男体山について知っておこう
これから男体山に行くなら、まずは山の特徴、男体山の歴史、中禅寺湖のことなど、できるだけ予習してから行ってみませんか。
男体山の特徴
中禅寺湖の真北にそびえる日光連山の火山で、標高は2,486メートル。男体山は日光国立公園内にあり、日本百名山の1つとして著名な山です。名前からも分かる通り、隣り合う女峰山とは1対の関係です。
男体山と中禅寺
史上はじめての男体山登頂は782年(天応2年)、勝道という仏僧によるものでした。中禅寺湖の湖畔の、世界遺産にも含まれる中禅寺の開祖として知られる人物です。中禅寺と男体山は切っても切れない関係なのです。
男体山の登山ルート
毎年5月のゴールデンウィークの時期、登山路が開放されます。男体山には、幾つもの登山ルートは存在していません。中禅寺湖のほとりの二荒山神社から上るルートが一般的で、もう一つは西の戦場ヶ原から続くルートも存在します。今回は周辺のハイキングコースも含め、ご紹介しています。
男体山のアクセス
車でのアクセス
宇都宮から伸びている、日光宇都宮道路の清滝インターから、国道120号の第1いろは坂、第2いろは坂のいずれかを通ってアクセスします。ハイキングコースに合わせた駐車場に向かってください。駐車場情報はこの後お伝えします。
電車・バスでのアクセス
東武日光線で東武日光駅へアクセスします。東京浅草からは1時間50分程度です。登山口のある中禅寺湖畔の二荒山神社、または三本松まで、東武日光駅からの東武バスでアクセスできます。
男体山登山で使える駐車場
男体山周辺には、幾つもハイキングに使える駐車場があります。間違って遠い場所に停めてしまうことがないよう、下調べの上でアクセスしてください。
栃木県営湖畔第1・第2駐車場
中禅寺湖沿いのハイキングルートを歩ときも使える駐車場です。遊覧船乗り場の北側に、県営湖畔第1駐車場と県営湖畔第2駐車場があります。第1は229台収容、第2は81台収容で、それぞれ駐車料金は1日310円です。国道に面した二荒山神社前の駐車場は参拝者専用です。アクセスはお間違えなく。
二荒山神社登山者専用駐車場
登山者なら、二荒山神社境内の、登山者専用駐車場が利用できます。国道120号線から、鳥居をくぐって二荒山神社境内に入り、日光二荒山神社中宮祠宝物館と呼ばれる建物の、裏側に回り込んだ場所です。この時に入山料500円を支払います。すぐ横手に、鳥居の付いた登山口があります。
丸山駐車場
中禅寺湖畔にある県営の無料駐車場で、丸山の南側に位置しています。この駐車場は、中禅寺湖畔のハイキングルートをちょっとばかり歩く時にも使えます。
竜頭の滝駐車場
日光の名所、竜頭の滝のそばにある駐車場です。この場所も中禅寺湖のハイキングコースを歩くとき、アクセスしたい駐車場です。竜頭の滝も一緒に見るなら、こちらがおすすめできます。
三本松園地駐車場(三本松駐車場)
戦場ヶ原のハイキングルートを歩いたり、または三本松ルートから男体山を目指すならこの駐車場。国道120号線の戦場ヶ原展望所の向かいに広がっている、駐車台数200台の無料駐車場です。男体山の北側の登山口までは近いとは言えません。
志津峠駐車場
ここは男体山北側の志津乗越(しずのっこし)と呼ばれる谷あいにある道路の分岐点です。男体山の北側の登山口の目の前であり、できるだけ短時間の登山希望者や、初心者ならアクセスしていい場所です。
駐車場の地図
中禅寺湖畔のハイキングや、男体山の登山などで使える駐車場の情報をまとめた地図です。登山口まで距離が気になったりもしますが、比較的に駐車場には困らないと言えそうです。
中禅寺湖のハイキングルート
中禅寺湖のあたりは既に標高1,269メートルもある高地帯であり、中禅寺湖の周囲を歩くだけでも立派なハイキング。だから時期を問わず初心者も低難易度で歩ける、中禅寺湖のハイキングルートもおすすめします。
