検索アイコン
Twitter
Facebook
LINE

有機肥料の種類まとめ!特徴と使い方を簡単解説

ひとくちに有機肥料といっても、植物由来のものから動物由来のものまで色々な種類の肥料があります。ガーデニングで気軽に使える肥料から、店頭ではあまり見かけない、ちょっと変わった原料の肥料まで、様々な種類の有機肥料の特徴と使い方をご紹介します。初心者必読です!
2020年8月27日
atsugon

有機肥料とはどんな種類の肥料なの?

有機肥料は、微生物に分解されてから吸収されるのが特徴

有機肥料とは、施肥される時は有機物の形で存在し、土の中で微生物によって無機物の形に分解されてから吸収される肥料全般を指します。 有機物と無機物の違いって何?と思う人もいるかもしれないので、簡単に解説します。 有機物は化学式でいうと炭素「C」が入って構成されている物質で、燃焼させると二酸化炭素を発生し、燃えカスが残ります。 生物の体の構成要素でもあり、より細かい化合物や元素に分解することができます。


有機肥料と化学肥料の種類の違いは?

有機肥料は、ゆっくりと長く効く肥料が多い

有機肥料は微生物によって分解されるので、肥料成分が効き始めるまでに時間がかかり、効果が長く続くという特徴があります。 ただし、種類によっては速効的な効果のあるものもあります。 また、肥料成分以外にもカルシウムやマグネシウムなどの中量要素や、微生物の餌となる有機物を含んでいます。 有機肥料は、原料によって性質や成分量が異なるので、それぞれの特徴を捉えたうえで、どんな野菜や花に用いるのか、どの生育過程でどんな目的で与えるのかなどの使い方を考えながら施肥する必要があります。


化学肥料はすみやかに吸収され、効果が出るのが速い

化学肥料は、植物に必要な肥料の3要素と呼ばれる成分である窒素・リン酸・カリを化学合成によって作り出した肥料です。 すでに無機物の形で存在しているため、植物体への吸収がすみやかなのが特徴です。 しかし、中量要素や微量要素は含まれていないことが普通で、土壌改良効果もありません。 化学肥料を多用していると土が痩せてくるので、有機肥料や腐葉土などの土壌改良資材と併用しながら用いるのがおすすめです。

「有機肥料」と「堆肥」と「培養土」の種類の違いは?

「有機肥料」と「堆肥」は使用する目的が異なる


ホームセンターなどに行くと、同じコーナーに並んでいる「有機肥料」と「堆肥」と「培養土」。 あなたは、この3つの明確な違いや特徴を知っていますか? 「有機肥料」と「堆肥」については、どちらも有機質の原料を使い、発酵や熟成させたものであるという点は同じです。 では、何が違うのかというと、肥料成分の含有量と目的とする使い方です。 肥料は、有機肥料・化学肥料ともに、直接植物に栄養を与える目的で使用されます。 一方、堆肥は、微生物を増やしたり、土の団粒構造を促進させることによって、土壌環境を良くするために用いられます。 簡単にいえば、肥料は「植物のため」、堆肥は「土壌のため」に用いられる資材であるといえるのです。

堆肥にも多少は肥料成分が含まれていますが、それだけでは足りないので、肥料で栄養を補給する必要があります。 ちなみに、「腐葉土」は堆肥の一種といえますが、堆肥が幾つかの有機原料を混ぜ合わせて発酵させて作ったものであるのに対し、腐葉土は基本的に落ち葉だけを原料としています。

「培養土」は、初心者におすすめのブレンド済みの用土

「培養土」とは、赤玉土やバーミキュライトなど数種類の土を混ぜ合わせて酸度を調整した土に、堆肥や腐葉土、肥料などを加えてブレンドした用土です。 店頭では、「トマト・ナスの土」「バラの土」などの商品名で売られており、それぞれの植物の生育に適した配合がされています。 土作りに時間をかけられなかったり、肥料の使い方が分からないという週末ガーデナーは、このような培養土を用いてガーデニングをスタートするのもおすすめです。 しかし、培養土は価格が高めなことが多いので、慣れたら自分で腐葉土や堆肥をミックスしてオリジナルの土を作ってみるのがいいかもしれません。

肥料の成分表示の見方とは?

市販されている肥料は、植物の成長に必要不可欠な窒素・リン酸・カリの1つ~3つを含んでいます。 主に窒素は葉や茎を育て、リン酸は花や実を育て、カリは根の成長を促進するというはたらきがあります。 肥料にどの種類の成分がどれくらいの量含まれているか、という目安は、肥料の入っている袋に表示されています。 肥料の成分表示は、3つの数字で表されていることが多く、例えば8-8-8という表示であれば、100g中の肥料の中に、窒素・リン酸・カリがそれぞれ8%=8gずつ含まれているということを示しています。 肥料の重量に応じて、換算してみて下さい。

有機肥料の原料の種類による分類とは?

