2×4材のDIYで棚を作ろう
規格が統一された比較的に安価な木材の種類である2×4材を使い、DIYで棚を作ってみませんか。規格サイズなので子どもの頃のブロック遊びのような感覚で、素人でも簡単にいろいろな木工製品にチャレンジできます。
2×4材を使ったDIYでの自作の棚の作り方や、おすすめのパーツについてご紹介します。
2×4とは
2×4材の特徴
2×4材とは、アメリカ発祥の2×4工法で建てられる家屋に用いられる、規格サイズの木材の種類です。もともとの木材の厚さが、タテ2インチ、ヨコ4インチであったことから、この名前があります。
ホームセンターなどで安価に入手できることや、加工の比較的容易なやわらかい種類の木を使い、あらかじめ角が面取りされていることから、DIYで棚などを自作する材料として幅広く使われています。
2×4の材質
2×4材の材質としてよく用いられるのはSPF材と呼ばれる種類の木材です。これはスプルース、パイン、そしてファーの頭文字をとったもので、いずれも針葉樹の木です。他の木材と比較してやわらかく加工が容易なことが特徴で、まさにDIY向けの材質と言えます。
2×4材の規格
2×4材とは言うものの、その規格サイズはかなり多くの種類があります。タテが1インチのものが1×1から2インチ、3インチ、4インチ、6インチ、8インチまでの6種類あります。
そしてタテが2インチのものが2×2から3インチ、4インチ、6インチ、8インチの5種類になります。2種類のタテの長さでいくつかの幅の規格サイズの組み合わせにより、ブロック遊びの感覚で工作を可能にしています。
DIYでの自作2×4棚の作り方①
設計図を書く
まずは漠然とどんな棚が作りたいかという事をイメージします。実際に絵に書いてみると、イメージを具体化しやすくなります。イメージが固まったら、棚に設置するものや、中に収納したいものを考慮に入れて大きさを決めます。
設計図には各パーツの寸法をきちんと書き込みます。
ポイント
決してプロが製図するような詳細な設計図を書いたり、細かい作り方まで記入する必要はありませんが、棚の各パーツの寸法などはきちんと記載しましょう。
これは材料の2×4材の購入の際に必要な量を正確に把握し、途中で不足したり、最終的に余ってしまったりというミスを防ぐ事にも役立ちます。
DIYでの自作2×4棚の作り方②
材料を切り出す
設計図に基づいて材料を切り出していきます。2×4材は3フィートから6、8、10、12フィートといくつかの長さの種類があります。当然長いものの方が割安になりますが、車での運搬なども考慮に入れる必要があります。
必要な材料からできるだけ無駄なく切り出せるよう、材料を購入します。
ポイント
切断面はできるだけまっすぐに切ります。これは組み合わせの精度にも大きく影響してきます。
ハンドソーを使用する場合は、ソーガイドやマイターボックスを使い、丸ノコの場合でもガイドを使うなどして、木口が垂直になるように注意して材料を切ります。
DIYでの自作2×4棚の作り方③
2×4材を塗装する
2×4材のそのままの無垢な色合いも確かに魅力的ですが、防腐効果や一段上の自作DIY棚を目指すためにも、塗装を行う事をおすすめします。まずは塗料の吸い込みを良くするために、表面を紙ヤスリで研磨します。
サンダーを持って入れば、この作業を短縮する事ができます。研磨が終わったら刷毛を使って塗料を塗り、しっかりと乾燥させます。
ポイント
塗装は必ず2回塗りを行います。1回塗りでは、なかなか塗料の色の深みを出すことはできません。重ね塗りを行うときは、前に塗った塗料が完全に乾いてから2回目の塗りを行います。
DIYでの自作2×4棚の作り方④
棚本体を固定する
2×4材の柱となる部材を、棚を設置したい場所に固定します。金具で固定する方法もありますが、壁や床、天井に傷をつけたくない場合は、ラブリコやディアウォールといったメーカーから出ている突っ張りタイプのアジャスターを使って固定する方法もおすすめです。
