にんにくの収穫と保存方法
にんにくを家庭菜園で
にんにくは、数多くの料理に使用される私たちの食生活になじみの深い野菜のひとつです。そしてこのにんにくは家庭菜園で比較的育てやすい部類の野菜です。自家製のにんにくで食卓を美味しく彩ることも可能です。
収穫にコツあり
にんにくを栽培する上ではいくつかのポイントがあります。ポイントのひとつとして収穫の方法があります。にんにくの収穫について、収穫に適した時期や、収穫方法のコツなどを紹介します。
収穫と保存方法を紹介
また、にんにくは保存することで長期間楽しむことができる野菜です。収穫方法の他、長く美味しくにんにくを楽しむための保存方法なども紹介します。本記事を読むことでにんにくの収穫とその後の保存方法についてはバッチリです。
にんにくの基本情報
にんにくとは
収穫と保存方法の紹介の前に、簡単ににんにくとはどういった野菜なのかを紹介します。にんにくはヒガンバナ科ネギ属に分類される多年草です。原産地は中央アジアだと考えられています。日本に伝わったのは8世紀ころと比較的早くから、国内に入ってきた野菜です。
中国で栽培が盛ん
にんにくを世界で最も栽培しているのは中国です。なんと世界全体の生産量の内、8割ほどを中国だけで栽培しています。スーパーなどで販売されているにんにくで中国産のものが多いのはこのような背景があります。
国内では青森県
日本国内に目を向けると、青森県でにんにくの栽培が盛んです。特に青森県の田子町ではにんにくの栽培が盛んで田子のにんにくはブランドとしても広く知られています。青森県だけで日本国内のにんにくの8割ほどを栽培しています。
にんにくの育て方を紹介
比較的栽培が簡単なにんにくですが、国内の栽培が青森県が多いです。にんにくの生育に適した環境を知ることでその理由も見えてきます。ここからはにんにくの育て方について紹介してきます。
にんにくの育て方1
生育に適した気温
にんにくを上手に育てるためにはいくつかのポイントがあります。重要なポイントのひとつとして、温度があります。にんにくは暖かい環境にはあまり強くはありません。生育に適した気温は10度から22度程度と言われています。
植え付けと収穫
にんにくを育てる工程は大きく植え付けと収穫の二つに分けられます。植え付けの時期は9月から10月ころに行われるのが一般的です。収穫の時期は5月から6月、遅い場合では7月ころにかけてになります。この2つの時期がにんにくを栽培する際には重要です。
にんにくの育て方2
苗ではなく種玉を使用
にんにくの植え付けについて紹介します。作物の中には苗から植え付けをするものもありますが、にんにくの場合は苗を植え付けるという方法はメジャーではありません。にんにくの植え付けでは苗ではなく、種玉を利用します。
種の植え付け
にんにくの種玉は15センチほどの間隔をあけながら植え付けます。この植え付けでは大きな種を選んだ方がよいと言われています。基準としては7グラム以上のものが大きな部類になります。小さすぎる種はあまり使わない方がよいようです。
植え付けの注意点
植え付けの際に気を付ける点として気温があります。暑さが残る時期に種の植え付けをすると休眠状態になってしまい育たないことなどもあるので気をつけましょう。種の植え付けが終わったら、しっかりと水やりをします。
にんにくの育て方3
幼苗が出るまで
にんにくの種の植え付けが終わったら、種が順調に育てば約2週間ほどで芽が出ます。にんにくは地上部分に苗が伸びて、地中では私たちが食す球根部分が成長します。幼苗が育ってくるまでは意識的に水やりを行いましょう。
幼苗と水やり
幼苗が出た後は乾燥気味の土の方が栽培に適していると言われています。幼苗が出るまでと幼苗が出た後では水やりの意識を変えましょう。幼苗が出た後の水やりは雨が降らずに土が乾燥したときなどだけでも十分です。
重要な追肥
にんいくの栽培では追肥は非常に重要なポイントです。2回もしくは3回の追肥を実施しましょう。追肥の時期の目安は植え付けから一か月後、また2月や3月の冬の時期に行うのが一般的です。1回目の追肥は緩効性の化学肥料、2回目の追肥は即効性のあるものが使われます。
にんにくの育て方4
芽かきで球根を大きく
にんにくは芽かきをすることで大きく育ちます。逆に言うと、芽かきを怠るとにんにくの球根は大きくは育ちません。芽が2本以上伸びるようなら、生育の最も良い芽以外は引き抜いてしまいましょう。大きく育てるための重要なポイントです。
