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食べても美味しい「イソガニ」の生態は?捕まえ方や美味しい食べ方をご紹介!

海辺でよく見かける小さなカニはイソガニと言います。漢字だと磯蟹になり磯に棲む蟹のことです。釣りエサに使われたり捕まえて飼うこともできますが、シンプルな料理で食べることもできます。そんなある意味万能なイソガニを紹介します。
更新: 2023年11月23日
揚げ餅
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イソガニとは

釣りエサとしても使われる小さな蟹

イソガニは海辺にいくとよく見かける小さなカニでテトラポッドや石の隙間などに潜んでいます。個体数は多くのですが、小さいため一般的に食用として市場に出ることはなく磯遊びで見かけることが一般的です。落とし込みで釣るクロダイなどの釣りエサにも利用され仕掛ける時はお尻の方から針を通すか、片脚を落として脚側に通して仕掛ける方法があります。この方法だとイソガニが水中で捕まるものがなくよく動くので水中で目立ちます。

食べることもでき飼育も比較的簡単

詳しくは後述しますがイソガニは味噌汁などで食べることでもできます。また海に棲むカニの中では比較的簡単に飼育することができます。アクアリウムで海の生物を飼育するのは難易度が高く大変ですが、イソガニはフィルターを使って濾過したりエアレーションを入れたりとアクアリウムの基本的な事をちゃんとしておくと飼育でき湿度などの状況が合えばテトラポッドの上や石の影で見られるように陸上でもエラが乾かなければ短時間なら大丈夫です。

イソガニの生態について1

生態1:基本的な情報

学術名はHemigrapsus sanguineusです。和名のイソガニは磯蟹となり塩分濃度の濃い汽水域でも生息しています。汽水域とは淡水と海水が混ざりあった場所のことで海辺と同じようにテトラポッドや石や岩陰に潜んでいて周辺の陸上でも見かけます。時には汽水域や海辺から50メートルほど離れた陸上でも見かけることもあり、成体で約25ミリほどの大きさで稀に大きいものは40ミリ近くになる個体もいます。

生態2:分布

イソガニの分布は幅広くどこでも同じような生態をしています。日本では北海道から沖縄まで住んでいて、世界では朝鮮半島、中国、台湾などのアジアとオーストラリア、ハワイ、ニュージーランドと南半球の方まで住んでいてタコやクロダイ、鳥類のエサになるので生態系を支える大切な生物です。現在では船のバラスト水と一緒に生息地域が広まっていますが生態系のバランスを乱すほどの問題には2018年現在ではなっていません。

生態3:エサ

イソガニはなんでも食べる雑食性でテトラポッドに付着している海藻、釣りエサとして馴染みのゴカイなどの水棲の動物、貝類、小魚を食べます。飼育する時はしらすやアサリなどでを与え、細かくしなくてもある程度の大きさならハサミを使って器用に口元まで運んで食べる食べ方はカニ類共通です。

イソガニの生態について2

オス、メスの違い

同じように磯や干潟に棲むシオマネキと比べるとイソガニのハサミは左右で同じ大きさをしています。メスと比べるとオスはハサミが発達していて、メスのハサミは小さいので見分けるのは簡単です。他にも分かりやすく見分け方としては腹部がどうなっているか確認すると分かりやすく、オスは腹部が三角形のように鋭角になっているのに対して、メスは丸み帯びた山のような形をしているので見分けるのは、やはり簡単です。

産卵時期

日本に棲むイソガニが産卵する時期は4月下旬頃から8月までなります。お腹の部分に黒い卵を抱くように抱えていることから抱卵と呼ばれていて、卵から孵ったイソガニの赤ちゃんを育てるのは難しく家庭にあるアクアリウムで育てることはほぼ不可能です。またメスを一匹だけ飼育していも時期が来れば卵を抱きますが無精卵なので孵ることはなくイソガニ自身がエサとして食べる場合もありますが特に問題はありません。

寄生虫に注意


イソガニを飼育して育ててみようと思う方は寄生虫であるフクロムシに気をつけてください。フクロムシはイワガニやイソガニに寄生して栄養分を吸ってしまい、行動をおかしくさせてしまいます。フクロムシが寄生しているかどうかはお腹に黄色い卵のようなものがついていたら、寄生されている可能性が高いです。オスが抱卵していると間違いなく寄生されているので育てず放流したほうが良いでしょう。

イソガニの捕まえ方

準備もせず捕まえるのは難しい

何の準備もせず楽な捕まえ方はありません。意外とイソガニはすばやく体が小さいため、すぐに岩陰などに隠れられてしまいます。そのため最低限でも破れてもいい虫取り網などが必要になります。

捕まえ方1

素手でどうしても捕まえたい時におすすめの捕まえ方は夜間に急にライトで照らして目眩ましをして捕まえる方法です。まず夜間にぎりぎりまでイソガニに近づいて急にライトで照らします。こうすることでイソガニの動きが鈍り素手でも捕まえることができますが、飼育するならできるだけ優しい捕まえ方のほうが気持ちの面でもいいので簡単にできる罠を仕掛けたりしましょう。

捕まえ方2

簡単にできる罠とはエサとなる物をペットボトルに入れて飲み口が上になるように斜めにして砂浜などに埋めます。飲み口を砂で埋めないように気をつけてください。後はしばらく待ってからそっと砂からペットボトルを取り出すだけで運がいいと捕まることができます。待ち伏せ型の罠なので運も必要になりますが追いかけて捕まえるよりかは簡単です。しかしエサを用意するのであれば一番簡単な捕まえ方に釣る方法があります。

