オルトラン粒状などの農薬について
なぜ農薬の散布が必要なのか
ガーデニング、家庭菜園では厄介なアブラムシ類をはじめとする害虫や日本には梅雨があるのでカビが原因のうどんこ病ながさまざまな種類の病気があり梅雨時期に特に増加します。
これらの病害虫予防したり、駆除対策として農薬が必要な時もありますが基本的には使わないことにこしたことはありません。
使い方、散布時期、使用量がを守ろう
オルトラン粒状などの農薬を使う時はただやみくもに使えばいいというわけではなく、使い方と使用量が正しくないと逆効果で薬害として環境や動植物に影響を与えてしまうので注意が必要です。
また散布時期が悪いと効果期間やただし行く効果を発することがなく薬害として植物に影響を与えます。
散布方法、使用できる樹木や花も大切
農薬にはオルトラン粒状のように撒くだけで使えるも、水に溶かす粉末状のもの、最初から液体で容器も霧吹きのようになっているもの、葉に散布するもの、根本に散布するものなどさまざまな種類があります。
そして何よりも大切なのは使用できる植物が農薬ごとに決まっていることです。
つまりアブラムシ対策に複数の植物に使う場合でもAの花は使えるけどBの花では使えないなどがあります。
効果や薬害出ないよう法律で定められている
住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤 650g
オルトラン粒状などの農薬はお手軽なスプレータイプのものであっても必ずどのような農作物、花、樹木に効くか、どのくらいの量を使用するのか、農薬の撒き方、収穫時期までに何回使用できるのか、効果の期間はどれくらいあるのかなどが表記されています。
そのため表記されていない植物に対して使用したり試用期間、効果期間中に追加などをすると農薬が残留したり薬害を引き起こす可能性があり、法的にも違反となるのでよく読んで使い方など注意して使いましょう。
オルトラン粒状について
撒き方の簡単な農薬
オルトランは現在大きくわかると3種類あり水に溶かす水和剤とそのまま使用する粒状、スプレータイプのものがあります。
その中で粒状の方には住友科学園芸から他の殺虫成分であるクロチアニジンを配合し葉につく害虫と土の中に潜む害虫を同時に退治できるオルトラン粒状DXも発売されています。
オルトランにはさまざまな特徴がありますがその中でも「浸透移行性殺虫剤」という特徴がり、この特徴のおかげで撒き方が手軽で簡単です。
使い方、撒き方が簡単な理由
オルトランの特徴である浸透移行性殺虫剤とは名前の通り地面目にばらまいたオルトラン粒状の成分が植物の根から「浸透」して葉などに「移行」して長くとどまるためアブラムシをはじめとする植物の汁を吸う害虫、アオムシ(モンシロチョウの幼虫)など葉を食べる害虫などに効きます。
汁を吸ったり葉を食べると同時にオルトランの成分であるアセフェート (有機リン系殺虫剤)を一緒に摂取するためこれらの害虫に効果を発揮します。
薬害が発生しやすい?
長くとどまるため人間が食べようとすると薬害が発生しそうで敬遠するかもしれませんがそれは間違いです。
農薬はどれも有害なので昆虫などに効果があり使用量や散布期間、間隔が間違えていると害が出る可能性はあります。
しかしオルトランは 毒性は「普通物」に分類されていて普通物とは毒劇物に該当しないものを対して使う通称です。 そのため大量に散布したり、偏った撒き方をしない限りは薬害が発生するリスクは低くなります。
オルトラン粒状の効果
散布効果のある害虫の種類
使用できる植物によって違いはありますが幅広い害虫に効果があるのでオルトラン粒状で対処できる家庭菜園でよく見かける代表的な害虫を紹介します。
アブラムシ類
緑、赤、黒などの色をしている小さな害虫で植物に汁を吸うだけではなく病気を媒介するので積極的な駆除をが必要になる害虫です。
アザミウマ類
アザミウマもアブラムシと同様に汁を吸う害虫で特に花類に被害が多いのが特徴で、体長は1ミリ前後と小さな虫です。
コナガ
アブラナ科が被害を受けやすく成長が早いので防除が必要な害虫です。幼虫が葉を食べるのでオルトランで対処できます。
ヨトウムシ(ヨトウガ)
夜盗虫とも言われていて夜に活動し葉を食べて朝になると隠れてしまうので対処しにくい害虫で幼虫主に害虫です。
アオムシ(モンシロチョウ)
春になると見かける白い字に黒い斑紋のモンシロチョウの幼虫はキャベツなどの害虫で葉を食べます。蝶は見た目綺麗ですが基本的に幼虫は害虫となることが多いです。
ハモグリバエ
ハモグリバエはコバエのような小さなハエで幼虫はエカキムシとも呼ばれています。ハモグリバエは葉の中に卵を産み付け卵から孵った幼虫が絵を描くように食べ進むため食べられた葉の部分が模様のようにみえる害虫です。
オルトラン粒状とオルトラン水和剤との違い
水に溶かすのが水和剤
オルトラン 水和剤1g
使用方法は水で薄めて散布するだけなのですが、希釈する濃度は植物によって違うので説明書の記載を守るようにしましょう。
また粒状と違って液体なので噴霧器を使用すると綺麗に散布でき地面や葉から植物に浸透して植物体全体へ移行していきます。
他の殺虫剤のように直接害虫に散布しても効果はありますがオルトランの成分が行き渡った植物食べて体内に取り込むほうが効果が発揮できます。
水和剤と粒状では適応する植物が違う
水に溶かすのとそのままばら撒くという使い方以外にも適応する植物など多少変わってきます。薬害も出ず安全に使えると保証されている害虫の種類も多少かわるので同じように考えずにどちらを使用するのか決めて使うようにしましょう。
オルトラン粒状を水に溶かすのは危険
量や効果期間が変化する恐れがある
