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落花生の育て方は?家庭菜園での植え方や収穫など栽培のポイントを解説!

落花生は育て方が簡単で収穫に成功しやすい野菜で家庭菜園でも人気。畑での栽培のほかプランターでも気軽に栽培できます。その育ち方から「落花生」という名前がつけられました。落花生独特の育ち方や植え方、連作障害や追肥などの肥料、育て方のコツをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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落花生ってどんな野菜?

落花生は、ブラジルを原産とするマメ科の野菜です。病気や害虫の発生が少なくまた追肥などの肥料も必要ないなど、初心者にも植え方が簡単で家庭菜園にもおすすめです。落花生栽培の成功のカギは、落花生独特の育ち方を理解した植え方をすることに尽きます。自分で育てたフレッシュな落花生は、軽く茹でただけでとても美味しいもの。栽培期間が少し長いのが大変ですが、ぜひ落花生栽培にトライしてみませんか。

「落花生」という名前は育ち方に由来する

落花生と言う名前は、落花生特有の育ち方に由来しています。落花生はとにかくユニークな育ち方をします。まず、落花生は黄色い花を咲かせたあとに花の根元に子房柄というつるを出します。子房柄は地面に向かってのびていき地中にもぐっていきます。そして、地中に埋まった子房柄の部分が膨らみ、そこに落花生のさやができます。花が落ちた地面のなかに実ができる珍しい育ち方から、「落花生」という名前がつけられました。

落花生の花の特徴

落花生の花の咲く時期は、品種にもよるのですがだいたい6~7月ごろです。落花生の花は黄色い鮮やかなもので、マメ科ならではの可愛らしい花姿をしています。落花生の花は7~10日くらい咲いたあとしぼみ、そこから子房柄が発生します。

落花生の葉の特徴

落花生の葉っぱの色は、明るいグリーン色です。落花生の一枚一枚の葉っぱは丸い形をしていて、葉茎に対生につきます。葉っぱはやわらかい質感です。

落花生の実の特徴

落花生は、土のなかにさやをつけ、そのなかに実があります。落花生の実には、ビタミン類やミネラル類といった栄養分が豊富に含まれています。落花生の実は、茹でて塩を振るほか、ピーナッツバターに加工する、お菓子の材料にするなど様々なレパートリーで食べることができ、とても美味しいです。

落花生の基本データ

科名属名

マメ科ラッカセイ属

学名

Arachis hypogaea L.

和名

落花生(らっかせい)

別名


地豆(じまめ・ジーマミー)、ピーナッツ、ナンキンマメ(南京豆)

英名

Peanut、Groundnut

原産国

ブラジル

落花生のおすすめの品種

落花生には、立性、ほふく性、半立性の品種があります。立性とは茎が直立するタイプ、ほふく性とは茎が地面を這うタイプを指し、2つのあいだにあるのが半立性です。また、品種により、実の大きさもさまざまで、大粒のものや小粒のものがあります。さらに、早生種や晩成種といった分け方もできます。家庭菜園には、比較的早めに収穫できる早生種の落花生がおすすめです。 

落花生栽培のコツ

比較的育てやすく家庭菜園に向く落花生ですが、栽培には少しコツがあります。ひとつずつ見ていきましょう。

連作障害に注意する

連作障害とは、同じ野菜を同じ土地に何年も続けて植えていると、病気や害虫が発生しやすくなるという障害のことです。連作障害での「同じ野菜」というのは、同じ科名に属する野菜すべてを指します。たとえば、ナス科に属するナスとトマト、マメ科に属するエンドウと落花生などは同じ野菜となります。連作障害を避けるためには、毎年畝を変えて野菜を植える必要があります。プランター栽培では、古い土は使わずに新しい土に更新することが連作障害を防ぐ方法です。

落花生独特の育ち方を理解する

落花生は、子房柄を土のなかにもぐりこませ、土のなかに実がなる性質を持っています。そのため落花生の子房柄が土にもぐりやすいように、しっかり耕してふんわりと柔らかくしておくことが大切です。カチカチの土や粘土質の土では、うまくもぐれず実付きが悪くなってしまいます。

落花生は栽培期間の長い野菜

落花生は、栽培期間の長い野菜です。種まきから収穫までには、だいたい5~6カ月くらいかかります。栽培期間が長いということは、その分、天候や病害虫の影響を受けやすいということ。こまめに管理することが大切です。なお、最近では、比較的早く収穫できる早生種の品種が出回っていますので、家庭菜園初心者の方は早生種の品種を選ぶとよいでしょう。

落花生の育て方1・土づくり

落花生は、水はけのよい土壌を好む植物です。畑に植える場合は、粘土質の場所を避けて良く耕し、水はけがよくなるように畝を高めに作っておきましょう。プランター栽培する場合は、小粒の赤玉土に腐葉土やバーミキュライトを混ぜ込んだものを準備しましょう。市販の野菜用培養土を利用してもよいでしょう。また、落花生は弱アルカリ性の土壌を好むので、畑でもプランターでも植える一週間くらい前に苦土石灰を施して寝かしておくのが、落花生の植え方のポイントです。

落花生の育て方2・肥料

落花生をはじめとしてマメ科の植物には、あまり過度に追肥などの肥料は与えません。落花生などマメ科の植物の根っこには根粒菌と呼ばれる菌がついていて、空気中の窒素を自分で取り込むことができるからです。落花生の種まき、もしくは苗を植え付けるはじめに、元肥として固形肥料を少し土に混ぜ込んだあとは、追肥としての肥料は必要ありません。逆に、追肥を与えすぎると、茎や葉っぱばかりが茂り、実がつかなくなります。追肥がなくてもすくすくと育つ落花生は、初心者におすすめの野菜と言えるでしょう。


