ハダニの対策・駆除方法は?
ハダニとは?
ハダニとは、クモ綱ダニ目ケダニ亜目ハダニ上科に属する虫のことです。ハダニのサイズはとても小さく、体長は0.3㎜~0.8㎜ほど。ですので、目をこらすと見える程度の大きさですね。雄よりも雌の方が大きいので見つけやすいかもしれません。しかし、後述しますが、ハダニはメスとオスが出会わなくても増えていってしまう特性を持っているため、発生原因を根絶するのはとても難しいのです。
スパイダーマイト
ハダニは別名、スパイダーマイトと呼ばれています。なぜスパイダーマイトと呼ばれるのかというと、クモのような見た目をしていることに加え、画像のような糸を吐いて移動するからなのです。この糸を吐いて違う植物に移ったり、風に乗ったりして、広範囲に影響を及ぼす、駆除・対策のしづらい害虫なのですね。
ハダニの生態
ハダニの繫殖方法が不思議?
ハダニの退治が大変な理由の一つに、ハダニの繫殖力の凄さがあります。ハダニは交尾をしなくても増える特性があり、無精卵だとオスが生まれ、受精卵だとメスが生まれる卵になるのです。つまり、オスとメスが出会わなくても増えることが出来る仕組みなのですね。ですので、繫殖力が非常に高く、中々根絶退治するのが難しい害虫だと言えます。
あらゆる植物の葉に寄生する
ハダニはどんな植物の葉にも寄生してしまいます。ハダニにとって、葉から栄養を吸収出来れば、どんな植物でも良いのですね。ですので、隣で全然違う植物を育てているお宅からハダニが飛んできてしまう可能性があるのです。このことが、予防・退治を難しくさせています。全ての植物がなくならない限り、ハダニを寄せつけないということは出来ないからです。
ハダニの種類
黄緑色のハダニ
ハダニは色々な種類があり、全部で約70種類ほど存在しています。日本で被害が叫ばれるハダニはそのうち数種類程度ですが、有名なのが画像の黄緑色のナミハダニです。ナミハダニも小さいので、画像では見えづらいかもしれません。ナミハダニが一旦ついてしまうと、爆発的に増えながら被害を拡大させていきますので、早急に退治する必要があります。
赤色のハダニ
ナミハダニと同じく、日本中で被害を及ぼしているのが赤色のアカダニです。アカダニは名前の通り赤色をしていますので、ナミハダニに比べると見つけやすいのがいいですよね。アカダニは目立ちますので、見たことがある方は多いのではないでしょうか?公園などでもよく見かけることが出来ます。このアカダニも、見つけたら即退治してしまいましょう。
ハダニが発生する原因
高温&乾燥が原因になる
ハダニは大量発生してしまう原因は、高温と乾燥です。ハダニが好む時期は20~30度程度の暖かい時期。それに加えて乾燥していると、ハダニが最も生き生きとしてしまう環境になってしまいます。暖かい時期の乾燥した日は特にハダニが活動的になりますね。ですので、暖かい時期に入ってきたら、ハダニが増えるかもしれないことを念頭に置いておかなくてはいけません。
周辺から入ってくるので原因根絶が難しい
暖かい時期だから、ハダニ対策をしっかりとろうと思っても、ハダニが発生するのは自分の家だけではありません。周辺の家、雑草、公園などでもハダニは大量発生していますので、何処からでも入ってきてしまうのです。ですので、ハダニの予防はもちろん、いつも退治して観葉植物を守ってあげなくてはいけません。まずは予防から始めましょう。
ハダニでの被害
葉を傷つける
ハダニの被害を受けたことがある方ならイメージしやすいのですが、ハダニの被害を受けると葉に白い斑点が出来、全体的に傷がつきます。傷が少ない内に退治出来れば良いのですが、気づかずに放っておくと白い傷が全体に広がってしまいます。果実を実らせる植物の葉が傷ついてしまうと、作物の出来に関わる大きな問題となってしまいますね。
吸汁して弱らせる
ハダニは葉を傷つけるだけではなく、花弁などからも栄養を吸汁しますので、開花の期間を短くしてしまいます。せっかく花が見たくて育てているのに、花を見る期間が短くなるなんて悲しいですよね。完璧に予防・対策をするのは中々難しいのですが、出来ることは沢山ありますので、一つ一つやっていきましょう!農薬を使わない方法もあります。
