クジメとは?
クジメとは、スズキ目カジカ亜目アイナメ科に属する魚です。アイナメとよく似ていることで知られており、クジメの存在を知らなければアイナメと呼んでしまうほどですね。
しかし、クジメはアイナメよりもずっとマイナーな魚で、市場にもあまり流通していません。また、小さいサイズで釣れることが多い魚ですね。今回はそんなクジメについて解説していきます!
クジメの特徴
クジメは赤みがかった魚
見た目の特徴としては、まず色が赤みがかっている個体が多いですね。褐色の個体もいます。体形は、小魚や甲殻類などを捕食している割には、あまり太っていません。
体長は30㎝くらいまで成長しますが、釣りをする際はあまり大きなものは釣れないことが多いです。釣りをされている方なら、小ぶりなものはよく目にしているのではないでしょうか。
クジメの生息分布
北海道から九州まで幅広く生息しています。特に暖かい海が好きで、黒潮の影響のある地域に行くとよく釣れる魚ですね。比較的浅いところを泳いでおり、岩礁のあるところでよく泳いでいます。
日本だけではなく、朝鮮半島の沿岸部や、山東半島、浙江省付近にも泳いでいます。広い海域を泳いでいるものの、流通量が少ないのであまり知られていない魚ですね。
クジメの別名
色々な呼び方があり、山形県では「磯しんじょ」とも呼ばれます。また、アイナメに非常に似ている為にそのままアイナメと呼ばれてしまうこともありますね。
他にも「アブラゲ・アブラッコ・イシアブラ・オキベラ・モチウオ・シジュウハツメ・ツムギ・トノミズ」などの様々な呼び方があります。逆に、アイナメの幼魚をクジメと呼ぶこともあります。
クジメの生活
産卵期は10月~1月の冬時期です。雄の個体は岩礁にナワバリを持っており、そこに何匹かの雌が来て産卵し、その卵を雄が守って孵化させます。孵化した幼魚はしばらく浮遊しているのですが、ある程度の大きさになると成魚と同じ生活をし始め、甲殻類や小魚を食べます。
寿命は雄が5年、雌が7年ほどで、雌の方が早く大きくなる特徴があります。
クジメとアイナメの見分け方
クジメとアイナメの見分け方①尾びれの形
アイナメにとてもよく似ていますが、違いはいくつかあります。まずサイズがアイナメより小さいことですが、見た目的には尾びれの形が違います。
クジメは丸みのある尾びれをしていますが、アイナメの尾びれは丸みが無く、角ばった形をしているか、もしくは少し弧を描くような形をしています。画像はアイナメですが、少し弧を描いていますよね。
クジメとアイナメの見分け方②口の大きさ
口の大きさでも見分けることが出来ます。もし尾びれの形で判断出来なかった場合に見てみましょう。アイナメは口がとても大きいのですが、クジメの口はちょっと尖ったような形をしていて、おちょぼ口になっているのです。また、アイナメは唇が分厚いのも特徴なので、尾びれを見なくても判断がつきますね。
クジメとアイナメの見分け方③体の色
最後はちょっと見分けにくいのですが、体の色の違いです。クジメは少し赤みがかっていたり、褐色の個体が多いのですが、アイナメはその場その場の環境に合わせた色をしていますので、色が違うのです。
ただし、アイナメもクジメと同じような色になることもありますので、基本的には尾びれと口で判断することになります。また、体の横にある側線が、クジメは一本ですが、アイナメは五本あります。
クジメの味と旬
クジメの味
気になる味ですが、綺麗な白身を持っており、クセがありません。ですので、お刺身にするよりも煮つけなどで食べた方が美味しい魚とされていますね。汁物にした際は良い出汁が出ますので、生食よりも火を通した料理レシピの方が人気です。
また、アイナメはとても美味しい魚として知られていますが、クジメは少し味が劣る魚です。
クジメの旬
旬は夏から秋頃です。つまり、産卵期を迎える前が旬ということですね。旬のものはやはり脂が乗り美味しくなります。もしお刺身にするとすれば旬のものがおすすめですね。
ただし、それでも物足りなく感じることもあり、その場合は皮霜造りにしましょう。かなり上品な味をしていますが、皮により物足りなさが補われます。
クジメの食べ方・捌き方
食べ方・捌き方①鱗取り
まずは鱗取りをしていきましょう。鱗は小さめでざらざらしています。包丁の背を使って鱗取りをすることももちろん出来ますが、結構大変ですので、ブラシや鱗引きを使うのがおすすめです。
