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刺身が絶品な魚「カイワリ」とは?その生態や食べ方、釣り方まで大公開!

カイワリというお魚をご存じでしょうか。アジの仲間でとても美味い魚。ところがあまり流通されていないため、その味を知っている人は少ないようです。これから旬をむかえるカイワリ。今回はカイワリの釣れる場所や釣り方、さばき方や食べ方まで紹介します。
更新: 2024年9月10日
kuma10
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カイワリってどんな魚?

ぷくっとした体型にぱっちりした目。とてもかわいらしいカイワリは「スズキ目アジ科」の海水魚です。お魚屋さんの店頭ではあまり見かけませんが、釣りをされる方ならば時々目にされているでしょう。

つまり釣りをされる方以外、食べる機会の少ない魚だとも言えます。最大で40㎝ほどになりますが、その大きさですと高級魚として扱われるのです。

カイワリの生態

名前の由来

カイワリは「貝割」と書きます。二枚貝を割った形を「カイワリ」と言い、植物の新芽が出てきたばかりの形を指すため「カイワレ大根」は実は「貝割大根」なんです。

魚のカイワリの場合は「尾」の形が、植物の二葉の形に似ているからだと言われています。でもなんとなく姿そのものも二枚貝のようですよね。

カイワリの生息域

まずは「生息域」からですが、分布的にはインド洋と太平洋が主な生息域になります。日本近海ですと太平洋側の北限が宮城県、日本海側の北限が能登半島。あまり冷たい海は好まないようですね。

沿岸から水深200mほどの砂泥地に生息しますので、釣れる場所はさまざま。秋に産卵期を迎えるために、夏場が旬になります。

カイワリの習性

行動の特徴は群れでの生活になります。釣れる場所では一荷釣りになることが多いですし、沿岸の網に大量に入ることもあるのです。食性は「肉食」で、砂泥地のエビやカニなどの甲殻類や泳いでいる小魚(ベイト)を捕食することもあります。

口の中に「ノエ」が寄生することが多いのでちょっと気持ち悪いですが、これも流通を妨げている一因かもしれません。

ノエ(シマアジノエ)

一時大流行した深海に住む「オオグソクムシ」の仲間です。よく見るとかわいいのですが、釣れ上がってきたカイワリの口の中を覗いた時にこいつと目が合うと軽いパニックを起こします。毒性はないので取り除いてから料理しましょう。

カイワリの釣り方

カイワリの釣れる場所

釣れる場所はそれこそ「どこでも」なのですが、陸っぱりであれば潮通しの良い堤防の先から「遠投サビキ」、船釣りですと浅場の砂泥地で「サビキの太仕掛け」、深場であれば「ジギング」が有望です。

釣れる場所、釣れる時期は周年で決まってくる魚ですので、まずは「釣れる場所」を把握しましょう。関東なら静岡の伊東、千葉の洲崎あたりが釣れる場所となっています。

カイワリ釣りの仕掛け

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釣れる場所によって仕掛けは変わりますが、代表的な仕掛けは「ジグ」です。肉食の習性のためショアからでも海上からでもジギングが有効。仕掛けの特徴としてはアイにアシストフックを付けることです。

カイワリは仕掛けの前から仕掛け全体を「吸い込むように」捕食してきます。通常フックだけの仕掛けでの釣り方ですと「アタるけどのらない」ことが多発するのです。


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ジグやサビキなど、釣り方は釣れる場所や釣れる時期次第ですが、カイワリはけっこう浅場で食ってくる魚。どうも色の識別ができている魚のようです。

サビキなどの場合は釣れない時に釣り方を変えるのではなく、サビキの色に注目した方が良い場合があります。カラーミックスサビキなどで色を変えて探ってみましょう。経験的には「緑」がおすすめです。