ハダニの発生時期
5月~10月に発生
ハダニが大量発生するのは暖かい時期と書きましたが、具体的には5月~10月が気を付けなければならない時期です。この時期は暖かいですし、乾燥することもありますよね。ですので、暖かい間は常にハダニに気をつけておきましょう。とはいえ、やることはそこまで多くはありません。葉に水をかけたり、薬が必要であれば少し撒いてあげる程度です。
発生時期の繫殖力
ハダニは単性でも繫殖が出来ることを先述しましたが、凄いのはそれだけではなく、単純に繫殖する数が多いのです。梅雨明け頃から繫殖を始めるのですが、なんと一匹のメスが生む卵の数は50~100個ほど。そして10日ほどで成虫になってしまいますので、イメージとしては10日で50~100倍になっていくということに。これは真剣に駆除・対策をしないといけませんよね。
ハダニの対策・駆除方法
対策・駆除方法①牛乳と水の霧吹き
ハダニを駆除する方法で有名なのが、牛乳です。実はハダニに牛乳をかけると息が出来なくなってしまうんですね。ですので、牛乳と水を一対一で割ったものを霧吹きに入れて、ハダニがいる葉の裏側などに霧吹きしましょう。牛乳の代わりにでんぷん室のものを使っても代用出来ます。牛乳をかけたまま放っておくと牛乳が腐ってしまいますので、ある程度時間をあけた後に水で流しましょう。
対策・駆除方法②殺虫剤で対策
ハダニが大量発生してしまったあとなら、薬剤の出番です。薬剤を使いたくない方も多いかとは思いますが、大量発生したあとでは中々難しいところです。薬剤には色々と種類がありますが、定期的に使う薬剤を変えるのがおすすめ。同じ薬剤を使い続けると、ハダニが抵抗を持ち始めてしまいますので、薬剤を変えることで対策をしましょう。
対策・駆除方法③ガムテープで一斉駆除
薬剤を使わない方法で一斉除去したい時におすすめなのが、ガムテープなどのテープで一斉除去する方法です。ガムテープであれば薬剤を使いませんので安心ですね。ハダニは葉の裏についていることが多いので、ガムテープを持って葉の裏側にくっつけ、はがしましょう。大量発生している場合は、かなり多くのハダニがとれるはずです。
ハダニの予防方法
予防方法①葉水で予防
ハダニ予防をしたい場合でも、出来れば農薬はあまり使いたくないですよね。ですので、まずは葉水で予防しましょう。葉水とは、葉に水をかけることです。ハダニは乾燥を好みますので、葉に水があるだけであまり快適な環境ではなくなります。また、葉についているハダニを流す効果もあります。霧吹きで葉の裏側に水を吹きつけましょう。出来れば、卵を産んでしまう前から毎日行いたいですね。
予防方法②天敵を殺さない
ハダニにはケシハネカクシという天敵がいます。このケシハネカクシを殺してしまうとハダニにとってはとても嬉しい環境になってしまいますので、出来れば農薬を使わずにいましょう。農薬を使うとどうしても益虫まで殺してしまうことになります。葉水や牛乳での対策から始めて、どうしようもない状態になったら農薬を使いましょう。
予防方法③好む環境を作らない
ハダニが好む環境を作らないことも大切な予防方法です。ハダニは高温で乾燥した環境を好みますので、夏場などは雨のあたる場所に観葉植物の鉢を移動させたりすると効果があります。とはいえ、それだけで完璧に防げる訳ではないので注意しましょう。また、植物が弱ってしまうとハダニの被害に合いやすくなりますので、健康管理も大切な予防方法の一つです。
予防方法④粒剤農薬を撒いておく
ハダニの被害にいつも困らされている方は、粒状の農薬を撒いておくといいかもしれません。有名なのがベストガードや画像のオルトランです。これは植え付けの際に撒いたり、定期的に撒くことで効果を発揮します。ある程度の期間をあけながら撒くものですので、そこまで手間ではないのが嬉しいところですね。葉水予防などと合わせて使いましょう。
ハダニ駆除にコーヒーが使える!?
