収納扉について
収納扉がないことのデメリット
収納家具の種類はさまざまあります。本棚やカラーボックスなど収納扉のついていないオープン棚は、収納物の出し入れがしやすかったり、モノをきれいに並べておしゃれなディスプレイスペースにできたりするのがメリットです。
でもホコリがたまりやすく掃除に手間がかかります。それに収納物がディスプレイに適していない場合は、見栄えが悪くなってしまいお部屋の雰囲気に悪影響を与えてしまうなどのデメリットもあるのです。
オープン棚があわない人
整理整頓が得意でない人は、収納家具の中身が乱雑になりがちです。もし当てはまる場合には、収納扉のついていないオープン棚は適していません。ちゃんと収納して片付けたつもりでも、ごちゃついた棚の中身が丸見えだと、散らかった雰囲気のままになってしまいます。
こまめな掃除を面倒に感じる人も、汚れやすいオープン棚との相性はよくありません。いずれもそこへ来客があると、恥ずかしい思いをしてしまうことでしょう。
収納扉は実用的
収納扉がついていて常に閉じている状態にしていれば、棚の中にホコリがたまりづらくなります。なので本棚や自作のテレビ台などといったオープン棚に比べて、こまめな掃除は必要ありません。手間が減るのです。それに収納物が見えないためきれいに整理整頓ができなくても、扉を開けられない限りはひと目にふれることを防げます。
整理整頓の上手い下手にかかわらず、もともと見られたくないモノでも安心して収納可能です。
DIYで扉をつける
DIYで扉つき収納にする
オープン棚のデメリットと収納扉の実用的な利点が分かると、扉つきの収納家具が欲しくなります。でも扉がついている分、オープン棚よりも価格は高めです。なるべく費用をおさえて収納を増やしたいと思っているなら、その希望にかないません。
本棚のように扉つきタイプを見かけない場合もあります。扉をつけずに自作したテレビ台など、扉を後付けしたいと思うこともあるでしょう。それらを解決できるのが、収納扉のDIYです。
収納扉のDIYは簡単におこなえる
すでにある本棚や自作のテレビ台、これからそろえるオープン棚の収納家具などは、収納扉をDIYで自作して後付けできます。オープン棚を購入して費用をおさえつつ、扉つきの収納家具にできるのです。または扉つきのものに買い換えなくてもすみます。
扉を自作し後付けするという手間はかかりますが、簡単にDIYが可能です。当然ながら材料も必要になり費用も発生します。でも手間賃をはぶいた材料費だけでみれば、負担は軽いはずです。
DIYで扉をつける方がよい家具
カラーボックスが家具になる
安くて使いやすいサイズ感をしたカラーボックスは、ちょっと収納を増やしたい時に重宝します。でも安価なタイプは、チープな見た目なうえにオープン棚です。このカラーボックスへ収納扉を後付けするだけで、しっかりとした収納家具へと変えられます。
さらに塗装などの装飾アレンジを加えると、おしゃれなインテリアになってくれるのです。並べたり積み重ねたりもできるサイズで、費用をおさえながら増やしていけます。
本棚の本をホコリや色あせから守る
本棚の多くは収納扉がついていません。そのため並べている本にホコリがつもり汚れやすかったり、背表紙が太陽光に当たり色あせしたりしまいがちです。コレクションを兼ねた大切な本であれば、汚さず色あせないようにしたいことでしょう。
収納扉をDIYして後付けすることで本を守れます。布をカーテン状にして本棚の保護もできますが、太陽光は透けて当たりますし、すき間からホコリが入ってくるので扉の方がおすすめです。
テレビ台収納の家電や配線類をホコリから守る
市販されているテレビ台のほとんどは、収納棚や引き出しがついています。でもDIYで簡単に自作したテレビ台は、オープン棚になっている場合が多いです。テレビ台の収納には、ハードディスクレコーダーやブルーレイプレーヤーといった家電と、その配線類をおさめます。
これらにホコリがたまると故障したり、発火して火事になったりする恐れがあるので注意が必要です。テレビ台にはなるべく扉をつけた方がよいでしょう。