有機肥料には、動物由来のものと植物由来のものがあり、両方を組み合わせたものや化学肥料を添加したものもあります。 それぞれの分類について、代表的な有機肥料を例に挙げて特徴と使い方を記してみましたので、細かく見ていきましょう。

動物性有機肥料の種類と特徴は?

鶏糞

鶏糞は、養鶏所から出るニワトリの糞を乾燥・発酵させたものです。 肥料成分が高く、窒素・リン酸・カリがバランスよく含まれており、マグネシウムやカルシウムなども豊富に含まれています。 また、特にリン酸の含有量が多いので、実を大きくしたい場合などに効果的です。 鶏糞は、比較的価格が安く扱いやすいので広く普及していますが、速効的な効果があるので、使いすぎると過剰施肥になってしまいます。 また、十分に発酵していないと臭いがきついので、使い方には配慮が必要です。

牛糞

牛糞は、豚糞や鶏糞に比べると肥料成分が少なめです。そのため、どちらかというと土壌改良資材としての役割を果たします。 牛は草食なので、牛糞には不消化の繊維質が沢山含まれていますが、これを土と混ぜ合わせることによって、微生物による分解がゆっくりと進み、土壌の保水性や通気性が良くなります。 市販されている牛糞は、「牛糞堆肥」と「乾燥牛糞」に分けられますが、牛糞単独のものよりは、おがくずやもみ殻などを混ぜ合わせたものが多いです。 水分が多く重いので、十分に乾燥・発酵させてから使います。 ほかの家畜糞に比較すると臭いは控えめで、葉物野菜などの施肥におすすめです。

豚糞

豚糞は、一般的に鶏糞と牛糞の中間的な性質を示すといわれていますが、豚は雑食なので、その糞に含まれる肥料成分量も飼育環境によって大きく左右されます。 単独で扱うと臭いが気になるので、牛糞と同様にほかの土壌改良資材と混合して取り扱われることが多いようです。

馬糞が多く出回っている地域もある

魚粉

魚粉は、イワシなどの魚を煮て水分と油分を取り除き、乾燥させたのち、粉砕して作った有機肥料です。 肥料成分では、窒素とリン酸を多く含みます。カリはわずかしか含まれていません。 アミノ酸を豊富に含んでいるため、果実の風味を向上させるなどの効果があります。 分解が速く、速効性があります。 土の表面に撒くと鳥や虫が寄ってくるので、土に混ぜて使いましょう。

骨粉

骨粉は、豚やニワトリの骨を乾燥させたのちに細かく砕いたものです。 高温高圧の蒸気で骨を乾燥処理する「蒸製骨粉」が広く流通しています。 牛の骨を原料にした骨粉は、BSE(牛海綿状脳症)が問題化した後は製造工程などが厳しく制限されるようになったため、現在は市場にほとんど出回っていません。 多少の窒素と、非常に多くのリン酸を含んでいます。 骨粉に含まれるリン酸はカルシウムと結合しており、分解速度が遅いのが特徴です。

カキ殻(有機石灰)

その名の通り、貝のカキの殻などを焼いたのちに粉砕して作った肥料です。肥料というよりは、土壌改良資材として用いることが多いです。 「カキ殻石灰」「有機石灰」などの商品名で売られていることもあります。 カルシウムが豊富で、ミネラルも多く含んでいます。 日本の土壌は酸性度が強いので、石灰を加えることでほとんどの野菜が好む弱酸性からアルカリ性寄りに土壌を中和することができます。 肥効がゆるやかなので、元肥に適しています。 食事の後に出たカキ殻を塩抜きした後、焼いて砕き、手作りの肥料を作ることもできます。

バットグアノ

コウモリの糞が洞窟の中で自然発酵し、化石化したものです。 コウモリの死骸や、昆虫が混ざっていることもあります。 採取地によって成分が異なりますが、リン酸が豊富に含まれているのが特徴です。 カルシウムや鉄分なども含まれており、炭のような水分浄化作用もあります。 肥効がゆるやかに長く続きます。価格は比較的高価です。

その他

戦前までの日本の農家では、肥料といえば「人糞尿」が当たり前のように使われていました。 しかし、現在では、西洋式トイレの普及や衛生的な側面から、ほとんど使われることはなくなっています。 人間が摂取するエネルギーは、食物を通して体内に取り込まれるのが3割で、残りの7割は排出されているというデータもあります。 人糞尿をクリーンな形で再利用することができれば、新しい循環式農業の未来が見えてくるかもしれませんね。

植物性有機肥料の種類と特徴は?

