お料理の名脇役のゆず
冬になると出回るゆず。決して主役にはなれないけど、ちょっと添えるだけでお料理がぐっと上品になる名脇役。香りが命と言っても過言ではありません。鮮度のよいゆずほど、爽やかな芳香を放ちます。保存方法は、いかに香りを失わず保存できるかがポイントとなります。
新鮮なゆず 3つの見分け方
新鮮なゆずの見分け方①ハリのあるものを選ぶ
新鮮なゆずは、皮につやとハリがあります。柔らかすぎるものは水分が蒸発して、果肉がスカスカになっている可能性があります。水分がないということは、香りの成分も蒸発してしまっているということ。実際に手に取って感触を感じてみましょう。
新鮮なゆずの見分け方②切り口を見る
新鮮さを見分けるには、切り口もチェックしてみましょう。収穫して時間がたったものは切り口が茶色く変色していて、芳香も弱くなっています。枝をよく見て、新鮮なものを選びましょう。
新鮮なゆずの見分け方③香りをかぐ
いちばん大切なのは、自分で実際に手にとってかいでみることです。爽やかで酸味の強い芳香を放っているものこそ、新鮮な証です。ゆずは香りが命。その効用を余すことなく使いたいものです。
ゆずの保存方法①常温で保存
新聞紙でくるんで保存
旬は10月~12月。この季節になると、庭木にたくさんゆずが実っているのはお馴染みの光景です。気温の低い冬では、常温保管が可能です。ただ、水分が蒸発しないように新聞紙にくるんで直射日光のあたらない場所に保存するのがよいでしょう。
常温での日持ちは1週間
保存期間は約1週間です。1週間を過ぎると、水分が飛んでゆずならではの香りが弱くなってきます。食べきれない場合は、冷蔵もしくは冷凍保管するほうが賢明です。
ゆずの保存方法②冷蔵で保存
野菜室で冷蔵保存
気温の低い冬場なら常温保存も可能ですが、暖房のきいた部屋に長期間置くと痛みも早くなるので、野菜室に保存するほうがよいでしょう。ただこの場合も、新聞紙でくるむことを忘れずに。また、カットしたら、酸化しないようにぴったりとラップで包んで野菜室で保存しましょう。
冷蔵での日持ちは2週間
2週間過ぎるとだんだん香りが弱くなってくるので、食べ切ったほうがよいでしょう。とは言っても、1回で使う量が少量なため、使いきることがなかなか難しい果物です。そんな場合は、冷凍庫で保管するのがおすすめです。
ゆずの保存方法③冷凍で保存
お料理で使う量が少量なため、まるまる1個使い切ることが大変です。そんな時は、思い切って冷凍庫に入れてしまいましょう!皮、果肉、果汁もすべてフリージングして利用できます。いかにして香りを残したまま保存するか。上手な保存方法をご紹介します。
冷凍保存 ゆずの皮
まず最初に、ぬるま湯で手ぬぐいかタワシを使って優しく洗います。洗い終わったら水分をよくふき取り、皮をむきます。この時に大事なポイントが二つあります。一つめは、なるべく幅広く剥くこと。二つめは、裏側にある白い繊維をほどよく残すことです。
この二つのポイントを抑えることで、繊維をつぶさず、爽やかな香りを残すことができます。 切り終わったらぴったりとラップで包んでジップロックに入れてフリーザーへ。使う時は自然に解凍させて、よく水分をふき取ってから料理に使いましょう。
冷凍保存 ゆずの果肉
果肉もフリージングしてしまいましょう!柚子を半分に切って、切り口に空気が入らないようにラップでくるみ、ジップロックに入れます。果肉を使う時は、自然解凍してから搾りましょう。この時にかおりを損なわずに絞るポイントがあります。
皮に香りの成分が多く含まれているため、半分に切った断面を上にして握りながら、皮を下にして搾ります。
冷凍保存 ゆずの果汁
絞った果汁は、製氷機に入れてフリージング!凍らせた果汁は密封容器に入れて、使う分だけさっと取り出せます。1~2ヵ月くらいは香りを損なうことなく保存できます。使うときは凍ったまま使用できます。
ゆずの保存方法④乾燥させて保存
乾燥して保存 皮
乾燥させて保存することもおすすめです。なるべく幅広く剥いて、ザルに広げ、2~3日天日干しします。カラカラになったら出来上がりです。できあがったらジップロックにいれて保存しましょう。
また、香りを逃さないようにするには、幅広く剥いて、使うときに細くスライスするのがよいでしょう。
乾燥して保存 果肉
輪切りにスライスしてドライするのもおすすめです。そのまま紅茶に入れて風味付けに。お風呂に入れてゆず風呂に。見た目も可愛らしいうえに、季節を味わうゆっくりとした時間を過ごせるでしょう。
フードドライヤーを活用する
湿気の多い日本だと、カラカラになる前にカビが生えてくることも。そんな時に便利なのがフードドライヤーです。市販の便利な調理道具を使って保存してみましょう。
ゆずの種も保存して活用しよう
ゆずの種は、天然のペクチン
種をさわるとヌルヌルしています。このヌルヌルとしたものが「ペクチン」という成分です。ペクチンはジャムやゼリー作りなどに使用できます。ジャムを作るときに種も一緒に煮てしまいましょう。天然のペクチンとして種が活用できます。
ゆずの種の保存方法
