山と高原地図 奥多摩 2022
セイバー4ロウ アウトドライ
GPS
モンベル ストラリッジテント
ナルゲン フォールディングカンティーン
登山コンパス
シュラフ
コールマンシングルバーナー
登山 ソックス
ミドルレイヤー
日本二百名山でも難易度が高い大無間山
大無間山(だいむげんざん)という山、もしかすると一般にはあまり聞かれない山かもしれません。しかし、この山は、登山者の間では、登頂が困難な山として知られている有名な日本二百名山のひとつです。
大無間山とは
大無間山は静岡県にあります。赤石山脈の南部にある標高2330mの山で、山頂には一等三角点が置かれています 。ふもとには大井川が流れ、井川ダムの人造湖である井川湖がたたずんでいます。周辺の山域は景観が素晴らしく奥大井県立自然公園に指定されています。
日本二百名山とは
日本二百名山は、日本百名山を書いた深田久弥氏を師事する「深田クラブ」によって、クラブ創立10周年を記念して1984年に選定された日本の代表的な200の山のことです。深田久弥氏が選んだ日本百名山に次ぐ100の山を選定し加えたものです。夏は登山できるルートがなく残雪期にしか登れない山や、登山ルートはあるが山頂までのアクセスが往復7時間以上を要する山など日本百名山に比べて難易度が高く、初心者には難しい山が数多く選ばれています。
奥大井県立自然公園とは
奥大井県立自然公園は、静岡県の北部にあり、南アルプス国立公園と隣接しています。大井川上流域と、安倍川上流域がその範囲です。面積は85311haで。1968年に指定されています。ここには、南アルプスあぶとラインが走っています。土砂崩れで一時不通になりましたが、現在は復旧しています。秘境の路線として有名です。天気がいい日のあぶとラインからの眺めは絶景です。
赤石山脈とは
赤石山脈は、長野県、山梨県、静岡県にまたがって連なる山脈です。通称南アルプスともいわれています。飛騨山脈(北アルプス)、木曽山脈(中央アルプス)と合わせて日本アルプスと呼ばれる事もあります。初心者の入山を許さない、難易度の高いコースのある山がたくさんあります。天気が変化しやすく遭難者も多く出しています。
大無間山の登山は
大無間山の登山について詳細に説明します。大変難易度の高い山です。崩壊地が数多く滑落の危険度も高い山です。登山する場合は、念には念を入れて最新の情報を入手して登りましょう。
大無間山の登山の難易度
大無間山は、どの登山口からのコースでも山頂まで片道7時間以上かかります。体力的には初心者にはとても厳しい山です。さらに、かつて大無間山に登る最も一般的なルートであった田代温泉の諏訪神社登山口から小無間小屋、鋸歯、小無間山、大無間山と向かうルートの通称鋸歯周辺は、崩壊が激しくなっています。ということから、日帰りができる正規のルートはありません。
日本の山の難易度ベスト3
登山者や著者によっても違いはありますが、誰の記述でも、日本の山の難易度ベスト3といえば、ここ大無間山が挙がるほどの奥深く遠い山です。剱岳や北岳、甲斐駒岳、奥穂高岳などの山々と難易度という点では劣りません。ただし、ここ大無間山には岸壁をザイルで登坂するようなルートではないので、技術度よりは体力度が高い山といえるでしょう。
静岡県山のグレーディングに見る難易度
大無間山の難易度を静岡県が定めた山のグレーディングで見てみましょう。田代温泉からの登攀ルートが掲載されています。体力的難易度は10段階中の6で、1泊から2泊以上が適当となっています。技術度難易度はAからEの五段階中で最大難易度のEにランクされています。また、注意書きには、『小無間山の手前で登山道が崩落しているため、転落・滑落の危険が極めて高くなっています。十分な知識・技術・装備がない方は入山しないでください』と書いてあります。
大無間山は初心者でも登れる?