食器棚にも扉があると便利
おしゃれな食器を集めている人に人気なのがオープン棚です。自慢の食器を並べてディスプレイできるためですが、見せる必要がない場合は扉つきの方が便利になります。本棚やテレビ台に比べて扉の必要性は少ないものの、扉がないとホコリがたまりやすいことは変わりません。
食器は食事をするためのうつわです。盛り付け前にホコリを洗い流すのが手間に感じるようであれば、洗う必要のなくなる扉つきにした方がよいでしょう。
DIYで扉をつける方法①完成をイメージ
扉を後付けした姿をイメージする
カラーボックスや本棚、テレビ台などへDIYした自作の扉を後付けしようと思っても、何も考えずにおこなってはいけません。仕上げたい姿をイメージする必要があります。収納棚によって、必要な材料や作り方が変わってくるためです。それに完成像がはっきりしていると、設計を考える段階からスムーズにDIY作業を進められます。
開き戸の扉を後付けする
扉の種類は引き戸などいくつかあります。DIYで簡単に扉を後付けするのに最適なのが開き戸です。収納扉とする開き戸は、扉を手前に引いて開きます。1つの棚に対して扉1枚で左右のどちらかにのみ開く、または2枚で観音開きが一般的です。
開き戸の仕組みは蝶番(ちょうつがい)という金具にあります。カラーボックスや本棚、テレビ台など、DIYでおこなうならどの棚にも、この開き戸がつくことを想定してイメージを固めてください。
DIYで扉をつける方法②サイズを測る
棚のサイズを正確に測る
開き戸のどんな収納棚を自作するのかイメージできたら、DIY作業を進めていきます。まずは扉をつける棚のサイズを測りましょう。サイズの計測は正確におこなわないといけません。サイズがズレてしまうと、開き戸を閉めた時にすき間が空いてしまったり、扉が棚の中へおさまるタイプであれば閉まらなくなったりします。
棚は複数段ありますが、一見して同じサイズでも微妙に違う場合があるため、すべてちゃんと測ってください。
設計図へサイズを記載する
測ったサイズはそのつど設計図に書き込みます。設計図作りは面倒に感じるかもしれませんが、あった方がスムーズです。それにミスも減らせます。正確なサイズが記載された設計図があれば、作業の途中でつまづくことなく簡単に完成させられるはずです。
設計図を作らずに進めて間違ってしまった場合は、やり直しになることが多く、DIYに苦手意識を持ってしまいかねません。問題なく成功するためにも設計図を作りましょう。
DIYで扉をつける方法③材料をそろえる
ホームセンターで木材を調達する
開き戸の収納棚を作るにあたり必要となる材料は、主に木材です。ホームセンターで調達できます。多くのお店では、購入した木材を希望のサイズにカットしてくれます。木材のカットは少し手間がかかりますので、依頼するのがおすすめです。
有料サービスであっても高額ではないため、お願いした方がよいでしょう。先に作っておいた設計図へ記載されている、サイズの通りにカットしてもらってください。見せて説明すると早いです。
金具類も重要な材料
開き戸の収納扉のベースとなる材料は木材ですが、それだけでは扉になりません。扉として機能させるのに重要なパーツが金具類です。先項でも少しふれましたが開き戸とするためには、蝶番(ちょうつがい)という金具が必要になります。
加えて扉が勝手に開閉しないよう、ストッパーとなる金具パーツも取り付けましょう。どの金具もホームセンターで豊富に取り扱っています。最初に思い描いたイメージにあうデザインを選んでください。
サイズがあえばキットが簡単
一定のカラーボックスなど棚のサイズが規格化されているものは、収納扉をDIYで後付けするためのキットが販売されています。扉をつけようと思っている棚のサイズにフィットするなら、キットを使うのもおすすめです。
開き戸の収納扉を簡単に取り付けられます。ただし本棚やテレビ台など、棚のサイズがばらばらの場合には適していません。測った棚のサイズと、キットの説明書きにあるサイズを照らし合わせてよく確認しましょう。
DIYで扉をつける方法④100均の材料
100均でもそろう収納扉の材料
