ワイヤーアクセサリーとは
ワイヤーアクセサリーとは、ワイヤー(針金)を工具などを使って曲げたり、ビーズや天然石などをつけたりして手作りできるアクセサリーです。巻き方や留め方を工夫するだけで、針金とは思えない仕上がりにすることができます。
細いワイヤーでできたアクセサリーは繊細で華奢なイメージがあるので、さりげなくおしゃれしたいときにピッタリ!自分で手作りすることで、世界にひとつだけのオリジナルデザインを作ることができます。
ワイヤーアクセサリー作り:必要な道具
基本アイテム"工具"
ワイヤーアクセサリー作りの材料としてワイヤーが必要なのはもちろんですが、加工するために使う道具もアクセサリー作りに欠かせないアイテムです。
とはいえ、特別な道具はなく、基本的にペンチ(ヤットコ)とニッパーがあれば作れます。ワイヤーは手で曲げることもできますが、工具があった方がより細かい作業をしたり、ワイヤーを切ったりできます。
100均商品からプロ仕様の物まで種類がありますが、強度的な部分(バネや錆など)に違いが出てくるので、長く使用したい場合はしっかりした物を選ぶことをおすすめします。また、単にペンチと言っても用途によって種類があるので、必要に応じて揃えてみましょう。
丸ペンチ(ヤットコ)
丸ペンチは先が細く丸くなっていて、種類によって長いものや短いものがあります。基本的な用途としては、おもにワイヤーを丸めるときに使います。ホームセンターで売っているものもありますが、手芸用として売っているものの方が先がより細くなっているので、細かい作業の多いアクセサリー作りに向いています。
平ペンチ(ヤットコ)
平ペンチは挟む部分が平らになっているペンチで、用途は多岐にわたります。ワイヤーを直角に曲げる・挟む・ねじる…など、さまざまなことに便利です。他にもワイヤーをかしめたり、丸カンなどの金具の開閉に使うこともできます。
ラジオペンチ
丸ペンチと平ペンチを組み合わせたような特徴のあるラジオペンチ。一見、万能なようですが、先端部は完全な丸にはなっていないので小さな輪を作るには技術が必要で、また、物を挟んだときに滑らないよう凹凸の溝があるものが多く、強くかしめ過ぎるとワイヤーをボコボコにしてしまう可能性があるので、初心者にはあまり向きません。
ニッパー
ニッパーはワイヤーを切るために使う道具です。ラジオペンチの根元部分にも切る機能はありますが、先端部分で切ることができるニッパーは、より細かい作業に向いているといえます。
ペンチ同様、こちらも無くてはならない道具になります。
あると便利な道具
定規・メジャー
ワイヤーの長さを図るためにあると便利な道具です。直線定規でもいいですし、メジャーだと丸い形の大きさを見るのに便利です。100均の手芸用品コーナーでも手に入れることができるので、できれば準備しておくといいですね。
紙・筆記用具
デザインを描くのに使います。いきなりデザインを描くのは難しいですが、筆記体でアルファベットを書き、そのうえをワイヤーでなぞるだけで、簡単にモチーフを作ることができます。
一筆書きで書けるものはなんでもワイヤーで作ることができます。初心者には立体的なデザインは難しいので、まずは平面で作れるものからチャレンジするのもいいですね。また、ペンなどは巻きつければ丸い形を簡単に作れるので、用意しておきたいアイテムのひとつです。
他にも・・・
茶筒などの筒状の物があると、ペン同様丸い形を作るときに便利です。また、ハートや星が描かれたイラストなども、紙に手書きするより楽ちんに形を作ることができます。身の回りに使えそうなものがあれば、どんどん取り入れてみましょう。
ワイヤーアクセサリー作り:ワイヤーの種類
ワイヤーアクセサリー作りのメイン材料【ワイヤー(針金)】は、手芸店・ホームセンター・100均・ネット通販などで簡単に手に入れることができます。
特徴の違いでさまざまな種類があるので、詳しくご紹介していきます。
おすすめ1:アーティスティックワイヤー
アーティスティックワイヤーとは、アメリカのアーティスティックワイヤー社製の銅線ワイヤーで、銅線芯にエナメル、さらにクリアコーティングがされているため半永久的に傷などに強く、最高級品のワイヤーとよばれています。
とはいえ価格は手頃で、カラーバリエーションや太さの種類も多く、ワイヤーアクセサリー作りに最も適しているワイヤーといわれています。アクセサリー作家さんに多く使われているのも、このアーティスティックワイヤーです。
おすすめ2:サージカルステンレスワイヤー
