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幻の高級魚「マツカワ」とは?その生態や釣り方、美味しい食べ方を解説!

幻の高級魚マツカワ。マツカワの刺身は、日本の高級白身魚で人気のヒラメよりも美味しい評価されることもあります。市場にほとんど流通することはなく高級料亭や寿司屋にまわってしまうマツカワ。ならば釣って味わうということで、生態や釣りのポイント、美味しい食べ方をご紹介。
更新: 2021年10月16日
ティンカー・ベル
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幻の高級魚「マツカワ」とは

「マツカワ」とはカレイの一種

マツカワとはカレイの仲間で、カレイの種類の中でも最高に美味しい高級魚です。漢字では松皮鰈もしくは松川鰈と書きます。英語ではBarfin flounderと表記されます。

地方によってはタカノハガレイ、タンタカ、キビラメ、ハダガレイ、ヤマブシガレイ、ムギガレイなどと呼ばれていることがあります。

王鰈(おうちょう)と呼ばれるものは、北海道のえりも町から函館南部で水揚げされる全長35cm以上のマツカワのブランド名です。

マツカワという呼び名の由来

マツカワはカレイ目カレイ科マツカワ属のカレイの一種類です。学名はVerasper moseri Jordan & Gilbertです。マツカワという呼び名は体表の鱗が硬くまるで松の木の表皮に似ていることから由来されています。

幻の魚と言われるほど希少性の高いカレイであることに加え、ヒラメと同じように、いやそれ以上に美味しい白身魚だと評価されている高級魚です。

一般的に市場に流通することはほとんどなく、寿司屋か高級割烹店で扱われることが多い魚です。

マツカワと同じマツカワ属のホシカレイ

マツカワの同じマツカワ属の仲間にホシカレイというカレイがいます。見た目もマツカワによく似ており、ホシカレイもマツカワに美味しさを譲らない高級で美味しいカレイです。食通の間では「西のホシカレイに東(北)のマツカワ」などと言われるほどその美味しさを競っています。

マツカワとホシカレイの見分け方

東(北)のマツカワと言われるように、マツカワはホシカレイより北方面に生息しています。

2匹の違いは無眼側を見るとその違いが分かります、ホシカレイは丸い黒の斑点が背ビレや尻ビレに並んで付いているのに対して、マツカワは黒い斑点ではなく黒い帯状の縞がヒレの付け根から縁まで伸びて、間隔をあけて付いており、それで両者を見分けることができます。

マツカワの美味しい旬の時期はいつ?

マツカワの旬の時期

マツカワの産卵期は冬から春にかけただと調査されており、マツカワの旬は産卵に備えて体に栄養を蓄えている晩秋から冬が旬、11月~1月下旬が美味しい旬です。

旬の時期のマツカワは身がしまっているほか、この時期の雌は卵を抱えている個体もいます。

マツカワの主な産地は北海道ですが、青森や岩手でも漁獲されることもあります。ただ天然のマツカワは非常に数が少なく、現在は通年味の落ちない養殖のマツカワが増えつつあるところです。

マツカワの味

食通の人からは「冬はマツカワで夏はヒラメ」と評価されるくらい、旬の冬場のマツカワはヒラメ同様かそれ以上の美味な味わいの超高級魚と評価されています。

身肉は透明感のある白身で、淡白な上品な味あいです。刺身などの生で食べる身肉はしっかりと硬く歯ごたえがあります。身肉に臭いはありません。そして特に旬の冬場は身肉がしまっています。

旬の冬には雌が腹に抱える卵も美味しいです。料理人に言わせると、身の味は雄の方がうま味があるという声が多いです。

マツカワの生態を知ろう!

生息している海域は?

マツカワは若狭湾以北の日本海沿岸からオホーツク海の南、茨城県以北から北海道、千島列島から北西の太平洋沿岸で漁獲されます。これらの海域の大陸棚の砂泥底に生息しています。

その水深はおよそ数メートルから200メートルのエリアです。甲殻類、海底を這い回るゴカイの多毛類、貝類、そしてマツカワの中でも大きい個体はアジやサバなどの小魚を捕食します。

魚体の特徴

マツカワはほかのカレイと同じように頭の右側に両目が付いています。有眼側の体表は全体が茶褐色をしています。名前の由来になるように松の樹皮のようなうろこ付いており、うろこが硬く剥がれにくいのが特徴です。

無眼側の白いものは雌、黄色っぽいものが雄である確率が多いです。

両顎にある歯は鈍い円錐形。全長は大きいものは80cmになる個体もいます。非常に少ない希少な魚であるため、35cmに満たない個体のものは資源保護のために、釣り上げても海に戻さなければならな決まりがあります。

