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ヒメジョオンとは?特徴やハルジオンとの違い・見分け方を解説!駆除方法は?

ヒメジョオンは、春から秋に道や公園、畑などでよく見かける植物で、白から薄紫色の小さな可愛らしい花を咲かせます。 ヒメジョオンの特徴や、よく似ていて間違いやすい「ハルジオン」との違い・見分け方、ヒメジョオンが増えすぎて困った時の駆除方法など紹介します。
2020年8月27日
hellomiina
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ヒメジョオンとは

ヒメジョオンは、キク科ムカシヨモギ属の二年草で、学名は、Erigeron annuusです。ヒメジョオンは和名で、漢字で「姫女苑」と書きます。英名は、annual fleabaneです。

基本データ

学名

Erigeron annuus

分類

キク科ムカシヨモギ属

英名

annual fleabane

分布

北海道、本州、四国、九州、沖縄

ヒメジョオンの特徴

ヒメジョオンの花の時期は、初夏から秋にかけての5月〜10月頃で、キクに似た白から薄紫色の2センチほどの小さな花をたくさん咲かせます。ヒメジョオンの背の高さは、30センチから大きいものでは150センチにもなります。これから、花、葉、茎の特徴、繁殖方法などを詳しく解説します。
 

ヒメジョオンの花の特徴

ヒメジョオンの花の大きさは直径2センチほどで、キクに似ている小さな花をたくさん咲かせます。花の色は、中心が黄色で、花びらは白色から薄紫色をしているのが特徴です。中心の黄色い部分は、筒状花(とうじょうか)といい、小さな花が集まることで半球形になっています。黄色の筒状花の周りに白色から薄紫色の花びらの舌状花(ぜつじょうか)かあります。ヒメジョオンの花は夕方から夜になると閉じ、朝になるとまた開きます。

この写真のように、ヒメジョオンの花にぐっと近づいてよく観察してみると、中心の黄色い部分が小さな花の集まりということがよく分かります。この筒状花の黄色い花の一つひとつも、咲き進むにつれて全て開花するのです。そして、ヒメジョオンの花は、夕方から夜になると閉じます。

ヒメジョオンの葉の2つの特徴

1つ目の特徴

ヒメジョオンには2種類の葉があります。1つ目は、地面に張り付くように、根に近い茎から出たバラの花のような放射線状の根出葉(こんしゅつよう:バラのようなのでロゼット葉とも呼ばれている)で、しっかりと光合成ができるようにして、その状態で冬越しします。開花中は、ロゼット葉は枯れてなくなる特徴を持っています。

2つ目の特徴

2つ目は、ヒメジョオンが花を咲かせる時の葉で、種を飛ばすために茎を伸ばし、その茎につく葉は幅の狭い針のような形で、茎に対してたがい違いに生えている。葉の先は尖り、ふちにはノコギリの刃ようにギザギザした鋸歯(きょし)があり、葉のつけ根は茎を包み込まない形をしています。葉の裏を見ると、わずかに毛が生えている特徴があります。
 

ヒメジョオンの開花時の葉

ヒメジオンが開花時の茎につく葉は、写真のように細長い形をしています。

ヒメジョオンの茎の特徴

ヒメジョオンの茎は、開花期になると長く伸びます。その茎を切って断面を観察すると、茎の内部にはスポンジのような白い髄(ずい)が詰まっています。

ヒメジョオンの繁殖方法


ヒメジョオンは、種子で増えます。開花時に高く茎を伸ばして花を咲かせて、種子を飛ばします。種子は、タンポポの綿毛のようにふさふさしていますが、あまり遠くまでは飛びません。よって、翌年以降も同じような場所から発芽し、何も対策しなければ、どんどん増えていきます。種の寿命は、15年になることもあり、強靭な繁殖力で、土壌への適応能力も高いことから、酸性の土壌でも生育することができ、ほぼ日本全国、北海道、本州、四国、九州、沖縄に分布しています。
 

ヒメジョオンとハルジオンの違い

ヒメジョオンとハルジオンは、名前だけでなく、花姿もよく似ています。そんな2つの植物の違いを、蕾(つぼみ)、花、葉、茎、繁殖方法の違いに分けて解説します。

花が咲く前のつぼみの違い

ヒメジオンが花を咲かせる前の蕾(つぼみ)は、上を向いていますが、ハルジオンの開花前の蕾(つぼみ)は、お辞儀をしているように下を向いている傾向が強いです。

ヒメジョオンの蕾(つぼみ)

