一年草って何?
種子を春撒き、または秋撒きしてから1年以内に発芽、生長、開花、結実をし、枯れる植物のこと。春に種子を撒き夏に咲いて冬までに枯れる「春撒き一年草」(非耐寒性一年草)と、秋に種子を撒き、翌春に咲いて夏までに枯れる「秋撒き一年草」(耐寒性一年草)があります。
一年草の特徴
一年草とは、一年で一世代を終える植物のことです。 宿根草(しゅっこんそう)に比べて花つきが良く、生育スピードが速いという特徴がありますので、四季のある日本のガーデニングに適しています。
一年草の代表的な花をご紹介!
一年草の代表的な花:アゲラタム
開花期が長く、初心者でも育てやすい花です。非耐寒性多年草のため、春撒き一年草として扱われます。夏の暑さには強いのですが、寒さには弱いため冬越しが難しいのです。花の色は青、ピンク、白などがあります。庭植えの場合水やりは、植えつけるとき以外は自然の雨水に任せます。
一年草の代表的な花:イベリス
イベリスには、一年草扱いのものと多年草扱いのものがあります。庭先に植えるのに好まれているのが「イベリス・センペルビレンス(トキワナズナ)」。花色は主に白で、淡い藤色のタイプもあります。帯状に広がり、土を覆うように咲く特徴がありグランドカバーとしても利用されます。
一年草の代表的な花:オキザリス
春咲き、秋咲き、冬咲き、四季咲きとさまざまなタイプがあります。夜間や雨天には花は閉じていますが、昼間の陽光が当たると大きく開花し、鮮やかな花色は人目を引きます。乾燥にも強く、肥料もあまり必要としないので、初心者にも育てやすい花です。
一年草の代表的な花:カリブラコア
カリブラコアの花は、ペチュニアに非常によく似ています。花色の種類が豊富で、ペチュニアにはないきれいな黄色やオレンジ、チョコレート色のシックな花も見られますね。ペチュニアよりも多年草としての性質が強いため、茎が木質化して低木のように変化する品種もあります。
一年草の代表的な花:スイートアリッサム
スイートアリッサムは、白色の小花が円形の房状に咲き、ほんのりと甘い香りがあるのが特徴です。枝が横へ広がるのでグランドカバーや、花壇の縁取りに最適です。また、白色のタイプは寄せ植えにすると他を引き立てます。ピンク、紫などの花色もあります。
一年草の代表的な花:スカビオサ
和名はマツムシソウという虫のような名前ですが、ドレスのように繊細なフリル状の花びらをつける、ロマンチックな花です。昆虫のマツムシが鳴くころに開花するため、この名がつけられました。古くから俳句にも詠まれ、秋の季語ともなっています。
春撒き一年草をご紹介!
春撒き一年草:千日紅
名前のとおり「千日色が変わらない」美しさはドライフラワーとして、またフラワーアレンジメントにもよく利用されている花です。比較的高い温度で種子が発芽するため、5月ごろの「春撒き」が適しています。またさし芽で増やすことのできる種類もあります。
春撒き一年草:ベゴニア
ベゴニアは愛好家も多く、その種類も多岐にわたります。色鮮やかな花だけでなく、「葉」のみでも十分見ごたえのある種類もあり、魅力に溢れる植物です。球根性のバラのような八重咲きタイプは、花持ちが良くプレゼントに最適。暑さ・寒さに弱いので、室内で育てるのが無難です。
秋撒き一年草をご紹介!
秋撒き一年草:キンギョソウ
ホームセンターや園芸店での取り扱いも多く、容易に購入することができます。キンギョソウは、その名のとおり色鮮やかな金魚のような色彩の花が多く、その色数も実に豊富。花壇をにぎやかに彩る、春の花の代表格です。ひらひらとふくらんだ、丸みのある花びらが特徴です。
秋撒き一年草:デージー
デージーは秋撒きの一年草ですが、種から育てるのは大変なので苗から育てましょう。種撒きの時期は、10月から12月の間が良いとされています。これより遅く植えると、株が増えないうちに開花時期が来るためです。水切れをおこしやすいので、しっかりお水を与えましょう。
秋撒き一年草:パンジー・ビオラ
パンジーとビオラには明確な違いはありませんが、花の大きい品種は「パンジー」、小さい品種は「ビオラ」と呼ばれています。現在では複雑に交雑された園芸品種が多く、区別するのは難しいです。秋から春まで長期間咲き続けてくれるので、冬の庭を明るくする代表的な花と言えます。
二年草って何?
二年草という名前はあまり知られていないかもしれません。種子を蒔いた最初の一年は、根や茎や葉を成長させ、翌年の春・夏に花を咲かせる植物のことを「二年草」と呼ぶこともあります。実際は、秋に発芽して冬を越し、春に開花・結実して枯れるものが多いそうです。
二年草の特徴
二年草は、一年草や多年草に比べて種類が少ないのが特徴です。二年草であっても一年で枯れてしまうこともありますし、一年草であっても二年ほど生育することもあるため、厳密に分類するのは難しいとされています。代表的な二年草は、パセリやスターチス、ジギタリスなどです。
二年草の代表的な花をご紹介!