花芽を折り取る
芽かきと同様に重要なのは、にんにくの花芽(つぼみ)を切り取ることです。花芽はあまりに小さいときに切り取ってしまうと成長が悪くなってしまいます。ある程度の大きさにまで成長したら指で花芽を折り取ってしまいましょう。
にんにくの芽を食べる
ちなみにこの折り取った花芽は食べることができます。この花芽こそがにんにくの芽と呼ばれる部分で、炒め物などでよく食べられる野菜です。にんにくを収穫する前の楽しみとして、折り取った花芽を味わうのもよいですね。
にんにくの収穫方法1
にんにくの育て方を紹介
ここまでにんにくの育て方を簡単に紹介してきました。秋に植え付けをして、以降の時期は追肥、芽かきなどをすることでにんにくの球根を大きく育てることができます。にんにくはあまり手間がかからずに比較的簡単に育てられる野菜です。
収穫の目安やコツ
ここまで丹精込めて育てたにんにくをいよいよ収穫します。収穫の時期は冬を超えた5月から6月ころになります。にんにくの収穫の目安やコツなどを紹介します。
にんにくの収穫方法2
花芽で知る収穫のタイミング
にんにくの収穫のタイミングを判断するにはいくつかの方法があります。ひとつめとしては育て方でも紹介した花芽を見ることです。花芽が出てきてから10日間から2週間後くらいが収穫する時期の目安となります。日数でタイミングが判断できるのでわかりやすい方法でもあります。
葉の枯れ具合で知る収穫のタイミング
視覚的な情報で収穫のタイミングを判断する方法もあります。にんにくの葉が枯れ始めてきたころも収穫のタイミングになります。目安としてはにんにくの葉の3割から半数程度が枯れていたら収穫可能です。葉の枯れ具合をよくチェックするようにしましょう。
収穫の2つのサイン
にんにくの収穫のタイミングを知る方法としては花芽が出てからの日数、葉の枯れ具合の2つが大きな判断方法になります。にんにくを収穫できる時期が近付いてきたら、この2つの収穫のサインを見逃さないようにしましょう。
試し掘りでタイミングを知る
どうしても収穫の時期がわからない、もしくは収穫のタイミングに自信を持てないという場合は、試し掘りをして球根の状態を見るとよいです。土を掘り返してみて、にんいくの芽が生えている部分が平らになっているようでしたら収穫のタイミングになります。
にんにくの収穫方法3
晴天続きに収穫を
にんにくの収穫のタイミングがわかったらすぐに収穫というわけではなく、天気を見ての判断も重要です。にんにくは晴天が続いたあとに収穫しましょう。理想としては晴天の日が2日から3日続いた後の収穫がよいです。
雨天は収穫に不向き
晴天後の収穫が適している理由としては、雨天時の収穫では茎が根元で切れてしまう可能性があるからです。根元で切れてしまうと収穫が大変になりますので、天気をよく見て収穫の時期を判断しましょう。
収穫の時期を逃さない
このように収穫に条件があるにんにくですが、タイミングを逃すと病気になってしまったり、また球根が腐ってしまう可能性もあります。このようなデメリットもあるので、収穫時期の判断はにんにくの収穫において非常に重要です。
梅雨に気を付ける
にんにくの収穫は時期的に梅雨の時期と被ってしまう可能性もあります。雨天に不向きなにんにくの収穫が梅雨と被るとさらに判断が難しくなります。にんにくの収穫の判断ではこの点が多少難しいかもしれません。
にんにくの収穫方法4
引き抜いて収穫
収穫時期を判断したらいよいよにんにくを掘り返しましょう。にんにくは根元を持ってそのまま球根部分を引くぬくことで収穫できます。収穫のときの注意点としては球根部分を傷つけないようにすることです。一気に引き抜いた方がきれいに収穫できます。
大量の場合はゴム手袋
にんにく収穫時の注意点としては、手をゴム手袋などで覆うことです。素手で収穫をすると、にんにくのエキスでにんにくを引き抜くことも困難になります。少量の収穫であれば問題ありませんが、大量のにんにくを収穫する場合はゴム手袋などは必須です。
にんにくの収穫方法5
病気に注意
ここまでにんにくの収穫方法を紹介してきました。にんにくは病気さえ気を付けていれば初心者の方でも収穫まで育てやすい野菜です。また比較的病気に強い野菜なので、土壌の環境なので良好に保っておけば病気にかかる可能性も減少させることができます。
保存方法を紹介
ここから収穫したにんにくを保存する方法を紹介します。にんにくは適切に保存することで長期間楽しむことができます。保存方法にはいくつかの種類があるので、ひとつずつ紹介していきます。