中宮祠〜曹蒲ヶ浜線歩道
中禅寺湖の北側の岸に沿って伸びている遊歩道で、ちょうど男体山の南側に位置しています。全長はおよそ2.7キロあり、全体が日本ロマンチック街道と並行して通っている、ロマンチックな遊歩道です。
中宮祠〜曹蒲ヶ浜線歩道の距離
中宮祠〜曹蒲ヶ浜線歩道の距離はおよそ3キロほどです。しかし栃木県営湖畔第1駐車場からの移動距離も含めると、片道およそ4キロほどです。また、竜頭の滝駐車場からだと片道3.5キロほどになります。中央の丸山駐車場を出発点にするとかなり短い散策にできます。
中宮祠〜曹蒲ヶ浜線歩道の地図
県営湖畔第1駐車場を始発点とすると、西の菖蒲ケ浜レストハウス手前の小さな岬が折り返し地点です。西の竜頭の滝駐車場を始発点とするなら、東の二荒山神社が折り返し地点になります。二荒山神社の参拝も兼ねても良さそうです。
戦場ヶ原のハイキングルート①
戦場ヶ原自然研究路
男体山の西側の戦場ヶ原で、初心者が歩いてみるべきハイキングルートです。環境省が管轄している場所で、木製の遊歩道があり、湯川に沿って北から南へと伸びています。こちらは春から冬の時期にかけ、多様な自然を体感できます。難易度は低く、初心者の日帰りハイキングにぴったりです。
戦場ヶ原とは
奥日光の日光国立公園内で、標高1,400メートル地点の高原に、400ヘクタールの貴重な湿原を見せてくれるのがここ戦場ヶ原です。神の化身である大蛇と大ムカデが争ったという地元の伝説にちなんで、この名前があります。
戦場ヶ原自然研究路の地図
泉門池(いずみやどいけ)は原生林に泉が湧く小さな池で、男体山を背後にして湖面の流木が幻想的な姿を見せています。湯川赤沼橋は小さな木造橋で、湿原の森に流れる湯川の清流を眺めるスポットです。1時間半程度のコースでは、東と西の2か所の展望台も見逃せないスポットです。
戦場ヶ原のハイキングルート②
小田代ヶ原周回線
戦場ヶ原の西側の、小田代ヶ原の湿地帯に作られている散策路です。木製の歩道が四方に伸びているのが特徴です。時期を問わず難易度も気にせず歩ける場所であり、戦場ヶ原の自然研究路と合わせても、初心者も2~3時間で回れます。
小田代ヶ原とは
日光国立公園のなかにある、標高1,405メートル地点の湿地帯です。外山、高山、戦場ヶ原に囲まれた立地で、戦場ヶ原同様にラムサール条約により保護されている、貴重な自然の宝庫です。
小田代ヶ原の地図
外山沢という川が西側に流れ、地図を見ると近隣には湯滝があり、また外山には庵滝、緑沢の滝、外山の滝と幾つかの滝があることが分かります。冬には滝が凍りつき、氷爆を見られるとしても知られます。西の端の小田代ヶ原展望台は、周囲の森林と湿地の眺めの良い場所です。
男体山の登山ルート①
二荒山神社ルート
神社の境内の登山者専用駐車場のそばの、登山口からスタートすれば、男体山のほうに登山ルートが伸びています。急斜面が多いので初心者には若干きつく、中級以上の登山者に向いています。毎年冬の時期は閉ざされますが、春から秋の時期に開放されています。
二荒山神社ルートの登山地図
神社横の登山口から山道をのぼり、4合目の中腹でいったん舗装道路に入ります。六合目からは難易度高めな、険しい岩場続きです。9合目を越えると中禅寺湖を見下ろす展望所があり、そこから見る青い中禅寺湖の風景は見ごたえありです。片道4キロ丁度、のぼり所要時間は3時間程度の登山になります。
男体山の山頂
難易度高めに感じられる斜面を上りきれば、やっと山頂の火口部に到着です。そこでは中禅寺湖を眼下にして、日光や南の足尾山地、西の日光白根山、北の帝釈山地などに囲まれた、遠方までの壮大な風景が広がります。
山頂は覆屋の付いた二荒山神社の古びた奥宮、二荒山大神の銅像、輝く謎の刀など見どころもあります。
男体山の登山ルート②
