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春のアオリイカは最高!
秋から始まるアオリイカ釣り。年を越して春から梅雨前まで続く、いわゆる「春イカ」は大きく育ち、身が厚く甘みがあり釣り人を狂喜させます。しかし捌き方が間違っていると硬く感じます。事実大きいアオリイカの刺身は「硬い」と敬遠される方もおられます。熱を加えると柔らかいからと天ぷらばかりでは飽きてしまいます。今こそ正しい捌き方を覚えましょう。
アオリイカは捌き方次第
秋のアオリイカは柔らかい
毎年9月頃から釣れ始める秋イカは、その年の春に産み付けられた卵から孵ったイカです。当然まだ小さく、スレてもいません。ですから数釣りができます。このイカはまだ身自体が薄く、調理の仕方や捌き方などあまり関係なくサクサクコリコリといただけます。
春のアオリイカは巨大
春になるとアオリイカは産卵のために大きく育ちます。3㎏を超す個体も出てきます。こうなると刺身を切るにしても焼くにしても揚げるにしても捌き方、切り方で味がグンと変わります。ちょっとしたコツを覚えるだけで美味しい食べ方ができるので、この機会にぜひ捌き方を覚えて下さいね。
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アオリイカの捌き方1
解体方法を覚えましょう
まずは薄皮をひかずにお刺身に切る動画です。この動画で捌かれる大きさのアオリイカならば薄皮をひかなくてもある程度柔らかく食べられます。この動画でアオリイカの解体方法を覚えましょう。スミ袋を壊さないように調理しましょう。
薄皮をひかずに
秋イカや、春イカでも700gくらいまでのアオリイカなら薄皮をひかなくても柔らかくいただけます。ただし、必ず「飾り包丁」は入れましょう。柵にとったアオリイカに細かく切れ目を入れる事で薄皮が切断されてある程度気にならなくいただけます。小さめのアオリイカならばこれで充分に美味しくいただけます。
飾り包丁もう一つの理由
飾り包丁にはもう一つ大きな理由があります。細かくさいの目に切りこみを入れる事でイカ自体が「光を通しやすく」なります。アオリイカの下ごしらえが済みましたら、必ずイカを光に透かして見て下さい。もしも「白い点」や「白いうずまき」が見えたら「アニサキス」かも知れません。包丁で削り取りましょう。健康第一ですからね。
アオリイカの捌き方2
薄皮をひいて
次は薄皮をひく調理方法です。アオリイカの身に3分の2ほどの深さで切りこみを入れ、皮を剥いていきます。慣れないうちは布巾やキッチンペーパーなどで下になった身の部分を押さえながらやるときれいに剥けます。ちょっともったいない気はしますが、剥がした皮も食べ方次第でおいしくいただけます。軽く炙って食べちゃいましょう。
アオリイカの捌き方3
部位を切り分ける
アオリイカの可食部の中でちょっと特殊なのが「エンペラ」です。コリコリとした食感と甘みが特徴ですが、大きく切り過ぎると噛めないほどかたい部分でもあります。ゲソもまたかたいですけれど美味しい部分です。それぞれの特徴を活かす調理をするためにも切り方は覚えておきたいですね。
部位は違えど
部位は違ってもやることは同じです。「表皮をはずす」「薄皮を剥ぐ」「「調理に合わせて切る」だけです。ゲソに関しては下ごしらえの仕方が違いますので、後述いたします。
アオリイカの捌き方4
丁寧な薄皮のひき方
柵にとったアオリイカから丁寧に薄皮をひく動画です。難しく感じますが、「切れる包丁」と「丁寧に剥く気持ち」があれば案外簡単にできます。注意することは、柵にとった時点から「水を使わない」ことです。アオリイカは水によって旨味が流れてしまいますから、清潔な布巾などを用意して小まめに拭きながら捌いて下さい。
短冊切り
