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「モロ」ってどんな魚?その生態や美味しい食べ方をご紹介!

モロはアジ科の仲間の魚ですが、名前を聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。あまり馴染みのないモロですが、実は私たちが食すある干物の原材料として親しまれています。知られざる魚モロの生態やおすすめの調理方法などを紹介します。
2020年8月27日
すがや
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目次

モロについて知ろう

馴染みのない魚、モロ

モロという魚を知っている人は少ないのではないでしょうか。モロは、市場にはあまり出回っておらず、その結果として私たちの食卓に並ぶことは決して多くはない魚です。あまり馴染みのない魚と言えるかもしれません。

知らない間に食べていることも

あまり馴染みのない魚のモロですが、実は私たちがよく知る魚の加工食品の代表的な原料となっている魚です。もしかしたら知らない間にモロを食したことがあるという人もいるかもしれません。

モロの旬の時期やレシピを紹介

知らないようで意外に身近な魚であるモロについて紹介します。モロの生態や、モロの旬の時期、またあまり多くはないですがモロのおすすめのレシピなどを紹介します、モロの魅力に迫りましょう。

モロの基本情報

モロは影の薄い魚?

モロはアジ科ムロアジ属に分類される海水魚です。アジ科の仲間には150種の魚がいて、ブリなどの私たちの食卓になじみの深い魚も含まれています。その中でモロは一般に食されることの少ない魚です。アジ科の仲間の中でも影の薄い魚と言えるのではないでしょうか。

関東以南で漁獲

モロは日本国内では関東以南でよく漁獲される魚です。体長は25センチ前後が一般的で、ムロアジ属の中では小柄な方の魚に分類されます。モロは、アジ科の特徴のひとつである稜鱗(ぜんご)が大きくなく、目立たない魚になります。

基本的な食べ方

モロは、鮮度がよければ刺身として食べることも可能です。特に旬の時期のモロは美味しいと評判です。またモロの節はアジ節として、うどんやそばなどを食べるときに利用されます。しかし、モロのメジャーな食べ方は別の方法になります。これはアジ科の魚では珍しいことです。

モロとアジ科

アジ科では特殊なモロ

モロはアジ科に分類されます。アジ科という名前の由来は、味がいい魚だからそう呼ばれるようになったという説があります。実際にアジ科に分類される魚の多くは食用として好まれて食べられています。その中で言うと、モロは少し特殊な魚に位置するかもしれません。

市場に流通することは少ない

モロは食用とされることがないわけではないですが、市場に流通して食べられることは少ないです。その理由のひとつとして、鮮度の落ちがあります。モロは鮮度の落ちやすい魚で魚の人気の料理方法である刺身として食されることは多くはありません。

モロのレシピは少ない

モロは市場に流通することが多くはないため、モロを扱ったレシピなども少ないです。しかし、モロが私たちの食生活から遠く離れた魚なのかというと、実はそんなことはありません。モロはある調理方法では使用される魚の筆頭になります。

モロの代表的な調理法


くさやの主原料

モロはくさやの主原料として使われる魚のひとつになります。くさやは伊豆諸島で主に伝わる魚の加工方法で、独特の匂いと味で多数のファンがいます。今まで知らず知らずのうちに食べていたくさやが実はムロだったということもあるかもしれません。

味もまろやかで人気

ムロ以外の魚では青ムロと言われる魚やトビウオなどがくさやにされることが多いです。その中でもムロは身が柔らかくて、味もまろやかで美味しいと人気です。特に大島ではモロのくさやが好んで食べられているそうです。

食べてみたいモロのくさや

モロのくさやはなかなか自分で料理してみるという機会はないでしょう。しかし、モロのくさやは大変美味しいと評判なので、ぜひ機会があったら挑戦してみたいですね。このように、モロは意外なところで私たちの食生活と馴染みの深い魚になります。

モロの名前の由来

名前の由来は地名

モロの名前の由来としては、よく漁獲されていた地名から来ているという説が有力です。兵庫県の室の津、また和歌山県牟婁郡(むろぐん)で、モロはよく漁獲されていたそうです。このふたつの地名からモロと呼ばれるようになったと言われています。

様々な呼び名

また地域による呼び名もいくつかあり、千葉県南房総市ではムロアジと呼ばれ、静岡県下田市ではコムロと呼ばれています。この他にも、ミズムロやモロアジなどと呼ばれることもあるようです。このようにムロには地域によっていくつかの呼び方がされています。

モロと栃木県

栃木のモロは別の魚

栃木県でよく食べられる魚としてモロがあります。しかし、栃木県でよく食べられているモロは、アジ科ムロアジ属のモロとは別の魚になります。栃木県ではサメの肉をモロと呼びます。栃木県では古くから親しまれてよく食べられています。

栃木のモロの食べ方

栃木県でのモロのレシピとしては、フライにしたり煮つけにしたりなどして食べられます。様々な食べ方で人気を博しています。アジ科ムロアジ属のモロは料理のバリエーションは少ないですが、栃木のモロはその点は豊富です。同じモロと呼ばれる魚でも違いがあります。

栃木でサメが食される理由

ちなみに、栃木でモロとしてサメが好んで食べられるようになったのは栃木県の地理的特性があるようです。栃木県は四方を他の県に囲まれた海のない県になります。サメは鮮度が落ちにくく、海なし県で食べられる魚として重宝されていたのではないかと言われています。

