2018 FULCRUM フルクラム Racing ZERO CARBON WO AC3 C17 レーシングゼロカーボン クリンチャー 前後セット
カンパニョーロ Campagnolo ボーラ ウルトラ 35 BORA ULTRA 35 ロード ホイール 前後セット ノーマルカラー クリンチャー (カンパ用) 2018
シマノ デュラエース WH-R9100 C60 CL(クリンチャー)
カーボンクリンチャーについて
自転車ホイールには素材やリム高・タイヤの種類ごとに呼び方が異なり、意味が重複しているものもあります。カーボンクリンチャーもその一つです。ではこれから、比較解説する前に、まずは簡単に特徴やメリットを紹介します。
特徴やメリット1
カーボンホイールとしては、見た目が黒く、リムハイトの高いホイールが多いこと、軽量で高剛性、衝撃減衰性能があること、経年劣化が遅いことなどがあります。クリンチャーとしてはパンク修理が比較的簡単で、選べるタイヤの品目が多く、手に入りやすいことがメリットです。
特徴やメリット2
カーボンクリンチャーの使い方としての特徴は、ヒルクライムで活躍できる素質がありながらも、上級者向けのホイールということです。このように、性能から見たカーボンクリンチャーの使い方や適したシーン、どんな人向けかについて後ほど詳述していきます。
ホイール性能と比較項目
上記のカーボンクリンチャーの特徴やメリットについて比較解説するに当たり、対象項目を揃えますと次のようになります。
対象項目
素材・アルミクリンチャー、チューブラー、チューブレスなどから、カーボンクリンチャーの特徴とメリットをインプレもまじえ、比較・解説していきます。もちろん、リム高やタイヤの種類が違うなら、性能で劣る点ももちろんありますので、メリットだけでないことをご留意ください。
ホイールとタイヤの種類
自転車のタイヤには、クリンチャー、チューブラー、チューブレスの三種類があり、一般または普段使いに用いられるのがクリンチャーです。
クリンチャー
タイヤの中にチューブが入っており、タイヤビードと呼ばれるものを引っかけて履くタイプです。パンクしやすいのですが、タイヤレバーを使った修理が簡単であるという、二面性を持っています。普段使いにもでき、シティサイクルからスポーツバイクまで幅広いタイプの自転車に使用されています。
チューブラー
タイヤとチューブが一体型になっており、リムとは接着剤で固定しています。この中では一番軽量かつ走行性能が高く、歴史も古いです。主に決戦用としておすすめされています。パンクに強いですが、パンクしてしまうとタイヤごと交換する場合が多いです。
チューブレス
内圧でタイヤビードをリムに固定させるタイプのホイールです。重量の点ではクリンチャー以上に重く、走行性能の高さはクリンチャー以上、チューブレス未満です。こちらもパンクに強いのですが、ひとたびパンクすると修理ないし交換には、タイヤレバーを使っても苦戦する場合があります。
カーボンクリンチャーのステータス
カーボンクリンチャーとは、リム素材にカーボンを、ホイールをクリンチャータイヤ用にしたものを指します。他のタイヤ用ホイールもある中、カーボンクリンチャーとしてのステータスは何なのでしょうか?
位置づけ
アルミを含めたホイール全体の中で、カーボンクリンチャーは上位グレードとしての位置づけにあります。カーボンホイールの中でのクリンチャーは、他タイヤ用ホイールよりも低価格で走行性能もそれに準じますが、パンクの修理のしやすさから、普段使いにおすすめできるホイールでもあります。現状のホイールに満足できなくなった-特にアルミホイールからのランクアップとして新調する-際にかける、期待値の大きい存在です。
ホイールの素材ごとの違い
ホイールには主に2つの素材が使われます。この素材がホイールの主な性能と性質の大部分を占める要素の一つです。
カーボン
カーボンは上位グレードのホイール素材として使用され、黒い外見と軽量かつ高い走行性能が大きな特徴です。最大の売りである軽量化によって、ディープリム化の実現とヒルクライムで活躍できる素質を付与しています。
アルミ
アルミは下位グレードから上位グレードまで幅広く用いられています。カーボンよりグレードと走行性能は落ちますが、万人向けな性質を持つ素材です。また、ブレーキ性能や耐摩擦熱性、価格の点でも入門用としておすすめできます。
カーボンクリンチャー対アルミクリンチャー
基本的にはカーボンクリンチャーと比較してどうか、ということでご説明するために、まずはアルミクリンチャーの性能についてご紹介します。
アルミクリンチャーのメリット・デメリット
まず、メリットは、「低価格かつラインナップが豊富」で、「耐熱性がある」、「ブレーキが効く」ことです。汎用性に富み、初心者におすすめのホイールでもあります。反面、「重め」であり「耐用年数が限られている」ことがデメリットになります。ではこれに対するカーボンクリンチャーの性能はどうなのでしょうか?
