葉っぱにくっつくアブラムシって何?
アブラムシは子供の頃から誰でもご存知。でも実際のところ、アブラムシって何?昆虫?油がとれるの?食べれるの?と生態をぜんぜん知らない人は多いかもしれません。アブラムシの駆除をする前に、ひとまずアブラムシが一体何者で、どんな植物に付きやすいのかなど、基本を覚えておきましょう。
アブラムシはどんな生態を持つ昆虫なの?
アブラムシの駆除を試みる人は、植物に付着する細かいアブラムシが、カメムシの仲間だと聞いたら驚くでしょうか。しかし調べてみれば確かにカメムシっぽい、ずんぐりむっくりな体型が分かります。アブラムシは何種類も存在しますが、美味しい液体を出してアリに与えることによって、弱々しい身を守るという共生関係を保持していることで知られます。
アブラムシはいつどんな害をもたらす?
植物は春に芽吹き秋には枯れますが、アブラムシも植物の活動に合わせ、春から秋にかけて活発に活動します。最初は羽根によって移動し、大量発生することで植物の栄養を奪い、おまけにウイルスを媒介してモザイク病などの病害をもたらします。植物を愛する人々にとっては、アブラムシ駆除の対策は1年中の戦いになるのです。
アブラムシはどんな植物に付きやすい?
基本的にアブラムシは、野菜や草花など様々な植物を好みます。野菜に群がっている様子が見られますが、葉野菜ではキャベツ、小松菜、果菜ならトマト、キュウリ、ナス、根野菜ならジャガイモ、ニンジンなど何でもです。大切な野菜に大量繁殖しているのを目撃したら、即刻アブラムシの駆除を考えたくなってしまうのも当然です。
アブラムシの駆除方法は農薬法か無農薬法に別れる
家庭菜園でアブラムシの駆除をしていく時、大きく2種類の選択肢があります。ひとつは農薬を使った方法、もうひとつは農薬に頼らない無農薬の方法です。いずれも一長一短が存在し、効果としても違いがあります。家庭菜園ならば無農薬法が好まれていますが、ご存知の方法、全くの未知の方法もあるでしょう。
確実なアブラムシの駆除なら農薬だけど気をつけたい
アブラムシの駆除で、なんらかの無農薬法を試して効果が出なかった人は、農薬を使い始めることも検討して行くでしょう。しかし農薬の利用方法の効果が確定するとは言っても、リスクも大きくなってきます。じゃぶじゃぶと農薬を使用するほど、環境と人体に影響を及ぼすことを考えておいてください。
自然と人間に優しい無農薬法はおすすめ
今どうして家庭で無農薬なアブラムシの駆除が好まれているかといえば、それは環境に対する確かな配慮、そして人体に対する優しい配慮が優先的に考えられているためです。野菜を栽培したら収穫して食卓にならぶのですが、無農薬だから安心して食べられます。そういう意味では無農薬で効果の高いアブラムシの駆除方法を、いまから多種類知っておいて損はしません。
アブラムシの駆除方法その1・ハッカ液を使った撃退法
ハーブの一種であるハッカ(ミント)の香りは爽やかなので、香料として、ハッカ飴や調味料としても、昔から人類に好まれてきました。人間にとっては好まれるハッカですが、例のアブラムシ君にとっては気分が悪くなる存在な様子。だからアブラムシの駆除には、天然無害なハッカ液を使ってみる方法も存在しています。
天然のハーブ液でアブラムシの駆除スプレーを作る
ハッカの液体は、アブラムシの駆除に役立てられるアイテムです。北海道でちょっと名産の「北見ハッカ油」という製品がありますが、これをアブラムシにかけると、増殖を防ぐことができます。使うときには、植物に対する影響を最小限にした濃度で、スプレーボトルに水と混ぜて作っておくのが良いです。
ハッカスプレーなら何でも良いわけじゃない
ハッカ、ミントのスプレーは色々存在していますが、アブラムシの駆除目的で購入する時には、天然素材のものを選ぶことです。ハッカの香りだからと言ってその辺のスプレーを吹きかけると、植物にとって有害物質が含まれているかもしれないからです。必ず成分は天然のハッカ(ミント)であることを確認しましょう。
アブラムシの駆除方法その2・木酢液・竹酢液
