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魚の締め方「活け締め」講座!鮮度を保つ8つの方法とそのコツを解説!

魚の締め方は様々な種類があり、魚を美味しく食べるために重要です。活き締めは魚の締め方の中でも、多くの種類の魚に適用される締め方です。魚の締め方の代表格でもある活き締めの方法やコツを紹介します。活き締めをマスターして美味しく魚を食べましょう。
2020年8月27日
すがや
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魚を締める理由

なぜ魚を締めるのか

釣った魚を締めるのは、魚を美味しく食べるために非常に重要です。ところで、なぜ魚を締めると美味しく食べることができるのでしょうか。魚が美味しくなるメカニズムを知ると、魚を締める際の各工程の理由もわかります。魚が美味しくなる理由を紹介します。

魚にストレスを与えない

魚を締めるということは、基本的に魚を絶命させることです。この絶命させる行為をできる限り魚を痛めつけないように行います。もしも魚を絶命させるのに時間がかかったりなどしてしまうと、その分だけ魚はストレスを感じて美味しさは減ってしまいます。

魚が傷つくことを防ぐ

また魚を締めることには、魚が自らの身体を傷つけることを防ぐ効果もあります。魚は海や川から釣りあげられると暴れます。このときにずっと暴れたままにしておくと、魚の身体は傷つきます。魚を締めることにより、傷ついてしまうことを防ぎます。

魚の鮮度を保つ

また魚を締めることで、魚の鮮度を保つ効果もあります。魚の中の血を抜く血抜きや、神経締めをすることにより魚は新鮮さを保つことができます。また鮮度を保ったままうまみ成分が熟成されます。血抜きなどをしないと、その分だけ鮮度が落ちる時間も早まります。

魚の締め方の概要

魚の締め方の種類

魚にストレスを与えない、傷つくのを防ぐ、熟成を上手に進めるなどが魚を締める理由です。そして、魚を締めると言っても、その方法はいくつかあります。魚の適切な締め方は魚の種類などにより異なります。魚の締め方にどういった種類があるのかを簡単に紹介します。

魚の締め方を紹介

魚の締め方では、最も簡単な氷締め、比較的大きな魚を締めるときに用いられる活き締め、そして究極の締め方とも称されることもある神経締めが大きな分類としてはあります。それぞれの方法を紹介していきます。

魚の締め方1:氷締め

もっとも簡単な氷締め

魚の氷締めは最も簡単な魚の締め方とも言われています。比較的小さな魚を締めるときに用いられる方法です。魚を締めるときによくイメージされる包丁を使って捌くなどの工程もないため、慣れていない人でもやりやすい方法ともいえます。

氷締めの方法

氷締めは特別な技能は必要ありませんが、クーラーボックスは絶対に用意する必要があります。氷締めの最も基本的な方法としてはクーラーボックスの中に板氷などを入れておき、そこに海水を入れます。その冷えた海水に釣った魚を入れることによって魚を締めます。

氷締めは小さな魚に

氷締めでは板氷などを用意しないで、例えば凍らせたペットボトルを数本入れておくなどの方法もあり経済的です。この氷締めの注意点としては、小さな魚には効果を発揮しますが大きな魚では逆効果になることもある点です。

魚の締め方2:活き締め

氷締め以外の締め方

小さな魚であれば氷水にいれただけで絶命します。しかし、大きな魚の場合は簡単に絶命するとは限りません。氷水の中でストレスの多い時間を過ごして、結果魚の鮮度が落ちてしまうということも考えられます。中型以上の魚では氷締めはあまりおすすめされません。

活き締めは中型以上の締め方

中型以上の魚の締め方としては活き締めと言われる締め方が有名です。活き締めとはまだ生きている魚をできる限り素早く刃物をいれて絶命させる方法です。魚のエラ蓋の辺りから刃物を入れて、骨を断ち切り絶命させます。

活き締めと神経締め

魚を素早く絶命させることにより、鮮度良く食べられる時間を延ばすことにつながります。活き締めは一見グロテスクな面もありますが、魚を美味しく食べるためには必要なことになります。また活き締めの方法には究極の締め方とも評される神経締めというものもあります。


魚の締め方3:神経締め

神経締めとは

神経締めとは、その名の通り魚の神経を締める締め方になります。大型の魚を捌くとき用いられることが多い方法になります。先ほど紹介した活き締めの方法ではエラ蓋の辺りから刃物を入れていきますが、神経締めでは眉間を狙うのが一般的です。

