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ローダンセマムってどんな植物?
シルバーがかった美しい葉からスッと伸びた先に、可愛らしい花を咲かせるローダンセマム。春先から夏の初めまで、株いっぱいの花を咲かせてくれます。その独特の色合いや花姿は、地植えだけでなく、寄せ植えにも向いています。
暑さに弱く、日本では一年草扱いされますが、本来は多年草で、切り戻しや日陰に置くなどの管理をすれば、夏越しができる植物です。
花の形
整った一重の花びらの中心に、茶色や黄色い芯のコントラストがとても魅力的なローダンセマム。中心の芯のような場所は、雄しべや雌しべではなく、筒状花と呼ばれる小さな花が咲いています。
スラリと伸びた茎の先には、1つの花が咲いているように見えて、実は花が密集して咲いているのです。
美しい色と形の葉
ローダンセマムは、花だけでなく、葉のフォルムや色にも人気があります。特に茎や葉が短い毛で覆われている品種は、全体的にマットで白っぽいテイストで、花が咲いていない時期もシルバーリーフとして楽しまれています。
ローダンセマムの基本情報
学名 | Rhodanthemum |
科名 | キク科 |
属名 | ローダンセマム属 |
特徴
ローダンセマムは多年草に分類される植物で、生育環境によっては、一年草扱いの場合もあります。原産国は主にスペイン・北アフリカなどで、岩場のような山に自生しているのが特徴的。成長後の背丈は約10~30cm程度となります。
ローダンセマムの育て方
ヨーロッパやアフリカが原産のローダンセマムは、乾いた環境を好みます。また、岩が多い山のような場所に自生しているので、-5℃くらいまでの耐寒性も備えた植物です。
ローダンセマムの性質を踏まえ、育て方をご紹介します。
ローダンセマムの育て方①置き場所
日向を好みます
日がよく当たり、風通しのいい場所が適しています。日陰に置いてしまうと元気がなくなってしまう可能性があるため、1日を通して日光が当たる場所に置くようにしてください。
ローダンセマムの育て方②水やり
乾いたらたっぷりが基本
過湿に弱いため、土の表面が白っぽく乾いてきたらたっぷりと水を与えましょう。また、地植えの場合は、水やりの必要はありません。
水やりの時に気を付けたいこと
花の部分に水が当たらないようにすると、長くきれいに花を楽しむことができます。特に、蕾にたくさんの水を含んでしまうと、そのまま開かずに枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
水をあげすぎるとどうなる?
植物は水分を与えれば与えるほど大きくなるわけではありません。与えすぎることで根が腐ったり、株が蒸れることで、枯れこんでしまいます。そのため、水の与え過ぎには注意してください。
ローダンセマムの育て方③肥料
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地植え・鉢植えともに、2月~5月・10~11月に肥料を与えます。花の咲く前後の時期と覚えておくといいです。液肥でも、緩効性肥料のどちらでも構いませんが、管理に自身のない方は、置き肥タイプがおすすめです。
ローダンセマムの育て方④植え付け・植え替え
毎年春先になると、園芸店の店頭にローダンセマムが並び始めます。販売されているポットのままだと小さいので、なるべく早く地面に植え付けるか、植え替えをしましょう。
植え付け
植え付けには、2~4月・9~11月頃の時期が適しています。株が横に膨らむように広がるので、地植えの場合は他の植物との間にスペースをもって植えるといいでしょう。株を大きく充実させて場合は秋に、コンパクトに抑えたい場合は春の地植えがおすすめです。
植え替え
植え替えには、9~11月・3~5月頃の時期が適しています。鉢で管理する場合、ある程度年数が経つと、鉢の中が根でいっぱいになり、土が少なくなってしまいます。これでは土から栄養を吸収することができません。
そのため、2年か3年に1度は、植え替えをしましょう。
植え替えの方法
1.鉢から苗を取り出します。
抜きにくい場合は、鉢の周りと軽くたたくと取り出しやすくなります。
2.苗の表面の土を取リ除きます。
3.根を全体的にほぐします。土は完全に落ちなくても構いません。
4.植え替える鉢の底に、軽石を敷き、その上に新しい土を入れます。
5.ほぐした苗をそっと置き、隙間に土を入れます。
ウォータースペースとして、鉢の上は2~3センチほど余裕を持たせましょう。
6. 水をたっぷりと与えます。(鉢底から水があふれるくらいまでしっかりと)
ローダンセマムの育て方⑤増やし方
ローダンセマムの増やし方は、挿し木で増やすのが一般的です。9~10月・3~5月の時期が適しています。
挿し木の準備
挿し木には太く新しい茎を選びましょう。次に、選んだ茎の先から5~6センチ程度の長さで剪定します。この時、下の方の葉を4,5枚ほど取ると挿し木しやすくなります。
切った穂先を10分程度水に付け、水分を吸わせます。
根の成長を良くするなら
挿し木の精度を上げるために、穂先を水に付ける際、発根促進剤を使うといいでしょう。根の発生を促すだけでなく、より元気な根の成長を助けてくれます。
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挿し木の方法と管理
鉢に土を用意し、水に付けた挿し木用の穂を植えます。挿し穂は、葉を取った節の場所を埋めるように植え付けましょう。
植え付け後は、半日陰のような優しい陽が当たる場所に置きましょう。また、土が乾燥しないように注意が必要です。
ローダンセマムの育て方⑥日常管理
ローダンセマムは、環境さえ整えば、丈夫に育つ植物ですが、少し手をかけてあげることで、大きな株に育てることができます。当たり前のように見える日常の管理が、立派な株の成長にもつながります。