鱗取りをする際は、ヒレの周辺などに鱗を残さないよう丁寧に行いましょう。皮は固めでしっかりしていますので、力強く行っても大丈夫です。
食べ方・捌き方②頭を取り内蔵と血合いを出す
次に頭を切りおとしてしまいましょう。ヒレを頭につけるように、両側から切り込みを入れて頭を落とします。続いて肛門に刃先を入れてお腹を開き、内蔵を取り出します。
お腹を開くと血合いがありますので、ブラシなどで取り出し、後はお水で綺麗に洗い流します。洗い流して、水気をしっかり拭き取れば下処理は完了です。
食べ方・捌き方③三枚におろす
今日の入荷:wavy_dash:️:smiley:
— 魚菜もも (@jc2DTXRFkJjtCuG) June 26, 2018
縞鰹:musical_note:大カマス:musical_note:クジメ:musical_note:白烏賊:musical_note:真鯛:musical_note:等々入荷しました:wavy_dash:️:musical_note:
縞鰹これ:point_up:️旨い:wavy_dash:️:smiley:
大カマスは:bangbang:️造りも焼き物も良いんですよね:wavy_dash:️:smiley:
クジメ:exclamation:この魚アイナメに似てますが:musical_note:
違います:exclamation:
しかし脂が乗ってて:exclamation:煮付け:exclamation:唐揚げ:exclamation:焼き物:exclamation:何でも旨いです:musical_note: pic.twitter.com/AiNPmpY0Ky
食べ方にもよりますが、ここでは一般的な三枚おろしを解説します。背びれに沿って包丁を入れていき、お腹側からも切り目を入れて、まずは二枚おろしの状態にしましょう。
同様に反対側も行い、三枚おろしにしてしまいます。焼き魚などにするにはここまでの処理で完了ですが、お刺身などにする場合は骨を取ったり皮をはがしたりします。
食べ方・捌き方④中骨を取って皮をはがす
お刺身にする場合は、おろした身についている中骨を包丁でそぎ落としましょう。次に皮をはがしていきます。ただし、皮をつけたまま食べる場合は残して下さい。
皮と身の間に包丁を入れ、皮をつまみ、包丁を固定した状態ではいでいくと上手くいきます。はいだ身の中央にまだ骨がありますので、その骨を切って除去し、食べやすい大きさに切ればお刺身になります。
クジメの料理レシピ
クジメの料理レシピ①刺身
おすすめの料理レシピ1つ目はお刺身です。とはいえ、そのままお刺身にしてしまうと旬のものでも物足りなく感じるかもしれませんので、皮霜造りか焼霜造りにしましょう。
皮霜造りとは皮に熱湯をかけて作るお刺身のことで湯引きとも呼ばれています。もう一つの焼霜造りは皮をあぶりって作ります。そのまま食べるよりも旨味が増して美味しくなりますのでおすすめです。
クジメの料理レシピ②鍋
久々に根魚釣りしてきました。
— えりあん 7/8柏崎模型展 (@minielian) November 11, 2014
サイズは小さいけどアイナメとクジメが各三匹づつ。
他にも10cmくらいのアイナメ、クジメ、ムラソイなんかも10匹くらい釣れましたが流石にリリースしてきました。
そしてブリ大根を作るついでに鍋の中に投入 pic.twitter.com/oOkGamyJ1o
おすすめの料理レシピ2つ目は鍋料理です。とはいえ、メインとして食べる鍋ではなく、アラを使って出汁をとるのがおすすめです。クジメは鍋に入れると身が崩れやすく、メインとして食べるにはちょっと物足りません。
その代わり、とても良い出汁の出る魚なので、どんな鍋をも美味しくしてくれるのです。捌いて余ったアラは是非出汁にしましょう!
クジメの料理レシピ③唐揚げ
おすすめ料理レシピ3つ目は唐揚げです。これは魚料理の定番ですね!美しい白身を持っており、とても淡白な味をしていますので唐揚げによく合います。
また、小骨が多くありませんので子供でも食べやすいですね。特に作り方でこだわるべきところもありませんので、三枚おろしにしたものに切り込みを入れてから、唐揚げにしましょう!