「ワイヤーアクセサリーを着けたいけど金属アレルギーが…」そんな方におすすめなのが、サージカルステンレスワイヤーです。
メスやハサミなどの医療用の工具に使われる医療用ステンレス(SUS316L)という素材でできており、アレルギー性が最も少なく、腐食や褪色にとても強い素材です。ただ、アーティスティックワイヤーに比べとても硬いので、太さによっては加工が難しくなります。
おすすめ3:ステンレス
主に鉄が材料のステンレス合金。100均でも出に入れることができます。やや硬めで、初心者には少し難しいかもしれませんが、しっかりした形作りができます。錆びにくいのも特徴のひとつ。
ただ、特に太めのものは硬いと、ニッパーで切るときに力が必要になりますし、100均のニッパーでは切れない場合もあるので、道具選びもきちんと合うものを選んだ方がよいでしょう。
おすすめ4:銅
こちらも100均で購入できます。価格の安さ、加工のしやすさ、どちらをとってもNo.1なのが銅製ワイヤーです。初めてお試しで作ったり、練習用に使うには持ってこいの手軽さです。やや変色や錆になりやすい面があるので、作品はお手入れが必要になってきます。
おすすめ5:真鍮
真鍮は銅とスズの合金でできている素材です。黄色味が強い金色が特徴。ステンレスほどではありませんが、やや硬く銅線より少し高価なので、初心者よりは慣れた人におすすめです。また、長時間が経つと色がやや黒ずんでくるので、金属磨きなどでのお手入れが必要になってきます。
その他
【アルミ】 軽く加工もしやすいですが、何度も折り曲げると劣化し折れる
ことがあるので注意が必要です。
【ゴールド】針金というより貴金属(18K)なので、大変高価なため手芸用
には向いていません。
【シルバー】やわらかめなので加工はしやすいですが、こちらも若干高価で
加工後は錆びつきやすいのでお手入れが必要です。
太さや形状
太さ
太さは0.2mm~2.0mmのまでさまざま。ただ、太いと硬く、曲げたりするのが難しくなるので、初心者は0.4mm~0.6mmのものをおすすめします。
太さの表記はmmで表記されているものもありますが、「〇号」「#〇」など号数で表記されているものもあり、その場合、番手の数字が大きいものほど細いワイヤーになっています。また、メーカーによって違うので確認が必要です。
例:アーティスティックワイヤー #26=0.4mm、#22=0.6mm
硬さ
「ソフト」・「ハーフハード」・「ハード」があります。(ハードはあまりありませんが…)
ソフトは初心者でも扱いやすい硬さです。でも、シンプルなデザインほど、後々変形してくる恐れがあるので、シンプルかつ強度を求めるならハーフハードがおすすめです。また、太さによっても硬さが変わるので、いろいろと試してみるのもいいですね。
形状
ワイヤーを切った時の形状が、丸い「ラウンドタイプ(丸線)」、半月になっている「ハーフラウンドタイプ(甲丸線)、四角い「角線」、平らな「平線」などがあります。作る作品によって形状を選ぶとよいでしょう。
ワイヤーアクセサリー作り:基本テクニック
1.伸ばす
販売されているワイヤーは丸めてあるので、作品を作りやすいようあらかじめ伸ばします。基本針金なので伸ばすのは簡単!指でワイヤーを挟み滑らすようにしごきます。太めのものや硬い素材のときは、布で挟み伸ばすと指が痛くならずに伸ばすことができます。
2.曲げる
アクセサリーを作るにはワイヤーを曲げなければ始まりません。工具を使えば、丸ペンチでワイヤーを挟み巻きつけ丸を作ったり、平ペンチで曲げて角をつけたり、さまざまな形が作れます。
もちろん指で曲げるのもOK!大きめの輪を作る場合は、工具などを使うとガタガタになってしまうので、ワイヤーの端と端を持ち、その端を合わせるように丸めるときれいな輪になります。
3.切る
当たり前ですが、針金なので手では切れません。ニッパーを使い切ります。工具の説明にも書きましたが、ラジオペンチの根元よりはニッパーで切る方が細かな部分でも切れるので断然いいです。ただ、切るときは向きに注意が必要です。
ワイヤーをカットした断面がニッパーの内か外かで切り口が変わってきます。ニッパーの内側は平らになりますが、外側は山型の形になります。基本的にカットした断面は平らになっている方がいいので、残したい方に内側を向けるように切るのが正解です。
4.ねじる
ちょっとしたアクセントに使えるのが「ねじり」です。単にくるくる回してねじればいいかと思えば、実はこれが意外と難しい…。上の写真のように片方が軸になって、もう一方だけがくるくる…そんなことになりかねないのです。きれいな「ねじり」は2本のワイヤーが同じようにねじれている状態です。
