チンゲン菜とは
チンゲン菜と日本人
チンゲン菜は、漢字で書くと「青梗菜」。もともとは中国の野菜で、日本に入ってきたのは、1972年の日中国交回復以降だと言われています。この時代には、ほかにもさまざまな中国野菜が紹介されましたが、チンゲン菜は、その中でも特に好まれ親しまれてきました。
チンゲン菜の食感・味
食材としてのチンゲン菜の特徴は、シャキシャキとした食感と癖の少ない味にあり、また、熱を加えるとほのかな甘味も生まれます。これらが日本人の好みに合い、中華料理はもちろん和食やイタリア料理など日常のさまざまな料理のレシピに、使われるようになりました。
チンゲン菜は栄養価が高い
チンゲン菜の栄養価
チンゲン菜は、見た目もグリーンが美しく、料理を引き立ててくれます。しかし、チンゲン菜の魅力は、おいしさや美しさだけではありません。チンゲン菜は、とても栄養価が高いことでも知られており、体に嬉しいさまざまな効能が期待される野菜なのです。
いつでも手軽に楽しめるチンゲン菜
今、チンゲン菜は、日本各地で季節問わず手頃な価格で入手でき、家庭でも手軽に食べられています。この記事では、チンゲン菜の効能や効果的な食べ方をご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
チンゲン菜の栄養素と効能①βカロテン
チンゲン菜には、βカロテンが豊富に含まれています。淡色野菜と間違われてしまうことも多いようですが、れっきとした緑黄色野菜。しかも、ピーマンの6倍ものβカロテンを含んでいるほどです。
βカロテンの効果・効能
βカロテンは、体内に入ると必要な量のビタミンAに変わって働きます。βカロテンの効果・効能とされているのは、次のようなものです。
・免疫力アップ ・視力の維持、夜盲症の防止 ・美肌効果 ・呼吸器系統(喉、肺など)を守る ・毛髪の健康維持 βカロテンが守るという目・肌・粘膜・髪。これらをケアしたい人やシーンは多く、上手にしっかり摂りたい栄養素ですよね。
チンゲン菜の栄養素と効能②ビタミンC
ビタミンCも、チンゲン菜が多く含む栄養素です。ビタミンCはβカロテンと一緒に摂ると、抗酸化作用の相乗効果が期待できると言われています。チンゲン菜は、その2つを同時に摂れる嬉しい野菜ですね。
ビタミンCの効果・効能
ビタミンCは、水に溶けやすい栄養素なので食べ方に気をつけることが大切ですが、次のような効果・効能が言われています。 ・免疫力アップ ・老化防止 ・美肌効果 ・疲労回復 ・ストレス耐性アップ ・鉄分吸収の促進 風邪をひきにくくしたりストレスに対応したりと、時間に追われる現代人には、欠かせませんね。
チンゲン菜の栄養素と効能③カリウム
チンゲン菜には、カリウムも豊富に含まれています。カリウムはミネラルの一種ですが、ビタミンと同様に人間が体内で作れないので、食事などからバランスよく摂取することが大切ですよね。
カリウムの効果・効能
カリウムには、食塩に多く含まれるナトリウムとのバランスを整える働きなどがあり、効果・効能は、次のようなものが言われています。 ・むくみを解消 ・高血圧の予防 ・脳卒中の予防 ・骨密度アップ 長期の下痢後や授乳中の人は、カリウムが不足しがちとも言われているので、意識して摂りたいですね。
チンゲン菜の栄養素と効能④カルシウム
カルシウムも、チンゲン菜に多く含まれるミネラルのひとつ。カルシウムは、乳製品や小魚などに多く含まれることで知られています。しかし、それらを食べるのが苦手な人も、チンゲン菜から摂ることができますね。
カルシウムの効果・効能
カルシウムは、不足するとイライラしたり骨粗相症などの病気のリスクが高まったりしてしまうミネラルで、次のような効果や効能が言われています。
・骨や歯の強化 ・神経や精神を落ち着ける ・(カルシウム不足による)動脈硬化や尿道結石の防止 歯や骨には欠かせない栄養素とされているので、成長期の子どもや骨粗相症にかかりやすいと言われる中高年期の女性は、特にしっかり摂りたいですね。
チンゲン菜の栄養素と効能⑤その他
チンゲン菜には、ほかにも、ビタミンEやビタミンK、ナトリウム、鉄分などが含まれています。また、カリウムやカルシウム、ナトリウムなどの、アルカリ性のミネラルが、豊富に含まれているのも特徴です。
