オクラの旬と下処理
オクラが美味しい旬は夏
オクラは1年を通して流通していますが、南国原産の野菜なので、日本では冬の収穫量は減ってしまいます。そのため、秋から春にかけてはタイなどから輸入したものが店頭に並ぶことも多いです。一方、6月から8月ごろは日本でもオクラの旬を迎え、新鮮で美味しいオクラを比較的安価に入手できるようになります。
オクラは下処理が必要
オクラは基本的に下処理が必要な野菜で、そのまま茹でないで食べるのは好ましくありません。特に、輸入したオクラに関しては、下処理しない生の状態で食べるのは、避けた方が無難です。
オクラは生でも食べれる?
オクラは生でも食べれる
オクラは、天ぷらやお浸しなどで食べる食べ方が好まれていますが、実は、生でも食べれる野菜です。ただ、新鮮なオクラでないと、硬かったり苦みがあったりするので、旬を迎えた夏の美味しいオクラを選んでくださいね。
生でも食べれる新鮮なオクラの見分け方
生でも食べれる美味しいオクラは、店頭でチェックすると意外と簡単に見分けられます。まずは色ですが、黄緑色になっているものや、皮がところどころ黒くなっているものは、出荷されて時間が経ったものなので、できるだけ濃い緑色のきれいなオクラを選びましょう。また、大きい物は皮が固くなっていることが多いです。小さめのオクラを選びましょう。
また、オクラのがくの切り口が、乾燥して変色しているものは古いオクラです。切り口に多少潤いが残っていて白いままのオクラは、生で食べてもおいしいオクラなので、ぜひ切り口までチェックしてみてくださいね。
下処理しないという調理法はない
オクラは生でも食べれると書きましたが、それでも下処理は必要で、下処理しないという調理法は基本的にありません。下処理しないでオクラを食べると、エグみがあったり、食事中にオクラの産毛が気になることもあります。オクラを生で食べるときの下処理の仕方は簡単なので、面倒だから下処理しないで食べる!というのは、あまりおすすめできません。
オクラを生で食べるときの下処理の仕方
下処理の仕方1.がくとへたを切り落とす
まずは、オクラのがくとへたを切り落とします。がくとへたの切り方は、果実のぎりぎりのところでまっすぐ切り落とす方法で構いません。茹でる調理方法の場合は、へたを残してもいいですが、生で食べるときはへたがどうしても口の中に残ってしまいます。きちんとがくとへたを取り除いてから調理しましょう。
下処理の仕方2.塩もみする
がくをとったオクラは、表面を濡らすイメージで洗います。その後、まな板に並べ、オクラ1パック(5~6本)につき塩小さじ1杯をふりかけ、塩もみ、もしくは板ずりをします。オクラの表面が色が濃くなったら、水で塩を洗い流します。
オクラは下処理してから調理する
オクラは下ごしらえが欠かせない
オクラは下処理しないと料理に使えません。逆に言えば、下処理さえすれば、どんな料理の仕方をしてもすぐに使えるようになります。
オクラは茹で時間で食感が変わる
オクラは、どんな調理の仕方をしたいかによって、湯がき方を変えるのがポイントです。茹で方や茹で時間1つで、食感も大きく変わりますし、色も変わってきます。ここでは、仕上げたい食感別に2つの下処理の仕方をご紹介するので、どんな調理法にするか決めたらその料理に合う茹で方を見極め、適切な茹で時間で茹でてくださいね。
オクラの下処理の仕方1.食感をよくしたいとき
下処理の仕方1.がくは切るけどへたは残す
オクラを茹でる場合は、オクラのがくは剥ぎ取りますが、へたは残します。へたを切り落とすと、茹で時間にこだわっても、オクラの実の中にお湯が入ることで水っぽいオクラになってしまいます。オクラが水っぽくなると使い方も限られてくるので、へたを残すようにしてくださいね。
下処理の仕方2.産毛を取る
生で食べるときのオクラの下処理の仕方でもご紹介しましたが、オクラの産毛は塩もみや板ずりで取り除くことができます。一度茹でてしまうと、産毛をとるのは難しくなるので、必ず茹でる前に産毛をとりましょう。