店先で購入するなら旬を逃さず

魚の場合「旬」は大量に獲れる時期。ふだん店頭にあまり並ばない魚も、旬の時期にはひょいと並ぶことがあります。また欲しい魚の旬の時期を知っていれば、魚屋さんに頼んでおくこともできるでしょう。

そして何より大量に収獲される時期は安価で手に入ります。安くて美味しい旬の魚は、魚屋さんに注文しておくか市場に直接買いに行きましょう。案外簡単に手に入りますよ。

カイワリのさばき方

基本的な三枚おろし

皮をひいてしまうからとウロコ取りをおろそかにしてはいけません。最初でウロコをひいておくと皮引きが楽できれいにいきます。さばき方の第一段階、「ウロコひき」と「ゼイゴひき」はアジ科の魚のさばき方の基本です。

さばき方のコツ

次は包丁の入れ方です。頭を落とし内臓をはずしたら、腹側の上身から包丁を入れます。その時少しもったいないですが、刃を45°くらいの角度で入れて下さい。

これは背から包丁を入れる場合も同じです。骨に当たって初めて刃を寝かせていきましょう。最初から寝かせていくと中骨に身がたくさん残ってしまいますよ。

カイワリ料理1「刺身」

絶品!

アジのお刺身が美味しいことは皆さんよく御存じでしょうが、カイワリのお刺身はまったくの別格、絶品です。釣れたてのカイワリの刺身は甘さと歯ごたえがたまりません。

また、これはレシピではありませんが「何日か寝かせてから」お刺身を切ってみて下さい。旨味が増し、食感も良くなります。筋線維のきめ細かい魚は寝かせることで美味くなるのです。

カイワリ料理2「塩焼き」

20㎝前後なら

30㎝オーバーのカイワリならば食べ方は刺身がおすすめですが、よく釣れる20㎝前後のものの食べ方なら「塩焼き」がおすすめ。これは尾頭付きでいきたいですね。

さばき方は簡単。包丁を肛門からアゴまで入れ、エラ蓋の中に指を入れてエラを身から引きはがします。内臓まで一緒に取れますので、よく洗って塩を振りましょう。

塩焼きレシピ

流水でよく洗ったカイワリの頭を左にした側の身に飾り包丁を入れます。画像では反対ですね。水気を拭いたカイワリに軽く塩を振って10分ほど置きます。

焼く寸前にヒレに厚めに塩をして(化粧塩、ヒレが焼け落ちないよう)、「遠火の強火」で包丁を入れた方から焼いていきましょう。焼き方は「表4、裏6」の割合で焼きます。ふわっときめ細かい身がたまりません。

カイワリ料理3「煮付け」


濃いめの味付け

煮付けのレシピは各家庭で味が違うので一概には言えませんが、コツは「ちょっと濃いめ」です。レシピの一例を載せておきますが適当にアレンジしてみて下さい。

カイワリ一匹に酒100㏄、醤油大さじ4、砂糖大さじ4、みりん大さじ2です。料理時間は10分ほど。ごはんに煮汁を掛ける食べ方も、煮汁にお湯を足しておつゆにする食べ方も美味しいですよ。

カイワリ料理4「サンガ」

漁師料理の決定版

千葉県の郷土料理「ナメロウ」を焼いたものをサンガと呼びますが、類似のレシピはあちこちの漁師町に存在します。その中で美味しかったレシピを一つご紹介。まず大きめのカイワリを刺身に切ります。さばき方は前述のものを参考にして下さいね。いわゆるサンガより香味野菜は少なめに作ります。

カイワリハンバーグレシピ

刺身を包丁で叩いていきます。粘りが出るまで叩いたらネギ、大葉、ショウガを投入してさらに叩きましょう。そこに卵黄1個と親指の先ほどの味噌、みりんを小さじ1混ぜてまた叩きます。実はここで食べても美味しいです。