ヒメジョオンの蕾(つぼみ)は、写真のように上を向いています。

ハルジオンの蕾(つぼみ)

ハルジオンの蕾(つぼみ)は写真のように下を向いています。ぐったりしているようにも見えます。

ヒメジョオンとハルジオンの花の違い

ヒメジオンの花の色は、花びらが白色から薄紫色で中心が黄色です。ハルジオンの花の色は、花びらが白色から薄紅紫色で中心はヒメジョオンと同じく黄色です。花びらの形を比較すると、ハルジオンの花びらは細く糸のような形をしていて、ヒメジョオンの花びらの方が幅か広く輪郭がくっきりしています。

ヒメジョオンの花

ヒメジョオンの花は、花びらの輪郭がくっきりしています。

ハルジオンの花

ハルジオンの花びらは、ヒメジョオンの花びらより細くて糸のようで、色は白色から薄紅紫色です。

ヒメジョオンとハルジオンの葉の違い

ヒメジオンの根出葉(ロゼット葉)は、開花時には枯れてなくなってしまいますが、ハルジオンの根出葉(ロゼット葉)は開花時にも枯れずに残ることが多いです。

ハルジオンの根出葉(ロゼット葉)

写真のように、ハルジオンは、根元から生えた葉が開花時にも枯れずに残る傾向があります。

ヒメジョオンとハルジオンの茎の違い

ヒメジョオンとハルジオンの茎を切って断面を観察すると、ヒメジョオンの茎は、切った内部にスポンジのような白い髄(ずい)詰まっています。それに対し、ハルジオンの茎の内部は空洞です。

ヒメジョオンとハルジオンの繁殖方法の違い

ヒメジョオンは種子で増えます。それに対し、ハルジオンは、種子だけでなく根からも増えます。
ここまで、ヒメジョオンとハルジオンの違いについて解説しました。次の項目では、ヒメジョオンとハルジオンの簡単な見分け方を紹介します。

ヒメジョオンとハルジオンの簡単な見分け方2つ!

ヒメジョオンとハルジオンの簡単な見分け方を2つ紹介します。茎と葉を見る方法です。花にもそれぞれ特有の特徴はありますが、ヒメジョオンとハルジオンは、交雑するため、実際は、花の形だけではっきりと見分けるのは難しいです。こちらでは、茎と葉を観察して見分ける方法を紹介します。

見分け方(1)

茎を折り、内部をみる見分け方です。
ハルジオンの茎は中が空洞なのに対し、ヒメジョオンは茎の中にスポンジ状の白い髄(ずい)がつまっているため簡単に見分けることができます。

見分け方(2)


開花時に根出葉(ロゼット葉)が残っているかを確認します。緑色の根出葉(ロゼット葉)が残っていればハルジオン、枯れて残っていなければヒメジョオンです。この写真では、根出葉(ロゼット葉)が残っているハルジオンの様子がよくわかります。

ヒメジョオンの駆除方法

ヒメジョオンは、可愛らしい花ですが、繁殖力がとても強いため、増えすぎて困ることもあります。ヒメジョオンは種子により増えるため、できるだけ種子を付けないようにする必要があります。
ここでは、ヒメジョオンを農薬を使用せずに駆除する方法と、農薬を使用してに駆除する方法を紹介します。

農薬を使わない雑草駆除方法

ヒメジョオンは、多くの種子を付け増えるため草刈機やカマを使い、定期的に刈り込み、種子を付けさせないようにします。それでも生えてきてしまったヒメジョオンは、できるだけ根っこから抜きます。土が固い場合は、備中鍬(びっちゅうぐわ)を使うと、土がほぐれて根が抜きやすくなります。
備中鍬で土を軽くほぐした後に、梳き鍬(すきぐわ)を使い、根元から土の中の3センチあたりの部分の根を切るようにすると草が抜きやすく少し残った茎や葉も枯れやすくなります。草取りをしてから、再び生えにくくするために、防草シートを敷きます。防草シートの上に砂利や瓦チップやレンガなどを敷き詰めるとより効果的です。

除草に役立つ道具・資材

草刈機

電動式とエンジン式とあります。家庭用なら電動式が手軽に使いやすいです。

備中鍬(びっちゅうぐわ)