下処理の仕方3.茹で時間は1分
お湯をしっかりと沸騰させ、オクラを一気に入れます。茹で時間は1分で、それ以上茹で時間が長くなると、食感が悪くなってしまいます。オクラは先述の通り、生でも食べれる野菜です。あまり茹で時間が長くならないよう注意しましょう。
下処理の仕方4.氷水にくぐらせて色止めする
オクラがゆであがったら、すぐに氷水にくぐらせて色止めします。オクラは急激に冷やすことで、色がより鮮やかな緑に変わりますよ。氷水に浸ける時間は、数秒で構いません。オクラの色がよくなったら、ザルに上げておきましょう。
オクラの下処理の仕方2.やわらかくしたいとき
下処理の仕方1と2は食感をよくしたいときと同じ
オクラをやわらかく仕上げたい場合は、食感をよくしたいときの下処理の工程「1.がくは切るけどへたは残す」「2.産毛を取る」まで行い、その後湯がく時間を調節します。
下処理の仕方3.表面に穴をあける
オクラをやわらかくしたいときは、湯がく時間を延ばせばいい!と思いますが、その前にひと手間かけましょう。その方法は、オクラの表面に爪楊枝で6~10か所程度穴をあけてから湯がくという方法です。爪楊枝で穴をあけることで、中まで火が通りやすくなり、穴をあけていない場合には味わえないとろとろの食感に仕上がりますよ。
下処理の仕方4.湯がく時間は1分30秒
オクラの表面に穴をあけた時点で、通常よりやわらかく茹で上がりますが、湯がく時間を少し伸ばすことで、さらにやわらかくなります。ただ、湯がく時間が長くなりすぎると、冷めた時に表面がしわしわになることがあるので、湯がく時間は長くても1分30秒くらいにしましょう。
下処理の仕方5.余熱でさらにやわらかく
湯がく時間を伸ばしたことで、かなりオクラはやわらかくなっていますが、さらにもう一押ししましょう。茹で上がったら氷水に入れずにそのままザルに上げ、余熱でさらに火を通します。穴をあけたこと、湯がく時間を長くしたこと、さらに余熱で火を通したことにより、とろとろの食感のオクラに仕上がりますよ。
オクラの美味しい食べ方1.オクラの煮びたし
調理の仕方も簡単でさっと煮るだけ
煮びたしは、オクラの料理の仕方の中でもメジャーですよね。暑い時期は、早めに調理して、冷蔵庫で冷やしても美味しいですよ。
材料(2人分)
オクラ・・・10本
ショウガ・・・1片(チューブの場合2㎝)
だし汁・・・1カップ
しょうゆ・・・大さじ2/3杯
塩・・・小さじ1/4杯
作り方
1.だし汁とショウガ、しょうゆ、塩を鍋に入れて火にかけ、沸騰したらオクラを入れます。
2.再び沸騰したら火から降ろし完成です。
※下処理をしたオクラは、さっと煮るだけで大丈夫ですが、下処理をしていない場合は再び沸騰して30秒~1分程度煮て火から降ろしましょう。
オクラの美味しい食べ方2.オクラの甘酢漬け
調理の仕方は簡単なのに手の込んだ味わい
オクラの甘酢漬けは、料理の仕方がとても簡単なのに、奥深い味わいで、1度食べると何度でも作りたくなる料理です。オクラの甘酢漬けを作る際は、生で食べるときの下処理を行えば作れますが、産毛とりで使用した塩をしっかり洗うことを忘れないでくださいね。
材料(2人分)
オクラ・・・10本
酢・・・70ml
砂糖・・・大さじ3杯
塩・・・小さじ1杯
作り方
1.鍋に酢、砂糖、塩を入れて火にかけます。
2.産毛とりまで行ったオクラを耐熱容器に並べ、暑いままの1を注ぎます。
3.少し冷めたらタッパーなどの保存容器に入れ、冷蔵庫で2時間程度冷やして完成です。
オクラの美味しい食べ方3.とろろオクラ
アレンジ自在の万能レシピ
食欲がなくなってしまいがちな夏に、ササっと食べれて体に優しいねばねば食材のコラボレシピが、このとろろオクラです。ここでご紹介する調理の仕方をベースに、納豆などを加えたりするのもおすすめですよ。とろろオクラは、ご飯やうどん、そうめんにかけても美味しいので、ぜひ自分流の食べ方を見つけてみてくださいね。
