にんにくってどんな食べ物?
にんにくの原産地は、中央アジアのキルギスという地方といわれています。日本には奈良時代にはすでににんにくがあったとされています。にんにくは球根から育てていきます。にんにくの球根のことを種球といいます。 国内でのにんにくの栽培は主に青森で行われています。味やかおり、質もとても優れています。すこし値段が高いですが、食べてみると外国産との違いを感じることができます。
にんにくの匂いの成分は、硫化アリルの一種であるアリシンという成分です。この成分はビタミンB1の吸収を助ける働きをしてくれます。疲労回復や滋養強壮に効果的です。免疫力も高めてくれるのでがんの予防にも効果があるといわれています。また、スコルジンという成分は新陳代謝を促す働きをしてくれます。にんにくは、疲労回復だけでなく高血圧や動脈硬化、脳梗塞の予防にも効果的な野菜です。
にんにくは家庭菜園で栽培できる?
にんにくは、育て方がとても簡単でプランター栽培もおこなうことができます。育て方も手間があまりかからず、種まきをしてから収穫まであまり時間がかからないので家庭菜園に向いています。 家庭菜園でにんにくの栽培を行うと、掘りたてのにんにくを食べることができますよね。とてもおいしいので家庭菜園おすすめの野菜です。
にんにくの品種
にんにくの主な品種を3種類紹介します。
ジャンボニンニク
シャンボニンニクは、厳密にいうとにんにくとは別の種類です。見た目はにんにくをとても大きくした感じです。ジャンボニンニクは香りがあまり強くありません。香りが少ないので、にんにくをそのまま食べてしまう料理に向いています。漬物などにしても楽しめますよ。
一片種にんにく
このにんにくの特徴は、中身が分球せずに1つの塊のままです。栽培は、種まきから育てるかにんにくを親として植えることで育てることができます。分球していないので皮が向きやすく、調理の手間を省くことができます。現在出回っている一片種にんにくのほとんどが中国産です。
北海道在来
北海道在住は、北海道の寒さでも育てることができるニンニクです。にんにくの外側の皮は白いです。ですが中はピンク色をしています。そのピンク色の皮をむくと中は普通の白いにんにくがあります。 寒い中で育っているため、栄養価がとても高いのが特徴です。にんにくの香り成分であるアリシンが、通常のにんにくの1.4倍含まれています。そのため、香りがとっても強く辛みも強めです。まさに、「にんにく!」というにんにくですね。
にんにくの栽培方法1「種まき方法」
にんにくの種まきについて説明します。にんにくは9月中旬~11月に種球を植え付けていきます。植え付ける場所は、畑でもプランターでも問題ありません。気温が高すぎるとにんにくの種球が腐ってしまう可能性があるので注意してください。 にんにくの種球は、料理に使うときのようにばらばらにして植え付けていきま。このとき、とがっているほうを上にしてくださいね。
プランターへの種まき方法
にんにくをプランターへ種まきするときの植え方について説明します。用意するプランターは60cmの大きさのものです。土は市販の野菜専用培養土を使用してください。初めから肥料もなじんでいるので使いやすいですよ。 プランターの準備をしたら土を半分ほど入れていきます。にんにくの種球を20cmほどの間隔で植え付けていきます。植え付けが終わったら上から土を軽くかぶせて水を与えてください。発芽するまでは半日陰で管理して、土が乾いてしまうことがないように水やりもしっかり行ってあげてください。
畑への植え付け方法
畑へ種まきする植え方について説明します。畑の場合、移動させることができないので必ず日当りのいい場所を種まきに選んでください。土は植え付ける2週間前に準備します。苦土石灰を土に混ぜて1週間おき、その後堆肥を混ぜて1週間置いて土の完成です。 土ができたら畝を作ります。畝の大きさは、幅60cm、高さ15cmのものを作りましょう。黒いマルチを畝に張って準備は完了です。マルチに穴をあけてにんにくの種球を植え付けていきます。種まきをしたら土を軽くかぶせて完了です。
にんにくの栽培方法2「水やり方法」
