ハナビシソウとは
基本情報
●学名:Eschscholzia californica ●別名:カリフォルニア・ポピー ●科名/属名:ケシ科/ハナビシソウ属 ●原産国:北アメリカ西部
特徴
花の形が大ぶりの杯型をしているのがハナビシソウの特徴です。花色はおもにオレンジ色ですが、白、ピンク、赤色などの種類もあります。花の生態は、一般的に一年草です。草丈は、20~60cmくらいになります。厚さや寒さに対しては一般的な抵抗力があるといえるでしょう。日当たりのよい乾燥気味の土地を好むのがこの花の特徴です。日本へは、明治時代に渡来してきました。花の形が「花菱」の家紋に似ていることからハナビシソウと名付けられたようです。
ハナビシソウの開花時期
ハナビシソウの開花時期は、4月中旬~6月までです。比較的開花時期が長いのもハナビシソウの特徴だといえます。また、丈夫で栽培に手間がかからないのも魅力の1つです。5~7cmほどある花が咲きます。花は、日中の日差しを浴びている間に開き暗くなると閉じるのが特徴です。
ハナビシソウの品種
オレンジ・キング
一般的なハナビシソウよりもいちだんと色鮮やかなオレンジ色が魅力の品種です。オレンジ色の鮮やかな花が、庭先を美しく飾ってくれます。花の大きさも大振りで草丈も高い品種です。ハナビシソウのカラーイメージであるオレンジ色を充分に楽しみたいという方にはおすすめの品種だといえるでしょう。
ヒメハナビシソウ
こちらのヒメハナビシソウもカリフォルニア原産の品種になります。一般的なハナビシソウに比べると草丈が20~30cmほどと少し低い品種です。花の大きさも2cmほどとハナビシソウに比べて小振りで、鮮やかなオレンジ色とは違い少し薄黄色をしています。
ローズ・シフォン
園芸用の品種であるローズ・シフォンは、ハナビシソウのイメージカラーともいえるオレンジではなくピンク系の色が特徴的な品種です。花は、一重ではなく八重に開花する品種になります。オレンジのオーソドックスアンハナビシソウと一緒に栽培すれば、鮮やかな庭を演出してくれるでしょう。
ハナビシソウの花言葉
花言葉:成功・富
ハナビシソウの花言葉には、「富」「成功」とう意味があります。この花言葉は、オレンジ色のハナビシソウが咲き乱れる原産地・アメリカ西部を見たスペインの探検家が「黄金の西部」と名付けたことが由来のようです。辺り一面をオレンジ色に染めるハナビシソウの姿が黄金に埋め尽くされた様子は、「富」「成功」という花言葉を連想するのにピッタリだったのでしょう。
花言葉:私を拒絶しないで
「私を拒絶しないで」という花言葉は、鮮やかな黄色の花で自己主張するハナビシソウの存在感を感じさせる花言葉です。比較艇大ぶりの花を咲かせるハナビシソウは、鮮やかなオレンジ色と相まって目にとまりやすい花だといえます。庭先でも目立つ存在のハナビシソウは、「私を拒絶しないで」とアピールしているようです。そんなハナビシソウの姿から、この花言葉は来ているのかもしれませんね。
ハナビシソウの育て方【栽培環境】
日当たりのよい乾燥気味の場所を好む
本来のハナビシソウは、多年草です。でも、梅雨などの高温多湿な時期がある日本では、秋まきの一年草として扱われています。ハナビシソウは、日当たりが良く水はけのよい場所を好み広い場所ならこぼれ種で自然に増やすことも可能です。ハナビシソウを育てる場所の選び方のポイントとして、参考にしておきましょう。鉢植えの場合は、できるだけ日当たり良好で乾燥気味の風通しが良い場所におくのがおすすめです。
寒さは-5℃程度まで大丈夫
ハナビシソウは、梅雨時期のような高温多湿には弱いですが、寒さには比較的大丈夫なほうです。おおむね-5℃程度の寒さなら放っておいてもよいでしょう。苗が小さな時期は、成長に影響が出やすいので不織布などの覆いをした育て方がおすすめです。寒冷地などでは、一般的な秋に種をまく方法ではなく春に種をまく方法をとっているところもあるようです。
ハナビシソウの育て方【種まき】
種まきの時期
梅雨や夏の高温多湿の時期をすぎた9月下旬~10月頃に種をまくのがおすすめです。ただし、発芽温度が15℃~20℃なので、-5℃以下になる寒冷地などでは4月~5月の春まきをする方が良いでしょう。日本ではほとんどが一年草として扱われているハナビシソウですが、梅雨を超すことが出来れば2年草や多年草として育てることもできるようです。
種のまき方
ハナビシソウは、移植を嫌う植物です。そのため、種まきは花壇や鉢への直まきとなります。庭植えの際には、土に苦土石灰を加えて中和させておくのがポイントです。また、たっぷりと腐葉土を混ぜ込み水はけを良くしておきましょう。鉢植えの場合は、小粒の赤玉土を腐葉土を6:4の割合で混ぜ合わせた土を使うことをおすすめします。種を4~5粒ずつまいた後、軽く土をかぶせてやります。発芽後は、適度に間引きしてやるのがポイントです。
ハナビシソウの育て方【水やり】
水やりはやり過ぎに注意
