住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤 650g
オルトラン 水和剤1g
オルトラン粒状などの農薬について
なぜ農薬の散布が必要なのか
ガーデニングや家庭菜園では、厄介なアブラムシ類をはじめとする害虫が悩みの種です。また日本には梅雨があるので、カビが原因のうどんこ病など、さまざまな種類の病気があり、梅雨時期に特に増加します。これらの害虫を予防したり、駆除対策として農薬が必要な時もありますが、基本的には使わないことにこしたことはありません。
使い方:散布時期、使用量を守ろう
オルトラン粒状などの農薬を使う時は、ただやみくもに使えばいいというわけではなく、使い方と使用量が正しくないと逆効果で、薬害として環境や動植物に影響を与えてしまうので注意が必要です。また散布時期が悪いと効果を発することがなく、薬害として植物に影響を与えます。
散布方法:使用できる樹木や花も大切
農薬にはオルトラン粒状のように撒くだけで使えるも、水に溶かす粉末状のもの、最初から液体で容器も霧吹きのようになっているもの、葉に散布するもの、根本に散布するものなど、さまざまな種類があります。
そして何よりも大切なのは、使用できる植物が農薬ごとに決まっていることです。つまりアブラムシ対策に複数の植物に使う場合でも、Aの花は使えるけど、Bの花では使えないなどがあります。
効果や薬害は出ないよう法律で定められている
住友化学園芸 家庭園芸用GFオルトラン粒剤 650g
オルトラン粒状などの農薬は、お手軽なスプレータイプのものであっても、必ずどのような農作物、花、樹木に効くか、どのくらいの量を使用するのか、農薬の撒き方、収穫時期までに何回使用できるのか、効果の期間はどれくらいあるのかなどが表記されています。
そのため、表記されていない植物に対して使用したり、利用期間を超えて使用などをすると、農薬が残留したり薬害を引き起こす可能性があり、法的にも違反となるので、よく読んで使い方など注意して使いましょう。
オルトラン粒状について
撒き方の簡単な農薬
現在オルトランは、大きくわけると3種類あり、水に溶かす水和剤とそのまま使用する粒状、スプレータイプのものがあります。その中で粒状の方には、他の殺虫成分であるクロチアニジンを配合し、葉につく害虫と土の中に潜む害虫を同時に退治できる、オルトラン粒状DXも住友科学園芸から発売されています。
オルトランにはさまざまな特徴がありますが、その中でも「浸透移行性殺虫剤」という特徴があり、この特徴のおかげで、撒き方が手軽で簡単です。
使い方、撒き方が簡単な理由
オルトランの特徴である浸透移行性殺虫剤とは、名前の通り地面にばらまいたオルトラン粒状の成分が植物の根から「浸透」して、葉などに「移行」して長くとどまるため、アブラムシをはじめとする植物の汁を吸う害虫、アオムシ(モンシロチョウの幼虫)など葉を食べる害虫などに効きます。
汁を吸ったり葉を食べると同時に、オルトランの成分であるアセフェート(有機リン系殺虫剤)を一緒に摂取するため、これらの害虫に効果を発揮します。
薬害が発生しやすい?