オルトラン粒状を水に溶かすと水和剤のように使えるというのがありますが効果期間や量が水に溶かすことが前提になっていないためあやふやで薬害につながる間違った使い方ので溶かさないようにそのまま粒状は粒状として使用します。
オルトラン以外の粒状の農薬も同じくそのままの形で使用して水和剤と付いているもの以外は基本的に水に溶かすことはできません。
間違った撒き方、使い方は法律違反
前述したように農薬は自然に影響を与えるものなので法律で厳しく管理されています。そのため使用できる取扱説明書などに記載されている植物以外に使用することは禁止されていて水に溶かすなどの間違った使い方も法律に抵触する恐れがあります。
農薬も人間の薬と同じように用法、容量(濃度)を守って正しく使うようにしましょう。
粒状は水に溶かさず、撒き方は2種類
オルトラン粒状の撒き方は大きく分けて2種類あります。どちらも簡単で一言で言えば撒くだけです。違いはオルトランを撒く時期にあり、あらかじめ撒いておくのか、害虫が来て(来るような時期になって)使用するかの違いです。
オルトラン粒状の撒き方1:最初から撒く方法
効果が長いので大丈夫
きゅうりやトマト、ばれいしょ(じゃがいも)など人間が食べるものは基本的には植え付ける時にあらかじめオルトラン粒状を撒いて使います。
使い方は苗などを植え付ける時に少し深めに穴を掘りそこへオルトラン粒状を農作物によって違いますが2グラムほど入れて穴を少し埋め戻すように土を入れオルトラン粒状と混ぜてからその上に農作物を植えるだけです。新しく植える場合や定植時使える方法です。
若干違う植え方
先程の使い方とほとんど同じですが別の方法もあります。植え付ける時に同じように穴を少し深めに掘り底にオルトラン粒状を散布して上からオルトラン粒状が隠れるように土を入れて穴を埋め戻してから農作物を抵触する方法です。
これらの使用方法は取扱説明書などにき箚しされている植穴処理、植穴散布に該当する方法です。
きゅうりなで行われる植溝散布は 筋状の溝を作ってそこにオルトラン粒状を散布する方法になりますが基本的には穴に散布するだけで大丈夫です。
オルトラン粒状の撒き方2:後から撒く方法
収穫時期がない花に多い方法
人間が直接食べることがない花によく使われる方法で被害を受けたら、暖かくなり害虫が来そうになったら株元などに散布する方法です。これは穴を掘る必要がなく勝手に植物に殺虫成分が浸透するオルトランだからできる簡単で便利な撒き方になります。
ピーマンなど一部の野菜もアブラムシが来てから散布するなどもできます。
直接地表に撒くため風がある日などは注意してオルトラン粒剤が風で流れないようにしましょう。
オルトラン粒状の使用できる植物の種類
花類
種類 | 対応する害虫 |
キク | ヨトウムシ、ネキリムシ、ハモグリバエ、 アブラムシ、アザミウマ |
宿根スターチス | ヨトウムシ、コガネムシ アブラムシ、アザミウマ |
芝 | スジキリヨトウ、シバツトガ、タマヤナガ |
カーネーション | ヨトウムシ、コナガ、アザミウマ アブラムシ |
アリウム | アブラムシ、アザミウマ、ヨトウムシ ネギコガ |
その他花き類・観葉植物 | アブラムシ、アザミウマ、ヨトウムシ |
農作物
使用できる農作物の数が多いんで一部紹介します。また農作物は特に使用できる期間が例えば収穫の21日前までなどと決まっているので必ず守りましょう。
種類 | 対応する害虫 |
きゅうり、ナス | アブラムシ、アザミウマ、オンシツコナジラミ |
ピーマン | アブラムシ |
ばれいしょ | |
キャベツ | アブラムシ、アザミウマ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ |
トマト | アブラムシ、オンシツコナジラミ |
白菜 | アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシ |
オルトラン粒状の注意点と薬害
使用されている成分が古い
オルトランに使用されている成分は開発されてからかなり歳月が経過しているため一部地域ではオルトランに使用されているアセフェートに対して耐性を持った害虫もいます。
そのため必ず効くとも限らないので最初の方法はオルトランが効いているか植物の様子を見ることをおすすめします。
オルトランの注意点
浸透性のため乾いた状態では植物が成分を吸えないため効果が薄れてきます。
そのため極端に乾いた土地では不向きの農薬です。また薬害が起きにくいだけであり基本的にはどの農薬も体に悪いので使用する時はマスクや手袋などをして他の農薬と同じように気をつけて作業をしないといけません。
ペットが立ち寄る場所なども同じように配慮する必要がります。
オルトラン粒状の小さい容量のものはボトルで売られているので散布しやすいのでおすすめです。
オルトラン粒状の使い方のまとめ
農薬は使い方が大切
オルトラン粒状は使いやすく、薬害の起こりにくい農薬ですがそれは使い方が正しい時の場合です。
有機リン系の殺虫剤なのでむやみに使うとミツバチに影響を及ぼして受粉が必要な植物が上手く育たなかったり収穫できなくなことがあるので取扱説明書をしっかり読んで正しく使うことが大切になります。
オルトラン粒状は水に溶かさず直接散布していいので手間をかけずに直接散布するようにして害虫の被害に遭わないようにして賢く使ってくださいね。
農薬・害虫が気になる方はこちらもチェック!
暮らし~のではオルトラン粒状以外の農薬や害虫の特性などをまとめた記事がたくさんあるのでよかったらチェックしてみてくださいね。
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