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特徴的な口を持つ「ヤツメウナギ」とは?その生態や食べ方を解説!味はどう?

一般的にあまり馴染みのないヤツメウナギは、そのグロテスクな口の形状が特徴的です。また、魚に寄生して生息することでも知られています。そんなヤツメウナギの不思議な生態やおすすめの料理などの情報をレシピや調理方法を交えてご紹介。
更新: 2021年12月19日
kaorin007
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ヤツメウナギはどんな魚?

ヤツメウナギの基本情報

●亜門:脊椎動物亜門
●上綱:無顎上綱
●綱:頭甲綱
●目:ヤツメウナギ目
●生息場所:河川
●産地:北海道、青森県、秋田県、山形県、新潟県ほか

ヤツメウナギの生態

ヤツメウナギは、おもに寒冷地域の河川に生息しています。日本国内に生息するヤツメウナギの種類は、カワヤツメ・スナヤツメ・シベリヤヤツメ・ミツバヤツメの4種です。

その中でもかば焼きなどの食べ方ができる種食用に適した類は、カワヤツメになります。

ヤツメウナギの体表面にはうろこがなく、両側面に鰓穴が7つあります。この鰓孔が目のように見えることからヤツメウナギと名付けられたようです。

体長はおおむね50cmほどになり、大きなものでは1m近くに成長します。

ヤツメウナギの特徴

独特な口の形が特徴

ヤツメウナギは、名前からして鰻の仲間かと思われがちです。でも、実際はうなぎの仲間ではありません。

そのうえ、魚でもないのです。一般的な魚は顎口類に属しています。しかし、ヤツメウナギは無顎類です。

無顎類は、生きた化石とも言われるほど古くから生育している種族です。ヤツメウナギの場合、特に口の形状が独特でその独特の口を使って魚の血液や体液を吸収します。

ヤツメウナギの口は吸盤のようになっており、広げた口にはとげのような突起物があります。その突起物と吸盤の原理を利用して、大型の魚に寄生するのがヤツメウナギの特徴です。

吸血魚として知られる

ヤツメウナギの特徴は、他の肴に寄生して生育することです。

吸盤状の口で大型の魚に吸いつき血液や体液を栄養分にします。また、吸い付いた際に魚の肉をはぎ取って食用とすることもあるようです。

ヤツメウナギの幼生期は、プランクトンなどを食べて成長しますが、大きくなったヤツメウナギは主に魚に寄生することで生活しています。

Lampheredinという腺液を使って魚の皮膚や筋肉、血液などをとかし吸収するようです。

ヤツメウナギの効能

水戸黄門も紹介した目への効能

ヤツメウナギには、様々な栄養素が含まれています。その中でも特に高いのがビタミンAです。このビタミンAは、目の健康に優れた効果が期待できます。

江戸時代には、諸国漫遊でよく知られる水戸黄門が「救民妙薬」という医学書でヤツメウナギが夜盲症に効くことが記されています。見た目はグロテスクなヤツメウナギですが、かば焼きやみそ汁など食べ方を工夫すればおいしく調理することが可能です。

脂質代謝をあげる効能

豊富な栄養素が含まれているヤツメウナギは、健康食としての食べ方もおすすめです。ヤツメウナギの脂が脂質代謝をあげる効果があるという論文も発表されているようで、健康を気にする人には気になる食材だといえるでしょう。

その他にもDHAやEPAを含有しているヤツメウナギは、生活習慣病が気になる方にもおすすめです。

ヤツメウナギの旬


ヤツメウナギの旬は11月~2月

うなぎは「土用の丑」に食べるのが旬のように言われていますが、ヤツメウナギの旬は11月~2月にかけてです。おもに食用として使われるヤツメウナギの種類は、カワヤツメだといえます。