コーヒーには防虫効果がある
実はハダニ駆除にコーヒーを使うことが出来ます。コーヒーには防虫効果がありますので、ハダニにとってはとても嫌なものなのです。ハダニ駆除だけのためにコーヒーを作ってももちろんいいのですが、飲み残しのコーヒーでもいいですね。
コーヒーの使い方
コーヒーの使い方は牛乳と同じで、水と割って霧吹きに入れ、スプレーしていくだけです。ハダニは葉の裏側にいますので、特に葉の裏側はしっかりとスプレーしましょう。
コーヒーの注意点
コーヒーも牛乳と同様に、ある程度時間をあけてから流してあげましょう。流さないとコバエなどの虫が寄ってくる可能性があります。農薬と違って、無農薬対策をするとこういった手間が発生しますが、出来るだけ農薬を使わないように手をかけてあげたいですね。
お酢も同様に使うことが出来る
コーヒーと同様に、お酢もよく使われている駆除方法の一つです。成虫に酢をかけても効果がありますので、卵・成虫に関わらず定期的に酢をかけましょう。ホームセンターなどでは木酢液や竹酢液などが売っていますので、それを薄めて散布するのがいいですね。
ハダニの対策・駆除方法に関するTwitter
ハダニ予防・対策は霧吹きとテープが基本
蝶々はどうして柑橘系の木が好きかね(:з冫 )冫
— 花梨 (@karin_betu) April 4, 2018
孵化したら対策できないから、外に出した日は1枚ずつ葉の裏を確認しなきゃいけなくて大変よ!
ハダニは霧吹きとマステで頑張るけど…(›´ω`‹ )
ハダニ対策に霧吹きとマステを使っていることが書かれたツイートです。やはりハダニ駆除・対策の基本は葉水霧吹きとテープでの一斉除去ですね。農薬を使うのであれば簡単ですが、農薬が嫌な方は毎日手をかけてあげましょう。根本的な原因を取り除くことは難しいので、手間は覚悟しなければいけません。
酢もよく使われる対策方法
:strawberry::older_woman::type_3:「イチゴおばさん」が教えるダニ対策
— 農文協(ルーラルネット) (@ruralnet_update) April 4, 2018
web版あっちの話「イチゴのダニは酢でやっつけるだに〜」https://t.co/Rxbu1IDyaK 収穫期。ダニでクモの巣みたいに汚れた株に、10倍に薄めた酢をかけてみると…#イチゴ #栽培のコツ #農家の知恵 #家庭菜園 #ハダニ pic.twitter.com/y34RTOVHVa
こちらのツイートでは、イチゴについたハダニを酢で対策している話しが書かれています。酢によりますが、こちらでは10倍に薄めて使われていますね。卵のうちから定期的にかけてあげましょう。
対策方法は農薬ばかりではない
苺にクモの巣みたいなものが。
— Wexthuset Japan (@wexthuset_japan) April 2, 2018
ハダニ?
農薬以外の対策教えてほしいです。#ハダニ #室内栽培 #いちご#春 #ガーデニング#北欧 #北欧ガーデニング #オンラインストア #wexthusetjapan #ヴェクスセットジャパン pic.twitter.com/IEZbBUqS61
こちらのツイートでは、ハダニ被害を受けて困っている様子が書かれています。被害を受けるとすぐに農薬が浮かびますが、先述したように、実は酢や牛乳、コーヒーなどでも対策が出来ます。知らないばかりに農薬を使うことになる方多いので、是非周りの方に教えてあげましょう。
まとめ~ハダニの対策・駆除方法~
今回の「ハダニを駆除せよ!植物の栄養を吸汁する天敵の駆除&対策方法とは?」はいかがでしたでしょうか? ハダニを根本的原因から予防・対策することは難しいのですが、ある程度被害を防ぐことならば誰でも簡単に出来ます。少し手間はかかりますが、農薬を使わない方法もご紹介させて頂きましたので、是非やってみて下さい。出来れば大発生する前の、まだ卵がポツポツとある段階から対策していきましょう!
観葉植物、ガーデニングが気になる方はこちらもチェック!
今回はハダニの発生原因や対策に関してまとめさせて頂きましたが、当サイト「暮らし~の」には他にも沢山のハダニに関する記事があります。下記に一部を用意させて頂きましたので、気になる方は是非見てみて下さい。
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