ハナビシソウは、水はけがよく日当たりのよい場所をこのみます。そのため水やりは、あまりやり過ぎないのがポイントです。庭植えの場合には、自然の雨水だけでも大丈夫だといえます。基本的に梅雨時から夏にかけて夏ごししない植物ですが、多年草化している場合は梅雨時期の高温多湿に気を付けておきましょう。
乾燥には比較的強い
ハナビシソウは、水分が少々足りていなくても乾燥に強い草花です。どちらかというと乾燥気味の環境を好むので、水やりを神経質に考える必要はないでしょう。ただし、水やりを忘れて乾燥しすぎるといけないので、鉢植えの場合は鉢表面の土の状態に気を付けましょう。土の表面が乾燥しているようなら、たっぷりと水やりをおこなってやります。ハナビシソウは、比較的水やりに手間がかからないのがうれしいですね。
ハナビシソウの育て方【植え付け・植え替え】
植え付け・植え替えで気を付けること
ハナビシソウは、直根性の植物です。そのため、植え替えを嫌います。植え付けの際には、根の部分を触らないようにして植え付けるのがポイントです。直根性の植物は、根を傷つけてしまうと植物にダメージを与えることになりそのまま育ちにくくなります。植え付けの際には、根にダメージを与えないよう十分気を付けてやりましょう。
直根性とは
ハナビシソウのような直根性の植物とはどのような特徴があるのでしょう。直根性の植物は、根の部分が地中深くまっすぐに伸びていくのが特徴です。根が枝分かれすることがないので、太い根の部分が気づつけられると植物に大きなダメージを与えます。植え付けの際などに根を気づつけてしまうと、そのまま根つかないことも起こるので注意が必要です。
ハナビシソウの育て方【肥料】
やせ地でも育ちやすい
ハナビシソウは、やせ地でも育ちやすい植物だといわれています。そのため、庭植えの場合は肥料をほとんど与えなくても大丈夫です。逆に肥料が多い環境では、草姿が乱れたり全体的に軟弱になったりします。また、花付も悪くなる場合があるので肥料のやり過ぎには気を付けておきましょう。
肥料を与える時期
庭に植える場合、植える際に腐葉土などを混ぜ土壌を改良しておけば後は肥料を与える心配はないでしょう。肥料を与えるなら種まき後に双葉出て本葉が数枚伸びてき時期に適量の粒状肥料を与えてやります。その後は、芽が出始めた3月中旬~3月下旬にかけて粒状肥料を与えてやるとよいでしょう。鉢植えの場合は、春と秋に1回ずつ化成肥料を少し与えてやります。
ハナビシソウの上手な増やし方
増やし方のおすすめは種まき
ハナビシソウは、直根性の植物なので移植を嫌います。そのため、ハナビシソウのおもな増やし方は、種まきになります。庭や鉢にじかに種をまく増やし方です。ポットに種をまく増やし方の場合は、ポットで苗を育てて春先に植え付けるのがよいでしょう。
株が混みすぎないよう気を付ける
増やし方で気を付けておくことは、株の間隔を混みすぎないようにすることです。おおむね株とかぶとの間隔は20cmほどあけておくのが良いでしょう。株が混みすぎると花付が悪くなったり立ち枯れ病などになる可能性があります。
種の採取方法
ハナビシソウは、花が咲いた後に長いさやができます。そのさやの部分が茶色く変色してきたら、種が熟してきたサインです。種が熟してきた頃合を見はからって、つぎにまく種の採取をしておきましょう。
ハナビシソウの選び方で気をつけるポイント
良い苗の選び方
ハナビシソウを苗から植え付ける場合、苗の選び方で気をつけるポイントについて紹介していきましょう。まずは、選び方のポイントの1つは、葉の色が濃く葉がしっかりとしているものを選ぶことです。病気や害虫がついていないかどうかを見極めることも大切です。選び方としては、芽や葉の数が多く子葉がしっかりしているものを選びましょう。根がしっかりとはっていて、根元にぐらつきがないものが良い苗だといえます。
ハナビシソウで注意する病害虫
病害虫の心配が少ない
ハナビシソウは、あまり病害虫が発生しないといわれる植物です。ただし、梅雨時期を越せないように高温多湿を嫌うのが特徴です。出来るだけ日当たりのよい乾燥気味のところで育てれば病害虫の心配はないでしょう。ただし、発芽したての頃に立ち枯れ病にかかることがあるので気を付けておきましょう。
立ち枯れ病とは
立ち枯れ病は、カビが原因で発生する病気です。幼苗木に発生することが多く、その症状は水やりをし過ぎた時のように地際の茎が腐ってしまいます。株が成長すると株全体に症状がみられるようになり急激に成長が衰えるのが特徴です。症状としては、日中になえてしまい最後には黒く干からびてしまいます。
まとめ
ハナビシソウは高温多湿に気を付けるのがポイント
ハナビシソウは、梅雨のような高温多湿時期に弱いのが特徴です。寒さには比較的耐性があるので、-5℃ぐらいまでの地域なら秋に種まきをするのが一般的な育て方になります。ただし、寒冷地などでは発芽温度の関係で春にまく場合もあります。水やりなどの手間がかからず初心者にも育てやすく、庭先を飾るオレンジの鮮やかな色が美しい花です。品種によってはピンクやミックス色などのものも楽しめます。
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