三本松ルート
戦場ヶ原西側の、三本松園地駐車場を始発点とする登山ルートです。地図のように、林道をかなり歩いて登山口までアクセスするので、登山口や男体山の山頂若干距離が長くなって難易度も中程度です。しかし登山道の少ない男体山では、春から秋の時期、このルートも欠かせません。
駐車場のレストハウス
三本松園地駐車場の向かいには3軒のレストハウスが並んでいます。ここはカフェ、定食屋、お土産屋などの複合施設で、トイレの利用もできるし、難易度の高めな登山に必要な、食品や水なども買い揃えられます。登山前と後には立ち寄ってみてください。
二荒山神社ルートの登山地図
駐車場から東へ、カラマツ林の裏男体林道が長く伸びています。大真名子山と男体山の谷間を抜けると、志津乗越と呼ばれる分岐点です。ここの登山口から男体山の北斜面を登っていきます。山頂までの上りは優に5時間で難易度が高く感じられ、下りは3時間半程度。体力があれば日帰りも可能です。
男体山の登山ルート③
志津乗越からのルート
初心者におすすめできる、日帰り男体山登山ルートといえばこちらです。三本松ルートからの林道をショートカットし、標高1,785メートルの志津乗越(しずのっこし)の登山口を始発点とします。登山口前には小さな駐車場スペースがあります。
こちらの登山ルートの時期も、冬は閉ざされているので、春から秋の時期に向かいます。男体山の北斜面も急勾配で難易度も若干高くなりますが、短距離なため、登山初心者が短時間で登山することが可能です。
志津乗越からの登山地図
登山口を入ると志津避難小屋という山小屋、二荒山神社志津宮という小さな社を過ぎて、シャクナゲが見られる斜面を進みます。山頂からの絶景は言うまでもありません。所要時間は上り2.8キロで2時間40分、帰りは1時間半程度を見て置くと良いです。
男体山の山小屋について
男体山には二荒山神社中宮祠社務所が管理している、三つの山小屋があります。それぞれ冬の時期以外に利用できます。難易度はあるとは言え、日帰り登山も十分可能ですが、初心者も万が一のときのために覚えておくと良いです。
五合目避難小屋
男体山の二荒山神社ルートの途中にある避難小屋で、男体山の五合目です。雨風をしのいで何人か入れる程度の簡素なトタン小屋は、休憩をしたり、万が一のときには使えるといった具合です。
八合目避難小屋
小さな山小屋の割に大きな窓ガラスが特徴的です。登山ルートの八合目の登山ルートの途中にあります。こちらも梅雨の時期はじめ、雨風をよけて休憩するのに使われています。
志津避難小屋
男体山北斜面、志津乗越の登山口からほど近い地点の避難小屋です。意外におしゃれな印象のログハウスで、水場、鍋、布団など生活用具が揃っているので、ちゃっかり住みたくなってしまいます。長距離の三本松ルートを歩く時、簡易的に宿泊するのに使えます。
登山で必要な最低限の装備
男体山の山頂向きな衣服の装備
夏の7~8月にかけては男体山の山頂部も温かいですが、長袖や帽子の装備は必須です。秋から春にかけてはニット帽と手袋の装備があるべきでしょう。また、夏場は雨が降りやすい男体山なので、レインウェアの装備もあって然るべきです。
バッグの装備
男体山の登山で装備するバッグについては、身につけてかさばらないタイプを選びます。初心者からは小型のリュックを装備するか、ウェストポーチを装備するのがおすすめです。
食料の装備
小型のリュックやウェストポーチには、水筒やペットボトルの水やお茶の装備を忘れないでください。軽量でカロリーの高めなお菓子、おにぎりなども装備に加えるべき品です。難易度の高い男体山登山の途中で、補給を忘れずに。
登山ついでに見るべき名所①
日光二荒山神社
