パキラを挿し木で増やしてみよう!
玄関やリビングに置きたい植物で人気のパキラですが、挿し木で増やしてみたことはありますか?挿し木に向く時期や増やし方・正しい切り方など、パキラを増やす3つのポイントをご紹介します。 ご家庭でパキラを楽しく育ててみましょう!
パキラとは
ずんぐりとした幹と手のひらを広げたような葉はどこか愛嬌のある表情をしています。パキラはガーデニング好きの方から初心者の方まで、老若男女に愛されています。インテリア性のある姿と丈夫で育てやすいことから、贈り物にもとても人気のある観葉植物の一種です。
科名
パキラは、パンヤ(アオイ)科パキラ属です。パキラはパンヤ科を代表する定番の観葉植物です。
学名
パキラの学名は、“Pachira”です。英名では、“カイエンナッツ”と呼ばれています。ナッツと呼ばれているように原産地では昔、種を炒って食用にしていたそうです。現在は微量の毒性をもつことがわかり、食用にはされていません。
原産地
パキラの原産地は、メキシコから中米の熱帯アメリカです。一般的に販売されているものは大きくても2メートル程度ですが、原産地では約10メートルにも成長したものもあります。
パキラの特徴
パキラの幹や葉、花の特徴についてご紹介しましょう。
パキラの幹と葉
パキラとは熱帯アメリカに分布する熱帯性の樹木で、2~6種類の代表的な仲間が流通しています。 ずっしりとした幹と手のひらのような葉が特徴的な植物です。幹は1本で支えるものと二つ編み(ねじったような形)や三つ編み状にしたものがあります。葉はひとつの茎に5~7枚ついています。葉は下向きに傘を開いた時のようになっています。
パキラの花
パキラはまれに花が咲く観葉植物です。その花姿は、何百本もの細い糸のようなおしべがふわりと広がり、花びらはくるりと反りかえったかたちをしています。花が終わったあとには果実ができ、その中から種がでてきます。
パキラの育ち方:基本情報
パキラを上手に増やしていくために、まずパキラの基本的な育ち方を確認しておきましょう。基本的な管理についてご紹介します。
水やり
パキラの水やりの基本は、土の表面が乾いてからたっぷりと与えることです。 5月~9月の生育期は特に、一度の水やりの量は鉢底から水がでるほどたっぷりと与えます。乾燥にも強いので、水やりを忘れてしまってもいきなり葉がしおれてしまうことはありません。 秋冬の時期は生育期からは少しずつ水を控えて少なめに与えていきます。土がしっかり乾いてから2~3日ほど空けてから与えるようにしましょう。
温度
パキラは、5℃~10℃の場所が好ましいとされています。室内であれば場所は選ばないでしょう。冬越しの温度は最低5℃以上必要です。
光
日当たりの良い明るい場所を好みます。直射日光は葉焼けの原因になるので避けましょう。真夏に屋外に出す場合は日陰や半日陰でも育つ強い植物です。
土・肥料
土は、水はけがよければ土質はとくに選びません。市販の観葉植物用土で十分育ちます。 肥料は5月頃に1度、固形の肥料を土の上に置きましょう。(置き肥)冬場は成長がお休みする時期なので、肥料は必要ありません。
高さ・剪定
販売用のパキラの背丈は50センチほどのものから、2メートルほどのものまで様々です。成長が早く、順調に育つと飾る場所に困るほどになります。思い切って短く切り戻し(剪定)しても、すぐに鑑賞できる株に育ちます。
難易度
パキラは数多くの観葉植物の中でも丈夫で育てやすい品種です。難易度はやさしいといえるでしょう。
植え替え
植え替え作業は年に一度を目安に行います。適した時期は5月~7月です。成長が早いので、すぐに鉢の中で根がいっぱいになって根詰まりをおこしてしまいます。鉢から抜いた株は古い土をしっかり落としてから、新しい用土に入れ替えて植え替えてあげましょう。
育てるときの注意点
先ほどご紹介したように、パキラは明るい日陰でも育ちます。ですが、その場合少し枝葉が間延びしてひょろひょろと細く育ってしまいます。特に生育期はバランスの悪くなる原因となるので、置き場所には気を付けましょう。 また、冬の時期は、室内の明るい場所に置いても窓際などは夜間に冷えます。パキラは少し寒さに弱いので気を付けましょう。床から高い位置に台などを使って置いたり、鉢の受け皿の下にカーペットやラグマットなどを敷くことでも冷気を防げます。
植物の挿し木などの基本の増やし方
観葉植物を育てる時に増やし方に関してよく聞くキーワードについてあらためて意味を確認しておきましょう。
増やし方①:挿し木
挿し木とは、植物の根以外の部分を切り取り、それを土に植えて根を出させ、増やしていく方法です。観葉植物ではよく用いられる方法で一度に多くの株を増やせることが特徴です。
増やし方②:取り木
取り木とは、幹の途中から根を出させる方法です。短期間で大きな株がつくれることが特徴で、植物の枝や幹の一部を傷つけて、そこから発根させ増やしていきます。
増やし方③:接ぎ木
接ぎ木(つぎき)とは、植物本体の枝から根を出させるのではなく、別の植物の根の上に元の植物の枝をつなぐことで増やす方法です。野菜や果樹に用いられることの多い方法です。 まれにパキラの斑入りの品種で接ぎ木されたものが販売されていることがあります。葉の緑の普通の品種に斑入りの品種が接ぎ木されている場合もあります。接ぎ木されたものは接ぎ木テープが巻かれていたり、その部分だけ幹や枝が盛り上がっているので見分けがつきやすいです。