ここまで丁寧に薄皮がひけていればあまり切り方にこだわらなくても美味しくいただけます。薄皮の処理がうまくいかない時は「そぎ切り」にしたり飾り包丁を多めに入れたりして切り方に工夫が必要ですが、これならば短冊切りで充分美味しくいただけます。アオリイカは手間の分だけ美味しくなりますよ。
捌き方で違うアオリイカレシピ1「刺身」
イカ卵黄
アオリイカを短冊のお刺身にしたら、まずは「アオリイカ卵黄」を試してみて下さい。レシピというレシピではありませんが、イカの刺身はこの食べ方が1番美味いと思います。 お刺身を盛り付けたら、真ん中を少しへこませて卵黄を落として醤油を回しかけます。後は箸で卵黄をつぶし、イカに絡めていただきます。神奈川県の三浦方面の漁師飯なんですよ。
同じ食べ方でも
イカ卵黄を紹介いたしましたが、同じような食べ方でも小ぶりのアオリイカの刺身やヤリイカ、スルメイカなどの刺身の場合、イカソーメンほどの細切りにして「全卵」で食べてみて下さい。卵絡みがいいので全卵の方がざくざく食べられます。うまいですよ。
捌き方で違うアオリイカレシピ2「天ぷら」
ド定番の天ぷら
一昔前ならば天ぷらの揚げ液を作るのにはコツがいりました。しかし最近では「コツのいらない」などの天ぷら粉の台頭で天ぷらが身近な物になりました。大ぶりに切ったアオリイカを水で溶いた天ぷら粉にくぐらせて揚げるだけで美味しい天ぷらが食べられます。2分ほど揚げたらアツアツを「塩」でいただきましょう。間違いなしの美味さです。
アオリイカ天のコツ
「コツのいらない」粉を使う限りコツはいりませんが、あえてコツを言うならば液にくぐらせる前のタネは「水気を拭き」「天ぷら粉を直接」まぶしておきましょう。カラッと揚がりますよ。
捌き方で違うアオリイカレシピ3「肝」
肝は釣り人の特権
アオリイカの肝
— 伊藤 宏 (@itopiropii) January 17, 2018
めっちゃ旨いw pic.twitter.com/g4apV9fRSD
新鮮なアオリイカを捌いたら肝を食べてみましょう。濃厚な旨味と甘みのある肝は、釣り人だけが楽しめる特権です。 これもレシピらしいレシピはありませんが、ぶつ切りにしたアオリイカの肝をワサビ醤油かポン酢でいただきます。火を通す食べ方もこの後紹介いたしますが、ネットリとした旨味は生が一番感じられます。
肝を天ぷらで
イカとカマスとシロギスの下処理が終わった!
— 反橋 宗一郎 (@SORI0918) April 4, 2018
アオリイカに立派な肝が入っててこれは鮮度がないと食べれないので取り急ぎ天ぷらへ。おつまみに最高なので、仕方なく、本当に仕方なく、肝天ぷらの肴に日本酒を。
最近天気が良いので今回魚は全て一夜干しにする為開いて塩漬けに。#小料理屋反橋 pic.twitter.com/fZnZdIe3cD
個人的に肝の一番好きな食べ方は「天ぷら」です。生の時に感じた内臓のクセが旨味に変わります。 最近では「コツのいらない」や「水で溶くだけ」などと銘打った「天ぷら粉」が各種売られています。内臓だからと一括りにして肝を捨ててしまわないで下さい。さっと天ぷら粉にくぐらせて170度ほどの油で1分位揚げるだけで最高の逸品ができますよ。
捌き方で違うアオリイカレシピ4「ゲソ」
ゲソは下ごしらえが命
アオリイカだけでなく、イカの仲間はゲソ(足)が食べにくいものです。硬いですし、ぬるぬるも気になりますよね。しかし味は抜群です。下ごしらえをしっかりして美味しく調理しましょう。
塩もみをきちんと
網目の細かいザルにゲソを入れ、多めの塩でごしごしと揉んで下さい。水を2度ほど取り換えながらヌメリを切ればゲソの下ごしらえは終了です。表面を触ってみてぷきぷきした感じまでヌメリ取りができていれば最高ですが、火を入れて食べるのであれば多少は手を抜いても大丈夫です。
ゲソバターの作り方