このように体力度でいえば日本一の難易度を誇る山ですから初心者にお薦めはできません。ただし、ロッククライミングのような特殊な技術が必要なルートではないため、初心者でも体力に自慢のある方なら、ベテランの方の同行かつ、それなりの装備があれば登頂は可能です。もちろん日帰りは初心者には無理です。かなりベテランの上級者でないと難しい山です、基本テント泊が必須の山です。
大無間山は日帰りできるか
田代集落にある諏訪神社からのピストンが最も短時間で登れるルートです。急登とアップダウンが激しい往復約20kmのルートです。かなりの健脚で登山経験が有る方ならば何とか日帰りは可能でしょう。ネット上の登山のレポートには、日帰りで登っている人も見かけます。早朝に出かけて夕方6時まで14時間のコースとなります。また、先程も書いたように崩落した鋸歯を通過するルートなので滑落や遭難の危険性があります。初心者に限らず必ずパーティを組んで入山しましょう。
大無間山の頂上の眺望は
頂上はシラビソやコメツガなどの樹林に囲まれており展望はありません。しかし、頂上付近小無間山までの登山道は、途中何カ所か展望が開けています。天気が良ければ、富士山、南アルプス南部や安倍奥(阿部川の上流域)の山々の眺望は素晴らしく、この山を征服した達成感と併せて味わいたいものです。
大無間山の天気は
大無間山山麓はおよそ650mで山頂は2330mですから1700mの標高差があります。ですから単純に10℃の気温差があります。風が吹いたり雨が降ったりすれば、さらに体感気温は下がります。また、山麓が晴れていても山頂の天気は分かりません。天気図を読むことや天気予報を必ず確認しておきましょう。なお、昨年の時点でドコモの携帯は概ねつながるようです。
大無間山の難易度別登山ルート
比較的登山者がいるルートは ① 静岡市葵区田代温泉 → 小無間山 → 大無間山(8時間) ② 寸又峡(朝日岳登山口) → 日向沢 → 大無間山(11時間半) の2ルートです。その他に、尾盛駅(7時間)や明神橋登山口(8時間11km)や畑薙湖登山口(12時間18km)からの記録がありますが、いずれも自己責任のバリエーションルートです。日帰りが可能なのは、田代温泉からのルートだけです。どのコースも難易度は高いですが、①は、技術的難易度が高く、②は体力的難易度が高いです。
登山口までのアクセスは
登山口までのアクセスが遠いことがこの山をさらに困難にしています。また、登山口までは行けてもその先の登山道の状況は刻々と変化していますので、登山口までのアクセスや登山ルートについては、最新の情報を元に登山しましょう。また、天気がくずれると遭難の恐れがあります。天気のチェックも大切です。
寸又峡登山口までのアクセス
寸又峡温泉までのアクセスは、電車とバスを乗り継ぐか車でのアクセスです。電車の場合はJR東海道線金谷駅から大井川鉄道で千頭まで一時間、さらに南アルプスあぶとラインを三十分ほどで奥泉駅まで行きます。そこからバスに乗り換え30分です。自動車の場合は静岡SAから千頭を通り約一時間半です。寸又峡温泉からは約45分歩くと朝日岳登山口に到着します。
田代温泉登山口までのアクセス
東名高速道路静岡IC から県道74・27・60号線経由のルートで約80キロ(2時間半)です。電車の場合は南アルプスあぶとラインの終点井川駅で降りてタクシーで20分です。駐車場は「てしゃまんくの里駐車場」がありますがここは登山者の車は駐車できません。トイレは使えます。諏訪神社の手前に数台駐車できます。
尾守駅までのアクセス
尾盛駅は秘境駅ランキングでも上位常連の南アルプスあぶとラインの駅です。下車しても同駅の周辺には道路も歩道もなく、井川線でしかアクセスができない場所です。車の場合は、接岨峡温泉駅付近に駐車し、そこから約1時間歩くことになります。
正規の登山ルートは二つ
登山ルートは山と高原地図で確認
山と高原地図に掲載されている登山ルートは、寸又峡から展望お立ち台を通るルート一本となります。歩行時間片道11時間半の超ロングコースです。もちろんテント泊が必須です。しかし、このルートも林道の崩壊により入山できないという情報もあります。田代温泉登山口からは小無間山手前の通称P1までのルートがありますが、そこから先は崩壊地で登山禁止となっています。
山と高原地図 奥多摩 2022
寸又峡から大無間山頂へ
