マドリード近郊&郊外のおすすめ観光スポット！
世界遺産の数は世界第3位！
古い歴史と文化に彩られている国、スペインには首都マドリード以外にも名所や見どころが沢山あって、いつも人気の観光地となっており毎年世界各各地から沢山の人々が訪れています。 そしてその人気の理由のひとつが、スペインにある世界遺産の数に有ります。スペインには世界遺産として、 ・文化遺産が40件 ・自然遺産が4件 ・複合遺産と2件 と全部で46件登録されています。この数はイタリア、中国に次いで世界で3番目の歴史的世界遺産を有する国となっており、観光客の人気の大きな理由となっています。
マドリードの近郊や郊外にも名所が多い！
マドリード近郊の名所に日帰りも可能！
スペインの首都マドリードは地理的にも、歴史や文化の面でも、そして観光地としてもその中心的な存在となっており名所や見どころが多く、多数の観光客が名所を求めてまずは首都マドリードを訪れスペインの文化遺産や名所に触れその素晴らしさを堪能しています。 そしてこの首都マドリード近郊や郊外にもトレドやアランフェス、セゴビア、クエンカの街など多くの歴史的文化遺産を有する見どころの多い都市が点在しており、マドリード周辺の公共交通機関もよく整備されていることもあって、これらの都市にはマドリードから日帰りで訪れることができます。 今回はマドリードの郊外や近郊にある一日で訪れることができる名所や観光地のモデルコースをご紹介していきます。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング①
トレド
トレドは街の三方をタホ川に囲まれた大きな岩山の上に築かれた天然の要塞都市として長くその名を留めています。またトレドは「街全体が歴史の博物館」と称されるほど歴史的な遺物や文化遺産などの名所が街の至るところに残るスペインに行った際には是非訪れてみたい見どころの多い街です。 ここは歴史的にもキリスト教やイスラム教、ユダヤ教がそれぞれの布教をかけてせめぎ合った街としても知られ、おのおの宗教文化が最終的には融合され、それぞれの宗派の特徴を持った建造物など当時の面影を今に残す街並みは世界遺産にも登録されています。
トレド大聖堂
キリスト教の中心的聖堂！
トレド大聖堂は現在でもスペイン・カトリックの中心的な聖堂となっており、スペイン・カトリック教会の首位聖職者とされているトレド大司教座が置かれています。その歴史は古く、1226年に当時のイベリア半島を統治していたカスティーリャ王国のフェルナンドⅢ世によって、カソリックの大司教座のあるトレドの街に相応しい大聖堂の建立の命が下されました。
豪華絢爛の大聖堂内部！
そのデザインはフランスゴシック様式の影響を大きく受け、当時フランス、ブールジュのサン＝テチエンヌ大聖堂を模したとされていますが、それをベースにスペイン発祥のムデハル様式を盛り込むなど、最終的にはスペイン独自の特徴が色濃く反映された聖堂となりました。しかしその完成までには270年の年月がかかり、外観の荘厳さを表わす佇まいを反映するかのように、聖堂の内部も見応えのある豪華絢爛たる装飾が随所に施され見る人々の心を魅了しています。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング②
サン・ファン・デ・ロス ・レイエス教会
イスラム様式とルネサンス様式の融合！
この教会はコロンブスの新大陸発見をサポートしたスペインのイサベル女王が、ポルトガルとの戦いの勝利を記念し建立されました。教会には聖堂と修道院の建物があり、外観はイサベル様式といわれるゴシック後期に見られる炎のように上に延びる装飾となっており、教会全体がイスラム風のムデハル様式に、ヨーロッパのルネサンス様式が絶妙に調和した洗練された空間となっています。
優雅な回廊！
修道院の回廊は1階がゴシック様式のアーチ状の回廊となり、天井のアーチの曲線と窓のアーチ部分のレースのような石の細かい透かし彫りが回廊全体を優雅に彩っています。また回廊の柱にはたくさんの彫刻が施され、慈悲を表わす優しい顔のマリア像や天使像など、柔らかい曲線の丸みを帯びた聖像群は修道院全体に静かで和やかな雰囲気を醸し出しています。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング③
エル・グレコ美術館
エル・グレコの作品を一堂に収集！
トレドにあるエル・グレコ美術館は1906年に、それまで散り散りになっていたスペインを代表する偉大な絵画家エル・グレコの作品を収集し展示することを目的として建てられた美術館です。 美術館の一角には、昔グレコが住んでいた住居の一つが再現されて建てられています。その他にも20以上展示室があり彼の作品の他にもアトリエや書斎、寝室、台所が再現され見ることができます。