しっかりした開き戸の収納扉をDIYするなら、ホームセンターで材料を調達するのが一般的です。簡単な扉でも問題がない場合は、100均ショップで販売されているグッズでも対応できます。できる限り費用をおさえた作り方をしたいなら、100均ショップで材料をそろえましょう。100均グッズでDIYした扉でも、収納物を隠す目隠しやホコリよけとして十分の役目を担ってくれます。
100均グッズでDIYする扉の材料
収納扉をDIYするための100均グッズはどういったものがあるのでしょうか。簡単に例を2つご紹介します。1つ目はプラスチックドアです。木材や金具を使わず、素材がプラスチックなので軽い扉になります。
蝶番もプラスチック製で両面テープによって固定する仕組みのため、取り付けが簡単です。2つ目はコルクボードを扉にする方法になります。コルクボード本来の使い方もできるので、便利に活用することが可能です。
DIYで扉をつける方法⑤材料を塗装する
木材を研磨して塗装の準備をする
ホームセンターで木材を調達した後の作り方へ話を戻します。木材はそのまま収納扉として後付けすると、違和感がでてしまうので加工しなければなりません。本体の棚にあわせた塗装をほどこせば、きれいにマッチするはずです。
余裕があるなら棚も一緒に塗装するのがよいでしょう。それに塗装は扉をおしゃれにしてくれます。木材を塗装するには、下準備が必要です。表面をサンドペーパーでよく磨き、平らな状態に仕上げてください。
収納扉の塗装で注意すること
塗料にはさまざまな種類があります。どの塗料を使うかによって、できあがった扉の雰囲気はまったく異なるので、最初のイメージにあうものを選びましょう。片面ずつ塗装していきますが、よく乾燥させた後にもう片面を塗るようにしてください。
塗料が乾燥する前にゴミなどが付着すると、そのまま固まって汚くなります。また、塗料にペンキを使用して厚塗りすると、その厚みが加わりサイズに問題をきたすので注意が必要です。
DIYで扉をつける方法⑥蝶番をつける
蝶番の取り付け方
蝶番の取り付け方は2種類あります。1つ目は扉と棚の内側につける作り方で、利点は蝶番が外から見えないということです。2つ目は扉と棚の外側に蝶番をつける作り方になり、外から見えてしまいますが、取り付けと開閉がしやすいというメリットがあります。蝶番も塗装できておしゃれに加工できることから、おすすめは外側につける作り方です。用途によっては、内側の方が適している場合もあります。
収納扉へ蝶番をつける方法
蝶番は先に収納扉へ取り付けます。つける方法はネジどめですが、慣れていないとズレてしまいかねません。蝶番を取り付ける位置へ実際に当てて、動かないようにマスキングテープで固定させてください。その上からネジどめしていけば、上手に取り付けられます。しっかりネジで固定させたらマスキングテープを剥がしましょう。
DIYで扉をつける方法⑦取っ手をつける
おしゃれな取っ手を選ぶ
開き戸の扉には取っ手が重要です。取っ手がないと扉を開けません。それに取っ手は扉のデザイン性を左右します。最初に思い描いたイメージにあう中で、おしゃれなものを選びましょう。100均ショップにも素敵な取っ手があります。
収納扉へ取っ手をつける方法
蝶番と同じく、取っ手もネジどめで固定します。1カ所にネジどめする普通の取っ手なら特に気にすることはありますせんが、ハンドル型で2カ所にネジどめする取っ手は注意が必要です。ネジどめをするには、先に下穴を開けなければなりません。
ですが2カ所に下穴を開けてからネジどめすると、位置があわなくなります。1カ所だけ下穴を開けて取っ手を実際にネジどめし、その後でもう1カ所を下穴開けしてネジどめしてください。
DIYで扉をつける方法⑧金具をつける
2種類のストッパー金具を選んで取り付ける
ここでいう金具とは、扉が勝手に開閉しないよう取り付けるストッパーのことです。このストッパー金具は大きく分けて2種類あります。マグネットタイプと、ローラータイプです。簡単なDIYの趣旨にあうのはマグネットタイプになります。