モロの生態

水深30メートル以下に生息

話を本題のアジ科ムロアジ属のモロに戻します。モロは水深30メートルから170メートルのところに群れを作り、生息しています。主には小型の甲殻類や軟体類、または動物プランクトンを食料としていると言われています。

産卵期と日本以外の生息地


モロの産卵期は5月から6月と言われています。普段は水深30メートル以下に生息しているモロですが、産卵期は浅場に移動します。また日本以外ではオーストラリア西岸やハワイ諸島北部にも生息が確認されています。

旬は寒い時期

モロの旬は寒い時期だと言われています。旬のモロは刺身として食べると非常に美味しいと人気です。鮮度の関係から刺身として食べられることは多くはないですが、旬の時期に新鮮なモロが手に入るようでしたら、刺身として食べる方法もおすすめです。

モロの漁獲

モロの漁獲方法

モロの漁獲としては、定置網、巻き網にかかるという方法が多いようです。モロの漁獲ではのクサヤモロなどの魚も一緒にかかることもありますが、これらの魚は調理方法等で被ることもあるので、あえて分けられないということもあるようです。

くやさとしての調理方法

モロは先にも紹介したように、くさやにするという調理方法が人気です。クサヤモロも同様によくくさやにされます。では、これらの魚をどのようにしてくさやに加工していくのか。長い歴史で洗練されたくさやの作り方を紹介します。

モロとくさや1

くさやができるまで

くさやの調理方法は、くさや液というくさや用に何度も使用した塩水を用います。捌いたモロをくやさ液に漬け込み、乾燥させて発酵させます。よく用いられる方法は天日干しです。10月から春ころにかけては、よく天日干しされます。

くさやが人気

くさやは海水によって自然発酵された魚を食したことが始まりで、偶然の発見から生まれたものだと言われています。偶然発見された発酵技術が長い年限をかけて洗練されてきました。モロの食べ方として、長年の知恵が凝縮されたくさやはおすすめです。

くさや液の魅力

くさやに作るのに用いるくさや液は古ければ古いほど、美味しくなると言われています。このくさや液のはじまりはかつて年貢として徴収されていた塩を節約するために用いたという歴史もあるようです。何度も塩を重ねて使う中で味が積み重ねされていったようです。

モロとくさや2

くさやのおすすめの食べ方

モロはくさやとしての食べ方が美味しいと人気です。独特の味で癖になる人が多数います。そしてくさやの食べ方にはいくつかのこだわりのポイントがあります。つまみとしても人気のくさやのこだわりの食べ方を簡単に紹介します。

焼き加減にこだわる

モロのくさやを食べるときには焼き加減にこだわるとよいです。最も美味しいと言われる焼き加減は半生の状態です。くさやの独特の味を最も味わえると人気の焼き方です。もちろん半生以外でも美味しいのでお好みの焼き加減を見つけてみましょう。

栄養も満点

またモロのくさやは栄養面でもおすすめです。DHAやEPAなどの栄養が豊富で、その中でも注目されるのがカルシウムです。くさやに含まれるカルシウムはアジの開きの20倍以上とも言われています。美味しくて栄養満点なモロのくさやをぜひとも食してみたいですね。

自宅にいながらくさやを食べる


モロのくさやを現地に行かないでも食べてみたいという人は、インターネットなどでの購入がおすすめです。長い年月をかけて味が凝集されたくさや液で作ったくさやを自宅にいながらにして食すことができます。くさや未体験の人もぜひ挑戦してみましょう。

モロの料理方法

くさや以外の食べ方とレシピ

モロの食べ方としてはくさやが最もメジャーですが、当然くさや以外の食べ方もあります。刺身や唐揚げなどにしてもおいしいです。モロのくさや以外の食べ方とレシピを紹介します。

刺身が美味しい

鮮度のよいモロは刺身として食べても美味しいです。またここまでで紹介したように、旬の時期のよく脂の乗ったモロの刺身は美味しいと人気です。しかし、モロは鮮度が落ちやすい魚と言われているため、刺身として食べるときにはその点は注意です。

唐揚げも人気

刺身以外の料理方法としては、唐揚げにするという食べ方も人気があります。料理方法は難しくなく、身を開いたモロを揚げます。鮮度が落ちて刺身として食べられないときなどにはおすすめの調理方法になります。

モロについてまとめ

くやさが美味しいモロ

モロの代表的な料理方法であるくさやや、旬の時期、その他の料理方法などについて紹介しました。なかなか食べる機会はないでしょうが、モロの刺身なども機会があればぜひ食してみたいですね。

広がるくやさの魅力

またモロのくさやは栄養満点でおすすめです。見かけることがあったらぜひ食してみてください。くさやにも様々な魚が使用されているので、それぞれの魚の違いなどもわかるようになるとくさやの魅力がさらに広がります。お酒のつまみにもおすすめです。

その他のアジ科の魚の情報はこちら

モロ以外にもアジ科の魚は多数います。モロ以外のアジ科の魚の情報が知りたい方はこちらの記事がおすすめです。モロは家庭でのレシピや料理方法はあまりないですが、その他の魚はさすが味がいいからアジ科というだけあり、充実しています。ぜひ参考にしてください。