米ぬか

米ぬかは、玄米を精米する時に取り除かれる表層の部分のことです。 粉状をしており、煮物のあく抜きやぬか漬けのぬか床、洗顔料などにも広く使われています。 栄養価が高く、肥料の3要素だけではなく、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。 肥料としては遅効性で、ゆっくりと分解されます。 また、土と混ぜておくだけで、微生物の活動を促進させたり、センチュウの被害を抑制する土壌改良資材としての効果もあります。

油かす

油かすは、大豆や菜種などの植物の種や花から油を搾った後に残るカスのことをいいます。 肥料の3要素をすべて含んでいますが、なかでも窒素成分を多く含んでいます。 一般的に、菜種由来のものはゆっくりと効き、大豆由来のものは比較的速く効くといわれています。 十分に発酵されていない油かすは、発酵の際のガスで植物の根を傷めることがあるので、土の中に深く埋めてゆっくりと分解させる元肥などに利用します。 油かすを水に溶かし、液肥として使用することもできます。

草木灰

草木灰は、落ち葉や枯れ草、ワラなどを燃やした後に残る灰のことです。 昔から、稲ワラなどを燃やした灰は農家などで広く用いられてきました。 成分としてはカリが多く、石灰とリン酸も含んでいます。窒素は含まないことがほとんどです。 カリの補給に使われるとともに、土壌を酸性からアルカリ性寄りに改善させるためにも使われます。 速効的な効果があります。

もみ殻くん炭

もみ殻とは、米を収穫したときにある一番外側のかたい外皮です。 米からもみ殻を取り除いたものが玄米で、玄米を精白する過程で出るのが米ぬか、精白した後に残るのが、私たちの食べる白米になります。 もみ殻を炭でいぶして炭化させたものを、もみ殻くん炭といいます。 カリやケイ酸、ミネラルを豊富に含み、酸性化した土壌をアルカリ性に導く土壌改良効果があります。

ぼかし肥

ぼかし肥とは、油かすや米ぬかなどに同量の土やもみ殻を混ぜて発酵させて作った肥料です。 土などを入れることによって肥料分を薄め、肥効をゆるやかにする=ぼかすことから、ぼかし肥と呼ばれています。 ぼかし肥は、様々な有機肥料や資材を配合して成分を調整しています。そのため、遅効性と速効性の効果を併せ持つ肥料といえます。 使い方によっては、元肥にも追肥にもおすすめのオールラウンドな有機肥料です。

その他

生ゴミからコンポストを作る人も多いと思いますが、コンポストというのは英語で堆肥のことを指します。 生ゴミコンポストは、ゴミの種類や発酵の程度などによって成分にばらつきがあるので、厳密には肥料とはいえません。 また、堆肥化するまでにそれなりの時間と手間がかかります。 しかし、上手く作れば効果的な土壌改良資材になり、元肥などと一緒に使うことができます。

元肥におすすめの有機肥料の種類は?

元肥には、ゆっくりと効き、効果が長く続く肥料がおすすめ

元肥は、野菜や花を植え付ける前に土壌全体に混ぜ込んだり、地中深く埋めたりして施用します。 そのため、すぐに分解して肥効がなくなってしまわないように、遅効性や緩効性の肥料を使います。 最初の土作りと元肥で、栽培の半分は決まるともいわれます。 元肥として使うのにおすすめなのは、牛糞、米ぬか、油かす、ぼかし肥などです。 米ぬかや油かすは、分解する過程で熱を発したり、虫が発生することがあるので、脱脂したものや発酵済みのものを使いましょう。 元肥をしっかりと土に与えておけば、追肥の回数は少なくてすむ植物もあります。 堆肥や腐葉土とともに施肥して、肥沃な土を作っておきましょう。

追肥におすすめの有機肥料の種類は?

追肥には、吸収が速く、すぐに効果の現れる肥料がおすすめ

追肥は、植物の生育状況に応じて与える肥料で、葉の色を良くしたい、実を大きくしたいなどの速効的な効果が求められます。 そのため、有機質肥料の中では速効性のある鶏糞や魚粉、草木灰、ぼかし肥を水に溶かして作った液肥などが追肥に適しています。 鉢植えの根元などに置いて施用する粒状の「置肥」などもあります。 一般的に、土の表層部分の植物から少し離れたところに与えます。 肥料成分は水に溶けることで植物に吸収されやすくなるので、追肥の後には必ず水を撒いて肥料の浸透を助けましょう。

野菜におすすめの有機肥料の種類は?