このカワヤツメが産卵のために川へ上ってくる頃が、脂がのって身が引きしまった旬の時期です。この季節のヤツメウナギは、刺身としても調理できます。

コリコリとした食感が堪らない

旬を迎えたヤツメウナギは、脂がのって身が引き締まっているのが魅力です。食感は、うなぎというよりはホルモンのような感じだといえます。コリコリとした食感が、食通にはくせになるようですね。

晩秋から初春にかけてのこの季節に、ヤツメウナギの鍋を囲んでみるのもいいでしょう。もちろん鮮度の高い旬のヤツメウナギを刺身として調理するのもおすすめです。

ヤツメウナギとうなぎの違い

構造や生態が違う

ヤツメウナギは、無顎類で丸い口を持っているのが特徴でうなぎの口とは形状が異なります。体の形はよくにていますが、生態系もヤツメウナギが他の魚へ寄生するのに対しうなぎにはそのような習性がありません。

同じ食べ方でも食感が違う

ヤツメウナギもうなぎ同様におすすめの食べ方は、かば焼きです。でも、同じレシピでかば焼きを作ってもヤツメウナギとうなぎでは、かなり食感が違います。脂ののった旬のうなぎは、ふんわりと柔らかな食感です。

それに比べて、ヤツメウナギはコリコリとしたモツのような食感だといえます。また、旬のヤツメウナギの食べ方には、刺身料理もあるようです。

ヤツメウナギの釣り方

ヤツメウナギの捕獲は釣るというより獲る

ヤツメウナギの釣り方としては、釣るというイメージではなくタモ網などで獲るといった釣り方法です。北海道などでは、川の石に吸い付いているヤツメウナギを手づかみで釣ります。ヤツメウナギの吸盤型の口は、人にも吸い付いてくるので釣りの際には気を付けておきましょう。

ヤツメウナギの漁猟の方法

ヤツメウナギの漁獲高が最も高いといわれる江別市では、毎年ヤツメウナギ漁がおこなわれています。この量の方法は、石狩川にカヤ製の「ドウ」といわれるものを沈めるのが特徴です。

ドウというのは、直径80cmほどの太いビンのような形をしています。高さは、150cm程もある大きなものです。ヤツメウナギは、この中に入ってしまうと出られないので捕まえることができます。

ヤツメウナギは食べられる?

食用にするならカワヤツメ


ヤツメウナギで食用に向いているのは、カワヤツメといわれる種類です。日本には、カワヤツメの他にもヤツメウナギの種類があります。とはいえ、食用としておすすめできるのはカワヤツメです。

スナヤツメの中にも食用にできるものもあるようですが、主に調理用として扱われているのはカワヤツメになります。産地のスーパーなどでは、ぶつ切りにしたヤツメウナギも販売されているようです。

ヤツメウナギを使ったおすすめ料理をご紹介

見た目は鰻のような姿をしているヤツメウナギですが、少し口元がグロテスクなので食べず嫌いの方も多いようですね。

でも、北海道などのヤツメウナギの産地地域では、かば焼きやなべなどの食べ方で普通に調理されているようです。そんなヤツメウナギのおすすめ料理をレシピと一緒にご紹介しましょう。

ヤツメウナギを使ったおすすめ料理①【かば焼き】

さばき方やレシピはうなぎのかば焼きの要領

ヤツメウナギの定番レシピといえば、やはりかば焼きですね。うなぎとはちょっと違った食感を楽しむことができます。甘辛いたれに絡んだ旬のヤツメウナギは、コリコリとして独特の風味と食感です。

調理方法は、ウナギのかば焼きを作るのと同じ要領で調理します。まずは、頭を釘などで固定したヤツメウナギを包丁でさき、内臓を取り出しましょう。

よくあらったヤツメウナギを湯通しして臭みをとります。ヤツメウナギは脂が多いので、少し長めに湯通しがおすすめです。湯通しの後は、氷水でヤツメウナギの身を締めます。後はグリルで焼いてかば焼きのタレに絡ませるだけです。