寸又峡から大無間山頂へのルートは、朝日岳登山口を経由し展望お立ち台から山頂へ向かうルートと、寸又川右岸林道から千頭ダムを抜け展望お立ち台に向かう2つのルートがあります。どちらも難易度は変わりません。また、朝日岳登山口から朝日岳山頂を通り展望お立ち台へ向かうルートもありますが、バリエーションルートとなります。林道の状況は最新の状況を把握しておでかけください。1泊から2泊のテント泊となります。体力的難易度の高いコースです。
田代温泉登山口から大無間山頂へ
田代温泉登山口からは雷段を経て通称P4、P3、P2、P1を通り鋸歯と呼ばれるナイフリッジ(崩壊地)を抜け小無間山頂、大無間山頂へ向かうルートです。このルートはわかりやすいことや、短時間で山頂に行けることから登山者は少なからずおります。このルートだけが日帰り可能ですが、遭難などの非常時に備えてテント泊の準備は必要です。現在は正規のルートではありません。技術的難易度が高く、初心者にはお勧めしません。自己責任で登山してください。
バリエーションルートは要注意
バリエーションルートとは一般ルートではない、より困難な登山ル-トのことです。マークや踏み跡がある場合もありますが、基本的には地図で位置読みをしながら登山することになります。上級者向けのルートです。2万5千分の1の地形図に登山道が載っていることもありますが現在通れるかは分かりません。
尾盛駅から大無間山頂へ
尾盛駅からは、大無間山頂から南東に向かう稜線上を登るルートがあります。このルートもバリエーションルートですので目印や踏み跡をはずないように、そして地図で位置を確認しながら登るテクニックが要求されます。もちろん日帰りはできません。テント泊の装備は必須です。尾盛駅は、あぶとラインでしか来ることができず、駅の周りにはなにもない駅で有名です。
明神橋から大無間山頂へ
田代温泉から約30分車で走ると畑薙ダムの手前に明神橋があります。その辺りの空きスペースに駐車します。ここの登山口からスタート、崩れた階段、多くの枯葉、不安定な岩がごろごろです。小無間山までのコースはテープがありますが、透明になりかけた古いものが多いです。急登や、単なる狭いわかりにくい斜面もあり、バリエーションルートとなります。このルートも日帰りはできません、また、水場がないため、多めの水とテント泊の準備が必要です。
畑薙湖から大無間山へ
登山口までのアクセスは畑薙ダムを目指します。ダムの周辺に車が止められます、ここから、大根沢山頂を抜け、大無間山に向かうルートです。途中、テープ等があるため、基本的には地図/コンパス/高度計があれば歩けるルートです。しかし畑薙ダムから大根沢山までは、明瞭な尾根筋が見にくいため、GPS無しでは難易度が高くなります。遭難を避けるためにも、GPSを購入して持参しましょう。もちろんこのコースも日帰りはできません、テント泊が必須のバリエーションルートです。
GPSを持参しましょう
登山において、自分の位置を確認することは非常に大切です。地図だけで判断できることもありますが、知識や経験が必要となりますのでこのようなGPS製品を持参することは大切です。
GPS
【マルチスポーツ対応 ハンディGPS】GARMIN(ガーミン) eTrex 10J (日本語版) 010-00970-06(97006) [登山 衛星 電子コンパス 測位]
山域内の山小屋
この山域に有る山小屋は標高1790m付近の小無間小屋だけです。もちろん無人の避難小屋で、収容人数は10人前後、近くに水場はありませんから、水は持参となります。また、夜はかなり冷え込みますから寝具や防寒着は必須です。最初から山小屋頼みの計画は避けましょう。ですからテント泊ができる装備は必須です。
テントは必須
モンベル ストラリッジテント
軽量でありながらも、引き裂き強度に優れた生地を使用したフライシートです。凍結しにくいジッパーや効果的な換気が可能なベンチレーションを搭載しています。スタッフバッグ付き。
テントは軽量コンパクトで、防水性通気性に富む製品がおすすめです。特にこの山は水場がないので水を大量に保つ必要があります。その分テントやシュラフ等は軽量のものが最適です。
大無間山の水場は
田代温泉登山口は諏訪神社前の前に水場があります。こちらが唯一の水場となります。最低でも2日分4Lの水は補給しておく必要があります。その他の登山口からのルートは水場はありませんので、登山口へのアクセス途中で水を補給しておく必要があります。登山中はどのコースでも水の補給はできないと思ってください。
大量の水を運ぶには
ナルゲン フォールディングカンティーン
パックタイプのボトルです。 使用時には自立可能、使用後はコンパクトに収納可能です。