二年草の代表的な花:スターチス
千日紅と同じく、ドライフラワーとして人気の高い花です。吊り下げておくだけで、素人でも簡単にドライフラワーが出来ます。花はピンク、白、青などカラフルで、農家の畑でよく栽培されています。高温多湿を嫌うので、水はけのよい土に植え、日のよく当たる場所で育てましょう。
二年草の代表的な花:あさがお
誰もがよく知る日本の代表的な夏の花、あさがお。奈良時代に中国から薬草として渡来したのが始まりです。江戸時代には観賞用として人々の目を楽しませるようになり、大きな花が特徴の「大輪あさがお」や、葉や花がユニークな形をした「変化咲きあさがお」が大流行したそうです。
二年草の代表的な花:ネメシア
近年、「宿根ネメシア」と呼ばれる、夏越しも可能な耐寒性のある品種群が多く流通するようになりました。 宿根ネメシアは四季咲き性が強く、3℃程度の気温があれば四季を通して開花するため「四季咲き」と呼ばれます。花色は青、白、ピンクで一年草の品種に見られる黄や赤はありません。
多年草って何?
多年草は、「多年生植物」と呼ばれることもあり、種まきや植え付けのあと発芽・成長し、開花・結実というサイクルを2年以上繰り返します。植え替えの手間がないため、寄せ植えや花壇の前面などに植えられます。四季咲き性の品種が多いため、花壇がにぎやかになりますよ。
多年草の特徴
多年草は多年生植物ともいい、数年にわたって枯れることなく、毎年同じ株から花を咲かせるという特徴があります。一度植えれば何年も花を楽しめるため、初心者向きの花といってもいいでしょう。中には一年で枯れてしまう、「園芸上は一年草」と呼ばれる多年草もあります。
多年草の代表的な花
アイビーゼラニウム、アガパンサス、アゲラタム、アネモネ、アヤメ、アルストロメリア、イベリス、エキザカム…挙げればきりのないくらい多年草の種類は豊富です。
多年草のガーデニング初心者向き品種をご紹介!
初心者向き多年草:ブルーデイジー
花色も綺麗ですが葉も斑入りで美しく、カラーリーフとして寄せ植えなどでもお楽しみいただけます。花茎のひとつひとつに清楚なブルーの花を咲かせます。四季咲き性なので、真夏の間は休眠しますがまた9月下旬頃から開花が始まりますので長期にわたって花を楽しむことができます。
初心者向き多年草:エキナセア
花の中心が栗のイガのように球状で、その周りに花弁が広がるように咲きます。この球状の部分は花が散った後も長く残り、ドライフラワーにもなるので重宝します。開花期が長いので、夏花壇を彩る重要なアイテムです。 免疫力をアップさせる効能があるハーブとしても知られています。
初心者向き多年草:クリスマスローズ
人気の高い多年草で、毎年1月中旬頃からホームセンターや園芸店などで販売が開始されます。強健で育てやすいものが多く、鉢植えにも庭植えにも向き、冬枯れの庭を彩る貴重な花です。 うつむき加減に咲くのも特徴で、その色数は豊富で花弁の形もさまざま存在します。
初心者向き多年草:ゼラニウム
四季咲きで、開花期が3月から12月と長くガーデニング初心者にも育てやすい花です。花だけでなくその葉にも色々な種類があり、「もみじ葉ゼラニウム」「黒葉」などはカラーリーフとしても楽しめます。蚊が嫌う香りを放つ「蚊連草(カレンソウ)」というゼラニウムもおすすめ!
初心者向き多年草:スズラン
スズランは、暑さに弱く寒さに強い植物です。日陰を好むように見えますが、適度な陽光がないと花つきが良くありません。花が終わったら、茎の付け根から切り落としてください。 5月以降に種子の入った実をつけます。手袋をして種を取り出し、用土にまいて日陰で管理し、育てます。
多年草と宿根草の違い
多年生植物のうち「宿根草(しゅっこんそう)」とは、生育に適さない時期(多くの場合冬)に地上部が一旦枯れるものの、暖かくなると発芽し再び生育を始めるものを言います。 園芸においては常緑多年草も宿根草と呼ぶので、多年草は「球根植物」と「宿根草」に分類されます。
宿根草の代表的な花をご紹介!
宿根草の代表的な花:ユリ
日本で自生している百合は、テッポウユリ、ヤマユリ、ササユリなど15種類ほどあり、品種改良して作られたより華やかな百合は「オリエンタルハイブリッド(オリエンタル系)」と呼ばれます。 代表的なのは「カサブランカ」はブライダルブーケとして人気が高く、高貴な印象です。
宿根草の代表的な花:デルフィニウム
花言葉は「幸福をふりまく」。すらりと伸びた細い茎にたくさんの青い花をつける姿が、幸福をふりまくというイメージに合いますね。 和名では「飛燕草」といい、字の通り燕が飛んでくる花という意味です。東洋では古来、燕が飛んでくる家には福がもたらされると伝えられています。
宿根草の代表的な花:チョコレートコスモス
その名の通りチョコレートを思わせる芳香の多年草です。形はまさにコスモスですが、花弁はブラウンがかったシックな色で別の花に見えるほどです。 高温多湿に弱く育てるのが難しい原種のチョコレートコスモスや、キバナコスモスなどと交雑させた比較的育てやすい交配種が人気があります。
エーデルワイス
高山植物なので暖地での栽培は少し難易度が高いです。流通している苗は種から平地で育てられたもので、ある程度の耐暑性があります。暖地では花の色が白くならなかったり、暑さのため開花しないことがあります。冬には地上部は枯れますが、春になると再び芽吹く宿根草です。
まとめ
植物は、育ち方や咲き方の違いで「一年草」「二年草」「多年草」に分類されます。多年草は、一度植えれば毎年花が咲くので、植え替えの手間がなく好まれますが、一年草や二年草にしかない美しい花もあるのです。 違いを知り、四季を通して彩り豊かな庭になるよう計画しましょう。
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