木酢液や竹酢液という特殊な液体のことを知っていますか。これらは炭焼きなどで木材を乾留したときに発生する弱酸性の液体です。薄めて口に含むと独特な酸味があるのですが、殺菌力に優れていると同時に、虫避けとしても昔から使用されてきました。アブラムシの駆除では効果のある対策として使うことができます。
木酢液を使うときには濃度が決め手になる
意外な効果も!?木酢液で植物を守ろう。
— LOVEGREEN(ラブグリーン) (@LOVEGREEN_media) March 30, 2016
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木酢液は、ものによっては有害物質が含まれている種類も存在します。だから野菜にも使って大丈夫な、植物用や入浴用と表示されたものを選んでください。アブラムシの駆除をするときには、原液を100倍や50倍など、ボトルに記載された濃度に薄めてスプレーを作ります。1日に朝と夕方の2回吹き付けることで、アブラムシが減少します。
竹酢液のほうが植物に優しいとされている
アブラムシの駆除では、竹酢液のほうが好まれる傾向にあり、無農薬農法では代表格です。何故なら木酢液よりも竹酢液のほうが、人体や植物に対する安全性が若干高いとされるためです。竹酢液を使う対策の場合にも、説明書の指示どおり、水で薄めてスプレーで使用します。1日の朝夕の2回、植物にかけてみてください。
アブラムシの駆除方法その3・コンパニオンプランツで駆除
他の植物と一緒に野菜を育てて、害虫を寄せ付けない栽培法をコンパニオンプランツといいます。コンパニオンプランツを覚えておくことで、野菜のアブラムシ駆除には大きく効果をもたらします。完全な自然の対策なので積極的にしてみたいですね。果たしてどんな植物を一緒に植えたら、もっとも効果的でしょうか。
草花にはアブラムシの天敵を増やす種類がある
自然界にはかならず食物連鎖が存在しますが、アブラムシを好んで食べる昆虫が存在しています。アブラムシ駆除の対策をする時には、天敵を増加させる植物を野菜と一緒に栽培してみましょう。代表的なのは、カラスノエンドウ、ヨモギ、イヌガラシなどです。いつの間にか生えていたら、雑草は抜かないである程度残しておくことが効果的です。
アブラムシを寄せ付けない野菜も一緒に栽培したい
野菜の種類の中には、アブラムシ駆除に役立つ野菜も数多くあります。例えばニラ、ニンニクといった香りの強い野菜は、アブラムシが付きにくい野菜の代表格です。他の野菜を栽培するときに、一緒に栽培してみてください。ただし1度アブラムシが増えると、ニラでさえもアブラムシの社交場と化しているので、気をつけたいところです。
草花の種は採取して翌年の対策に備えてもいい
草花は放っておいても毎年必ず種を作るものです。翌年には勝手に繁殖しますが、コンパニオンプランツを行ってアブラムシ駆除をする時には、草花の種を採取して保存しておくことが求められます。カラスノエンドウ、ヨモギなどの種は採取しやすいものです。今後は、除草しないで雑草を育ててみても良いかもしれません。
アブラムシの駆除方法その4・牛乳や片栗粉を使った撃退
牛乳や片栗粉は、スーパーでもコンビニでも、どこでも手に入りやすい食品です。牛乳とは朝食のパンの相棒、片栗粉は中華丼の材料だと考えている人も、まさかこれでアブラムシ駆除ができるだなんて、想像もできないかもしれません。しかし一定の効果があるとされる方法なので、牛乳を飲みながら一度効果を測ってみてはどうでしょうか。
牛乳が固まる性質がアブラムシ駆除対策にできる
牛乳をただ吹きかけただけでは、アブラムシ駆除に速やかな効果は出ません。しかし牛乳は時間が経過すると、乾いて固まるという性質を持っています。アブラムシに付着した牛乳が固まって、アブラムシの気孔を閉じて窒息死させるという効果があるといいます。実行するときは気温が高く乾燥した日が最適です。
片栗粉溶液が固まる性質を利用してアブラムシ撃退
このアブラムシ駆除方法は、牛乳の場合と全く同じ原理であり、デンプンを原材料とする片栗粉は無害なので安心です。水で溶かした片栗粉溶液は、時間が経過して乾くと固まるという性質を持っています。アブラムシに片栗粉溶液が付着した段階での即効性は無いですが、固まるとアブラムシの気胞を塞いで窒息に導くというわけです。この場合も晴れた日を選ぶようにしましょう。