長くとどまるため人間が食べようとすると、薬害が発生しそうで敬遠するかもしれませんが、それは間違いです。農薬はどれも有害なので、昆虫などに効果があり、使用量や散布期間、間隔を間違えていると、害が出る可能性はあります。
しかしオルトランの毒性は「普通物」に分類されていて、普通物とは毒劇物に該当しないものに対して使う通称です。 そのため大量に散布したり、偏った撒き方をしない限りは、薬害が発生するリスクは低くなります。
オルトラン粒状の効果
散布効果のある害虫の種類
使用できる植物によって違いはありますが、幅広い害虫に効果があるので、オルトラン粒状で対処できる、家庭菜園でよく見かける代表的な害虫を紹介します。
アブラムシ類
緑、赤、黒などの色をしている小さな害虫で、植物に汁を吸うだけではなく、病気を媒介するので、積極的な駆除が必要になる害虫です。
アザミウマ類
アザミウマもアブラムシと同様に汁を吸う害虫で、特に花類に被害が多いのが特徴で、体長は1ミリ前後と小さな虫です。
コナガ
アブラナ科は、被害を受けやすく成長が早いので、防除が必要な害虫です。幼虫が葉を食べるので、オルトランで対処できます。
ヨトウムシ(ヨトウガ)
夜盗虫とも言われていて、夜に活動し葉を食べて朝になると隠れてしまうので、対処しにくい害虫です。
アオムシ(モンシロチョウ)
春になると見かける、白い字に黒い斑紋のモンシロチョウの幼虫は、キャベツなどの害虫で葉を食べます。蝶は見た目綺麗ですが、基本的に幼虫は害虫となることが多いです。
ハモグリバエ
ハモグリバエは、コバエのような小さなハエで、幼虫はエカキムシとも呼ばれています。ハモグリバエは、葉の中に卵を産み付け、卵から孵った幼虫が絵を描くように食べ進むため、食べられた葉の部分が模様のようにみえる害虫です。
オルトラン粒状とオルトラン水和剤との違い
水に溶かすのが水和剤
オルトラン 水和剤1g
使用方法は、水で薄めて散布するだけなのですが、希釈する濃度は植物によって違うので、説明書の記載を守るようにしましょう。また粒状と違って液体なので、噴霧器を使用すると綺麗に散布でき、地面や葉から植物に浸透して、植物全体へ移行していきます。
他の殺虫剤のように、直接害虫に散布しても効果はありますが、オルトランの成分が行き渡った植物を食べて、体内に取り込むほうが効果が発揮できます。
水和剤と粒状では適応する植物が違う
水に溶かすのとそのままばら撒くという使い方以外にも、適応する植物などで多少変わってきます。薬害も出ず、安全に使えると保証されている害虫の種類も多少かわるので、同じように考えずに、どちらを使用するのか決めて使うようにしましょう。
オルトラン粒状を水に溶かすのは危険
量や効果期間が変化する恐れがある
オルトラン粒状を水に溶かすと、水和剤のように使えるというのがありますが、効果期間や量が水に溶かすことが前提になっていないため、あやふやで、薬害につながる間違った使い方で溶かさないように、そのまま粒状は粒状として使用します。
オルトラン以外の粒状の農薬も同じく、そのままの形で使用して、水和剤と付いているもの以外は、基本的に水に溶かすことはできません。
間違った撒き方、使い方は法律違反
前述したように、農薬は自然に影響を与えるものなので、法律で厳しく管理されています。そのため、使用できる取扱説明書などに記載されている植物以外に、使用することは禁止されていて、水に溶かすなどの間違った使い方も法律に抵触する恐れがあります。農薬も人間の薬と同じように、用法、容量(濃度)を守って、正しく使うようにしましょう。
粒状は水に溶かさず、撒き方は2種類
オルトラン粒状の撒き方は、大きく分けて2種類あります。どちらも簡単で、一言で言えば撒くだけです。違いは、オルトランを撒く時期にあり、あらかじめ撒いておくのか、害虫が来て(来るような時期になって)使用するかの違いです。
オルトラン粒状の撒き方1:最初から撒く方法
効果が長いので大丈夫
きゅうりやトマト、ばれいしょ(じゃがいも)など、人間が食べるものは、基本的には植え付ける時に、あらかじめオルトラン粒状を撒いて使います。
使い方は、苗などを植え付ける時に少し深めに穴を掘り、そこへオルトラン粒状を、農作物によって違いますが、2グラムほど入れて、穴を少し埋め戻すように土を入れ、オルトラン粒状と混ぜてから、その上に農作物を植えるだけです。新しく植える場合や定植時に使える方法です。