魚を絶命

神経締めでは、魚の眉間に向かってキリなどの先端の鋭利な刃物を差し込みます。眉間から刃物を通して魚の脳を破壊することで即死させます。この方法で魚を絶命させるのは慣れるまでは難しい作業かもしれません。

神経抜きでさらに鮮度良く

眉間から魚を締める方法とよく一緒に用いられるのが神経抜きという方法です。これは血抜きを済ませた魚の眉間に串などを入れて神経を破壊します。神経抜きをすることによってさらに魚の鮮度が良くなると言われています。

魚の締め方の概要

適切な魚の締め方を選ぼう

このように、一口に魚の締め方と言っても魚の大きさなどによりその方法は分かれます。まずはそれぞれの魚に適して締め方を選ぶことが重要と言えるでしょう。

魚の締め方のコツを紹介

魚の締め方には覚えておけば役に立ついくつかのコツがあります。ここからは活き締めで魚を上手に締めるためのコツを紹介します。一見難しそうな魚の締め方もコツを覚えることで身近にも感じられるでしょう。ぜひ参考にしてください。

活き締めのコツ1

魚の締め方の前に

魚を上手に締めるためのコツは、魚を釣ったときからすでに始まっています。すぐに魚を捌いてしまった方がいいように思われる方もいるかもしれませんが、それよりも良いと言われている方法があります。それが魚の活け越しです。

活け越しの理由

活け越しとは魚が体内に含んでいる食べ物や排泄物などを全部外に出させる方法です。釣った魚を水槽などにいれてしばらく泳がせます。また釣られたばかりの魚は興奮状態にあったりなどしてストレスがありますが、活け越すことによりストレスもなくなります。

活け越しで美味しく

活け越す時間は一晩以上あると魚の状態は非常に良くなると言われています。一晩と言わず、数時間だけでも活け越しの時間を取るだけでも違いはあるようです。荷物が増えてしまうなどの理由で個人で釣りをする場合には大変かもしれませんが、活け越しができるようならおすすめです。

魚の状態で判断を

活け越しは絶対にしなければならないということではありませんし、また絶対にした方がいいというわけでもありません。例えば釣った魚がすでにひん死である場合などは活け越しても効果を発揮しないこともあります。このように魚の状態を見て判断することも重要です。

活き締めのコツ2

魚の締め方コツ、手袋

いよいよ魚を締める場面でのコツに入ります。魚を即死させる際にはできる限り魚にストレスを与えないことが重要です。この時に役立つアイテムのひとつとして手袋があります。

手袋で体温を伝わらせない

魚は手で直接触るとその体温によって緊張してしまい、それがストレスになります。手袋は体温が魚に伝わるのを防ぐ効果を持ちます。できる限り魚にストレスを与えないために可能であれば手袋を用意しましょう。

活き締めのコツ3

魚の締め方コツ、スポンジ


手袋のことからもわかるように魚は非常に繊細です。そして、魚は身体に傷などをつけるだけでも鮮度が落ちます。水中から外に出して締めるまでの間に暴れて身体を傷つけてしまうということも考えられます。この体の傷つきを防ぐのスポンジです。

スポンジで身体を傷つけない

魚を水中から出したら魚をスポンジなどの柔らかいものの上に置きます。これだけで魚が暴れて身体を傷つけることを防ぐことができます。こちらも手袋同様に可能であれば準備したい魚を締める際のアイテムです。

活き締めのコツ4

活き締めの後には血抜きを

魚を活き締めした後に重要なのは血抜きです。血抜きをしないとこれも魚の鮮度が落ちる原因となります。血抜きにも上手に行うためのコツがあります。血抜きのコツを簡単に紹介します。

一番太い血管を切断

血抜きでは血管を切りますが、この時に狙うのが一番太い血管です。魚の一番太い血管は背骨の下側に位置する場所にあります。この血管を一本切断するだけで血抜きを行うことが可能です。エラの内側の膜を破って血管を切断しましょう。

切断する血管は一本

血抜きの作業で気をつけたい点としては、切断する血管は最も太い血管のひとつだけにするという点です。いくつも血管を切断するとよさそうですが、これは実は急激に血圧が下がり血が魚の身体に残ってしまうこともあり、逆効果です。適切な血抜きをするようにしましょう。

活き締めのコツ5

血抜きは最後まで

血抜きは血管を切断したら終わりではなく、その後の処置も重要です。血管を切り、血が出てきている魚を頭から冷水に突っ込みます。ちなみにこの時に魚が絶命しているかは重要です。絶命していなければ魚はストレスがかかり鮮度が下がります。絶命しているか確認をしましょう。