種もフリージング、ドライにして保存できます。種には貴重な成分である「ペクチン」を多く含んでいるので洗いすぎないことが大切です。フリージング保存したい場合は、軽く洗い、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を切った後、ジップロックに入れて保管しましょう。
乾燥させて保管したい場合も、ザルに広げてカビが生えないように、時々、種を転がし種全体が日光に当たるように乾燥させましょう。完全に水分が飛んだらジップロックで保管するか、小瓶に乾燥材を入れて保管するのもおすすめです。
ゆずの種の活用方法
ジャムのとろみの成分であるペクチン。出汁袋などに種を入れて、ジャムを作る時に一緒に煮てしまいましょう。また、種の活用方法として人気があるのが化粧水です。種と種の5倍くらいの量の焼酎を煮沸消毒した瓶に入れて、1週間ほど冷蔵庫で保管します。
ペクチンが溶け出して、トロミのある液体ができたら完成です。日持ち期間は、冷蔵庫で約1か月。保湿効果が高いと言われているペクチンの力で、美肌も期待できます。
ひと手間加えて長期保存しよう
皮は、レモンに比べて約1.5倍ものビタミンCが含まれています。また果肉にはクエン酸が豊富に含まれ、疲労回復に効くと言われています。香りもさることながら、実は栄養満点のホールフードです。
使い切れずに捨ててしまうことがないように、ちょっとしたひと手間をかけて長期保存しましょう。
塩ゆず
万能調味料として話題の「塩ゆず」。作り方もとっても簡単です。綺麗に洗い、よく水分をふき取りみじん切りにします。ゆずの正味量の10%の塩を、みじん切りにしたものと一緒に瓶に詰めるだけで完成です。
1日に1回、綺麗な菜箸でかき混ぜれば3か月くらい日持ちします。鍋のお供に、お肉の漬けこみに、炒め物に。どんな料理にも合う万能調味料です。
はちみつ漬け
綺麗に洗い、カビの原因となる水気をよく拭き取ります。煮沸消毒した瓶に、スライスしたものをひたひたに浸る程度のはちみつを漬けて完成。時々かき混ぜて、日の当たらない場所に2~3日置いたら食べごろです。
紅茶やヨーグルトに入れたり、炭酸水で割ってゆずソーダにも。日持ちは、冷蔵庫で約1ヵ月です。
ゆずコショウ
乾燥させた皮を活用したゆずコショウもおすすめです。皮の2倍の赤唐辛子を用意します。(唐辛子はお好みの量で。)ミキサーに皮と赤唐辛子を一緒に入れて粉末にして完成です。酸味の効いた薬味として、お料理に活躍します。半年くらい日持ちします。
ゆずジャム
ジャムにすれば、冷蔵庫で約2か月日持ちします。皮と、皮の正味重量の60%~70%ほどの砂糖、果汁を煮詰めます。この時に、トロミの成分であるゆずの種をいれることを忘れずに。砂糖の量は多ければ多いほど長く日持ちします。
ゆずの効能
ゆずの効能① 皮
皮にはたくさんのビタミンCが含まれています。言わずと知れたビタミンC。免疫力を高め、風邪の予防に効くと言われています。毎年、冬至の日にゆず湯に入ると、その冬は風邪をひかないで越せると言われているのはこのためです。
また、美肌のもとであるビタミンCで、すべすべのお肌を手に入れましょう!ゆず湯にすれば、美肌効果と冷え性改善が期待できます。
ゆずの効能② 果肉と果汁
果汁を口にしたときに、酸味を感じるのが「クエン酸」です。クエン酸は疲労回復効果があると言われています。スライスしたゆずをお風呂に浮かばせ、体の芯から温まり日頃の疲れを流しましょう。
ゆずの効能③ 種
先述した通り、種には豊富なペクチンが含まれています。ジャムのトロミをつける他に、お腹の調子を整えたり、便秘を予防する効果が期待できます。昔は、種、皮、果汁を使った民間薬から漢方薬まで使われていました。
多くの効能が期待できるので、捨てることなくまるごと活用しましょう。
ゆずを自宅に庭に植えてみよう
初心者でも育てやすい果樹です。ホールフードで、効能がたくさんあるゆず。自宅のお庭のシンボルツリーとして植えてみませんか。自分の庭でとれた果実でのんびり、冬のゆず仕事をするのも素敵ですね。
種から植えてみよう
せっかく種を保存してあるのだから、種から植えてみましょう。植え付け時期は3~4月頃が適期です。ペクチンは発芽を邪魔する成分なので、植える前にヌルヌルをよく洗い流すことが重要です。
水はけが良く、日当たりのよい場所であれば、どんな土でも育ちます。肥料は3月と10月、有機肥料を施します。害虫もつきにくいので、比較的育てやすい樹木です。
果実をたくさん実らせるコツ
たくさん実をつけるためには、剪定が重要なポイントとなります。柑橘類は、枝が上に直立していると実がつきにくい特徴があるので、木の形が横に広がるように、麻ひもなどで誘引し、形を整えてください。
ゆずは種を蒔いてから10年後に実をつけると言われています。10年間待ってやっと収穫した喜びは、言葉では言い表せないものになるでしょう。
ゆずの保存方法まとめ
冬になると庭木にたわわにゆずがなっている光景がよく見られます。ご近所からいただいた大量のゆずを無駄にしないように、上手に保存して最後まで無駄なく活用しましょう。
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