花がら摘み
花後はなるべく早く花がら摘みをしましょう。花びらが落ちている花だけでなく、反り返っている花も剪定して問題ありません。
剪定の場所は、茎の葉が展開しているすぐ上から切るようにします。花がらを摘むことは、株の蒸れ予防にもなります。
大きな株にするコツ
花が咲き終わった6月頃か、9~10月切り戻しをします。この作業によって脇芽を増やすことができ、花芽がたくさんつけることができます
また、夏に下葉がなくなって、株姿が乱れてしまった場合も、剪定することで株姿を整えることにもつながります。
ローダンセマムの育て方⑦季節の管理(夏越し)
涼しく乾燥した環境を好むローダンセマムにとって、日本の湿度の高い夏は苦手な季節です。なるべく力を温存させるような管理をして、次の開花に備えましょう。
夏越し①日向を避ける
夏の強い日光では枯れこんでしまうので、風がよく通る日陰か半日陰で管理します。地植えの場合は、夏に1日中太陽が当たるような場所は避けましょう。
夏越し②剪定
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梅雨入りする前に剪定をすることで、蒸れによる枯れこみを防ぎます。思い切って半分くらいまで刈り込んでしまっても大丈夫です。
もし剪定する場所が不安な場合は、新芽のすぐ上から切るといいでしょう。茎をよく見ると、節から新しい葉が展開している場所があるので、そこを目安に剪定します。
夏越し③その他
夏越しの時期は、肥料などの成長を促すような栄養剤は不要です。成長期ではないので、暑い時期に体力を消耗させないようにしましょう。
ローダンセマムの種類
品種数は、10~15種類あります。全体的に、柔らかで優しい雰囲気の品種が多く、寄せ植えでも楽しむことができます。個性的なリーフや花と合わせても、調和がとれるのがローダンセマムの良いところです。
アフリカンアイズ
園芸店などでもよく見かける、一般的な種類です。きっぱりとした白い色の花の中心に茶目が引き立ちます。茎は堅く、しっかりとしているので花が倒れにくいです。
アプリコットジャム
とても柔らかなピンク色でソフトな雰囲気の種類です。蕾の時にアプリコットの色味が強く、咲き進むとピンクから白へと変化します。また、夕方になると花が閉じるので、動きがあるのも面白い花です。
ピーチジャム
アプリコットジャムから派生した種類です。花色はアプリコットジャムよりも少し濃く、中心部は赤身の強い茶色で咲きます。花粉が少なく、他の品種よりも花が長く咲くのが特徴です。
マラケシュ
濃いめのピンクの花は、他の種類と比べてやや小さく、可愛らしい雰囲気の品種です。花は咲き進むにつれ、中心部から白く退色し、覆輪へと変化する珍しいタイプです。
マーキュリー
ローダンセマムの中でも、特に色が濃い品種です。花は小さく、株もコンパクトにまとまります。
小花のように、寄せ植えに使っても存在感あります。
カタナンチェ
優しいクリーム色の花びらで、花の中心部にほんのりと、えんじ色が帯びる品種です。花の裏側も、うっすらとくすんだ朱色のような筋が入るので、蕾の時から楽しめる種類です。
ローダンセマムの寄せ植え
籠に植えてナチュラルに
シルバーリーフの植物やハーブと合わせた寄せ植え。白い花のローダンセマムを使って籠に植え込むことで、自然な風合いをが引き立ちます。
豪華なハンギングバスケット
ニュアンスカラーが多いローダンセマムは、吊り下げて飾るタイプのハンギングバスケットでも雰囲気を作ってくれます。斑入りの葉やダークな色のリーフと合わせることで、大人っぽい雰囲気になります。
ビタミンカラーで元気に
1つの苗を小分けにすることで、たくさんの植物と混植できるギャザリングという手法。
こちらは黄色を中心にした、見ているだけで元気をくれる寄せ植えです。
アンティークテイストな寄せ植え
少しくすんだ色味との花とも相性抜群です。縁が白い葉や、小さく丸い個性的な花を使っているので、リズミカルな印象です。
寄せ植え後も楽しむために
花もちがいいローダンセマムは、寄せ植えに向いた植物ですが、少しの工夫でより長く楽しむことができます。そのためには、少し工夫を施すようにしましょう。
寄せ植えを作るときのひと手間
寄せ植えに使うときは、茎の下の葉を取ることで、株の蒸れを防ぐことができます。株の群れを防ぐことで、適切な湿度を保つことが可能です。
寄せ植えが終わったら
花の時期が終わったら、花がらや、枯葉を取るなどの株の手入れをします。その後、鉢に植え替えたり、地植えにしたりすることで、翌年も花を楽しむことができます。
その他
苗を買ったら気を付けたいこと
春先に苗が出回りますが、出荷まではハウスで管理されていたため、寒さになれていません。そのため、急な寒さや、霜に当たると枯れてしまう可能性があります。温度が安定するまでは、霜があたらないような場所で管理しましょう。
樹形が乱れてきたら
年数が経ち、大株になると、株元から木質化してきます。特に地植えの場合、形の崩れが気になるかもしれません。その場合は、剪定で株を更新したり、挿し木などの増やし方で、株をリフレッシュすることをおすすめします。
まとめ
ローダンセマムの育て方や増やし方・夏越しの方法などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「高い温度・湿度が苦手」という性質をしっかりと理解し、夏に体力を使わせないような手入れをすることが、管理のポイントでした。
これまで一年草だと思ってあきらめていた方も、ご紹介した育て方や、挿し木などの増やし方に挑戦してみてもらえると嬉しいです。
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