ポイント
天井に突っ張りアジャスターで棚を固定する場合でも、柱の床に接する部分はラバーマットなどを敷く事をおすすめします。ラバーマットの摩擦力と弾力性で、ズレと傷の両方を防ぐ効果があります。
DIYでの自作2×4棚の作り方⑤
棚受けの下穴を開ける
2×4棚の棚板の固定に使うネジは、一般にコースレッドと呼ばれる種類のネジが使われます。このコースレッドはネジ山が比較的荒く、やわらかいSPF材である2×4材では、コースレッドをねじこむ際に割れてしまう”木割れ”が起きてしまうことがあります。
そのため、あらかじめコースレッドをねじ込む部分に、ドリルで穴を開けておく必要があります。これを下穴と言います。
ポイント
開ける下穴のサイズは、実際にねじ込むコースレッドより若干小さいサイズにします。コースレッドのネジの径は、ネジのもっとも太い部分の頂点ではかります。この方法ではかったネジ径より、約1ミリ程度細いドリルを使用して下穴を開けます。
DIYでの自作2×4棚の作り方⑥
棚受けを取り付ける
あらかじめ開けた下穴を利用し、コースレッドで棚受けを固定します。棚受けはツーバイ材の細い規格のもので自作したり、汎用品の金属製金具を使用したりします。
またラブリコやディアウォールには、2×4棚専用のABS樹脂でできたいろいろな種類の棚受けもありますので、こちらを利用してみるのもよいでしょう。
ポイント
この後の棚板の取り付けには水平が求められます。棚受けの仮止めの状態で棚板を載せるなどして、水平器で棚板が水平になる事を確認するよう心がけます。
DIYでの自作2×4棚の作り方⑦
棚板の取り付け
取り付けた棚受けに、棚板を取り付けます。ツーバイフォー棚の場合、棚板は一枚板ではなく、2×4材や1×4材を数枚合わせた棚板がよく用いられます。ズレがないように気をつけ、棚受けにすべての棚板をコースレッドでしっかりと固定します。
ポイント
2×4材はその性質上、どうしてもソリや歪みが発生します。2×4材や1×4材を並べて棚板とする場合は、できるだけこのソリや歪みのない部分を選び、棚板同士の間で段差が生じないように並べることが、キレイに棚を仕上げるコツです。
2×4棚のDIYで揃えたい道具
ノコギリ
棚作りはするには、まずは2×4材を切断する必要があります。最近ではホームセンターでカットサービスを行なっていますが、全てをDIYで仕上げたいならノコギリは必須アイテムになります。
100均などでもノコギリは入手可能ですが、あまり短いものや切れ味の悪いものは使えません。切断する2×4材の2〜3倍の刃の長さを持ち、できれば替え刃式のノコギリがおすすめです。
マイターボックス
プロの職人ならいざ知らず、素人がDIYで2×4材をまっすぐ切るのはなかなか大変です。でも棚の製作には、木材をまっすぐに切ることが求められます。そんなとき役に立つのが、ソーガイドなどの木材にまっすぐノコギリの刃を当てるガイドです。
また2×4材のように規格サイズの木材の切断には、箱型のマイターボックスを使用することで、驚くほどまっすぐに木材を切ることができます。
丸ノコ
大きな棚を作るとき、大量の木材をノコギリで切るのは大変です。またマイターボックスなどがないとなかなかまっすぐに切れない場合もあります。そんなとき、丸ノコがあると驚くほど作業が楽になります。
また丸ノコに付属のガイドを使うと、大量の木材をまっすぐに切断することができます。DIY用であれば比較的安価な丸ノコも多く、購入しても損のないツールであると言えます。
電動工具を取り扱う際には、怪我をしないようグローブを着用するなどして、細心の注意を払うことが必要です。
コンベックス