フライパンにサラダオイルをひき、ニンニクスライスを熱し香りを出します。そこへぶつに切ったゲソを投入。さっと塩胡椒をして炒めていきます。ゲソ全体が茶色くなったらここでバター投入。一食10gくらいでいいでしょう。バターが溶けて全体に絡んだら、少量の醤油を回しかけ、焦げ醤油の香りが立ってきたらできあがりです。マヨネーズと一味を添えて。
コツはバターの後入れ
イカバターを作る際のコツは「バターの後入れ」です。いきなりフライパンにバターを入れてそれで炒める方がおられますが、バターの焦げるのが早すぎてイカゲソに火が入りません。バターは後入れでバターの香りとコクを楽しみましょう。
捌き方で違うアオリイカレシピ5「肝+身」
塩辛レシピ
アオリイカをエンペラ、ゲソ、内臓、身と切り分けて調理したら、身の端っこの部分や内臓(肝)の部位があまることがあります。あまったら肝に白くなるぐらい塩を振ってラップをして冷凍庫に入れましょう。身も細かく切って冷凍庫で1日寝かせます。次の日に内臓を水で洗い、中身を身にあえて冷蔵庫に保存します。3日目くらいから美味しい塩辛が食べられますよ。
塩辛作りのコツ
塩辛を作るコツは「なるべく身で作る」ことです。エンペラやゲソでも美味しいのですが、どうしても硬くなってしまいます。肝とのなじみも遅いので、まずは「身」だけで作ってみましょう。ごはんがとまりません。
アオリイカの調理上の注意点
寝かせるとうまくなる
寝かせたアオリイカは美味くなる、と言います。実際に調べてみると魚などに含まれる酵素のようなものはアオリイカには見当たらず、冷蔵してもうまみ成分の変化はないそうなのですが、冷凍をしたアオリイカは確かに甘みが増します。水分が抜け、細胞が均一化するためだろうと推測されています。
アニサキスに注意
前述しましたが、アオリイカに限らず魚介類を生食する場合「鮮度」は当然のことながら「アニサキス」という虫にも気を付けなければなりません。切り方を工夫し、目に見えるものを取り除いたとしても100%安全とは実は言えません。内臓の中に居る場合にはもっとわかりません。母体が死ぬと内臓から身に移動してくるアニサキスですが、それも100%ではありません。
裏ワザ(冷凍)
そこで裏ワザです。釣れたアオリイカはすぐに食べる「身」以外は冷凍してしまいましょう。冷凍することによってアニサキスは100%死滅します。そして身も甘くなり一石二鳥です。長く冷凍する場合は捌いてからラップを敷いてロールイカにし、すぐに食べる場合は釣れたままの冷凍で構いません。もちろん熱を通して食べる場合はこの限りではありません。
アオリイカの旨さを引き出す
釣具屋さんプロデュース
pointプロデュース(宇佐美本店謹製) イカの笑油だれ(醤油) 1.8L
イカそうめんなどのつけだれに。海鮮丼にぶっかけて。 ※価格は2018/05/10現在のものです。
ここでイカを美味しく食べることに特化したタレをご紹介いたします。「釣り具のポイント」という会社が監修して作られた「イカの笑油だれ」は、特にイカを刺身で食べるために作られましたが、実際には刺身全般に使えるすぐれものです。売り切れが多いのでタイミングが大事ですが、本当にうまい醤油ですので、イカや魚の食べ方に困ったらぜひ使ってみて下さい。
さあ、アオリイカを捌いてみよう!
釣り人の特権を楽しむ
イカの女王と呼ばれているアオリイカ。切り方、捌き方によって食べ方もかわります。しかし基本さえ押さえておけば難しいことはありません。切り方によっては内臓まで美味しくいただけるのですから覚えておいて損はありません。ぜひご自分で釣ったアオリイカをご自分で捌いて美味しく召し上がって下さい。釣りとグルメの世界を広げましょう。
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