これを手でこねてから丸めフライパンで焼いていきます。焼き油はごま油がおすすめです。ご飯にもお酒にも合う食べ方となっています。

カイワリ料理5「お吸い物」

あっさりレシピ

お刺身や煮付けにした時カイワリの頭が残ることがあります。二つに割って良く水洗いしてちょっと強めに塩をしておきましょう。

使う時に塩を洗い落とし魚焼きグリルで焦げ目がつくまであぶり、水500㏄にお酒を大さじ2入れたもので煮ていきます。塩で味を整えてお吸い物のできあがり。具はとうふとネギがおすすめです。

その他のレシピ

アジと同じ食べ方

カイワリは希少な魚とはいえアジの仲間です。アジの食べ方ならたいがい美味しくいただけます。お刺身の次におすすめなのが「アジフライ」です。

軽くウロコを剥いだカイワリに小麦粉を振り、溶き卵にくぐらせたらパン粉を厚めに付け160°ほどの油で揚げていきます。美味しく揚げるコツは「ゆっくり揚げる」こと。アジの感覚で揚げると火が入りきらないので気を付けましょう。

素材としては最高の魚

いろいろ紹介して参りましたが、カイワリはどんな食べ方をしても美味しい魚です。特徴は「火を通してもあまり固くならない」ことでしょう。

もともと魚が固くなりずらい調理法の、中華料理の清蒸(チンジョン)やイタリアンのアクアパッツァなどは割愛しましたが、手に入れたあかつきにはぜひやって欲しい食べ方です。

カイワリの旬はいつ?

カイワリは実は季節を問わず美味しい魚です。大きい物は大きいなりに、小さいものは小さいなりに大きさにあった食べ方、さばき方があります。ただ生でいただくのであれば、やはり大きい物がおすすめです。

お刺身やお寿司で美味しいのはやはり産卵前の「夏」から「初秋」になります。この頃のカイワリをお刺身で食べると「お刺身ランキング」が入れ替わるでしょう。

カイワリの類似魚


ナンヨウカイワリ

カイワリと同じ「スズキ目アジ科」の海水魚ですが、小笠原や奄美大島以南でよくあがります。表面はつるつるで鱗は少ない魚です。

釣り方、食べ方はカイワリと同じですが、ちょっと旨味が薄い魚。南洋系の魚にありがちな臭みはありませんが、脂ののりもカイワリほどではありません。最大で40㎝ほどとサイズもカイワリとかわらないのです。

ホシカイワリ

こちらはカイワリと名前は付いていますが最大のものは18㎏ほどになる大型魚です。釣れる場所は熱帯・亜熱帯の海で、スポーツフィッシングのターゲットになっています。

釣り方はジギングがメイン。いわゆる「GT(ジャイアントトレバリー)」の仲間ですね。3~4㎏のものは脂ののりも良くどんな食べ方でも美味しくいただけます。

似た位置にいるイトヒキアジ

カイワリと同じような位置にいるのが「イトヒキアジ」です。どうですか、姿も似ているでしょう。生息域もかなり被っていますし、実は味も似ています。カイワリ狙いでの釣行であがることも多いので、よろしければこの記事を思い出してくださいね。

イトヒキアジについてもっと気になる方はこちらもチェック!

「暮らし~の」のサイト中に「イトヒキアジ」に詳しい記事がありましたのでこちらに掲載しておきます。あわせてチェックしてみて下さい。

カイワリを味わってみよう!

なかなか手に入りずらい「カイワリ」ですが、5月以降、旬をむかえ美味しくなります。市場や魚屋さんにでも注文を入れておけば手に入る確率が上がるのではないでしょうか。もし融通の利く魚屋さんが近所に無いのであれば、ぜひご自分の手で釣り上げてその味を堪能して下さい。絶品ですよ!

カイワリの生態がもっと気になる方はこちらもチェック!

「暮らし~の」のサイト中にカイワリの生態などに詳しい記事を見付けましたのでこちらに掲載しておきますね。あわせてチェックしてみて下さいね。