落花生の育て方3・水やり

落花生には、水の与えすぎは禁物です。種まきのあと、もしくは苗を植え付けたあとは根付くまでしっかり水やりをおこないますが、根付いたあとは水やりの頻度を落とすのが大切な植え方のポイント。プランター栽培の場合、落花生を植えている土の表面が乾いたら、少し水やりをします。畑で栽培している場合は、ほとんど水やりの必要はありません。よほど乾燥が気になる場合のみ、少し水やりする程度でよいでしょう。水やりが少なくてよいというのも、家庭菜園におすすめのポイントです。

落花生の育て方4・場所

落花生は、畑でもプランターでも栽培できます。どちらにしても、日当たりのよい風通しのよいところで管理しましょう。また落花生を複数植えるときは、株と株との間をしっかり空けるのが植え方のポイントです。

畑で栽培する場合

落花生を畑で栽培するときは、畝の幅を70センチ前後、畝の高さを10センチ前後にしましょう。落花生には、黒いマルチをして、地温をしっかり温めるとよいでしょう。ただし、マルチは花が咲いて子房柄が土にもぐりこむ前に取り除きましょう。

プランターで栽培する場合

落花生栽培には、大きめのプランターを準備しましょう。株と株とのあいだを15~25センチあけて植え付けられるような大きさがベストです。

落花生の育て方5・種まき

落花生の種まきに適した時期は、5~6月はじめごろです。落花生は、育苗ポットに種まきした苗を植え替える方法と、育てたい場所に直接種まきする方法があります。どちらの場合も、種まきの前に、一晩種を水に浸して吸収しておくと、スムーズに発芽します。ただし、一晩以上水に浸けておくと種が腐ってしまうので注意しましょう。

育苗ポットで苗をつくる方法

3号ポット(直径9センチのポット)に2~3粒を種まきします。だいたい1センチの深さに種まきして、土をかぶせましょう。種まきのあと一度軽く水やりをしたら、あとは発芽するまで水やりをしません。直射日光の当たらない風通しのよいところで管理していると、だいたい7~10日くらいで発芽します。本葉が3~4枚まで育ったら種まき苗の完成です。好きなところに植え替えましょう。

種を直播きする方法

畑やプランターなど落花生を育てたい場所に直接種をまきます。一カ所につき2~3粒の種をまいて、本葉が2~3枚になったらよいものを1本残してあとは間引きましょう。直播きは、植え替えの手間がなく根っこを傷めないメリットがありますが、芽が出る前に鳥や害虫などに食べられてしまう可能性があることを、頭に入れておきましょう。

落花生の育て方6・植え付け

育苗ポットに苗を作った場合や、市販の苗を購入する場合、畑やプランターに苗を植え付けます。落花生の植え付けに適した時期は、5月ごろです。植え付けたい落花生の苗を、根っこの土を落とさないように育苗ポットなどからぽこんと抜き取ります。すみやかに植え付けたら水をしっかり与えます。植え付けた苗がしっかり根付いて安定するまで、水やりを続けましょう。

落花生の育て方7・病気


落花生には、ほとんど病気の心配はありません。ただし、同じところに同じマメ科の野菜を何年も植え続けていると連作障害を起こし、病気が発生することがあります。連作障害を防ぐため、毎年別のところに落花生を植えるようにしましょう。

落花生の育て方8・害虫

アブラムシ

落花生には、アブラムシが発生しやすいです。アブラムシは春から夏にかけての暖かい時期に発生しやすく、群生します。アブラムシは落花生の茎や葉っぱに寄生して、落花生の栄養分を吸い取ってしまいます。とくに成長点や茎の太いところを吸われてしまうと、株全体が弱り枯れてしまうこともあります。アブラムシを見つけたら、すぐに駆除しましょう。

ヨトウムシ

ヨトウムシは、ヨトウガの幼虫です。ヨトウムシは春の暖かい時期に発生しやすい害虫です。昼間は土のなかにいて、夜になると活動します。とくに落花生の苗が幼いときは、ヨトウムシの被害にあいやすいです。ヨトウムシは、落花生の茎や葉っぱを食べてしまいます。小さいのに大食漢で、一晩のうちに落花生が食べられしおれてしまうこともあります。昼間、落花生の株元の土を手で軽く掘ると、ヨトウムシを見つけることができますので、すぐに駆除しましょう。

落花生の育て方9・収穫

落花生の収穫時期は、だいたい10~11月ごろです。品種にもよるのですが、だいたい種まきから5~6カ月後に収穫時期となります。収穫時期になると落花生の葉っぱは黄色っぽく変色し、下の方の葉っぱは枯れてきます。ひとつ試し掘りをして、土のなかにある落花生のサヤにしっかりと網目がはいっていたら、なかの実がしっかりできているサインです。なお、落花生の株を手で引き抜いただけでは、土のなかにサヤが残ることがあるので、スコップなどで確かめながらしっかり収穫しましょう。

落花生を育てて食べよう

一度根付くと追肥などの肥料もいらず育てやすい落花生は、家庭菜園におすすめです。落花生は土のなかに身をつける不思議な野菜。植え方のポイントは、土のなかにスムーズに実をつけられるように土をやわらかくしておくことと、追肥などの肥料を与えないことです。収穫までに半年近くかかるのが少し大変ですが、その分収穫できたときの喜びはひとしお。ぜひ家庭菜園に落花生を植えてみませんか。

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