備中鍬(びっちゅうぐわ)は、粘土質の固い土をほぐすことも得意です。

草刈り鎌

草刈り鎌は、錆びやすいので、使った後は、土を水で洗い流し日陰でしっかり乾燥させてから保管しましょう。

防草シート

防草シートを敷く前にしっかり除草しておくことと、隙間ができないように敷くことが大切です。

砂利・瓦チップ

防草シートを敷いた上に砂利や瓦チップを敷き詰めると効果的で景観もよくなります。

農薬を使う雑草駆除方法

農薬を使う雑草の駆除には、除草剤を使用します。除草剤には、土壌処理剤と茎葉処理剤があります。土壌処理剤は、雑草が生える前に土に撒き、発芽を予防します。茎葉処理剤は、生えてきた雑草そのものにかけて枯らします。
除草剤使用の年間のサイクルは、春に芽が出た時に、茎葉処理剤を使い雑草の芽や茎や葉を枯らします。
前年にヒメジョオンなどの雑草が生えていた場所を覚えておき、秋に雑草が発芽する前に土壌処理剤を使い同じ場所からの発芽を防ぎます。年間で3~4回程度、ヒメジョオンの状態に合わせて除草剤を使用すると効果的です。

ヒメジョオンの名前の由来と覚え方

名前の由来(1)

ヒメジョオンは漢字で「姫女苑」と書きます。「姫」は、植物の名前に使われる時は、「小さい」という意味で使われます。中国の「女苑(ジョオン)」という花に似ていることから、小さいという意味の「姫」と「女苑」をたして「姫女苑」という名前を付けたという説があります。これがヒメジョオンの名前の由来の一つ目です。

名前の由来(2)

ヒメジョオンの名前の二つ目の由来です。
写真の紫色の花は、紫苑(シオン)です。ヒメジョオンは、「紫苑(シオン)」に似ていたため、「小さい」という意味の「姫」と「紫苑(シオン)」をたして「姫紫苑(ヒメシオン)」と名づけられたが、その時にはすでに「ヒメジオン」と名付けられた植物があったために「姫女苑(ヒメジョオン)」に変えられたという説があります。
ちなみに、ハルジオンは、漢字で書くと「春紫苑」と書きます。紫苑(シオン)に似ていて、春に咲くことから名付けられました。
「ヒメジョオン」と「ハルジオン」花もよく似ていて、名前もよく似ていることから混合され間違いやすい植物です。続いて、そんな「ヒメジョオン」と「ハルジオン」の名前の覚え方を紹介します。

ヒメジョオンの名前の覚え方


ハルジオンと名前が似ているため、混合して「ヒメジオン」と言ってしまったり、間違うことの多いヒメジョオンですが、《「姫」は「女」性”》と覚えるとスムーズに覚えることができます。 いかがでしょうか?
ヒメジオンには、他にもいくつかの別名があります。次の項目では、ヒメジオンの別名を紹介します。

ヒメジョオンの別名

ヒメジョオンは、他にも「センソウグサ」、「サイゴウグサ」、「ヤナギバヒメギク」、「アメリカグサ」など、さまざまな別名があります。

ヒメジョオンの花言葉と由来

小さくて可憐な印象のヒメジョオンは、どんな花言葉でしょう?その由来もみていきましょう。

ヒメジョオンの花言葉

ヒメジョオンの花言葉は「素朴で清楚」。野に咲くヒメジョオンの小さくて可憐なイメージにぴったりな花言葉です。
続いて、花言葉の由来を紹介します。

ヒメジョオンの花言葉の由来

ヒメジョオンの花言葉は「素朴で清楚」です。ヒメジョオンの素朴で可憐な美しさ、そのままの印象が花言葉の由来となっています。写真の光景のようにヒメジョオンの道端に咲く姿は、まさに「素朴で清楚」といえます。通勤や散歩の途中で出会ったら、ほっこり気持ちを和ませてくれそうです。

ヒメジョオンを飾る

ヒメジョオンは、日本に入って来たときは、観賞用でした。しばらくして野生化し日本に帰化しました。元は観賞用というだけあり、とても美しい植物です。ここではヒメジョオンを野草として、飾って楽しんでいる例を紹介します。

バケツにざっくりと入れて飾っています。ヒメジョオンのみでなく猫じゃらしも可愛いアクセントになっています。

散歩中に摘んだのでしょうか?たっぷりのヒメジョオンを琺瑯の水差しに入れてある、だたそれだけでとても絵になる光景になっています。

まとめ

この記事では、ヒメジョオンの特徴や花言葉、「ハルジオン」との違い・見分け方、ヒメジョオンが増えすぎて困った時の駆除方法や、ヒメジョオンを暮らしに取り入れ、楽しんでいる様子などを紹介しました。

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