水につけておく時間は

冷水に入れておく時間はどのくらいがいいのかは魚によって異なります。冷水に入れる目的は血抜きなので、時間で見るのも重要ですがしっかりと血抜きされているかで見るのも重要です。水から出してみて血が滴らないようであれば完了です。

活き締めのコツ6

神経締めのコツは

活き締めでは神経締めは必ずしもする必要はないですが、神経締めをした方が鮮度が良くなるというのが定説です。神経抜きのコツについて簡単に触れておきます。

神経抜きの反応

神経抜きは脳破壊をして眉間から締めた場合に、その穴から串やワイヤーを入れて神経を破壊するという締め方です。神経抜きが上手くいったかどうかは魚の挙動を見ることで判断できます。もしも神経抜きが上手くいけば魚がビクっと動くなどの反応があります。

神経抜きの注意点

神経抜きはどの魚にでも有効というわけではなく、マグロなどといった大型の魚でのみ有効だと考えられています。中型以下の魚、例えばヒラメなどでは神経抜きは効果的ではありません。どの魚でも神経抜きをすればいいというわけではないので、その点は注意です。

活き締めのコツ7

保冷にもコツあり

ここまでで魚を締める工程は終了です。締めた魚をどうするかというと、保冷をする必要があります。保冷と言えばただ魚を冷やせばいいと考える人もいるかもしれません。しかし、魚の保冷方法にもコツがあり、コツを守ることによって魚をよい状態にすることができます。

7度から10度が適温

魚を保冷する温度としては7度から10度くらいが適温だと考えられています。魚は絶命した後にうまみ成分が出てきます。このうまみ成分は温度が低すぎると、半減してしまいます。温度が高いのではないかと不安になるかもしれませんが、このくらいの温度が適温です。

身に氷を当てない

保冷するときの注意点としては魚に直接氷をあてないことです。これも魚をよい状態で保つために避けましょう。魚の身以外の場所、例えば頭やひれなどであれば氷を当てても大丈夫です。


活き締めのコツ8

魚を美味しく食べるには

ここまで活き締めのコツを紹介してきましたが、これらを何のために行うのかというと、それは当然魚を美味しく食べるためです。では、魚はどの状態が食べごろなのでしょうか。魚を美味しく食べるための最後のコツを紹介します。

2日から3日熟成

魚は熟成させてからが美味しく、そのため締めてすぐ食べるよりも数日間置いた方が美味しいと考えられています。具体的には水と空気が当たらない状態、7度から10度で2日から3日置けばよく熟成されます。釣ってすぐ食べるのも釣りの醍醐味ですが、熟成もおすすめです。

魚の状態で熟成を判断

魚が熟成しているかどうかは、魚の色などを見ることでも判断可能です。魚ははじめは透明感があり、身が透き通っています。熟成が進むと魚は飴色のように変色します。飴色がかかってきて、なお透明感もまだあるころが食べごろです。

美味しい魚を食べる

さまざまな方法で魚を締めたり、手間を加えたりするのも、全て美味しく魚を食べるためです。ぜひその熟成された瞬間を見逃さずに美味しい魚を食べられるようにしましょう。

魚の締め方、番外編

イカとタコの締め方

ここまでで紹介してきたのは魚の締め方です。同じ海の生き物でもイカやタコは締め方が違います。簡単にイカとタコの締め方を紹介します。

イカの締め方

イカを締める際の工程は大きく2つになります。はじめに眉間に向かって胴体側から刃物を指します。これが成功すると身体に白く変色します。白く変色したら次は眉間側から頭部に刃物を指します。イカは噛むので噛まれないように注意しましょう。

タコの締め方

タコの場合もイカと同様に眉間に刃物を突き刺します。タコの方がイカよりも暴れる傾向があるため、難しいかもしれません。眉間に刃物を指す以外の方法としては、頭を下にして胴体をめくって内臓を取り出すという方法もあります。

魚の締め方についてまとめ

美味しく魚を食べるため

魚の締め方について紹介しました。さまざまなコツや方法などがありますが、全ては美味しく魚を食べるためです。魚を締めるための手間も美味しく魚を食べられた瞬間に報われるでしょう。また作業に慣れることでスムーズに魚を締められるようになります。

その他の魚の締め方の情報はこちら

本記事以外にも魚の締め方を紹介した記事があります。これらの記事も参考にして魚の締め方をマスターしましょう。魚を上手に締められるようになれば釣りの楽しみが倍増すること間違いなしです。ぜひぜひ、これらの記事もチェックしてみてください。