ガジュマルとは
ガジュマルの分類と名前の由来
ガジュマルはクワ科イチジク属に分類される常緑高木です。日本では沖縄に行くと10mくらいにまで成長した巨木と出会えますが「ガジュマル」という名前、とても特徴的で面白いですよね。
ガジュマルという名前の由来に関してはいくつか説があり、中でもよく知られているのが「絡まる」がなまって「ガジュマル」という名前になったという説です。
ガジュマルは気根と呼ばれる細い根を垂らしますが、幹や気根が絡まるように生えることから「絡まる」と呼ばれるようになったことが始まりと言われています。
ガジュマルの分布
ガジュマルは元々種子島や屋久島より南の島々に自生しています。そのため同じく南に位置する小笠原諸島などでは、ガジュマルを植えて繁殖させている場所もみられます。日本以外にも台湾や中国の南部、インド、オーストラリアなどで自生していることが知られています。
ガジュマルとキジムナー
あなたは「キジムナー」という言葉を聞いたことがありますか。実は沖縄地方では大きく成長したガジュマルにはキジムナーと呼ばれる妖怪が住みついていると言い伝えられています。
キジムナーの姿は地域ごとに異なりますが、いずれも人間と共存する妖怪で、まれに人間の漁などを手伝うとも言われます。ただガジュマルを傷めるようなことをすると祟られるとも言われているので、ガジュマルを育てる際は大切にしてあげたいですね。
観葉植物としてのガジュマル
ガジュマルはその独特なフォルムから、観葉植物としてもとても人気があります。その上育てるのも簡単なので、インテリアショップ等で販売されているのもよく見かけますよね。
観葉植物として育てると、数10mほどの巨木にはならないものの条件が合えばどんどん大きな株に育ちます。そうすると剪定が必要になりますが、その剪定した枝を使ってガジュマルを増やしてみませんか。
ガジュマルは挿し木で増やせる
ガジュマルは成長が旺盛なので、夏場などはぐんぐん大きく育ちますよね。そうすると剪定が必要になる場合もあります。その選定した枝を利用して挿し木にする人が今とても多いことをご存知ですか。
剪定の枝を利用した挿し木の場合、元々のガジュマルとはまた違った雰囲気のガジュマルを楽しむことができます。とても簡単に増やすことができるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ガジュマルの挿し木の方法1.枝を切り取る
枝を切り取るか剪定した枝を用意する
まずはガジュマルの挿し木に利用する枝を10㎝程度切り取ります。剪定した枝を使用する場合はより勢いのある枝を選び、10㎝程度に切りそろえましょう。
剪定後時間が経って切り口が乾いている場合は、10㎝より短くなってもよいので茎の内部が湿ってい場所まで切り詰めるのがポイントです。
根元側の葉を2~4枚摘み取る
発根後土に挿すことを想定し、根元側の葉を2~4枚ほど摘み取りましょう。葉が多いと余分な栄養を使って発根が遅れてしまうこともあるので、葉が多い場合はすべての葉を半分に切っておくか、先端の2枚だけ葉を残しておくという方法もおすすめです。
そうすることで根を作る栄養がしっかりと確保され、発根が早まりますよ。
ガジュマルの挿し木の方法2.水に浸ける
コップ等に入れた水に枝を浸ける
挿し木用に切り取った枝は、樹液をよく洗ってからコップ等に入れた水に浸けておきます。水に浸けたガジュマルは窓辺のカーテン越しなど明るい屋内に置いておきましょう。
1~2日に1回は水替えをし、茎に水カビが生えるなど変化があった場合は早めに洗い流しましょう。その際はコップ等の容器もしっかり洗うのがコツです。
発根するまで1ヶ月かかることも
元気なガジュマルの場合は枝を水に浸けて1週間ほどで発根します。しかしなかなか根が出ないというガジュマルもいます。ただ根が出ないからといってあきらめて捨ててしまうのは待ってくださいね。
のんびりとした性格のガジュマルもいます。根が出ないなら根が出るまで待ってあげればよいのです。葉が枯れてしまうとあきらめた方がよいですが、葉が枯れていなくて根が出ない場合は最低でも1ヶ月は待ってあげましょう。
ガジュマルの挿し木の方法3.用土と容器の準備
ガジュマルの根が出てきたら、用土と容器の準備をします。すでに根が生えてきているので、一般的な培養土や観葉植物の土を用意して問題ありません。
ただ容器はできるだけ小さいものを選びましょう。ホームセンターなどで手に入る最小の鉢かセルトレイを利用するのがおすすめです。小さな容器に入れた方が土の乾きが早く根腐れの防止になります。
ガジュマルの挿し木の方法4.植える
ガジュマルの植え方のコツ1.注意点
土と容器が準備できたら早速ガジュマルを植えましょう。植え方に関して注意点はありませんが、とにかく根がデリケートなので根を傷つけないように植えるのがコツです。
ガジュマルの植え方のコツ2.穴をあける
発根させずに行う挿し木では枝をそのまま土に挿しこみますが、すでに発根している場合はその方法では根が傷ついたり切れてしまうのであまりよくありません。必ず指で穴をあけて枝を刺しましょう。
ガジュマルの植え方のコツ3.やさしく植える
ガジュマルの植え方における一番のコツはやさしく植えることかもしれません。ガジュマルを植え付けた後、ついついぎゅっと土を押さえつけたくなりますが、それも根を傷める原因になるのでやめましょう。
穴にガジュマルを挿したら隙間に土を入れふんわりと押さえたら水をあげます。そこで土のかさが減った分だけ土を足しておきましょう。
ガジュマルの挿し木の方法5.日陰で育てる