カーボンクリンチャーのメリット:走行性能
ついに、カーボンクリンチャーの走行性能面でのメリットを解説していきます。上述の通り、アルミクリンチャーを主な比較対象としますが、タイヤが関わる性能については、他のタイヤ用ホイールについても言及します。
衝撃減衰・吸収性能
初心者はもちろんのこと、街乗り、長距離の走行なら特にこの衝撃減衰性能や衝撃吸収性能の高さが重要です。カーボンクリンチャーはそれらの衝撃耐性とディープリムを含めたタイヤの種類が、チューブラーなどより多いことが特徴ですから、カーボンクリンチャーであるメリットは大きいです。
剛性が高い
カーボン自体の硬さによる剛性の高さは、軽量でありながらアルミのそれを凌駕します。他の人のインプレをみると、たわまないので前によく進み、踏み込んだその力がちゃんと返ってくる楽しさがあるようです。確かな手ごたえを感じたい人には剛性の高いホイールはおすすめです。
カーボンクリンチャーのメリット:性質
ここではカーボンクリンチャーの性質についてのメリットを解説していきます。ここでいう性質とは、走行性能というよりもその在り方による利点です。
軽量化と経年劣化耐性
アルミクリンチャーと比較すると軽量にできているため、踏み込みが軽く、回しやすくなりました。走行性能と重量の面では依然としてチューブラーに劣りますが、その気軽さからクリンチャーが主流になり、ディープリムホイールも人気上昇中です。また、鉄やアルミとは違い、カーボンクリンチャーには厳密な耐用年数はありません。ただし突然の衝撃には弱い、という側面も持つので、経年劣化より破損の方に気を付ける必要があります。
パンク修理が簡単
チューブレスはタイヤレバーを使用しても上手く修理・交換できない、場合によってはタイヤレバー自体が破損するほどの硬さがあり、苦戦するとのインプレを目にします。それに比べて、クリンチャーは比較的容易ですから初心者にはおすすめです。
カーボンクリンチャーの弱み
カーボンクリンチャーにも弱点はありますが、強みだけでなく弱みをも知っていればこそ、カーボンクリンチャーのよさがわかります。それでは簡単に「弱み」について解説します。
基本重く、パンクしやすい
ディープリムともなれば、アルミクリンチャーと並ぶこともあります。「アルミクリンチャーからカーボンに履き替えたが、ペダルが重い」、というインプレも見かけますので、軽さに過度な期待をしないことが肝要です。また、クリンチャーはパンクしやすい弱点もあります。ただ、修理費用はチューブラーに比べるとずいぶん安く済む側面も持つので、普段使いならランニングコストの低いクリンチャーはおすすめです。
ブレーキ性能と熱変形
カーボンには制動性の弱さがあります。また、下り坂におけるブレーキの摩擦熱は非常に高温で、カーボンはその熱にめっぽう弱くアルミより耐久性がありません。最近はディスクブレーキや、ブレーキ面にアルミを使用したものもあり制動性は改善していますが、ホイールとブレーキの組み合わせが悪いと溶解の危険もあり、ヒルクライムの下りでのブレーキの使い方には依然注意が必要です。
タイヤレバー
タイヤレバーは、自転車乗りには必須アイテムであり、特にカーボンホイールの着脱に用意するタイヤレバーの種類や形状には気を付ける必要があります。金属製のタイヤレバーを使用すると痛めてしまうため、樹脂製のものがおすすめです。また、タイヤレバーは持ち運び便利な小型サイズもあります。
カーボンクリンチャー特徴解説:走行性能
カーボンクリンチャーの性能をアルミクリンチャーなどと比較してご説明してきました。それでは、これらの性能を持つホイールの特徴を、インプレを含めたまとめと解説をしていきます。
剛性
リム高の要素を抜きにした、カーボンの高剛性について解説します。軽量な上に剛性が高いカーボンクリンチャーならペダルは軽くかつ前に進む力が強いです。また、剛性がアルミよりも高いために「脚に反動がきやすい」、というインプレをよく目にしますが、それだけに力の伝達と反応性がよいともあります。したがって、ヒルクライムで有利な素質をもっていることがわかります。
ディープリム化
軽量化してもなお重いとはいえ、そもそもの衝撃減衰性能に加え、ディープリム化による衝撃吸収性能による長時間走行の楽さがあります。また、平地かつ高速域達成時の巡航性能の高さと揚力による空気抵抗の緩和には、上級者向けではあれど定評があるとのインプレをたびたび見かけます。
カーボンクリンチャー特徴解説:性質
こちらでもカーボンクリンチャーというホイールの性質について取り上げます。走行性能とは別にした側面についていま一度まとめつつ整理しましょう。
軽量化してもなお重め
カーボンホイールに多いディープリム化ですが、アルミクリンチャーレベルにまで軽量化しています。剛性は高まりましたが、重量の面で互角程度になりますから、ヒルクライム向きとは一概に言えなくなりました。とはいえ、パンク時にとっさの交換がきくため、ヒルクライムにおけるクリンチャーのメリットは大きいです。
取り扱い