材料(2人分)
オクラ・・・10本
山芋・・・15㎝くらい
しょうゆ・・・適量
刻みのり・・・適量
作り方
1.下処理をしたオクラを、薄めの輪切りにします。
2.山芋を下ろします。
3.1と2を混ぜてしょうゆを垂らし、刻みのりを飾ったら完成です。
オクラの美味しい食べ方4.オクラの肉巻き
お弁当にもぴったりな定番レシピ
オクラの肉巻きはお弁当に入れても色どりがよく、料理の仕方も簡単なので、オクラの定番レシピでもあります。どの部位の豚肉を使うかで、こってり仕上がったりさっぱり仕上がったり変わってくるので、使用する豚肉はお好みに合わせて選んでくださいね。
材料(2人分)
オクラ・・・10本
豚肉薄切り・・・10枚
塩コショウ・・・適量
七味唐辛子・・・お好みで
作り方
1.オクラの下処理をし、表面に残った水分を丁寧にふき取っておきます。
2.豚肉の端にオクラを置き、豚肉をオクラに巻き付け、塩コショウを振ります。
3.豚肉の巻き終わりを下にしてフライパンに並べ、豚肉に火が通ったら完成です。
4.お好みで七味唐辛子をかけるのもおすすめです。
※豚肉が厚く火が通りにくい場合は、ふたをして焼くと調理時間が短縮できますよ。
オクラの美味しい食べ方5.オクラの味噌汁
星型が際立つかわいいメニュー
味噌汁は落ち着いた昔ながらの料理ですが、オクラを使うとポップでかわいい料理に大変身します。調理の仕方も簡単なので、お子様と一緒に調理しても楽しいかもしれませんね。
材料(2人分)
オクラ・・・5本
豆腐・・・1/4丁
だし汁・・・400㏄
味噌・・・適量
作り方
1.豆腐を2cm角に切り、オクラは3mm~5mm程度の輪切りにします。
2.だし汁を煮立て、豆腐とオクラを入れます。
3.再び煮立ったら味噌を溶き、火を止めれば完成です。
オクラの美味しい食べ方6.オクラとトマトのサラダ
さっぱりしたものが食べたいときにおすすめ
オクラとトマトのサラダの調理の仕方はいろいろあって、ドレッシングをかけるだけでも美味しいサラダが作れます。しかし、さらに調理の仕方を工夫すれば、もっと美味しいサラダに出会えますよ。ここでは、しょうゆと酢を使ったさっぱりレシピをご紹介します。
材料(2人分)
オクラ・・・10本
ミニトマト・・・10個
しょうゆ・・・小さじ1杯
酢・・・小さじ2杯
サラダ油・・・小さじ2杯
作り方
1.オクラは生で食べるときの下処理をしてお好みの大きさに切ります。
2.トマトは2等分~4等分に切っておきます。
3.オクラとトマトとしょうゆ、酢、サラダ油を1つのボウルに入れ、よく和えれば完成です。
オクラの美味しい食べ方7.焼きオクラ
シンプルな料理の仕方だからどんな料理にも合う
焼きオクラの料理の仕方は、まさに焼くだけ。そんな簡単なレシピですが、料理の色どりにもなる上、なんといっても美味しいんです。料理の仕方が簡単すぎて、今まで作ったことがなかったという人も、ぜひ試してみてくださいね。
材料(2人分)
オクラ・・・5本
お好みの調味料・・・適量
お好みの薬味・・・適量
作り方
1.オクラはお好みの食感に合わせて下処理をします。固めが好みの方は、生で食べるときの下処理でも構いません。
2.トースターやグリルで5分程度焦げ目がつくまで焼きます。
3.しょうゆやポン酢、しょうが、七味唐辛子などお好みの調味料や薬味をかければ完成です。
オクラの正しい下処理でよりおいしく!
オクラは、料理の仕方にもよって味が変わりますが、その前の時点、下処理の仕方でもかなり味わいや食感が変わってきます。オクラは、料理によっては、下処理しないで使うこともできますが、食感を残したいときは下処理し、調理の最後に加えるのがいいですね。正しいオクラの下処理をして、旬のオクラをたくさん食べましょう!
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