巻き方のコツは、ペンに挟んだりビーズに通したら根元を1回転ねじり、2本に分かれたワイヤーの少し離れたところを平ペンチで固定し、ペンを回していきます。ワイヤーを指で回してしまうと、力の入り具合で均等にねじることが難しく失敗しやすいです。
5.巻きつける
ワイヤーにビーズを固定したりするときに必要なテクニックです。太いと巻きづらいので、0.3mm~0.6mm位の太さのものがおすすめです。巻き方はシンプルにくるくる巻きつけるだけ。そのとき、出来るだけ間隔を詰めたほうがきれいな仕上がりになります。留め方は着けたときに肌に接触しない部分でカットし、ペンチで潰すようにして固定します。
ワイヤーアクセサリー作り:応用テクニック
めがね留め
ビーズや天然石を使ったパーツを作る時に使う留め方です。またパーツとパーツをつなげる時にも使えるテクニック。やり方は、ビーズに通したワイヤーをビーズの穴が平行になる頂点で1、2回ねじります(下写真①)。
片方のワイヤーを丸め(下写真②)丸めた部分をペンチで固定しながら、余ったワイヤーを巻きつけていきます。巻き方はビーズの周りに巻き付けたり、アレンジ次第でいろいろ使えるので、ぜひマスターしたい留め方です。
マニキュアフラワー
ワイヤーで花びらの形を作りマニキュアで膜を張ると、まるでスタンドグラスのような透明感のある仕上がりになります。輪が大きいと膜が張りづらいので、やや小ぶりに作った方がおすすめです。花びらの形は一旦丸い形で作ったあと、ペンチや指で挟んで成形します。ワイヤーの巻き方は花びらの軸のように中心でまとめるようにします。
初めての手作りアクセサリー:リング
お待たせ致しました!ここからは実践的なアクセサリー作りをご紹介していきます。巻き方・留め方の応用次第で手作りを楽しめるアクセサリーばかりです。
アルファベットがモチーフのデザイン。シンプルだけど存在感抜群です。紙に書いた文字をなぞって形を作りリング状に丸め、適当な長さにカットしたらビーズを通し接着剤でとめます。口紅などの筒状の物を使うと、丸めるのもきれいで簡単!イニシャルの部分をハートや星にするなど、他のデザインに変更すれば、バリエーション豊かに作成できます。
初めての手作りアクセサリー:ブレスレット
ブレスレット用ワイヤーや、太めのワイヤーを使っても簡単に作れます。丸めたワイヤーに好きなビーズを通すだけ。切り口の留め方は、ブレスレット用ワイヤーの場合は付属している丸玉を接着剤で留めます。
無い場合はワイヤーを丸めるだけでもOK。ビーズはあえて固定しなくても、着けたときに表情が変わるのを楽しめます。固定したい場合は、ブレス本体に細めのワイヤーを2、3回巻きつけ、そこにビーズを通して固定していきます。
初めての手作りアクセサリー:ピアス
ピアスパーツとの組み合わせ。ワイヤーだけでもいいですが、ビーズをプラスするとより一層可愛らしさがUPします。パースとつなぎ合わせる時は、ワイヤーの端を丸めつなげてもいいですし、丸カンを使用してつないでもOKです。
アーティスティックワイヤーなど腐食しにくい素材であれば、ピアスパーツを使わず、そのまま差し込めるデザインにすることできます。
初めての手作りアクセサリー:ネックレス
めがね留めで作ったモチーフをペンダントトップに。「これが針金?」と疑ってしまうほど、巻き方次第で芸術的なデザインができます。
留め方は、ビーズであればワイヤーを穴に通すとしっかり固定でき、天然石など穴のあいていない材料の場合は、ワイヤーで包み込むようにして固定します。お気に入りのパワーストーンを素敵なネックレスにしてみましょう。
初めての手作りアクセサリー:アレンジ編
ヘアゴムやバレッタに応用した髪飾り。たくさんパーツを作って飾るだけで華やかな印象になります。カラーバリエーションが多いアーティスティックワイヤーですが、マニキュアフラワーでさまざまな色を使うと、華やかさも一層UP!パーツの留め方はワイヤーでも接着剤でもOKです。
手作りワイヤーアクセサリーのまとめ
単なる針金…といえるワイヤーですが、工夫次第でこんなにも可愛らしいオリジナルのアクセサリーが作れます。基本さえ押さえれば、材料の種類や巻き方・留め方によって多彩にアレンジ可能なので、ぜひ、さまざまな物にチャレンジしてみてくださいね。
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