マツカワの釣り方のポイント


釣り方はサーフ釣りや投げ釣りで狙うのがおすすめ

昔は狙って釣れる魚ではありませんでしたが、近年稚魚の放流が進められ、釣りで狙える魚として名前が上がるようになりました。

希少な魚で市場にほとんど流通していないのであらば、釣って味わうしかないということで、幻の魚とも言われるマツカワの釣り方は、砂浜から狙うサーフ釣りや漁港からの投げ釣りの釣り方おすすめの釣り方です。

複数の置き竿を並べて遠くから近くに引き寄せる投げ釣りの釣り方では、大きな個体が狙えます。

釣り具にはこんなのを使おう

投げ釣りの釣り方でも近距離で釣り上げる「ちょい投げ」の釣り方でもマツカワを狙えます。シートロッドで、竿は手持ちの磯竿で構いません。もしくはルアーロットでも大丈夫です。

初心者はサビキ釣り用の釣り竿で「ちょい釣り」が十分楽しめます。釣りの熟練者であれば、遠くまで飛ばす投げ釣りに期待も膨らむますが、そんな釣り方する場合は投げ釣り専用の投げ竿を使います。

大きい個体がかかるのを想定し、道糸はナイロンかフロロ4号以上がよいです。針は丸セイゴかソイバリ18号くらいのものを使用しましょう。

サンライク(SANLIKE) 投げ竿

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狙い目の時期

本来カレイは寒流を好むので、マツカワも同様に11月下旬から4月の上旬くらいが釣りの狙い目の時期です。マツカワは10月下旬から1月にかけて産卵期を迎えるので、その時期の雌は腹に卵を抱えています。運よく雌がかかれば子持ちのマツカワを味わえます。

堤防や沖から狙う

マツカワは水深数メートルから約200メートルの海底に生息しています。漁港の堤防や沖から狙います。堤防からは近距離に竿を飛ばすちょい釣り、沖は遠くに竿を飛ばす投げ釣りのエリアにおすすめです。

釣り人曰く、沖から遠くに飛ばす投げ釣りはストレス解消にもなるのだとか。それも投げ釣りの面白さの一つで、そんな釣り方でマツカワが狙えるのです。

仕掛けについて

餌は生き餌がおすすめ

仕掛けの餌にはサンマやサバ、アナゴを短冊にしたものでも構いませんが、小アジや小サバなどの生き餌を仕掛けのエサに使うと大きな個体がかかる傾向があります。そのほかいわゆるイソメ類やユムシなどの虫エサを仕掛けに使うのもかかりやすいです。

仕掛けとなるムシ餌も生きたものがおすすめですが、イソメ類などのムシ餌は弱りやすいのが難点。

気温が高くなりやすい時期はすぐに弱まってしまいます。仕掛け用のムシ餌を元気に保たせるには木製の餌箱を利用し、しっかりと湿らせた中に入れておく仕掛けのムシ餌の衰弱を予防できます。

マツカワを釣るのに重要な仕掛けは天秤!

投げ釣りはシンプルそうに見えても意外と工夫が必要な釣り方です。基本的には魚がいるスポットに餌を投げ込み、アタリを待つ釣り方ですが、その仕掛けにはいろいろ工夫が凝らされています。

投げ釣りの仕掛けで重要なのが天秤。これはおもりのような役割をするものです。

投げ釣りは遠いところに釣り針(鈎)と餌を飛ばさなければならないので、釣り糸や釣り針が絡んでしまうことがあります。そのようなトラブルを防ぐ働きもしてくれます。

海底を攻めたいときは先オモリ式仕掛けもおすすめ

マツカワは海底に潜んでいるので、たとえば海底に根や藻が多いところでは普通の仕掛けだと仕掛けに根や海藻に引っかかってしまうことがあります。

そんなエリアでは、オモリが先に飛んでいく先オモリ仕掛け(胴付き仕掛けなど)で狙うのもおすすめの釣り方です。先オモリ仕掛けを利用したときは天秤を付ける必要はありません。