イソガニの釣り方

ザリガニ釣りと同じ

子供の頃にザリガニ釣りをしたことがある方はわかると思うのですが、魚釣りと比べると非常に簡単です。まずイソガニの釣りエサとなる生イカの切り身や駄菓子のススメなどを用意して針金に取り付けてイソガニの隠れている場所に垂らすだけです。エサを食べようとイソガニが隠れ家から出てきてエサを食べようとハサミで挟むので慌てず確実に挟んでエサを食べるまで待ってから上に引き上げます。早いと隠れ家に戻ってしまうので焦りは禁物です。

上手に釣る方法

タイミングが分かって慣れるとイソガニ釣りは難しくありません。上手に釣るにはエサの食べ方に注目します。両方のハサミできっちりとエサを挟むまで我慢してゆっくりと上げて水中から出る前にタモなどすくいましょう。ザリガニと比べて動きが早いので陸上落としても逃げられる可能性があります。また素手で掴む時は甲羅の方から掴まないと正面からは挟まれる可能性があります。

イソガニの飼育・育て方1

飼育環境を整えよう

イソガニを飼育して育てる場合は生育環境をしっかり整えておく必要があります。アクアリウムは淡水生物より海に棲む生物が難しいですがイソガニは基本的なことをしっかり整えておくと比較的簡単です。まず水槽などの容器には砂利を敷いておきます。次に水は捕まえたところの海水ベストですが遠いなどの場合は人工海水を使用して水量は石が軽く浸かるぐらいの深くないようにします。そして水槽に対して1匹を目安にイソガニを飼いましょう。


隠れ家も必要

飼育できる環境が整うと次は隠れ家になるような物を入れておきます。無事育てていくとカニは脱皮し、脱皮したては体が柔らかくなるので隠れる場所が必要です。また普段でも隠れる場所がないとイソガニが休む場所がありません。隠れる場所は大きな石、小さな植木鉢などでも大丈夫です。

人工海水とは

天然の海水に対して人工的に作られた海水を意味しペットショップなで売られています。形態は粉末タイプ、液体タイプがあり本物海水のように塩分濃度、phが調節されていてカルキを抜いた水で希釈したりとかして使う製品です。

イソガニの飼育・育て方2

食べ残しは速やかに回収

しっかりしたアクアリウムならば濾過装置とエアレーションをしていると思いますがエサの食べ残しは速やかに回収しましょう。水質汚染の原因になります。エサを与える時は1日あたり1回~2回でしらす、魚介類、キャベツなどで大丈夫です。

海水の入れ替え

濾過装置がない場合は2日に1回ほど海水の入れ替えをしたほうがイソガニにとっても環境がよくなります。この時期は蒸発して塩分濃度が濃くなるので水位にも注目して干上がってきたらカルキを抜いた水道水で調節します。

濾過装置の種類

アクアリウム初心者でも簡単なのが外掛けフィルターです。ただし濾過能力はあまり高くないのでこまめに手入れが必要になり水量も必要です。濾過装置を手入れする場合は海水で洗わないと水の汚れを分解するバクテリアが死滅してしまいます。また濾過装置に使われている素材によってはゴミぐらいしか取れないものもあるので自分で炭を入れたりして改良することもできます。詳しくは熱帯魚専門のペットショップで相談してみてください。

イソガニのレシピ1

イソガニの美味しい料理とは

食用ではありませんがイソガニは料理にすることができます。体が小さい蟹なので食べ方はそのまま茹でるなどの簡単な調理をするだけなので難しいレシピはありません。

イソガニ美味しい食べ方:素揚げ

非常にシンプルな料理で簡単なレシピです。作り方は捕まえたイソガニをボールにいれて水を張り甲羅などに付着している汚れなどを落とします。寄生虫に関しては見つけることができたら気持ち悪いので調理せずそのイソガニは放流しましょう。洗い終わるとよく熱した油にそのまま入れて5分ほど揚げれば完成です。簡単なレシピですが応用が効きイソガニだけではなくサワガニも同じように調理することができます。

イソガニのレシピ2


イソガニ美味しい食べ方:味噌汁

味噌汁も簡単に作れる料理です。レシピは水で汚れなどを落とすように洗い、イソガニを茹でていきます。灰汁が出てくるので取り除いてからあとは普通に味噌汁を作るように調理していくしてくだけです。カニなのでだしの素などを多用しなくてもだしも出るのでシンプル料理ですがイソガニ美味しい食べ方です。調理する際は火傷に気をつけてください。

イソガニのレシピ3

少し手間のかかる食べ方:がん汁

調理方法はカニをすりつぶし、味噌こしなどを使って殻など取り除いてから酢味噌ぐらいの柔らかさになるように水を加えていきます。殻などを取り除き程よい柔らかさになったらあとはひにかけて茹でていくと身の部分が固まってミンチのようになるので味噌などで味付けをしていきます。本来は川蟹をつかう大分県の郷土料理でイソガニでも代用して調理することができます。

イソガニのまとめ

身近にいる蟹

イソガニは海辺に隠れる場所さえあれば必ずいる身近な蟹です。普段は気にしない小さな蟹ですが釣りエサに使用したり、釣って家で飼育したり味噌汁や郷土料理にして食べることもできます。調理方法も基本的に茹でるか、揚げるかしかないので簡単です。飼育する場合は水質に気をつけて蒸発による塩分濃度の上昇はイソガニとってはかなり危険なので気をつけてください。

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