ガジュマルを植えたら屋外の明るい日陰で育てましょう。1週間くらい明るい日陰で育てたら、その後は少しずつ日向になる時間が長い場所に移動させていきます。
ただ容器が小さいのため朝から夕方まで日があたる場所では水切れを起こしてしまい、枯れてしまうことあるなす。しっかりと根付くまでは長くても4時間程度日が当たる場所までで留めておくのがポイントです。
ガジュマルの挿し木の方法6.定植
植え付けてから1ヶ月くらい経ったらいよいよ定植です。挿し木による増やし方では、株が大きく成長するには時間がかかります。そのため1本だけ植えるなら大きくても直径が10㎝程度の鉢に植えるといいですね。
複数のガジュマルを植える場合は成長後のことを考えて、株同士の間隔は5㎝以上開けるとよく育ちます。
ガジュマルの挿し木を成功させるコツ
ガジュマルの挿し木による増やし方は成功率が非常に高いため、気軽にチャレンジできます。ただそれでも失敗してしまう人がいるのは、ガジュマルの挿し木を行う季節を間違っているからかもしれません。
ガジュマルは暖かい地方の植物です。とはいえ夏の強烈な日差しは挿し木したばかりの株にはつらいです。そうなると春に挿し木をして定植後に夏を迎えるのが一番よいのかもしれませんね。
ガジュマルの気根の増やし方
ガジュマルの気根とは
ガジュマルの気根とは、ガジュマルの幹や茎から生えてくる根のことを指します。同じガジュマルでも、気根が出るものと出ないものがありますが、それは栽培環境によって左右されると言われています。まずはガジュマルの気根が出る条件と気根の増やし方から見ていきましょう。
ガジュマルの気根が出る条件と増やし方
ガジュマルの気根は次のような条件がそろわないと出ないと言われています。
・用土が十分に湿っていること
・気温が25度以上あること
・湿度が80%以上あること
逆に言えば、これらの条件が整った場所でガジュマルを栽培すれば、どんどん気根が生えてくるということです。
ガジュマルの気根が出ないときの対策
ガジュマルの気根がどうしても出ないときは、肥料を与えてこまめに霧吹きなどで葉や茎や幹を湿らせるといいですよ。また梅雨時期に雨が当たる場所に鉢を置いておくと、気根がたくさん生えてくるのでぜひお試しください。
それでも気根が出ないときは、鉢ごと透明なビニール袋で覆うという方法もあります。ただ蒸れてしまうと逆に株の勢いがなくなってしまうので、完全に密封するのではなくすこしビニール袋に余裕を持たせたり、ところどころに穴をあけるなど対処しましょう。
ガジュマルの気根を太くする方法
ガジュマルの気根は普通に育てていると出ないこともあり、仮に気根が出たとしても成長させるのはなかなか難しいです。さらに言えば、挿し木による増やし方で植え付けたガジュマルの気根を太くするには十年単位で栽培しないと無理だと言われています。
しかし、ガジュマルを種から育てると気根が早く太く成長すると言われています。というのも、ミニ観葉とし販売されているガジュマルは種による増やし方をして育てたものなんだそうですよ。小さい苗なのに気根が十分太く成長しているので、これは期待が膨らみますね。
ガジュマルの種の入手方法
ガジュマルの種の入手は難しい
ガジュマルの種はほとんど流通していません。ただ1m以上成長したガジュマルは実をつけその中で花を咲かせます。もしガジュマルの木を見つけたら実がつく頃を見計らって種を採取しましょう。
もし私有地にある場合はお願いして実を分けてもらうのもいいですね。また稀にネット通販で購入できることもあるので、南国の植物を購入できるサイトをこまめにチェックするのもおすすめです。
ガジュマルの種の採取方法
ガジュマルの実は熟すと赤くなります。赤くなったら実を割り、中から種を取り出しましょう。水の中で実の中身をこすっていると、2~3㎜程度の種が出てきます。とても小さいので慎重に取り扱ってくださいね。
ガジュマルを種から育てる方法
ガジュマルの種による増やし方1.種まき
ガジュマルの種を準備したら種まきをします。種まきの際の用土は赤玉土(小粒)などが適しています。覆土はせず種が土の表面に出ている状態を保ちましょう。
ガジュマルの種による増やし方2.手入れ
ガジュマルが発芽するまでの間は日陰に置き、常に土が湿っている状態にします。こまめに水の管理が難しく乾燥が心配な場合は、ビニールマルチなどをかけるのもおすすめですよ。上手に管理すると1ヶ月以内に発芽することがほとんどです。発芽したら芽が倒れないよう、土で支えてあげてくださいね。
ガジュマルの種による増やし方3.植え方
ガジュマルの葉がしっかりしたら、一般的な培養土や観葉植物の土に植え替えます。その後半日陰で日差しに慣れさせ、少しずつ日向に移動させてあげましょう。そうすると1年もすると気根が太く成長したガジュマルに育ちます。
ガジュマルをどんどん増やそう!
ガジュマルは挿し木や種まきでどんどん増やすことができます。特に種から育てたガジュマルの気根が太く成長すると、何とも言えない愛着がわいてきて愛おしくなりますよ。
ガジュマルは植え方や育て方によりいろいろな姿を見せてくれます。ガジュマルをたくさん育てたら、1つ1つのガジュマルの姿を比較するのも楽しいかもしれませんね。
挿し木が気になる方はこちらもチェック!
ガジュマルのように挿し木で簡単に増やせる植物はたくさんあります。お気に入りの植物を挿し木で増やして、部屋中に飾るのもおすすめですよ。

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