初心者は市販仕掛けからはじめよう

マツカワを釣るには投げ釣りがおすすめですが、投げ釣りで釣るときは天秤が必要です。

しかし天秤には種類があり、水深や距離、潮の早さに合わせて天秤を使い分けたりと経験を積まなけらば、アタリが外れてしまうことがあります。

天秤を工夫するのも投げ釣りの面白い点ですが、鈎結びを覚えたばかりのような初心者にはまだ知恵もないので、まずは市販仕掛けから初めるのがよいでしょう。

市販仕掛けは鈎の少な目のもので、ハリスは同じ号数の鈎なら太いものを選ぶと使いやすいです。

ミニミニジェット天秤 2JO-SS 5号

出典:楽天
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マツカワのおすすめの食べ方

刺身はヒラメの上をいく

マツカワの刺身は、昔から白身魚の刺身のトップに君臨するヒラメの刺身と同様、いやそれ以上に美味しい刺身と評価の声が上がります。

透き通った刺身の美しさもさることながら、古来から日本を代表する高級魚のヒラメの刺身に引けをとらず美味しい刺身です。身に臭いはありません。
また刺身の身はしっかりと硬さがあり、鮮度のよいマツカワなら刺身でも薄造りにするとより美味しさ実感できます。エンガワは脂が多いですが、臭いはなく、エンガワの刺身の味は上品な甘みのある脂で、食べた時の食感もよい部分です。

塩焼き煮付けも最高

ほかのカレイ同様に塩焼きや煮付けはマツカワのポピュラーな食べ方です。塩焼きにすると身離れがよく淡白な身肉をシンプルに味わえます。脂がのっていると言っても、焼きすぎには注意したい魚です。

煮付けにするときは、上品な味を打ち消してしまわぬように、あまり濃く煮詰めすぎないのがポイント。頭やカマの部分も肉厚なので煮付けにすると絶品です。

洋風の食べ方もおすすめ

淡白な白身魚のマツカワは、脂がのっていると言っても油っこいというわけではありません。オリーブオイルなどの油との相性もよいので、塩焼きや煮付けなど和風の食べ方以外にも、ポアレや白ワインなどで酒蒸しにした洋風の食べ方もおすすめの食べ方です。

マツカワの身肉は火が通ると真っ白になるので、見栄えもよくお洒落に食卓を彩れる一品になります。

マツカワの料理のポイント

刺身の場合は活けものか活〆のものを選ぼう

マツカワを刺身など生の料理で味わうのポイントは活けものか活締めにしたものを選びましょう。

釣ってすぐ活締めしたものは臭いもなく、マツカワの持ち味である引き締まった身肉の質感を劣化させずにを味わうことができます。釣ったマツカワを刺身にしようと思うときは、その場で活締めして血抜きすると臭いを防げます。

野締めのものは魚体を見て、表面にヌメリと透明感があり、腹にハリがあって硬いものを選びましょう。

活締めの仕方

エラに包丁を入れて脊髄の中骨まで(延髄の部分)切り込みを入れて太い血管と神経を切って魚を即死させます。尾の付け根にも切り込みを入れ、血抜きします。

そうすることで生臭い臭いを抑えられます。持ち帰るときはクーラーボックスか発泡スチロールの箱に氷を入れてその中に入れて持ち帰り料理します。こうして持ち帰ると臭いも身に付きません。

天然ものと稚魚が放流され育ったマツカワの違い

幻の魚と言われる希少性の高い天然のマツカワは無眼側が白地かはっきりとした黒い斑点が2~3個付いておりヒレの付け根から縁まで縞の黒い帯状の斑点が等間隔に入っていますが、放流された稚魚が大きくなったマツカワは、無眼側にシミのような不明瞭な斑点が付いていて、ヒレの縞も綺麗にそろっていません。

味の違いはありません。天然のマツカワはなかなか釣り上げるのは難しいですが、釣りをたしなむ知識の一つに覚えておきましょう。

雄と雌の見分け方

ヒラメにも勝る美味しさ評価されるマツカワの料理は、素人には雄の味も雌の味も同じように思われますが、料理人に言わせると、雄の身の方が美味しいと評価されることが多いです。