若干違う植え方
先程の使い方とほとんど同じですが、別の方法もあります。植え付ける時に同じように、穴を少し深めに掘り、底にオルトラン粒状を散布して、上からオルトラン粒状が隠れるように土を入れて、穴を埋め戻してから、農作物を定植する方法です。
これらの使用方法は、取扱説明書などに記載されている植穴処理、植穴散布に該当する方法です。きゅうりなどで行われる植溝散布は、筋状の溝を作って、そこにオルトラン粒状を散布する方法になりますが、基本的には穴に散布するだけで大丈夫です。
オルトラン粒状の撒き方2:後から撒く方法
収穫時期がない花に多い方法
人間が直接食べることがない花によく使われる方法で、被害を受けたら、暖かくなり害虫が来そうになったら、株元などに散布する方法です。これは穴を掘る必要がなく、勝手に植物に殺虫成分が浸透するオルトランだからできる、簡単で便利な撒き方になります。
ピーマンなど一部の野菜も、アブラムシが来てから散布するなどもできます。直接地表に撒くため、風がある日などは、注意してオルトラン粒剤が風で流れないようにしましょう。
オルトラン粒状の使用できる植物の種類
花類
種類 | 対応する害虫 |
キク | ヨトウムシ、ネキリムシ、ハモグリバエ、 アブラムシ、アザミウマ |
宿根スターチス | ヨトウムシ、コガネムシ アブラムシ、アザミウマ |
芝 | スジキリヨトウ、シバツトガ、タマヤナガ |
カーネーション | ヨトウムシ、コナガ、アザミウマ アブラムシ |
アリウム | アブラムシ、アザミウマ、ヨトウムシ ネギコガ |
その他花き類・観葉植物 | アブラムシ、アザミウマ、ヨトウムシ |
農作物
使用できる農作物の数が多いので、一部紹介します。また農作物は特に使用できる期間が、例えば、収穫の21日前までなどと決まっているので、必ず守りましょう。
種類 | 対応する害虫 |
きゅうり、ナス | アブラムシ、アザミウマ、オンシツコナジラミ |
ピーマン | アブラムシ |
ばれいしょ | |
キャベツ | アブラムシ、アザミウマ、アオムシ、コナガ、ヨトウムシ |
トマト | アブラムシ、オンシツコナジラミ |
白菜 | アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシ |
オルトラン粒状の注意点と薬害
使用されている成分が古い
オルトランに使用されている成分は、開発されてからかなり歳月が経過しているため、一部地域ではオルトランに使用されているアセフェートに対して、耐性を持った害虫もいます。そのため必ず効くとも限らないので、最初の方はオルトランが効いているか、植物の様子を見ることをおすすめします。
オルトランの注意点
浸透性のため乾いた状態では、植物が成分を吸えないため効果が薄れてきます。そのため、極端に乾いた土地では不向きの農薬です。また薬害が起きにくいだけであり、基本的にはどの農薬も体に悪いので、使用する時はマスクや手袋などをして、他の農薬と同じように気をつけて作業をしないといけません。
ペットが立ち寄る場所なども、同じように配慮する必要があります。オルトラン粒状の小さい容量のものは、ボトルで売られているので、散布しやすいのでおすすめです。
オルトラン粒状の使い方のまとめ
農薬は使い方が大切
オルトラン粒状は使いやすく、薬害の起こりにくい農薬ですが、それは使い方が正しい時の場合です。有機リン系の殺虫剤なので、むやみに使うとミツバチに影響を及ぼして、受粉が必要な植物が上手く育たなかったり、収穫できなくなることがあるので、取扱説明書をしっかり読んで正しく使うことが大切になります。
オルトラン粒状は、水に溶かさず直接散布していいので、手間をかけずに使用できます。害虫の被害に遭わないようにして、賢く使ってくださいね。
農薬・害虫が気になる方はこちらもチェック!
暮らし~のでは、オルトラン粒状以外の農薬や害虫の特性などをまとめた記事がたくさんあるので、よかったらチェックしてみてくださいね。
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