かば焼きのタレのレシピ

一般的な蒲焼のタレは次の通りです。みりん・酒・砂糖を先に入れて沸騰させアルコールを飛ばした後に残りの材料を加えれば、かば焼きのタレの完成です。
●酒少々
●塩少々
●酒150cc~200cc
●みりん大さじ2~3
●砂糖大さじ1
●醤油大さじ4
●山椒 適量

ヤツメウナギを使ったおすすめ料理②【刺身】

歯ごたえのよいお刺身

料理レシピを説明するまでもないのが、お刺身です。新鮮な獲れたてのヤツメウナギを素早くさばいてそぎ切りに擦ればお刺身の出来上がりです。

一般的な魚のお刺身をイメージすると少し食感も味わいも違います。どちらかというと鶏のモツを刺身にしたような食感です。歯ごたえがあり結構かみごたえがあるといえるでしょう。

わさび醤油もいいですが、生姜醤油でいただくのがおすすめです。

ヤツメウナギを使ったおすすめ料理③【味噌汁】

朝食の1品としてもおすすめ

栄養素が豊富に含まれているヤツメウナギは、滋養強壮にも効果があるといわれています。朝食のお味噌汁の具にヤツメウナギを加えてみるのもいいですね。

一日の元気パワーをもらえるかもしれません。お味噌汁には、大豆サポニンが含まれており健康食としてもおすすめです。栄養価の高いヤツメウナギと組み合わせることでより健康的な生活を維持することができるでしょう。

ヤツメウナギ料理を楽しめるお店

八ツ目や にしむら


「八ツ目や にしむら」は、うなぎのお店として知られています。東京・巣鴨にある本店は、90年以上にわたる秘伝のタレと備長炭での焼き上がりが絶品です。

そんな「八つ目や にしむら」では、アラスカ産の天然ヤツメウナギをいただくことができます。おもなレシピは、定番のかば焼きと味噌煮です。
 

「八つ目や にしむら」店舗情報

●営業時間:10:30~19:00(ラストオーダー/18:30まで)
●店舗住所:東京都豊島区巣鴨3-34-2
●アクセス:
JR山手線「巣鴨駅」から徒歩5分
都営三田線「巣鴨駅」から徒歩3分
●問合せ先:03-3910-1071

ヤツメ料理 こじま

ヤツメウナギの本場ともいえる北海道江別市にあるのが「ヤツメ料理 こじま」です。こちらのお店では、地元ならではの新鮮なヤツメウナギを楽しむことができます。

特に珍しいヤツメウナギの刺身は、新鮮なヤツメウナギならではの楽しみ方だといえるでしょう。「ヤツメ料理 こじま」では、お刺身とたれ付のヤツメウナギがセットになっているようです。

たれ付のヤツメウナギは、七輪で焼きながらあつあつを食べることができます。

「ヤツメ料理 こじま」店舗情報

●営業時間:11:30~14:00/17:00~20:00
●定休日:月曜日
●店舗住所:北海道江別市野幌町66-11
●アクセス:JR函館本線の「野幌駅」から徒歩10分程度
●問合せ先:011-383-2050

まとめ

調理の工夫次第でコリコリとした食感がくせになる

ちょっと見た目がグロテスクなヤツメウナギですが、意外と調理方法を工夫すれば独特の味わいを楽しむことができます。旬の季節には、刺身料理も楽しめるのが特徴です。

鍋料理やみそ汁などのオーソドックスな調理方法で簡単に料理できるから、ヤツメウナギの料理にチャレンジしてみてはいかがでしょう。

食材としては、あまり馴染みのないヤツメウナギですが、刺身などでは素材独特の食感を楽しむことができます。

うなぎが気になる方はこちらをチェック!

ヤツメウナギだけでなくうなぎのことが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

うなぎに関するいろいろな情報が紹介されています。記事を読めば、ヤツメウナギとの違いがより詳しくわかるでしょう。

初心者でも釣れるうなぎの釣り方なども紹介されているので、うなぎ釣りにチャレンジしてみるのもいいですね。