にんにくの水やり方法について説明します。プランターの場合、発芽するまでは土が乾燥してしまわないように水やりを行っていきます。発芽した後は乾燥気味に育てていきましょう。
水やりを控える時期は冬です。冬の時期は水やりの頻度を押さえてください。3月以降の生育期は気温が上がることで乾燥しやすくなるのでたっぷり水を与えてあげてください。地植えの場合は乾燥が激しいときだけ水やりを行うようにしてください。
にんにくの栽培方法3「肥料の与え方」
にんにくの育て方で大切な肥料の与え方について説明します。肥料を与えるタイミングは、植え付け時から1か月後と2月上旬に1回ずつ与えていきます。 植え付けから1か月後の追肥に使用する肥料は、緩効性の化成肥料です。化成肥料を株と株の間の土に混ぜていきます。
にんにくの栽培方法4「剪定方法」
にんにくの栽培で大切なことは、食べる部分である「球根」の部分に栄養をたくさん届けることです。そのためには、2本以上芽が出てきてしまったり花のつぼみがついてしまった場合は剪定してあげる必要があります。 余分な芽は、株を少しだけ掘り起こしてからハサミを使って芽を剪定してあげます。蕾などは手で簡単に剪定することができますよ。
にんにくの栽培方法5「収穫方法」
にんにくの収穫時期は。5月中旬~6月の終わりごろまでが収穫時期です。収穫時期を見るポイントは、株の枯れ具合から判断します。株の半分が枯れて来たら収穫時期です。収穫が遅れて梅雨に入ってしまうと、いくら枯れているからと言って球根が枯れているわけではないので、雨によって球根が腐ってしまいます。注意しておきましょう。
収穫方法は、にんにくの根元を持って土から一回で引き抜きます。収穫したにんにくは、根を切ってネットに入れて保管します。風通しのいい日陰で管理してくださいね。にんにくの旬の時期は6月から8月にかけての夏の時期です。にんにくは夏バテ予防にも期待できますね。
にんにくの栽培方法のコツ「害虫・病気対策」
にんにくは比較的害虫や病気に強い野菜です。なので、家庭菜園にとても向いています。ときどきおぶら虫がついてしまうので、見つけた場合は手作業で駆除していきましょう。 水の与えすぎは株を蒸らしてしまう原因になります。株を蒸らしてしまうと病気の原因になります。特に冬の時期は乾燥気味に育てることが病気予防になります。
にんにくの栽培で失敗しない2つのコツ
にんにくの栽培は意外と簡単で、プランターでも簡単に育てることができます。そんなにんにくの育て方の中で失敗しないコツを2つにまとめました。その2つのコツについて紹介します。
失敗しないコツ1「にんにくの植え方」
にんにくの育て方で失敗しないコツの1つめは、「にんにくの植え方」です。にんにくを植え付けるときは、必ずとがっているほうを上にして種球を植えていきます。 このとき、種球が腐っていたり傷んでいるものは取り除いてきましょう。種球についている皮ははがさないでくださいね。
失敗しないコツ2「肥料の与え方」
にんにくの栽培で失敗しないコツの2つ目は、「肥料を与えるタイミング」です。肥料は、植え付け時からタイミングを見て何度か追肥を行っていきます。詳しい肥料の与え方は後程説明します。 追肥をきちんと与えておかないと病気が発生しやすくなってしまったり、にんにくが大きく育ってくれない可能性があります。失敗しないためにも追肥を忘れずに行いましょう。
にんにく栽培でうまくいかない原因と対策1
にんにくの芽が出ない!原因と対策
にんにくを家庭菜園で栽培したとき、育て方を間違えてしまうと芽が出ない可能性があります。発根せずに腐ってしまうケースもあるようです。芽が出ない原因についてみていきましょう。
植え付け時期は正しい?
にんにくの植え付け時期は9月中旬~11月頃です。芽が出なかった場合は、この時期より早く植え付けていませんか?早い時期に植え付けてしまうと土の中の気温が高くなりすぎてにんにくが蒸れてしまい腐ってしまいます。また、この時期より遅い時期に植え付けてしまうと、冬眠期に入ってしまうため生育が悪くなってしまいます。 にんにくの芽をしっかり出すためには植え付け時期に注意してください。
植え方は正しい?
