、一族が客をもてなしたり祝い事があれば、中央の「戯台」でショーを上演させました。現在はいろいろなロケで使用され、安室奈美恵さんもミュージックビデオで使用しました。台中の中止部から少し離れているのでプランには半日以上掛けたいところです。霧峰林家邸宅のアクセスは台中駅からバスで40分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑨
名所「彩虹眷村」の見どころ
台中の中心部の郊外に非常に華やかな場所があります。彩虹眷村（さいこうけんそん）です。ここは元々軍所有のエリアだった場所ですが、2008年からこの地に住む黄永阜氏が家屋に鮮やかなペイントを施すようになり、これを見て、感動した大学教授や学生たちの協力により周辺が芸術公園として整備されました。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
日本を含めた世界中のテレビ局に紹介され、いまでは台湾10大インスタ映えスポットにもなるほどの人気の観光地、中心部からは少し離れているので半日以上のプランでじっくりと癒されるアート作品を心行くまで眺めてみましょう。ランタンでライトアップされるので夜もおすすめです。彩虹眷村のアクセスは、台中駅からはタクシー利用で約30分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑩
名所「高美湿地」の見どころ
台中の西側には、南米ボリビアで鏡のように美しいと大人気の「ウユニ塩湖」にそっくりの場所「高美湿地（こうびしっち）」があります。ここは湿地帯で野生動物保護区です。観光客により湿地帯の破壊を防止するために全長691mの桟道があります。周辺には風力発電所もあり、夕日の美しさでも有名なところです。もし台中に来れば行くべき観光スポットです。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
ここは台中の中心部からそこそこの距離があるだけでなく、ゆっくりと過ごしたい雰囲気があります。夕日が人気なので午前中は違う所を回って午後から夕方にかけてのんびり過ごすのが最もよいでしょう。高美湿地へのアクセスは、台中駅から鉄道で45分清水駅下車後、バス30分です。また便利な台中日帰りツアーもあります。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑪
名所「谷関温泉」の見どころ
台中の山側には本格的な温泉地があります。谷關温泉（グーグァン・ウェンチュエン）という名前で、日本統治時代の1907年に発見されました。泉質は炭酸水素ナトリウム泉で、泉温は60度あります。温泉には宿泊施設が多数ありますが、中には日本の健康ランドを思わせるような施設を持つ場所もあります。もちろん日帰り入浴も可能です。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
ここは充実した大型の温泉施設やスパもあるので、ゆっくりと1日かけて異国の山間の温泉三昧を楽しみたいところです。時間に余裕があれば宿泊も楽しいかもしれません。日本統治時代には「明治温泉」とも呼ばれていた、谷関温泉へのアクセスは台中駅から鉄道で豊原駅まで行き、そこからバスで1時間40分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑫
名所「台灣氣球博物館」の見どころ
台中には台湾で唯一の気球（ゴム風船）博物館「台灣氣球博物館」があります。ここは元々本当の工場（大倫気球工廠）の跡地に作られました。テーマごとに分けられた、気球（ゴム風船）の製造工程を見る事ができます。また事前に予約すれば、ゴム風船やバルーンアートの体験教室への参加もできます。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
ここは博物館の見学そのものだけでしたらそれほどの所要時間を要しませんが、事前予約して体験教室に参加するのなら半日以上の時間が必要になってきますので、他の観光スポットとの兼ね合いを考える必要があります。台灣氣球博物館へのアクセスは台中駅から鉄道で豊原駅まで行き、そこから車で10分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑬
名所「鰲峰山觀景台」の見どころ
台中の海側、高美湿地にも近い清水区に絶景を見ることができる「鰲峰山觀景台（展望台）」があります。一番高いところにある展望台からの眺めは、海岸線や台中清水区の眺めが見られ、また夜景も大変綺麗なのです。ちなみに近くにある鰲峰玉帶橋と呼ばれる橋は、風水を意識して作られた湾曲している橋で、これも見ものです。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
ここだけの見学でしたら半日もかかりませんが、ここからバスで30分ほど先にある高美湿地とセットで回れば、午前中にこの展望台、午後から夕方まで湿地という風に1日かけて景色を楽しむ旅行が楽しめます。近くに日本統治時代に発見され、新石器時代の居住地だった遺跡もある、鰲峰山觀景台のアクセスは台中駅から鉄道で清水駅まで行き、そこから徒歩30分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット⑭
名所「台中文化創意產業園區」の見どころ
台中の中心部、台中駅からも徒歩圏内で気軽に行けるのが、台中文化創意產業園區です。ここは日本統治時代の酒造工場の跡地を利用して2002年以降に作られました。入口からアートな雰囲気が建てちこめた空間の敷地面積は5.6haあり、創意工夫されたアート作品の数々を眺めることができます。
この観光地を1日で回る日帰りプラン
見学時間はそれほど必要なく短時間で回れます。ここは台中駅から近いことから市内中心部の他のスポットとセットで回ってみるのが良いでしょう。現代アートの様なものが好きなのでしたら半日くらい過ごしても楽しいのかもしれません。台中文化創意產業園區へのアクセスは台中駅から徒歩15分です。
台湾・台中旅行おすすめ観光スポット 番外
彰化扇形庫
台中市の外側なので番外ですが、彰化扇形庫（しょうかせんけいこ）も面白い観光スポットです。1922年に作られ、1990年代に撤去の計画があったのを鉄道ファンらの要望により残されました。現役で稼働しているので、毎年6月ごろに一般公開をするとき以外の見学の際には入口の守衛室で手続きをする必要があります。アクセスは、台中駅から鉄道で30分、彰化駅下車徒歩10分です。
鹿港九曲巷
台中市の外側ですが、「鹿港（ルーカンジェン）」という海の近の小さな町は見ごたえがあります。古い町の中に、九曲巷（Jiuqu Lane）と呼ばれるところは、海からの強風を防ぐためにくねくね曲がっています。周辺の建物も当時の古い建物が残り、ノスタルジックな気持ちになります。近くには台湾最古の媽祖（ばそ）像を祀っている鹿港天后宮もあります。アクセスは高鐵台中駅からバスが直行しています。
まとめ
以上で、台中のおすすめ観光スポットを紹介しました。台中は市の中心部と郊外にそれぞれ見どころがありますが、多くのスポットに所要する時間は知れていますので、うまく拠点を絞って効率良く回れば、1日でより多くの場所に行けます。また台湾高鐵（新幹線）を使えば台北市内や国際空港のある桃園からの往復も日帰り可能です。今回の情報がお役にたてれば幸いです。