検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

低体温症の症状とは?対策と対処方法をご紹介!原因をしっかりチェック

登山を行う際には低体温症に注意しなければなりません。体温が低下することによって死亡する恐ろしい症状だからです。無事に登山するためにも症状について知る必要があるでしょう。対策や対処法、いざという時のための処置など、低体温症について詳しくチェックしましょう。
2020年8月27日
haduki0
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

低体温症状とは?

低体温症とは、体温が一定の温度以下(直腸温で35℃以下、液窩温で大体33℃くらい)に低下した状態の事を指します。体温によって重症度は変わり、35~33℃で「軽度」、33~30℃で「中度」、30~25℃で「重度」、25~20℃以下で「重篤」と段階が変化します。重症度によって人体への影響が変化し、場合によっては死亡する危険もあります。たかが体温の低下でしかありませんが、非常に危険な症状といえるのです。

冷え性との違い

冷え性は、手足などの末端部が冷えてしまう症状の事を指します。これだけ見ると、体温が低下する低体温症状と末端部が冷える冷え性は同じように思えるかもしれません。ですが、実際にはどちらも違う症状です。
冷え性になると指先が冷える原因は「末端まで熱を運ぶ能力が低下している」からです。そのため、体の中心部である心臓部は温かいまま(平熱のまま)です。つまりは体温自体は低下しているわけではありません。一方低体温症は「体温自体が低下」しています。そのため、体の中心部も含めて体温が低下しているのです。どちらも体温が低下しますが、低下する理由が違うのです。

平熱が低い人は低体温症状?

近年、食生活や生活習慣の乱れによって平熱が低い人がいます。液窩温35℃の人も多く、中には34℃に近い人もいます。ですが、これらの人は低体温症というわけではありません。低体温症とは簡単にいってしまえば「体温が低いことで生命に問題が生じる」状態を指します。ですが、体温が低い人はそれが平熱であって、生命に問題があるわけではありません。そのため、「低体温」であってもそれが平熱ならば低体温症とはいえないのです。もちろん、体質ですので病気というわけでもありません。ただ、低体温だと体調に悪影響が出やすいです。免疫力が低下するば本当に病気になりかねません。ですので、食生活や生活習慣を改善し、平熱を上げることをススメはします。

低体温の改善

低体温は危険な症状ではありませんが、あまりいい状態とはいえません。病気などになりやすいのもそうですが、一般的な人よりも低体温症になる可能性は非常に高いです。そのため、可能ならば原因を把握し体質改善をする必要があります。

運動から改善

低体温の原因は「筋力の低下」と考えられています。筋肉は血液を運ぶポンプの役割もあるのですが、筋力が低いとポンプの機能も低下してしまいます。すると熱を運ぶ血液が少なくなり、結果として体全体に熱が届かず低体温になってしまうのです。
そうならないためにも、毎日筋力トレーニングをする必要があります。スクワットや腕立て伏せなど本格的なことをしろとはいいません。毎日30分散歩したりなどできることを継続的に行うことが大切です。すぐに改善されるわけではありますが、「継続は力なり」で行っていきましょう。

食事から改善

低体温の原因は食事にもあります。栄養が偏ることでエネルギーが作られず、発熱できなくなっているのです。特にタンパク質は血液や骨など体機能を保持するために重要な栄養素です。筋ポンプを維持するためにもしっかりと摂取するようにしてください。
栄養は体を維持するために必要なものです。タンパク質に限らず何が欠けてもいけません。毎日の食事を改善し、病気知らずの体を作りましょう。

生活から改善

生活習慣を改善することでも、低体温は改善されます。運動以外では入浴など体を温めるのも効果的です。温めることで血行が良くなり新陳代謝が促され体温が上昇したり、血行が良くなることで体全体へ栄養を行き渡らせて健康的な体にしてくれるのです。またストレスを減らすのも大切です。ストレスがあると自律神経が乱れて体温が低下してしまいますんで、ストレスをためないようにしましょう。
生活改善を行えば低体温症だけではなく、他の病気も予防できます。ストレスなどは難しいかもしれませんが、睡眠をしっかりとるなど健康的な生活を心がけましょう。

低体温症状は病気なの?

低体温症は病名ではありますが病気というわけではありません。症状である「震え」や「意識の低下」は、体が冷えることによって生じます。つまりは、菌やウイルスによって生じているわけではなく、生理現象によって生じているのです。そのため、低体温症は病気というよりは状態に近いといえるのです。ただ、危険な状態であることには変わりはありません。ですので、医師の指示のもと、適切な処置や治療が必要ではあるのです。

低体温症状になる原因

低体温症の原因は、何らかの原因によって体全体を冷やされることによって生じます。雨により体が冷える、高所など寒い場所に適切でない状態でいる、冷風に当たり続けるなど、体を冷やされ熱が奪われることで低体温症状に陥ります。寒冷な環境で生じることが多いことから「寒冷障害」と呼ばれることもあるそうです。他にも「大量に出血をする」「病気によって体温が低下する」など、体温が低下すること全般によって生じます。