卵を持ったいる雌は、卵に栄養がいってしまい、身のうま味が落ちています。

卵を腹に持っていないと、見た目雄と雌の区別がよくわかりませんが、漁師や釣りの統計では、無眼側が黄色っぽいものが雄であるほうに多いと数えられています。

マツカワのおすすめ料理のレシピ1

マツカワのカルパッチョ

マツカワの刺身は超がつくほど美味しいですが、和食に飽きたなら、刺身で使う身を洋風にアレンジするのもおすすめです。

ヒラメのカルパッチョはイタリアンではお馴染みですが、ヒラメをマツカワに代えたレシピです。オリーブオイルとの相性がよく、マツカワの淡白な味が一層引き立ちます。

見た目も綺麗でパーティー料理にも最適です。簡単で美味しいレシピなのでマツカワが手に入ったときはチャレンジしてみてください。


材料2人分

マツカワ1/4サク 野菜・好み種類を適量 <カルパッチョドレッシング> レモン汁大さじ1杯 オリーブオイル大さじ2杯 塩小さじ1/2杯 にんにくすりおろし・少々

調理時間 約5分 1)皮を引いた状態のマツカワの上身を用意します。 (背、腹の部分があるのでできれば背の部分を使用するほうがスライスした時に形が整い、見た目がきれいです。) 2)準備したマツカワに軽く塩を振り、2~3分置く。 3)1)を水で軽く洗い、キッチンペーパーなどで拭き取り、薄くスライスする。 4)薄くスライスしたマツカワをお皿に並べ、野菜をバランスよく盛る。 5)カルパッチョドレッシングの材料を混ぜ合わせ、3)にかける。

マツカワのおすすめ料理のレシピ2

マツカワのムニエル

塩焼きや煮付けはお馴染みの料理なので、ここでは洋風に料理したマツカワのレシピをご紹介します。ムニエルもマツカワの淡白な味わいを十分に引き出してくれます。

皮つきで調理するなら、皮目を油でよく焼くと、堅い皮もパリッと美味しくいただけます。火を通すと身肉が真っ白になるので、見た目も綺麗です。ご紹介したレシピはヒラメを使う場合に使われるレシピですが、今回はヒラメをマツカワに変えてご紹介しました。

材料5人分

マツカワ切り身50g(四半身)×5枚 小麦粉・適量 塩、胡椒・適量 バター40g オリーブオイル大さじ3杯 レモン・お好み 醤油大さじ2杯

1.マツカワの切り身に塩・胡椒をふります。 2.小麦粉をまぶして、オリーブ油とバターをいれたフライパンでしっかり焼く。 3.レモン果汁に醤油を加えたソースをかけて、レモンなどをそえて完成。 いろどりよくお好みの付け合せでどうぞ!

マツカワのおすすめ料理のレシピ3

マツカワの唐揚げベトナム風

淡白な白身魚のマツカワは脂ののりがよいと言われても、身肉自体が脂っぽいわけでので、サラダ油やオリーブオイルなどを使った料理とも相性がよく美味しく味わえます。

35cm~40cmくらいの個体が釣れたら唐揚げもおすすめ料理です。丸々唐揚げにします。身肉は柔らかく、堅い皮もぱりぱりと美味しくいただけます。

マコガレイを利用したレシピをマツカワに代えてご紹介しました。パクチーなどの野菜をトッピングしたベトナム風に味付けしたおもてなし料理にもなるマツカワの唐揚げのレシピです。

材料2人分

マツカワ1尾(35cm~40cmくらい) 人参4cm 赤玉ねぎ1/4個 青ネギの白い部分8cm(なければ玉ねぎ1/4個で代用) パクチー5 片栗粉・適量 (A)タレの材料 赤唐辛子の輪切り1本分 レモンのしぼり汁大さじ1杯 醤油大さじ1杯 グラニュー糖大さじ1/2杯(なければ上白糖で代用可能) 水大さじ1杯

つくり方 (1)マツカワは裏側に切り目を入れ、わたをかき出す。塩水(分量外)で洗って水けをふき、皮目に切れ込みを入れ、片栗粉を薄くまぶす。 (2)にんじんはせん切り、赤玉ねぎは薄切り、ねぎは芯を取って細切り、パクチーは軸を5mm長さ、葉はざく切りにする。 (3)(2)を水に放し、パリッとさせてざるに上げる。 (4)(A)を混ぜ合わせてたれをつくる。 (5)フライパンに1~2cmほど揚げ油を入れ、中温に熱する。(1)の皮目を上にして入れ、3分ほど中火で揚げる。 (6)油をお玉ですくって、かれいにかけながら、さらに3分揚げる。仕上げに30秒程強火で揚げて取り出し、油をきって器に盛る。 (7)(3)を(6)にのせ、(4)をかける。

幻の魚マツカワを釣り上げその味を堪能!

幻の魚と呼ばれるマツカワはカレイの中でも超高級魚です。

味は白身の刺身ではトップに君臨するヒラメに負けず劣らずの味わいです。しかし漁獲量が少なく希少性の高い魚なので、市場に出回る前にほとんどが寿司屋や高級料亭にまわってしまいます。

近年稚魚の放流も盛んに行われ、釣りで狙える魚に名前があげりつつあるマツカワ!自分で釣って高級な味をぜひ味わってみてください。