にんにくの保存方法1
根を切りとる
にんにくの保存では、収穫後に共通して行う必要のあることがいくつかあります。そのひとつとして根の切り取りがあります。収穫したにんにくはなるべく早い段階で根を切り取りましょう。根を残しておくと根の呼吸によって球根が形を崩す原因になります。
天日干しにする
根を切り取ったにんんくは天日干しにします。天日干しにするときには、球根についている土を払わない方がにんにくの持ちがよくなると言われています。目安としては3日から5日ほどの間、天日干しにします。
フレッシュな味わいを楽しめる
天日干しの完了したにんにくは葉の部分を切り取り、球根部分の薄皮を一枚向いて保存のための準備は完了です。なお、この天日干しの状態のにんにくは水分が残っていて美味しいです。お店で買うにんにくでは味わえないフレッシュな味を楽しめます。
にんにくの保存方法2
吊るして乾燥
天日干しした後のにんにくの保存方法にはいくつかの種類があります。保存方法のひとつとして、さらに乾燥を進めるという方法があります。この場合はにんにくをまとめて吊るす方法がよくとられます。
吊るす目安は30日から40日
にんにくを乾燥させる方法としては、束ねて吊るす方法とネットにいれて吊るす方法の2つが代表的な方法としてあります。この方法では目安として30日から40人ほど吊るした状態にしておきます。にんにくの乾燥が進み、かさは3割ほど減少します。
風通しの良い場所に吊るす
吊るして乾燥させる際の注意点としては、風通しのよい場所で実施することです。梅雨に近い季節のため、風通しの悪い場所に吊るしておくと腐ってしまうことなどもあります。保存しようと思って吊るしたにんにくが腐ってしまったら本末転倒なので注意しましょう。
にんにくの保存方法3
冷蔵にコツあり
にんにくの保存方法としては冷蔵も効果的です。冷蔵もひと手間かけることで、より長期間にんにくを保存できます。にんにくを冷蔵する際のコツを紹介します。
紙袋に包んで保存
にんにくを冷凍保存する際にはひとつひとつの球根を新聞紙に包んだ上で、紙袋などにまとめて保存するとよいです。冷蔵する場所は暗くて、温度が低い場所の方が適しています。冷蔵庫に入れる際に紙袋に包むことでにんにくにカビが生えることを防ぎます。
冷凍保存の方法
冷蔵保存と同じように、にんにくは冷凍保存も効果的です。冷凍保存する場合は一粒ずつにわけて保存するとよいです。一粒ずつをラップかもしくは保存パックに包んで冷凍します。ちなみにすりおろしたにんにくも冷凍保存可能です。
にんにくの保存方法4
漬け込んで保存
にんにくの保存方法として調味料などに漬け込むという方法もおすすめです。にんにくに好みの味を漬けて、かつ長期間食べられるようになります。いくつかおすすめの漬け方を紹介します。
簡単おすすめのにんにくの醤油漬け
お手軽でかつ美味しい保存方法として、にんにくの醤油漬けがあります。方法は簡単でにんにくを醤油の中に漬け込みます。にんにくの風味がついた醤油を各種料理に使うことができますし、にんにくももちろん美味しく食べることができます。
料理と相性抜群のオリーブオイル漬け
にんにくを漬け込む保存方法ではオリーブオイル漬けも人気です。オリーブオイル漬けでは様々な作り方がありますが、例えばにんにくをスライスして漬け込んでおけば料理などにすぐ活用できます。ひと手間加えるとことすぐに使えるにんにくが完成です。
容器の状態に注意
にんにくを漬け込んで保存するときは容器の状態に気をつけましょう。例えば容器が汚れていて、雑菌などがいる状態では保存状態は悪くなります。また漬け込んだ容器を冷蔵庫に入れておくなどすると、持ちもよくなります。
にんにくの収穫と保存方法のまとめ
にんにくの育て方や収穫の目安などを紹介
にんにくの育て方や収穫の時期と目安、保存方法などを紹介しました。料理を美味しくするにんにくに家庭菜園で挑戦してみましょう。育て方も難しくなく、また保存できる期間も長いのでおすすめです。
にんにくの栽培情報はこちら
本記事ではにんにくの収穫時期と保存方法に焦点をあてて紹介しました。にんにくの幼苗の育て方や追肥の目安などに、育て方を中心に知りたい方はこちらの記事がおすすめです。にんにくを上手に栽培する方法がわかるのでおすすめです。
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