低体温症状による人体への影響

低体温症の影響は主に、「震え」「意識の低下」「心肺機能の低下」です。段階によって症状が重くなり、最終的には死亡する危険があります。

軽度(直腸温約35~33℃)

・軽度の震え

軽度の震えはありますが、意識は鮮明で人体への影響はほとんどありません。暖かくしていればすぐに平熱まで体温が上昇することでしょう。

中度(直腸温約33~30℃)

・体全体の震え
・意識の低下
・軽度の心肺機能の低下

徐々に体に支障が出始めます。全身の震えだけではなく、意識と判断力が低下して反応が鈍くなってきます。心肺機能などの臓器や筋組織も機能低下し始めますので、全体的にだるく動きにくくなるでしょう。
話しかけても反応が薄い場合は要チェックです。

重度(直腸温約30~25℃)

・意識混濁
・筋硬直
・心拍数の低下
・凍瘡(しもやけなど)

大変危険な状態です。まだ意識はありますが、うわごとをいったりなどして正常な判断ができなくなります。また、心配機能の低下により、全身が動かなくなってきます。そのため、寒くても震えることができず体温の低下は加速します。末梢神経障害も出始め、指先などは凍瘡を起こし凍傷寸前です。すぐに処置や治療をする必要があります。

重篤(直腸温約25℃以下)

・意識不明
・筋硬直
・心肺機能の低下・停止
・凍傷

治療をしないと危険な状態です。多くの人は意識がなくなり昏睡状態となります。意識があったとしても、判断ができない状態ですので、ほとんど状態がわかっていません。また、この状態になると心配は停止し始めます。筋組織だけではなく臓器も停止し始め、仮死状態となります。末梢血管も停止し、末梢部位だけではなく、足や手、場合によっては脚や腕も凍傷してしまいます。
そして、そのまま治療することができないと、最終的には死亡へと至ります。
 

低体温症状の後遺症

低体温症の後遺症は人体への影響と同じで、段階によって後遺症は度合いは変わってきます。より重度だと、より後遺症が重くなってきます。

軽度~中度(直腸温約35~30℃)

この程度なら後遺症は滅多にありません。中度だと入院する場合もありますが、適切な治療と処置により、後遺症の心配は無いといってもいいでしょう。

重度(直腸温約30~25℃)

・脳障害
・筋障害
・末梢神経障害
・凍瘡(しもやけなど)

重度になると後遺症が出始めます。全身に酸素が送られないことで細胞が死亡してしまい、脳神経障害や末梢神経障害などの神経障害、筋組織が死亡することで筋肉や骨などに障害が生じる可能性があります。また、凍瘡や凍傷が残ってしまう場合もあります。後遺症は軽度な場合が多いですので、リハビリによる治療で改善も期待できるでしょう。

重篤(直腸温約25℃以下)

・脳障害
・筋障害
・末梢神経障害
・凍傷

症状としては重度と同じですが、より可能性が高く、重度の後遺症が残ってしまいます。治療のかいもむなしく死亡してしまうこともあれば、脳死により植物状態になることも珍しくはありません。後遺症が辛いですが、「生きているだけでもよかった」という状態です。

低体温症状に注意する場所

低体温症といえば雪山を連想しますが、実際はどのような場所でも生じる危険があります。「山など気温が低い場所でふさわしい格好をしない」「雨などを浴びてびしょ濡れの状態で放置」「春先の寒い時期に地面に寝そべって数時間経過」「冷房が利きすぎる部屋に長時間いる」など、様々な可能性が考えられます。そのため、どのような場所や季節であっても低体温症には注意が必要です。実際に夏場の登山で遭難し、一夜明けたら低体温症になっていたという話も珍しくありません。
冬場だけではなく、夏場も涼しい場所へ向かう際には注意しましょう。

低体温症状への対策法 その1「服装」


低体温症対策で一番大切なのは服装です。低体温症の原因は「寒さ」ですので、寒くない服装でいれば低体温症を防ぐことができます。冬の防寒対策はもちろん、夏場でもカーディガンなどの冷え性対策をしておくといいです。

濡れた服は体温を吸収する

いくら温かい格好をしていても服が濡れていたら意味がありません。濡れた服は体温を奪ってしまうからです。特に、風が吹いているとより体を冷やします。体温が奪われることで低体温症になる危険がありますので、服が濡れたら必ず着替えるようにしてください。登山などは汗をよくかきますので、替えの服があると便利です。

低体温症状への対策法 その2「持ち物」

服装だけではなく、道具によって防寒対策をすることもできます。火を付けるためのライターはもちろん、風を遮るテントや寝袋、冷たい地面に座らない折り畳みの椅子やシート、雨を防ぐレインコートや傘、汗を拭うタオルなどを準備しておくといいです。他にもアルミシートや新聞紙などは断熱性があります。体を冷やさないために、出発前に道具をチェックするといいでしょう。

