はじめに
玉ねぎは優秀な野菜
家庭菜園で育てやすい作物と言えば「玉ねぎ」です。いろいろな料理に使え、それでいて血液サラサラ効果まである玉ねぎはガーデニング初心者の方にも育てやすい優秀な野菜。
収穫や乾燥のコツをご紹介!
ただ、玉ねぎは適切な時期・タイミングに収穫してあげないとすぐに傷んでしまう野菜でもあります。今回は、家庭菜園で玉ねぎを育てている方のために玉ねぎ収穫と乾燥の時期・タイミングの目安をご紹介し、そして上手な玉ねぎの保存方法までご説明しましょう!
玉ねぎ収穫と乾燥のタイミングや目安は?①
玉ねぎの収穫時期
玉ねぎの種まきや植え付けは秋から初冬にかけて行われます。そこから年を越えてどんどん生長を続けていき、1月から3月の生長期には肥料などを与えながら、葉の生育を助けて球の部分が肥大していくのを待ちます。収穫の時期はそこからさらに2~3ヶ月後の梅雨の季節、6月前後です。
収穫時期の目安は「葉」にある!
他の野菜と違って、玉ねぎは自身の収穫時期の目安をきちんと分かりやすく伝えてくれます。目安はずばり葉です。玉ねぎは収穫にベストな時期になると葉がどんどん大地に対して平行になるように倒れていきます。
今までは太陽光を浴びて生育するために天に向かって伸ばしていた葉が、横向きにパタパタと倒れてきたなら、それが収穫の目安です。秋まきの玉ねぎの場合は全ての葉が倒れたら。春まきの玉ねぎの場合は7割程度の葉が倒れたら目安とします。
なぜ葉が倒れるのか?
玉ねぎの葉は春の生長期になると本格的に枚数を増やし始めてどんどん大きく長く伸びていきます。そして、それに伴い食用とする部分も球状にどんどん肥大化していきます。
球がある一定の大きさにまで肥大化すると葉は生長が止まり、球だけがどんどん肥大化を続けるのですが、そうなると葉は球におされる形で空洞化していき中身がスカスカになるのです。結果、葉は自身の重みに耐えられずにパタパタと倒れていきます。
葉が倒れてから1週間後に収穫しよう
葉が倒れたからといってすぐに収穫してはいけません。葉が倒れたあとも一定期間は食用とする球の部分は肥大化を続けます。目安は葉が倒れてから1週間後です。
玉ねぎ収穫と乾燥のタイミングや目安は?②
よく晴れた日に収穫しよう
玉ねぎは収穫後に雨に濡れると痛みが早くなります。そのため、収穫作業はよく晴れた快晴の日に行うのがベストです。梅雨の時期と重なるのでなかなか難しいかもしれませんが、その場合は葉が倒れてから収穫まで1週間たっていなくても収穫を開始しましょう。玉ねぎにとって一番よくないのは収穫遅れです。
玉ねぎ収穫の方法
玉ねぎの収穫方法は簡単です。葉の部分をしっかりと手で掴み、力を込めて引き抜くだけ。この収穫方法の容易さも、玉ねぎが家庭菜園で広く栽培されている理由の一つです。
玉ねぎは乾燥させることで長期間保存可能!
玉ねぎは葉が倒れてから1週間程度で収穫し、その後に畑で天日干しすることで美味しく食べられる期間を延ばすことが可能です。天日干しはもちろん、よく晴れた日に行います。収穫を快晴の日に行い、そのまま1日から2日程度畑で天日干しすれば十分です。
傷んだ玉ねぎは収穫時に取り除いておこう
玉ねぎは適切な方法で処理すれば長期間保存できる野菜です。ただ、一旦傷み始めると足がはやい作物でもあります。特に注意すべき点は、傷んだ玉ねぎを混入させないことです。
収穫時にすでに葉が折れているもの、変色しているものを健康な玉ねぎと一緒に保存すると、痛みがどんどん伝播していきアッという間に全ての玉ねぎが腐ってしまいます。これを防ぐために傷んだ玉ねぎは先に除去しておきましょう。
玉ねぎ収穫後の保存方法をご紹介!
収穫後の処理について
収穫後に畑で天日干しにした玉ねぎは保存する前に処理を施しておく必要があります。処理の方法は簡単で、まず葉の部分を球から15センチほど残して切り取ります。そして球から生える根を完全に切り落とします。なぜ葉を残すのかと言うと萌芽葉を生えにくくするためです。
萌芽葉とは?