カーボンクリンチャーはチューブラーやチューブレスよりも品揃えと取り扱い店が多いので、交換部品の入手・長期的なコストの点で有利です。重めでパンクしやすいとはいえ、タイヤレバーを使ったパンク修理が可能または比較的容易ですから、チューブラーよりも融通がきき、普段使いにおすすめできます。
カーボンクリンチャーの活用シーン
ヒルクライム、ロングライド、街中やポタリング用に普段使いなど、カーボンクリンチャーはこれらにどう適しているのでしょうか?活用できるシーンごとに解説します。
ヒルクライム
軽量化しているとはいえ、やはりヒルクライムにおいてはカーボンホイールとしての特徴上、ビギナー向けではないことは拭えず、この点で他の多くの方のインプレに同感です。しかし、クリンチャーである点では、登頂時に予期せぬパンクにも対応できる気軽さがあることから、ヒルクライムでも安心して走れる有利さもあります。
2018 FULCRUM フルクラム Racing ZERO CARBON WO AC3 C17 レーシングゼロカーボン クリンチャー 前後セット
●リム:フル・カーボン、ツイルカーボンフィニッシュ、30mmハイト、24.2mm幅、ブレーキ面 AC3処理●ハブ:カーボンボディ+アルミ製フランジ、USBベアリング●スポーク:アルミ エアロ F16本ラジアル R21本2to1●重量:1,340g※重量制限(ライダー):109Kg※推奨タイヤ幅:25~50mm、シマノ10/11S用
普段使い
ブレーキの弱さやとっさの衝撃で割れる、パンクしやすいという問題点は残りますが、まだ発展途上だった数年前に比べて、性能的にも価格的にも普段使いができるようになりました。もちろん、凹凸や破片が多い街中ではパンクの危険は避けられませんので、普段使いでもタイヤレバーを常に携帯しておくことは肝要です。
カンパニョーロ Campagnolo ボーラ ウルトラ 35 BORA ULTRA 35 ロード ホイール 前後セット ノーマルカラー クリンチャー (カンパ用) 2018
●リム:フルカーボン クリンチャー●高さ35mm 幅24mm、AC3●ハブ:カーボンボディ●リア MEGA G3 アルミフランジ、CULT セラミックベアリング●スポーク:ステンレス エアロ、F:ラジアル 18本、R:G3パターン 21本●スピード:カンパ 9/10/11s
ロングライド
カーボンホイール(特にディープリム)としての真骨頂はやはり平地の長距離走行です。巡航やエアロ効果を体感するには35km/h以上必要とのインプレもあるとはいえ、ヒルクライムよりは難易度低めです。街から離れた場所でパンクしても修理できる利点がクリンチャーにはありますし、小さいタイヤレバーも多いので荷物にならない点でもおすすめです。
シマノ デュラエース WH-R9100 C60 CL(クリンチャー)
●リムタイプ、材質:クリンチャー、カーボン/アルミコンポジット●機能・特長:D2リム(前後)オプトバル●リムサイズ:622-17C/H:50mm.W:22.4mm●スポーク本数 、OLD:F:16 / R:21、F:100mm / R:130mm●リア対応スピード:11/10/9/8S●QR軸長:F:133 / R:163mm
カーボンクリンチャーはどんな人向けか
ここまで述べてきた、カーボンクリンチャーの特徴とメリットから見ると、少々人を選ぶホイールであることがわかりました。では、カーボンクリンチャーは具体的にはどんな人向けなのでしょうか?
上級者向け
このように比較すると走り慣れていて技術がある上級者向け、ということになりますし、実際にそのインプレをよく見かけます。摩擦熱による溶解を防ぐためにヒルクライムの下りでは、ブレーキのかけたかに気を付けることもその一つです。
普段使いやデザイン重視
カーボンクリンチャーの性能をフル活用したいなら上級者向けになりますが、そのデザイン性や丈夫さを生かして普段使いも可能です。そのような目的であるなら、万人向けにおすすめできます。なんにせよ、最終的には目的・嗜好次第でインプレもおすすめも変わるので、性能だけに囚われて期待と可能性が偏らないようにしましょう。
カーボンクリンチャーだからできること
特徴、メリット、どんな場面・どんな人に向いているか、を取り上げてきました。カーボンクリンチャーだからできることはとは、なんだったでしょうか?
気軽さと品ぞろえのよさ
カーボンの素材を生かした特性も肝要ですが、「この自転車で走りたい」と思わせるデザインも大切です。それができる豊富な品ぞろえと汎用性、管理のしやすさが実現できるのがカーボンクリンチャーでした。カーボンチューブラーより走行性能は低くも、普段使いできる気軽さはクリンチャーの方に軍配が上がります。
まとめ
カーボンクリンチャーの特徴やメリットを比較解説してきましたが、性能的には意外とシビアな部分もインプレもありました。しかしそれも目的次第で普段使いにすらできます。何はともあれ、走ることを楽しめるような選択ができれば、後悔も少なく済むのではないでしょうか?
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