クジメの料理レシピ④煮つけ
今日の夜ご飯はアイナメとクジメの煮付けにドロメとギンポとハゼの天ぷらにソイとクジメの素揚げで最高に美味しかった
— 坂本 龍仁 (@y8P2cV9LaamB0pC) January 13, 2018
釣って調理するまでが釣り人でしょ! pic.twitter.com/8nkOtWQ4U2
おすすめの料理レシピ4つ目は煮つけです。クジメに合っている料理ですので、こちらが一番おすすめですね。作り方は簡単で、鍋にお酒とみりんと砂糖とお醬油を入れて沸騰させます。
そこにクジメを入れて、強火で数分間に似て完成です。煮つけは臭みがあると台無しになってしまいますので、鱗取りや血合いの処理などの下処理はしっかり行って下さいね。
クジメの釣り方①時期と環境
アイナメを釣ろうとするとクジメも釣れる
ここからは釣り方です。通年でよく釣れる魚なのですが、釣りやすい時期としては4月~12月です。特におすすめなのは、旬の時期である秋までですね。
アイナメと生態がよく似ていますので、アイナメ釣りをしているとついでに釣れる魚でもあります。アイナメの方が味の評価が高いので、アイナメ釣りをしながら狙うと良いかもしれません。
クジメを狙う場所
狙う場所ですが、アイナメは潮が少し荒いところでもいるのに対し、少し潮の緩やかなところを好みます。比較的浅い海の藻場にいますので狙っていきましょう。
テトラポット周辺にも泳いでいるのですが、潮が荒いところを好みませんので、あまり潮が強く当たっていないテトラポット周辺が狙い目となります。
クジメの釣り方②方法とタックル
餌を使ってチョイ投げ釣り
アイナメはルアーでも釣れる魚ですが、クジメは口が小さいため、あまりルアー釣りに適していません。もしルアー釣りをしたい方は小さめのフックを使いましょう。
おすすめの釣り方は、イソメなどを使ったチョイ投げ釣りです。チョイ投げで、深さ5mもないような浅いところ、かつ藻場になっているところを狙っていきましょう!
シーバスロッドとスピニングリール
釣り方が決まったらタックルの準備をしましょう。ロッドはシーバスロッドの7~8フィート程のものを使い、スピニングリールは2500番台くらい、ラインはナイロンの2~3号を使います。フックの小さいものじゃないとハリ掛かりが悪くなりますので要注意です。
クジメに関するTwitter
アイナメとクジメを見分けられれば知識人
アイナメとクジメの見分けが一瞬でつくくらいには魚の知識がある
— 森 (@schieds111222) June 26, 2018
こちらでは、アイナメとクジメを見分けられることが書かれています。こういったツイートがあるくらいに、アイナメとクジメの見分け方を知っている方は多くありません。
釣りをされている方ならば経験を通じて知っていきますが、釣りをされていなければ食卓で食べる機会もあまりない為、知らなくても無理はありません。見分け方は簡単ですので、覚えておきましょう!
タケノコメバルも似ている
タケノコメバルみたいでしたが、アイナメ、クジメ、タケノコメバル、画像を見ても見分けるのが難しいですね、、、。
— むっくん (@mukkun56) June 26, 2018
こちらでは、アイナメに続いてタケノコメバルにも似ているという内容が書かれています。タケノコメバルもアイナメ、クジメとかなり似ている魚ですね。
しかし、カジカ亜目ではなく、カサゴ亜目に属している魚です。体長は35㎝くらいまで成長しますので、サイズ的にも間違えやすい魚ですが、模様が違いますので並べればすぐに分かるはずです。画像で確認しましょう!
まとめ~クジメとは~
今回の「「クジメ」とは?アイナメとの見分け方や美味しい食べ方、釣り方まで徹底解説!」はいかがでしたでしょうか?
特徴からアイナメとの見分け方、食べ方や釣り方などまで解説させて頂きましたが、食べてみたくなった方も多いかもしれませんね。釣りにくい魚ではありませんが、専門的に狙う方は少なく、やはりアイナメの外道として釣れる魚というイメージですよね。
狙う場所は若干違いますが、同じ場所にいることも多いですので、アイナメと一緒に狙っていきましょう!
クジメが気になる方はこちらもチェック!
今回はクジメについて解説させて頂きましたが、他にも魚・釣りに関する記事が沢山あります。気になる方は是非見てみて下さい。
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