休眠状態だった植物が目覚めて伸ばす芽のことを萌芽葉と呼びます。この葉が生えても玉ねぎを食べること自体は可能ですが栄養が葉に奪われてしまうので食味が悪くなり、可食部位も少なくなります。また、保存も困難になるので、玉ねぎの収穫時に15センチほど葉を残して、萌芽葉が生えてくるのを防いでおく必要があるのです。
玉ねぎの保存期間は品種による
玉ねぎは保存期間が早生種のものほど短いのが特徴です。そのため、早生種のたまねぎは収穫後にすぐに食べてしまう必要があります。他の品種のものですと、保存方法を工夫することで他の野菜よりもずっと長い期間保存できます。
三ヶ月前後の保存期間
玉ねぎには早生種の他に中晩生や晩生の品種が存在します。基本的に晩生になればなるほど長期の保存が可能です。晩生のものであれば6月に収穫してから半年間、およそ六ヶ月程度保存できます。中晩生のものであれば三ヶ月から四ヶ月程度の保存期間が一般的です。
風通しのよい場所で
一般的には野菜は冷蔵庫の野菜室で保存しますよね。玉ねぎの場合は、冷蔵庫に入れるよりも風通しのよい場所で保存する方がずっと長い期間新鮮な状態を保てます。玉ねぎは球を包む皮の隙間から菌や病気が入り込み痛みます。
風通しのよい場所で保存する際には「いかに皮の隙間をふさぐか」を考慮した工夫が必要です。
玉ねぎを新聞紙などで包む
簡単な方法として、玉ねぎを風通しのよい場所で保存する前に、一個ずつ新聞紙やチラシなどで包んでおくのがおすすめです。保存したい玉ねぎを紙で包んだあとで保存しやすい箱やかごに入れておき、風通しのよい玄関などの場所に置いておきましょう。湿気の多い場所は保存には向きませんので注意が必要です。
玉ねぎ収穫後の干し方をご紹介!
玉ねぎの干し方は収穫量による
玉ねぎを畑で1日から2日程度天日で乾燥させたあとで、少量であれば前述した紙で個包装する方法で保存してもよいのですが、収穫量が大量になると紙で包む作業だけでも骨が折れますよね。そこでより簡単な保存方法をご紹介します。
大量の場合にはコンテナに
大量に玉ねぎを収穫できた場合には、まず畑で天日干しにした後で葉と根の処理をし、容量の大きなコンテナに玉ねぎを入れていきます。この時に、傷んだ玉ねぎは取り除いておきましょう。コンテナに玉ねぎを入れていく際には、コンテナ一杯に玉ねぎを詰め込んでしまうと風通しが悪くなります。
コンテナの7分目程度にまで玉ねぎを詰めたなら新しいコンテナを用意して、そこに入れていくようにしましょう。
乾燥に必要な時間と目安
コンテナで乾燥させるのに約2週間の時間が必要です。玉ねぎの茎部分を指で強く挟んでも玉ねぎから水分が出なければ十分に乾燥が済んでいる目安!
乾燥させた後は軒先に干しておこう
コンテナなどで十分に乾燥させた後で、さらに長時間玉ねぎを保存するために吊るして干しておくことをおすすめします。この干し方は非常に簡単です。まず玉ねぎを五個程度、床に置きます。
その後で玉ねぎの上部、葉が伸びていた部分をビニール紐などでぐるぐると縛ってまとめます。複数の玉ねぎがひとまとめになったなら、風通しがよく常温の環境に吊るして干して置きましょう。
扇風機なども上手に利用しよう
風通しのよい常温の環境に干しておくことが、玉ねぎを長期保存するのに最適な方法です。ただ、温度管理はともかく風通しのよい場所というのはなかなか確保しにくいことでしょう。そこで、より簡単に玉ねぎを長期保存する裏技があります。
それが扇風機です。ご家庭にある扇風機で弱い風を干してある玉ねぎに向けて吹かせておけば、より効率よく玉ねぎを保存できますよ。
まとめ
万能野菜の玉ねぎを上手に保存しよう!
玉ねぎは生でも加熱しても美味しく食べられる万能野菜です。また、動脈硬化などを防ぎ、栄養価も高く美容にもよい非常に優秀な食材でもあります。家庭菜園で見事上手に玉ねぎを育てられた方、あるいは食べきれないほどの量の玉ねぎをいただいた方は、上手に玉ねぎを保存して美味しく召し上がってください!
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