大きな木材を測るのに、30センチものさしを何度も当てるのは大変な作業ですし、第一そんなやり方では正確な寸法を測ることはできません。DIYで棚を作るのであれば、最低でも2メートルの長さのあるコンベックスを用意しましょう。
指矩(さしがね)
2×4材での棚作りでは、いろいろな場面で垂直を測ることが求められます。そんなときに、手軽に垂直を測ることができる道具が指矩(さしがね)です。
実は指矩は、単純に直角を測るだけでなく、三角関数を利用して勾配を出したり、平行線を引いたりと、いろいろな使い方ができます。指矩を使いこなすとDIYの幅が一気に広がり、2×4棚の製作も一気に楽になります。
電動ドライバー
やわらかく木割れしやすい2×4材での棚づくりでは、ネジを入れるための下穴開けが不可欠です。電動ドライバーの先にドリルビットをつければ、比較的面倒な下穴開けも簡単に行うことができます。
インパクトレンチ
2×4棚の製作には、棚受けやアジャスター、その他のいろいろな種類の金具を取り付けるのに、コースレッドネジを使います。このコースレッドのねじ込みに、いちいちドライバーを使っていては大変な時間がかかってしまいます。
そんな作業を楽にしてくれるツールがインパクトレンチです。
水準器
2×4材の棚づくりでは、柱の垂直や棚板の水平などをきちんと出すことが不可欠です。人間の目と言うのは結構いい加減なもので、まっすぐに見えても案外曲がっていたりするものです。
そんなときにきちんとした垂直や水平を出すことができるのが水準器(水平器)です。DIYレベルではレーザーなどの高性能なものは必要ありませんが、簡易的な水準器はぜひ持っておきたいアイテムです。
賃貸で2×4棚をDIY①
突っ張り棒で穴を開けずにDIY
安価で加工しやすいため棚作りの自作に最適な2×4材ですが、地震対策などのために壁や床に固定する際に、大切な住宅に穴を開けてしまうことになります。
半永久的にそこに棚を設置するのならいざ知らず、模様替えの際にそこにネジ穴が残るのは避けたいものです。ましてや賃貸だとさらに問題は切実です。そんなお悩みを解消してくれる便利グッズが、突っ張り機能を持ったアジャスターです。
この種類のアジャスターを利用することで、天井や床に穴を開けることなく棚を固定させることができます。
突っ張りアジャスターとは
壁と壁の間にスプリングの入った棒を突っ張らせ、衣類などを吊り下げておく突っ張り棒は良く知られています。この突っ張りシステムを2×4材に付けられるようにしたのが、突っ張りアジャスターです。
このアジャスターを2×4材の先端に付け、天井と床を突っ張らせることにより、新しい柱を立てたかのようにしっかりと固定させることができる便利なアイテムです。
賃貸で2×4棚をDIY②
突っ張りアジャスターのおすすめメーカー
2×4棚作りの強い味方である突っ張りアジャスターは、現在いろいろなメーカーが類似したものを販売しています。でもこれらの中でも専門メーカーとして高い信頼と人気を集めているのが「ラブリコ」と「ディアウォール」という2つのブランドです。
ラブリコについて
ラブリコは平成伸銅工業株式会社という会社が展開する、DIYパーツのブランドです。
平成伸銅工業は、もともと銅やアルミの加工を行なっていた会社ですが、現在の三代目になる女性社長の代になり、女性ならではの目線で安全に楽しめるDIY製品を展開しています。
現在、ラブリコブランドで、突っ張りアジャスターをはじめ、2×4棚作りに役立つ棚受けやシェルフレームなど数多くのDIY商品をラインナップしています。
ディアウォールについて
ディアウォールブランドを展開する若井産業は、住宅建築用ファスナーや、建築用機械工具の製造・販売を行なっている会社です。そんな若井産業のDIY用品の開発・販売を行なっている部門がディアウォールです。
2×4専用の壁面突っ張りシステムをはじめ、棚受け、ハンガーラックなど、棚作りに欠かせないアイテムを数多く展開しています。
賃貸で2×4棚をDIY③