水は命をつなぐ大切なものです。大量に運べてコンパクトな製品がおすすめです。
大無間山の遭難は
山頂のすぐ手前には遭難碑があります。『坂本義一さん(享年23歳)が大無間山から小無間山へ向かう途中で急速に発達した低気圧による吹雪により、道に迷い力尽きてここに眠る』と読めます。日付は、『1965年5月3日』です。50年以上前です。また、2010年には遭難者の遺体が見つかったとの情報もあります。入山者はそれほど多くありませんから、遭難者の報告は少ないですが、悪天候や積雪時は注意が必要です。
地図とコンパスは使えるように
登山コンパス
スントSUUNTO COMPASS A-10NH 北半球用 コンパス / エ-・テン SS021237000 方位磁石
地図とともにコンパスは必携です。遭難を防ぐために、使いやすく性能の良いものを選びましょう。もちろん地図読みの訓練をしてから入山しましょう。
大無間山登山の装備
どのコースも登山口からたいへん遠いことから、テント泊ができる装備は準備する必要があります。また、2000mを超える高山ですから天気によっては山頂での冷え込みがとても厳しいです。防寒着や雨水を凌ぐアウターなどが必要です。テント場は、大無間山山頂周辺などに比較的広い場所がありますからここを利用します。
シュラフ
MAMMUT マムート 寝袋アユンギラック ラファー ダウン EMT 3シーズン Ajungilak Lahar Down EMT 3-Season 180R
シュラフは軽量コンパクトで、寒さにも強いダウンがおすすめです。サイズや用途、使用可能温度などを調べておきましょう。
大無間山登山の食事は
基本的には最低でも一泊のコースですから、朝昼晩の食事は自前で準備します。炊事場も水場もありませんから、それなりの装備や食料品を持参します。当然、遭難や滑落などの危険性もありますから、行動食や非常食は多めに持参しましょう。
温かい食べ物は疲れを取る
バーナーは、手軽にお湯を沸かしたり、調理したりするために必要です。風や低気温でも性能が保てるものを選びましょう。
コールマンシングルバーナー
コールマン シングルバーナー アウトランダーマイクロストーブPZ 203535 +純正LPガス 230g 5103A230T 1個 2点セット coleman
大無間山登山の靴は
崩壊地が各コースにありますから、滑落や遭難の危険があります。厚底で滑りにくい登山靴を準備しましょう。また、非常に長いアクセスですから、足腰への負担は避けたいものです。中敷きや靴下なども併せて揃えましょう。初心者は、特に靴はよく調べて購入してください。
セイバー4ロウ アウトドライ
ザンバラン 登山靴 Zamberlan トレッキングシューズ GORE-TEX防水
登山靴は地面と体が触れあうギアーです。特に大無間山の登山では1から2泊の縦走となります。防水性能の高いゴアテックスの製品で、捻挫を保護するハイカットの商品がおすすめです。
侮れないソックス
意外と大切なのは中敷きとソックスです。靴の性能をさらに引き出す商品です。保温性能や疲れやショックを緩和するクッション性能の高いものを選びましょう。
登山 ソックス
ファイントラック メリノスピン ソックス EXPロング 高い保温性とクッション性に富んだハイエンドモデル。 冬季または厚手を好む方へ。
大無間山登山の服装は
大無間山の登山コースは5月から10月までが適期です。服装はその日の天気や気温にされます。下着のほか、アンダーシャツ、ミドルレイヤー、防寒着、アウターなどを状況に応じて重ね着することが基本となります。当然雨具も必要です。日帰りでないため、着替えも準備する必要があります。
ミドルレイヤー選びは大切
ミドルレイヤー
Marmot マーモット 長袖ジップシャツ 男性用 ヒートナビロングスリーブジップ HEAT NAVI L/S ZIP 山登り・トレッキング ミドルレイヤー
重ね着ので、重要なアイテムはミドルレイヤーです。厚いときには、アウターを脱いで、ミドルレイヤーで登山することができるような選択が大切です。
まとめ
以上大無間山について紹介しました。南アルプスの最深部に有る日本二百名山、難易度は日本でも指折りです。ここ、どのルートでも厳しいこの山を訪れる登山家が耐えないのは、達成感の素晴らしさと眺望の良さです。初心者にはおすすめできませんが、体力に自身の有る方、自分の限界を高めたい方、ぜひ大無間山に挑戦してみませんか。
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