にんにくの芽が出なかった場合、植え方に問題がある可能性があります。正しい植え方で植え付けを行いましたか?正しい植え方についておさらいしておきましょう。
にんにくの正しい植え方は、鱗片を1つずつに分けていきます。植え方のポイントは、植え付ける方向です。必ずとがっているほうを上にして植え付けていきます。鱗片をよく観察してみると、根が出ていたあとのようなものを見つけることができます。根がついていたであろう部分を下に、とがっている部分を上にして植え付けていきます。正しい植え方で植え付けないと芽が出ません。注意しておきましょう。鱗片を分けるときは、皮をむいてしまわないようにしてくださいね。
にんにく栽培でうまくいかない原因と対策方法2
にんにくが大きくならない!原因と対策
にんにくを植え付けた後、いざ収穫してみると大きく育っていない場合があります。にんにくを大きく育てるためにはコツがあります。そのコツについて説明します。
剪定を忘れないで行う
剪定は、栄養をしっかり球根に集中させるために大切な作業です。剪定を行っていない場合は、大きく育ちにくくなります。脇芽と花芽はしっかり摘みとっておきましょう。 特に花芽はしっかり取り除きます。花を咲かせるということはかなり体力を使います。球根へ栄養をしっかり与えるためにも忘れずに剪定しましょう。
肥料を与える方法は正しい?
にんにくを大きく育てるためには、肥料は必ず与えなければいけません。土作りをするときは必ず肥料を与えてください。土に混ぜる肥料は、完熟堆肥がおすすめです。 その後の追肥について説明します。追肥は植え付けの1か月後と2月中旬~3月の間の2回だけ与えます。この追肥の与え方は順調に育っているにんにくへの肥料の与え方です。この回数以外にも成長が遅く感じた場合は液体肥料を追肥として与えてあげましょう。
また、肥料の成分にも注意が必要です。肥料にはたくさんの成分が含まれていますが、その中でも「窒素」のは注意が必要です。窒素が多い肥料を与えてしまうと球根があまり大きく育ちにくいです。肥料を選ぶときは窒素とリン酸とカリが同じ分量配合されたものを使用するか、リン酸が多いものを使用しましょう。
栽培環境の見直し
にんにくの栽培環境は、味や大きさにも影響が出てきます。にんにくの性質は、寒い環境で育てることでうまみが増してきます。なので、どれだけ寒くても外で栽培していきましょう。
にんにく栽培でうまくいかない原因と対策方法3
にんにくがおいしくない…原因と対策
せっかく作ったにんにくをいざ食べてみると、苦みが強かったり香りが少なかったりする場合があります。にんにくの香りや味を引き出すためには育て方にもコツが必要です。おいしいにんにくを育てる育て方のコツについて説明します。
追肥を与える時期
にんにくの追肥のタイミングは先ほど紹介しました。追肥のタイミングで注意が必要なのは2回目の追肥です。2回目の追肥の時期は2月中旬~3月です。この期間内で追肥を与えることが出来なければ苦みが増してしまう場合があります。時期を守って追肥を与えてください。 追肥の与える時期は、収穫の2か月前までにしておきましょう。
にんにく栽培でうまくいかない原因と対策方法4
にんにくの栽培途中で枯れてしまう原因と対策
育て方をしっかり守っているのに、ニンニクが途中で枯れてしまうことがあります。枯れてしまう原因には病気や害虫もありますが、他にも原因があります。害虫や病気以外の原因について説明します。
肥料に窒素が多い場合
窒素が多い肥料を与えてしまうと枯れる原因になってしまいます。株が弱くなってしまい、結果的には害虫や病気のせいで枯れてしまいます。 にんにくの栽培には肥料は必ず必要ですが、窒素成分には注意して肥料を与えてください。
水はけが悪い場合
にんにくを植えた場所が水はけが悪い場所だと枯れてしまいます。水はけが悪い土は、常に土に水分を含んでいることになります。常に土が湿っていることで根が傷ついてしまい、そこから菌が入り病気にかかってしまいます。植え付け前には必ず水はけのいい場所を選んであげてください。
にんにくを家庭菜園で楽しもう!
いかがでしたか?にんにくは家庭菜園でも簡単に栽培することができます。育て方も種まき方法も意外と簡単です。手間がかからず簡単に栽培できるものは家庭菜園に向いていますよね。晩御飯に少しにんにくを使いたいときも家庭菜園をしているとすぐに準備することができてとても助かります。
プランターでも栽培できるのもうれしいポイントですね。家庭菜園ならではの「掘りたてにんにく」を楽しむこともできますよ。掘りたてのにんにくは、そのままホイル焼きにしたり天ぷらにしても、ほくほくしていてとてもおいしいです。気になった方は、ぜひにんにくを家庭菜園で作ってみてはいかがでしょうか?