パキラの増やし方:挿し木での3つのポイント
パキラを挿し木で増やしてみましょう。先ほどご紹介した取り木の方法とも合わせて、パキラを増やすためのポイント3つをご紹介します。
挿し木での増やし方ポイント①:挿し木の基本
パキラを挿し木で増やしてみましょう。大きく育った株を剪定して、切り戻した枝を利用して増やします。剪定した枝を挿すと、株を簡単に増やすことが出来ます。葉の付いている部分でも葉がない部分でもどちらでも挿し穂に出来ます。
挿し木での増やし方ポイント②:挿し木の流れ
【1】枝を10センチから20センチくらいに切り分けます。 【2】枝の先端を鋭利なハサミで斜めに切ります。 【3】湿らせた挿し木用の土を鉢で用意しましょう。土にはしなどで斜めに穴をあけます。(印をつけるイメージです。) 【4】鉢の縁に枝を寄りかからせるようにして1/3~1/2ほどを挿します。 【5】土を軽くかぶせて根元を押えます。 【6】風通しのよい明るい場所に置きましょう。挿し床が乾かないように気を付けます。 【7】挿し床をして約2か月ほどで、新根が伸びて葉が開き、鑑賞できるまでの株になります。 【8】適した鉢に栽培用土で植え替えましょう。
挿し木での増やし方ポイント③:おすすめの時期は?
適期は植え替えの時期と同様に、5月~7月頃です。一年の中でも朝晩の気温の安定している時期が適しているといえます。
挿し木の注意点
挿し木の方法で株を増やした場合、幹はパキラ特有のずんぐりとした姿にはなりません。パキラの株元はふくらんでとっくりのようなかたちをしているイメージが強いですが、挿し木で増やした幹は株元が棒状になります。
パキラの増やし方:取り木で増やしてみよう!
パキラを取り木で増やしてみましょう。日当たりの悪い場所で育てると、下葉が落ちることで幹が細くなってしまいます。そうなると株姿が乱れてしまいますので、取り木をして新しい株を作りましょう。 【1】順調に育っている葉を生かし、取り木をして新しい株を作りなおします。 【2】パキラ全体を見て、バランスを崩す枝(重なり合っている部分など)を根元から切ります。 【3】親株から切り分けた後の姿を想定して、葉が残っている部分を基準に下の部分で取り木をします。幹の直径の1.5倍から2倍ほどの長さでで切り込みを入れます。 【4】深さは1~2ミリほどです。カッターやフラワーナイフなどを使用しましょう。 【5】切り込みを入れた部分の表皮をはがします。緑色の部分(形成層)を残さないように、堅い木質部を露出させます。 【6】露出させた部分に湿らせた水苔を当てて、団子状に包みます。 【7】水苔の上をビニールで包み、上下をビニタイなどで留めます。 【8】水苔の間から根が見えてくるの(発根)を待ちます。発根した後は鉢に植え替えましょう。
パキラの種類と価格帯
斑入りパキラ・ミルキーウェイ・アクアティカなどの名をもつ種類があります。 テーブルサイズのミニのものであれば、1000円以下で購入できます。一般的に出回るサイズだと2000円~12000円が相場です。
パキラの花言葉
パキラに花言葉があることを知っていますか?パキラの花言葉は“快活”です。元気でたくましいパキラはどんな環境でも丈夫に育ちます。まさに“快活”で強いエネルギーのあるパキラから元気をもらいましょう。
パキラと風水
パキラは観葉植物の中でも風水のアイテムとして人気があります。特に仕事運のアップや集中力のアップに効果があるとされています。お祝いの贈り物にも縁起が良いため、喜ばれます。
パキラの水栽培
水差し栽培
パキラを切り戻した際にカットした枝葉の部分は捨ててしまわずに、花瓶などに水差しして水栽培してみましょう。茎が汚れないよう、こまめに水を替えることと茎につく部分の水は少なめ(浅め)にすることがポイントです。しばらくすると根元から発根します。そのまま水栽培で楽しむこともできますが、発根した部分が太く5センチほどになったら、土に植え付けて育ててみてもよいでしょう。
ハイドロカルチャー
ハイドロカルチャーとは水耕栽培を意味します。ハイドロ=水、カルチャー=栽培という意味です。土の代わりにハイドロカルチャー用のハイドロボールを使って、パキラを水栽培してみませんか? ハイドロボールを底穴のない器に入れ、そこに水を貯めて育てます。透明のガラス容器にカラフルなビー玉などと一緒に入れるとおしゃれなインテリアグッズに大変身!半年から一年はそのままの青々しい姿で楽しむことが出来ます。ただし、水差し栽培同様にパキラにとって最適な状態ではないので、土に植えつけることをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?難しく感じる観葉植物の増やし方も方法や正しい時期を知っていれば、とっても簡単に楽しむことが出来ます。お部屋のパキラが十分に育ってきたら、次のステップとして挿し木で増やすことを楽しみましょう。自分で新たに育てた株を飾って、ぜひ癒されてくださいね。