アブラムシの駆除方法その5・アルミホイルを使って撃退
日常でアルミホイルはおにぎりや魚介類を包み込んで、美味しくいただくアイテムだ。そう思い込んでいる人も多い昨今ですが、実はアルミホイルはアブラムシの駆除にも使うことができるのです。この方法をご存知ない方は、アブラムシ撃退にどうやって使うのか謎が深まるばかりですが、具体的な方法は以下の通りです。
アルミホイルでアブラムシが混乱する
アブラムシなど昆虫の全ては、太陽などの光源を元にして位置を把握しています。したがってアルミホイルのような光るものが地面にもあり、また空にも光る太陽があると、アブラムシは混乱してちゃんとした方向がわからなくなり、お目当ての植物に付着ができなくなります。迷子作戦によって、アブラムシの駆除をすすめるわけです。
植物の根元に置いたり株を囲ったりして設置
アブラムシ駆除に最適なのは、アルミホイルを特定の植物の地面に敷いて、太陽光の反射を受けるようにしたり、または植物の株を取り囲むように設置して、光を反射させます。植物にとっては上からも下からも光合成ができて、まったく害にはなりません。ただ使い古したアルミホイルは放置せず、拾って捨てるようにしてください。
アブラムシの駆除方法その6・黄色いモノを使って駆除対策
黄色いモノは人間にとっては危険信号ですが、アブラムシの駆除でも使えるだなんて意外すぎます。黄色を使ったアブラムシ駆除方法も、設置するだけで良いので、家庭菜園では極めて簡単にできます。他の方法と黄色いモノを組み合わせることで、より威力を高めてくれるでしょう。
なんで黄色いものがアブラムシ駆除に効果的?
昆虫は光に吸い寄せられることは誰でも知っていることですが、同時に黄色いモノも大好きなのはご存知ですか。それこそサラリーマンが行きつけの飲み屋に吸い寄せられるが如くに、昆虫はすぐに黄色に吸い寄せられてしまいます。アブラムシの駆除では、この虫の性質を利用するしかありません。
菜園には黄色いテープ等を張り巡らせておく
黄色いアイテムを利用してアブラムシを駆除するなら、黄色いテープや黄色いシートなどは如何でしょうか。これらは近所のホームセンターなどで求めることができます。使い方は、大切な野菜や植物の近くに、飛ばされないように設置するだけ。アブラムシが黄色いテープにびっしりと付着したら、もう駆除も簡単です。
アブラムシの駆除方法その7・テントウムシを使ってアブラムシ駆逐
近年は天敵農法とよばれる、自然で無害な農法が普及してきました。その中でもテントウムシを使う駆除方法は、アブラムシの駆除をするために注目されているので、知名度もかなりあります。ただテントウムシを仕入れて管理することの難しさもあります。果たして個人レベルでもできることでしょうか。
テントウムシをネット通販で購入できる
アブラムシの駆除に使うテントウムシは、生きたものをネット通販で購入することができます。いったん数十~数百匹も大量に放つと、すぐに植物にくっついているアブラムシを食べ始めます。テントウムシの天敵農法では、羽根に一時的に接着剤を付けることで飛ばないテントウムシを生み出し、使用する機会が一般的になってきました。
テントウムシの天敵農法の特徴
いったんテントウムシを放つと人間の代わりにアブラムシ駆除を始めてくれますが、同時に繁殖もしていくので、その年に新たに買い足すといった手間も省けます。特にビニールハウス栽培をしている農家で採用される方法ですが、家庭菜園でもビニールハウスを使っているなら、試してみてはどうでしょうか。ただしテントウムシが死滅してしまうような方法を、併用することはできません。
幾つかの方法を組み合わせアブラムシの駆除を試してみよう
家庭菜園でもすぐにできそうな、アブラムシの駆除方法は多種多様に存在していました。何かひとつか2つを試した人は多いでしょう。効果がなかったら農薬に手してしまうかもしれませんが、これだけ種類があったら、未体験の方法を全部試してみても良いくらいですよね。自宅の菜園やお庭で、どの方法がアブラムシの駆除に適しているか、ご自分の手で確かめてみてください。