低体温症状への対策法 その3「食事」

低体温症にならないために、しっかりした食事は必要です。食事は体を動かすエネルギーとなります。体温を上げるためには体を動かす必要がありますが、エネルギーが足りないと体を動かすことができません。その結果、体温が上がらず低体温症となってしまいます。体温を維持し続けるためにも、食事をしたかどうかをチェックするといいでしょう。

唐辛子やカカオの効果

よく、遭難した際は唐辛子やチョコレートを食べるといいといわれています。これは食べることで血管が広がり、体温を上昇させる効果があるからです。唐辛子のカプサイチンやカカオのポリフェノールが血管を広げ、体中に熱を運びやすくしてくれます。また、チョコレートは糖分も含まれています。糖は脳を活性化させます。判断力と体を温める必要がある遭難では、チョコレートは最適な食べ物なのです。登山する際は、唐辛子の瓶や板チョコなどをチェックしておくと、万が一の状況で役に立ちます。

低体温症状への対策法 その4「体調」

低体温症になる原因の一つに体調不良が含まれます。睡眠不足や栄養失調など、不健康な生活を送るとストレスが溜まり自律神経のバランスが崩れていきます。自律神経は体温や血圧などを調節する神経です。その神経に不調が出てしまうと体温調節が上手くいかず、低体温症や他の病気などになりやすくなってしまいます。低体温症に限ったことではありませんが、体調不良は怪我と病気のもとになりやすいです。登山などをする際は必ず初めに体調のチェックをするようにしましょう。

低体温症状への対処法 

低体温症の対処は一貫して「温めること」になりますが、症状の段階によって処置の方法が変わります。状態によってはただ温めるだけでは逆に危険になってしまう場合もありますので、正しい処置を行う必要があります。病気とは違い薬で対処するというわけにはいきません。段階に合わせて対処と処置を行いましょう。
それと、あくまでも個人が行う処置は応急処置の範囲です。安全な範囲で落ち着いたら必ず病院で診断し、治療や後遺症のチェックを行うようにしてください。

軽度の対処法

軽度ではただ温めるだけで大丈夫です。暖かい飲み物と暖かい服装で温めれば自然と良くなっていきます。ただ、眠ってしまうと震えなどが収まってしまい熱生産が低下してしまいますので、必ず覚醒した状態で温めましょう。

中度の対処法

中度の低体温症になると意識が低下し始めます。そのため、自分の状態を正確に判断できず、低体温症であっても「大丈夫」と誤診してしまう恐れがあります。正常な判断ができない場合もありますので、客観的に見て対処するようにしましょう。

急に血液が心臓に流れないように注意


また、中度になると心肺機能が低下し、血流の流れが悪くなります。手足に残る血液は低酸素・低温・高カリウムとあまりいい状態とはいえません。そのような血液が急に心臓へ流れてしまうと、心臓に負担が掛かり寝室細動を起こす危険があります。そのため、考えなしに温めてしまうと逆に危険な場合もあるのです。中度では急に温めるのではなく、人肌で温めるなど低温でゆっくりと、そして急に血液が心臓に流れないように安静に温める処置が必要となります。

重度の対処法

重度になると意識が混濁してきます。場合によっては意識が無くなってしまいますので、間違っても飲み物や食べ物を与えないようしてください。また、心肺停止により呼吸も停止する恐れがあります。呼吸と脈をチェックし停止しているようなら人工呼吸と心臓マッサージの処置を行ってください。
重度になるほど生存率は低下します。そうなる前に適切な処置をして死亡させないようにしてください。

低体温症状を利用した治療

低体温症は死亡する危険もある大変な症状です。そのため、低体温にならないよう注意する必要があります。ですが、低体温になると仮死状態になることから、それを利用した治療が考えられています。その一つがコールドスリープです。低体温症にすることで仮死状態にし、脳や臓器の冷凍保護を行います。ほかにも、麻酔の代わりに低体温にしたり、低体温にするとエネルギー効率が減ることから食料や酸素消費が少なくなるなど、低体温を利用した治療の研究がされています。
 

実際にあった事故

実際にあった事件で、冬の川で溺れた子供が、一時間後治療によって回復したという事件がありました。本来粗溺れることで呼吸ができなくなって死亡してしまうのですが、冬の川であったことから低体温症をおこしてしまい、それによって呼吸量が少なくても平気だった、という話があります。低体温症で下手に溺れなかったことで水もあまり飲み込まなかったのも、理由の一つといえるでしょう。
このように、低体温症状になったからこそ死亡を免れたケースもあるのです。

まとめ

低体温症は実際に死亡する人が多い危険な症状です。後遺症に悩む人もとても多くいます。ですが、原因がわかっていれば対策や対処も簡単にすることができます。原因は「寒さ」ですので、温かく対処すれば問題はありません。また、低体温症の可能性がある状態にならないことも大切です。雨が降りそうなら傘を用意する、天候のチェックをする、気温が低いなら水遊びをしないなど、正しく対処していきましょう。
 

低体温症状が気になる方はこちらもチェック!

低体温症にならないためには、温かくすることが大切です。下記のサイトでは様々な防寒グッツを紹介しています。低体温症に対処するためにもチェックしておきましょう。