ラブリコの突っ張りアジャスターのしくみ
ラブリコのアジャスターの特徴は、ネジによって天井や床と木材を突っ張らせるというものです。つまりジャッキの要領でテンションを調節する仕組みになっており、バネ式と比較して材料の寸法に多少の融通がきくのが利点と言えます。
ラブリコの突っ張りアジャスターの使い方
突っ張りアジャスターを使用する部材は、予定寸法より95ミリ短く切り出します。ネジにより微調整はきくとは言うものの、できるだけ寸法はきっちりと出すことをおすすめします。
アジャスターを2×4材の先端にかぶせ、木材を設置したい場所に垂直に立てます。そしてアジャスターのノブを時計回りに回していき、しっかり木材が固定されるまでテンションをかけます。
賃貸で2×4棚をDIY④
ディアウォールの突っ張りアジャスターのしくみ
ディアウォールの突っ張りアジャスターは、上下2つのパーツのセットになっています。下のパーツは床を保護し、柱となる木材が滑るのを防いでくれます。上のパーツには中にスプリングが内蔵されています。
このスプリングが床と天井に対してテンションをかけ、2×4材の柱をしっかりと自立させてくれます。
ディアウォールの突っ張りアジャスターの使い方
ディアウォールのアジャスターは、ラブリコのアジャスターと比較すると、若干立て方が異なります。まず突っ張る2×4材は、立てたい場所の長さより45ミリ短くカットします。
突っ張りアジャスターの上下パーツを柱材にかぶせ、柱材を斜めにした状態で立てたい場所の天井に当てます。そのままアジャスターの下のパーツをスライドさせ、柱が垂直になる位置まで移動させると完成です。
2×4棚DIYのおすすめパーツ
ラブリコ ジョイントパーツ(継手)
2×4での自作棚の材料の買い出しを乗用車で行った場合、一番問題になるのが木材の長さです。長い木材を購入すると、車に積んで持ち帰ることができません。そんな時に役に立つのが、2×4の木材どうしをつなぐことができるジョイントパーツです。
このパーツを使うと短い木材も長い柱として使用することができます。同様のジョイントはディアウォールにもありますので、両方を比較してどちらか使いやすい方を採用するのもよいでしょう。
ダボレール
ダボレールとは、レール状になった金属パーツに等間隔に穴が開いており、この穴に棚受け金具を取り付けることにより棚板などを載せることができるパーツです。
通常の棚受けであれば棚の高さは固定となりますが、このダボレールを使うことにより、棚に置きたいものによって棚板の高さが自由に変更可能になるメリットがあります。
シンプソン金具
2×4の木材同士を簡単に、なおかつ強固につなぐことができる便利なアイテムが、シンプソン金具です。使い方は他の2×4用金具と比較しても非常に簡単で、2×4どうしを固定してこの金具をあて、ネジを金具の穴に入れて締め込むだけです。
金具のバリエーションも200種類以上と豊富で、2×4棚の作り方の幅を広げてくれます。
シェルフリンクス
シェルフリンクスは、シンプルに短時間で完成度の高いDIYを行うために開発された、アメリカ生まれの2×4用のジョイントパーツです。
2×4材を樹脂製のジョイントに差し込み、ビスで止めるだけという簡単な作り方で、他の金属製のジョイントと比較してもかなり頑丈な棚を作ることができます。価格がリーズナブルなのもDIYの強い味方と言えます。
簡単な2×4棚のDIYにチャレンジしてみよう
2×4棚の自作についてご紹介してきました。
DIYで棚を作るというと、専門的な知識の必要な難しいものだと思われがちです。でも加工が比較的容易な2×4材に、ラブリコやディアウォールといった専門メーカーのパーツを組み合わせることで、驚くほど簡単に棚を作り上げることができます。
みなさんもご紹介したおすすめパーツを駆使して、自分だけのオリジナル棚作りにチャレンジしてみませんか。