男体山を背後にしたがえ、前方に中禅寺湖を眺める、日光を代表する神社が日光二荒山神社です。世界遺産の「日光の社寺」にも含まれているこの神社は、奈良時代の神護景雲元年(767年)創建と歴史は長く、二荒山大神を祀り、男体山・女峰山・太郎山という日光三山を御神体としています。
二荒山神社の見どころ
この神社のシンボルである、朱色の立派な本社拝殿、神楽殿、中宮祠本殿など、国の重要文化財の建物が、社叢の中で厳かに並び立っています。中宮祠宝物館では、長さ3.4メートルの大太刀袮々切丸など、二荒山神社の秘宝1万点が展示されていて必見です。
二荒山神社のご利益
祭神の一柱である大己貴命は、別名を大国主神といいます。大己貴命は出雲の国造りをしたと「日本書紀」に記録のある神です。縁結び、子授け、家内安全、医療、産業・商売繁盛の神として崇められています。そんなご利益を得るため、登山前に参拝する人も絶えません。
登山ついでに見るべき名所②
華厳の滝
日光の顔の1つであり、日本三名瀑の1つに数えられる、滝の名勝です。中禅寺湖遊覧船乗り場より、東へ700メートル向かった大谷川の華厳渓谷に流れ下る滝で、その落差は97メートルもあります。
華厳の滝の見どころ
滝の東側にエレベーター施設があり、渓谷の下に降りることができます。展望台は上展望台と下展望台とあり、水しぶきを上げながら流れ落ちる滝の迫力が伝わります。
登山ついでに見るべき名所③
竜頭の滝
奥日光三名瀑に入る見事な滝、竜頭の滝は男体山の西山麓、湯川の途中にある風景です。滝の全長210メートル、滝幅は10メートルという巨大な滝が、途中で2又に別れながら大迫力で流れ下っています。
竜頭の滝の見どころ
滝の上部では、中禅寺湖を背景にして階段状に流れる滝の様子、滝の下部では2つに別れた様子がつぶさに見られます。滝に沿って伸びる階段の散策路は、紅葉を眺める上でも最高な場所の1つです。
日光で行きたい日帰り温泉
男体山の難易度の高い登山や気軽なハイキングのあとには、男体山周辺の温泉でゆったりとくつろぎ、疲労をリセットしてみませんか。日光のおすすめの日帰り温泉はここです。
日光和の代温泉 やしおの湯
日光宇都宮道路の清滝インターから1分にある、日帰り入浴の温泉です。神経痛や疲労回復にもよいアルカリ性単純温泉で、屋根付きの岩の露天風呂や、広い内湯、サウナも入れます。食堂や休憩室もあります。高速道路に乗る前に、疲労はすべて解消できそうです。
日帰り温泉 ほの香
【日光の湯めぐり】⑨きりふり温泉 ほの香 ホテルユーロシティの日帰り温泉施設で、MT甘味のある源泉がチロチロと掛け流されている。脱衣所も浴室も決して広くないのに、人でごった返していた。安さもあってか、来客途絶えぬ人気施設のようだ。 pic.twitter.com/P1pwKOmmID
— 荒ぶるラマ (@araburu_lama) July 18, 2016
東武日光駅から北へ徒歩12分、ホテルカジュアルユーロに付属している日帰り温泉です。単純アルカリ泉のお湯は、日光で唯一という自家源泉かけ流しです。竹垣と岩場に囲まれた露天風呂や内湯が楽しめます。このホテルの客室は全て露天風呂付きなので、宿泊もおすすめです。
奥日光高原ホテル
湯ノ湖のほとりに発展した、1,200年の歴史を持つ湯元温泉。奥日光高原ホテルは日帰りの入浴をしたい場所です。その理由は日帰り入浴のお風呂が広く、泉かけ流しの乳白色の硫黄温泉が楽しめることにあります。開放的な屋根付き露天風呂や大浴場で、男体山の疲れも引きずりません。
男体山ハイキングに行ってみよう
男体山や湿地の大自然、歴史ある神社仏閣、ハイキングなどあらゆる魅力が体感できるのが日光です。男体山周辺のハイキングコースは、1度ではなく何度も違う場所を歩いてみたくなりました。これからちょっと地図を片手に、男体山あたりに足を伸ばしてみませんか。
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