16世紀のスペインの生活を垣間見る！
また展示されている作品としては「トレドの景観と地図」をはじめ、エル・グレコの晩年の作品「十二使徒」や「聖ペドロの涙」など、エルグレコを代表する名画が展示され、いつも多くの人々が訪れています。 さらにここには16世紀のルネサンス様式の作品を見ることもでき、彫刻や陶器なども展示されいますので、当時の文化や生活を垣間見ることができます。これらの作品を眺めていると興味が湧き時の経つのを忘れます。現在はスペイン文化省直営の「国営美術館」となっています。
トレドへのアクセス方法
・トレドへのアクセスはマドリードから高速鉄道AVEで30分です。 ・マドリードからバス便も多数ありますが、乗車券購入の際に直行バスであることを確認してください。 (*もしマドリードから直行ではなく鈍行の場合ですと所要時間が約2倍に掛かってしまいます。)
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング④
セゴビア
ローマの水道橋
スペインの街セゴビアは、首都マドリードの北約90kmのところに位置しており、マドリードから日帰りで訪れることができる名所として見どころも多く、観光客に人気の観光地モデルコースとなっています。 セゴビアは古代から拓けていた街で「セゴビア旧市街」と「ローマの水道橋」は世界遺産に登録されており、その他にもディズニーの作品「白雪姫」に出てくる城のモデルとなった「アルカサル城」や「大聖堂の貴婦人」の名称で知られる「カテドラル教会」など見どころ満載で、充実の旅となること間違いなしです。
接着剤を一切使わず！
約2000年前に古代ローマ人によって造られたセゴビア水道橋は、花崗岩を積み上げただけで接着剤のような素材を一切使わず出来ており、世界遺産にも登録されている水道の橋です。
美しいアーチ！
この水道橋は当時のローマ帝国の偉大さを示す遺跡の一つとして知られており、グアダラマ山脈に流れる清澄な水をこの街に導き引き入れるために建造されたこの偉大な建設はそのままこの街のシンルになりました。水道橋のアーチは大変に美しく均整がとれており、真下に立って見上げるとその迫力に圧倒されてしまいます。
高い技術力で！
この「ローマの水道橋」は166個のアーチ、2万個を超える花崗岩のブロックを溶接剤を一切使わずに、素積みのみで作られています。全長は16km、高さ28mの美しい巨大建造物です。 10km以上先の川から、少しづつ水の経路や橋を傾斜させて水を引いていたとのことで、しかも19世紀までほとんど修復をせずに使われていたというのですから、古代ローマ帝国の技術力がどれほど精巧で高度だったかが分かりますね。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑤
セゴビアの「カテドラル」
「大聖堂の貴婦人」と呼ばれる
セゴビアにあるこの「カテドラル」は、高い尖塔を取り巻くように幾重にも重なった御堂が丁度スカートを広げたような気品ある姿に見えることから「大聖堂の貴婦人」とも呼ばれセゴビアでは人気となっている聖堂です。 建設が開始から200年以上もかけて完成された大聖堂は、ルネサンス期の建造物にも拘らずゴシック様式で建築されたスペインでの最後のゴシック建築とされています。
荘厳な内部！
16世紀から18世紀にかけて建造さられたゴシック様式の大聖堂で、その外観は非常に洗練された美しい優雅な姿をしています。聖堂内部はとても広く、豪華に装飾された祭壇や色彩豊かな美しいステンドグラス、円柱や彫刻、長く延びる聖歌隊席、美しく装飾が施された歴史のあるパイプオルガンなど見どころが沢山あり時の経つのを忘れます。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑥
アルカサル城
「世界の名城25選」にも選出！
セゴビア旧市街のひときわ高い断崖に聳えるアルカサル城はかつての王宮であり、スペインで最も美しい城といわれており「世界の名城25選」にも選ばれています。またその美しさからディズニー映画の「白雪姫」に登場する城のモデルにもになっています。
アルカサル城の美しい内部
このアルカサル城は元々ローマ時代に建築された要塞をベースとして、12世紀にカスティリャ王国アルフォンソ6世によって街の防衛強化のため現在の城の姿に改築されました。この城の建っている場所は「セゴビアの旧市街と水道橋」の一部としてユネスコの世界遺産にも登録されています。
セゴビアへのアクセス
マドリードからセゴビアまでは高速列車で所要約30分ですが、到着駅がセゴビアの街から離れていると言う難があります。 一方マドリードからバスの場合は、所要時間1時間～1時間半ですが街に着く時間は列車と大きく変わりませんので、便数も多く安価なバスがおすすめです。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑦
アランフェス
スペイン王家の保養地であったアランフェス。名曲「アランフェス協奏曲」の哀愁にみちたギターの旋律に包まれたアランフェスを代表する王宮など、まさにその曲の雰囲気にピッタリの場所です。世界遺産にも登録されているこの王宮とその周りに広がる庭園などを散策していると、しばし中世の時代にタイムスリップしたような気分に包まれます。
アランフェス王宮
タホ川の畔に建つ離宮！
アランフェス王宮の建設の歴史は16世紀にまでさかのぼります。スペインの首都がトレドから現在の首都マドリードに遷都した頃、ここはまだ水量豊かなタホ川が流れる広大な原野でした。 当時カルロス５世がスペインの国王となった時に、この原野だったアランフェスに王族の離宮や狩場などを建設する案が出され、国王の息子で1561年に次の王位を継いだフェリペⅡ世がこの王宮の建設開始の勅令を発布しました。
完成まで200年！
しかしこの王宮の建設は、途中何回か中断もあり完成したのは18世紀になって、時の国王フェルナンド6世の時代となっており、この間約200年もの年月が流れていました。 しかしその時代ごとの建築技術の粋を結集して作られたアランフェスの王宮の完成度は高く、首都マドリードの王宮と比較してその規模は小さいものの、内部に使われている調度品は、贅沢な色使いや素材の美しさで、ここ訪れた人々の心を魅了し優美な幻想の世界に誘います。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑧
王子の庭園
街の中とは思えない静寂！
王宮の東一帯に広がっているのが、「王子の庭園」と呼ばれる広大な公園緑地ですが、この庭園の中を散策してみると、樹齢を重ねる木々が生い茂っておりまるで森の中を歩いているようです。またこの庭園は長さは1km以上に渡ってずっと続いていますので、とても街の中の公園とは思えないほどです。まさにアランフエスの緑豊かな自然が四方を囲んでおり、そこに吹く風も木々の間から漏れる日の光の温もりを含んで訪れる人々をやさしく包んでくれます。
園内には孔雀も！
園内にはあちこちに池や噴水があって、その周辺にはドームの屋根を持つあずま屋があり見ているととても優雅な気持ちになります。また手入れの行き届いた庭を散策していると孔雀なども放し飼いになっており、しばし優雅な王族の気分になれます。 園内をさらにゆっくり歩いて行くとやがて川の畔に辿り着き、そこがかって歴代の王が舟遊びをした船の発着場となっていて、時の支配者がここから船に乗って、タホ川の自然や景観を楽しまれたようです。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑨
王家の小舟博物館
優雅な黄金の小舟！
この博物館は王宮の北側のにあるタホ川のほとりにあり、かつて王家が舟遊びに使っていた大小の船が展示されています。建物の外側にはタホ川がこの博物館を囲むように静かに流れておりそこには小さな埠頭のある船着き場が作られていました。周りには木々が生い茂り豊かな緑に囲まれた落ち着いた雰囲気のとても心地よい空間が広がっています。
贅を懲らした船！
この博物館で見逃せないのが、船全体が金で装飾された小舟です。これはイタリア、ヴェネチアの貴族から当時の王家に贈られたという船で、見ているとなんとも豪華で贅沢な装飾が施された小舟です。こんな船をタホ川に浮かべて舟遊びを楽しんでいたのですから、当時の王家の権勢ぶりが偲ばれますね。
アランフェスへのアクセス
マドリードの街の中心「プエルタ・デル・ソル駅」から近郊列車で行くのが最も便利です。所要1時間弱で「アランフェス駅」に到着。駅から王宮までゆっくり歩いて15分くらいです。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑩
クエンカ
峡谷に建つ城塞都市！
クエンカは2つの川の浸食によってできた周りが切り立った断崖絶壁の峡谷の上に建造された「城塞都市」として知られており、戦いが頻繁に行われていた昔は敵の侵入を絶対許さない難攻不落の城塞として名を轟かせ、一時代を築いてきました。 そして今から約20年ほど前に歴史的な「城塞都市」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
石畳のレトロな街！
クエンカは場所的に峡谷の上という非常に特殊な所に作られた城塞都市として、歴史的にも余り他との交流もそれ程盛んでは無く、当時のキリスト教の文化や建物が深く浸透して行った街となっています。従って街にはキリスト教に関連する建物が多く建造されており、その間を石畳の道が縦横に延びてレトロな街並みを形作っており、歩いていると中世に戻ったような感覚にとらわれます。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑪
サン-パブロ吊橋
眺望抜群の吊り橋！
このグエンカの街での見どころの一つは「サン-パブロ吊橋」という橋です。この橋はグエンカの街の下に広がる深いウエカル渓谷を渡る吊り橋になっており、もともとは渓谷の反対側にあった「サン-パブロ修道院」と街をつなぐ吊り橋でした。この橋は渓谷を保護する目的のために石造りとなっていましたが、その後近世になって鉄で補強されています。そしてこの橋の上から眺める深い渓谷と上に聳えるように建つ街の城壁とが見事な景観を作っており、クエンカの人気の見どころの名所となっています。
夜の吊り橋も見どころ！
このレトロな吊り橋から眺める夕日が素晴らしく一見価値ありです。夕日が沈んだ後は美しくライトアップされますので、夕暮れ時と夜間も違った橋の雰囲気が味あうことができ、夜間に訪れるのもおすすめです。またこの橋からはクエンカのもう一つの名所「宙吊りの家」も間近に見ることができ代表的な写真スポットにもなっていますので、是非カメラのシャッターを切ってください。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑫
宙吊りの家
前に倒れそうな家！
クエンカを訪れた際に是非見たい名所が「宙吊りの家」です。この家はクエンカでも一番有名な観光スポットで、ウエカル川を見下ろす絶壁の岩壁にせり出すように建てられています。この家のベランダから見る景色はまさに絶景で、真下に見えるウエカル渓谷の底を流れるウエカル川や、正面の遥か彼方に見える遠い山並みなど何も遮るものが無く100%その全景を見ることができます。
現在は「美術館」として！
ここクエンカではこれまでの歴史の中でも、土地柄の理由からか家を横に広くしていくのではなく、上に延びる形としてこのような建物が作られたそうです。この家は14世紀に建てられた建物ですが、時代ごとに充分な修復が施されており、現在は「現代美術館」やレストランとして利用されています。 もしこの家に住むことができるとしたら、あなたは住んでみたいですか？
クエンカへのアクセス
首都マドリードからAVEで50分でクエンカに行くことができます。但しAVEの到着新駅「フェルナンド・ソーベル Fernando Zóbel」は街の中心部から南に4km離れた所に位置し、バスは30分に1本しかないので、旧市街までタクシーを利用するのが便利です。 またマドリードからバスもあり、所要時間はマドリードから2～3時間です。バレンシア方面に行く途中で寄るのもいいでしょう。
マドリード郊外のおすすめ1日観光モデルコースランキング⑬
コルドバ
コルドバという街は、スペインのかつての後ウマイヤ朝の都として栄え、現在は世界遺産に登録されている街です。「哀愁のコルドバ」という曲でも有名ですよね。 この街で有名な見どころと言えば「メスキータ」という聖堂や「ローマ橋」(画像上)、ユダヤ人街の「花の小道」など映像に残したいポイントが沢山あります。 首都マドリードから距離はありますが高速列車AVEで約1時間45分ですので、日帰りも充分可能です。
「哀愁のコルドバ」
メスキータ（モスク）
「メスキータ」はコルドバのシンボル的な見どころの建築物となっており、「メスキータ」とは「モスク」のことです。この建物は長い歴史の中で当初はイスラム教徒のモスクとして使用されていましたが、その後イスラムとキリスト教との宗教戦争での争奪戦の結果、勝利したキリスト教側がこのイスラム寺院をキリスト教会に改装して使用しているという世界でも珍しい聖堂です。
キリスト教の聖堂
建物の内部に入ると、まずイスラム教のモスクの名残である「円柱の森」と呼ばれる紅白のアーチが連なっていて見ていると圧倒されます。そしてその奥には、今度はキリスト教の威信を掛けた豪華絢爛の聖壇や華麗な宗教画やステンドグラス、繊細な彫刻を施したドーム天井などがあり、こちらも目を見張る美しさです。 一つの建物の中でイスラム文化とキリスト教の文化遺産を見る事ができる非常に珍しい聖堂です。
コルドバへのアクセス
首都マドリードから高速列車AVEで約1時間45分です。 ＡＶＥの運行は１時間に１～２本あります。
まとめ：マドリード近郊の見どころ観光地モデルコース！
マドリード近郊の見どころ観光地モデルコースをご紹介しましたが、いかがでしたか？ 首都マドリード自体にも沢山の見どころ観光地がありますが、ちょっと近郊に足を延ばして日帰りができる世界遺産の見どころ観光地が点在しています。スペインを訪れた際には是非訪れて見てください。 もし時間に余裕がある場合は、それぞれの場所で１泊することをおすすめします。より多く現地の文化に触れることで、さらに旅行の思い出が深くなり楽しみも増えるでしょう。