ストッパー金具は、この工程で扉と棚に取り付けます。扉を棚へ当てながら位置を確認してください。お互いの位置がズレてしまうと、ストッパーとして機能しなくなってしまいます。
DIYで扉をつける方法⑨扉を後付けする
収納扉を蝶番で棚に固定する
あとは自作した収納扉を棚に後付けするだけです。扉に取り付けた蝶番を棚に固定しましょう。ネジどめする前に、マスキングテープでとめて取り付け位置を確認してください。実際に開け閉めしてみて、ズレや接触の感じなどに問題がないかよく確認します。
大丈夫ならネジどめして完成させましょう。蝶番のネジどめにも、先に下穴を開ける必要があります。下穴がないと木材が割れてしまう場合があるためです。
DIYで扉をつける方法⑩アレンジ
収納扉をつけたらアレンジを加える
棚に収納扉をつけたらそれで完成ですが、アレンジを加えてもっとおしゃれに仕上げましょう。アレンジするためのアイテムは100均ショップでそろえられます。塗装DIYが難しいという場合には、ステッカーやリメイクシートを貼るのがおすすめです。100均ショップで人気の高いリメイクシートは、リアルなレンガや木板の柄になります。その絵柄の材料で作られたかのように見せることが可能です。
黒板シートで機能性もアップさせる
100均ショップには黒板シートというグッズもあります。この黒板シートを貼ることで、収納扉へ文字や絵柄を書けるようになるのです。それに消せるから、メモ代わりに使ったり装飾したりと便利に使えます。何も書いていない状態でも雰囲気があっておしゃれです。
DIYで扉をつける/アイデア
アイデアを活かして収納扉を作る
上項までに解説してきた収納扉の作り方は基本的なものです。アイデアしだいで、他のさまざまな収納扉を自作できます。用途や予算などにあわせて、自分なりの収納扉をDIYしてみてください。普通の木材ではない素材を使ってDIYされた、収納扉の実例を2つご紹介します。
焼き網で収納扉をDIYする
焼き網を収納扉の代わりにできます。棚にちょうどフィットする焼き網を見つけるのは難しいので、大きめサイズの焼き網をカットするのがよいでしょう。フチまわりは布とワイヤーで固めます。接合部分は蝶番を使わず、棒を突っ張らせてそこへワイヤーや結束バンドなどでとめるのが簡単です。
すのこで高級感のある収納扉をDIY
100均ショップで販売されているすのこも収納扉へ活用できます。すのこの凹凸が装飾になり、高級感を演出してくれることでしょう。すのこは柵状になっていて、すき間が開いています。裏側から木板を貼って、すき間をなくすことが可能です。塗装をほどこせば、さらに立派な扉に仕上げられます。
まとめ
DIYによって収納扉を自作し、後付けする方法について解説してきました。カラーボックスや本棚など、扉のない収納家具は多いです。扉がないと、ホコリがたまりやすく掃除の手間が増えますし、乱雑な収納をしていると見た目が悪くなってしまいます。
オープン棚としておしゃれにディスプレイする目的がないなら、ホコリよけや目隠しになる扉を取り付けましょう。すべてDIYでおこなえます。100均グッズを活用する方法もおすすめです。
収納棚のDIYが気になる方はこちらもチェック!
今回は収納扉の作り方や後付け方法について解説しましたが、本体となる収納棚のDIYについて知りたいという方は、下記のリンク記事を読んでみてください。
すのこ棚の簡単な作り方!部屋のインテリアにあったアレンジ方法19選!
DIYで棚を作るってなんだか難しそうですよね。ところが100均で売られている「すのこ」で簡単に作れちゃうんです。自分にぴったりの棚がないなら...
本棚をDIY!おしゃれで簡単にできる作り方とおすすめアイデア9選!
本棚はどの家庭にもありますが、本が増えて収納に困っていませんか?追加したくてもちょうどいいサイズが見つからなかったりしますよね。それならDI...
キッチンの食器棚をDIY!簡単な作り方&おしゃれな収納アイデア6選!
食器棚をDIYすればキッチンの収納を増やせます。リフォーム不要のうえ作り方は簡単で、カラーボックスのリメイクがおすすめです。2×4材を材料と...