野菜の施肥は、基本的に下記の3つのタイプに分類できます。 ・スタートダッシュ型:初期に肥料を多く吸収する野菜…ホウレンソウ、ジャガイモ、レタスなど →緩効性の有機肥料を元肥に、生育期の後半は窒素肥料を控えめに与えます。 ・コンスタント型:生育期間中コンスタントに肥料を吸収する野菜…ナス、トマト、キュウリ、ピーマン、エダマメ、ニンジンなど →夏野菜の多くが、この分類に属します。緩効性肥料を元肥にするのはスタートダッシュ型と同じですが、効果の長持ちする肥料にします。肥料切れしないように、追肥をこまめに少しずつ与えるようにしましょう。 ・ラストスパート型:生育後期に肥料を多く吸収する野菜…スイカ、メロン、カボチャ、ゴボウなど →実を食べる野菜に多くなっています。元肥は控えめに与え、生育状況をみながら早めに追肥を与えます。後半もこまめに追肥しましょう。

大きく、甘い実を育てるのにおすすめの有機肥料の種類は?

果菜類は、花が咲く前と咲いた後では、肥料の吸収率が異なるといわれています。 元肥に窒素成分を多く含む肥料を与えてしまうと、葉ばかり育って花や実がならなくなってしまいます。 そのため、元肥はやや控えめにして、最初の花が咲いた後は、定期的に追肥を与えることが重要です。 大きく、甘い実を育てるには、「実肥」とも呼ばれるリン酸を多めに与えるのがコツです。 リン酸は植物体への吸収があまり良くないので、吸収率を高めるために、元肥に腐葉土や堆肥をたっぷり入れて良好な土壌の下地を作っておくことも大切です。

花壇やプランターの草花におすすめの有機肥料の種類は?

1年に何度も花を入れ替える花壇やプランターでは、植え替えの度に古い土の大部分を取り去り、新しい土と元肥を混ぜましょう。 花の種類による肥料の与え方は、一般的に次のようになります。 ・一年草類 →花の咲いている期間が長いので、多くの栄養が必要です。 開花期間中には、月に1回のペースで追肥を与えるようにします。 ・春咲きの宿根草類 →花が咲き終わると株が成長を始めるので、肥料を与えます。 ・夏~秋咲きの宿根草類 →花が咲く前に株が育つので、芽が出た時と5月くらいに1回ずつ肥料を与えます。

有機肥料を使用する際の注意点は?

都会の狭い庭やプランターでガーデニングをする場合、臭いの強い肥料を使うと近隣の方の迷惑になることもあるので、なるべく臭いの気にならない有機肥料を用いましょう。 動物性よりも、植物性の有機肥料の方がおすすめです。 使用する時だけ水で薄めて使う濃縮の液肥を用意しておくと、手軽に利用できます。 プランターでは、肥料が過剰になりがちなので、生育を見ながら少しずつ与えましょう。

あまり見かけない、珍しい種類の有機肥料は?

店頭ではまず見かけない、珍しい有機肥料としては、以下のようなものがあります。 (特殊肥料や、分類としては堆肥に入るものもあります) (動物由来) ・カニ殻肥料…カニの殻を砕いたもので、海のミネラルを含む ・海藻粉末…海藻を粉にしたもので、ミネラル、微量要素を含み、速効性がある ・ミミズ有機肥料…土や堆肥などを食べたミミズの糞を集めて作っている。微生物が豊富で、土壌改良効果がある ・フェザーミール…ニワトリの羽毛を高温高圧で蒸したのちに乾燥させたもので、タンパク質が豊富 (植物由来) ・ニーム…インドセンダンという植物の油かすから作っている ・椿かす…ツバキの実を搾ったかすで作っている

珍しい動物性有機肥料

珍しい植物性有機肥料

有機肥料の種類まとめ

自分なりの使い方を試してみよう

何となく体に良さそうというイメージしかなかった有機肥料の種類と特徴について、詳しくなって頂けたでしょうか? 有機肥料の使い方は人によって様々で、生産者は自らの経験から、作物による与え方を習得しています。 有機肥料といえども、使い方を間違えれば、肥料やけを起こしたり、害虫の発生・土壌や水質の汚染を招きます。 元肥は、土や堆肥とよく混ぜ込んで施用する、追肥は、あくまでも足りない成分を補給するために用いるなど、基本的な使い方を守るようにしましょう。 色々な有機肥料を試してみて、自分なりの配合や使い方を生み出せるようになってみたいものですね。