その他の効果・効能
チンゲン菜が含む栄養素の効果・効能は、次のようなものが言われています。
・免疫力アップ(ビタミンE) ・老化防止(ビタミンE) ・貧血防止(鉄分) ・胸焼けの解消(アルカリ性ミネラル) チンゲン菜は、これほど栄養価が高いので、アメリカの研究で「栄養素の高い果物と野菜」第2位に選ばれたこともあるほどです。ちなみに、1位はクレソンでした。
チンゲン菜の栄養素を活かすには
チンゲン菜が、とても栄養価の高い野菜で、あやかりたい効果・効能もたくさんあることがわかりました。では、それらを活かして、チンゲン菜を効果的に活用するにはどうしたらよいか、ポイントをご紹介しますね。
チンゲン菜の栄養価を活かすためのポイント
栄養豊富なチンゲン菜の栄養素を活かすには、次の3つをおさえるのがポイントです。 ・選び方に気をつける ・保存方法を意識する ・食べ方を工夫する
チンゲン菜の選び方
選び方、保存方法、食べ方。では、次は、その3つについて、具体的にお伝えしていきます。
チンゲン菜を上手に選ぶには、次の部分をチェックします。 ①葉②茎③根元 買う時に、それぞれの部分をチェックすることを習慣にして、より新鮮でおいしいチンゲン菜を選びましょう。
チンゲン菜の選び方①葉をチェック
売り場でチンゲン菜を選ぶ時は、まず、葉をチェックしてください。生き生きとみずみずしい状態でしょうか。しおれたようになったものは、避けましょう。また、基本的にグリーンが濃く、幅の広い形のものがおすすめです。
チンゲン菜の選び方②茎をチェック
次に、茎も見てみましょう。チンゲン菜は、しっかりとして肉厚なもの、どっしりと太い形のものを選ぶことをおすすめします。細くて長いものよりも短くて太いものの方が、良質であると言われています。
チンゲン菜の選び方③根元をチェック
売り場でチンゲン菜を選ぶ時は、葉、茎とチェックをしたら、最後に根元も忘れずに。根元の切り口が、変色したり干からびかけていたりしないものを選びましょう。鮮度の高さを、根元の切り口でチェックします。
チンゲン菜の効果的な保存方法
せっかく良質のチンゲン菜を選んでも、自宅で保存するあいだに栄養価が下がってしまっては台無しです。ふさわしい保存方法には、どのようなものがあるのでしょうか。いくつかの効果的な方法を、ご紹介しますね。
チンゲン菜の効果的な保存方法①冷蔵庫で保存
チンゲン菜のような葉物野菜は、できるだけ早く使うことが理想です。しかし、保存する場合は冷蔵庫に、根元を下にして立てて入れましょう。ポリ袋などに入れて乾燥を防ぐことも大切です。4〜5日ほど保管できます。
チンゲン菜の効果的な保存方法②冷凍庫で保存
チンゲン菜は、ゆでてから冷凍保存すると便利です。かためにゆでで水気を切り、冷ましたらすぐにラップや密閉できる袋や容器で冷凍します。2%程度の濃さの沸騰した塩水に、茎だけ入れて10秒〜20秒。その後全体をさらに10秒程度ゆでましょう。
生のままカットして冷凍保存
チンゲン菜は、生のままカットして冷凍保存することも可能です。手早くざく切りにして水分をとったら、ラップや袋、容器を使って密閉して、冷凍庫に入れましょう。食べやすい大きさにしておくと、そのまま料理に使えますね。
冷凍したチンゲン菜の解凍方法
冷凍庫のチンゲン菜は、凍ったまま料理に使うことができます。もちろん、レンジ解凍や自然解凍をしてからの使用も可能。あくが少ないので、生で凍らせたものも下ゆでなどは不要です。2~3週間のうちに使いきりましょう。
チンゲン菜の効果的な食べ方
いよいよ食べ方の御紹介です。チンゲン菜の栄養そを活かして効果的に食べるには、次のような方法があると言われています。 ①油を使う ②たんばく質と合わせる ③汁物にする ④生で食べる では、具体的に、見てみましょう。
チンゲン菜の効果的な食べ方①油を使う
チンゲン菜に多く含まれるβカロテンは、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。強火でさっと油炒めをしたり、お湯に油を少し加えてゆでたりするのがおすすめ。歯ごたえがよく色も鮮やかになるので、食も進みます。
チンゲン菜と油の料理例
・炒めもの ・おひたし(油を入れてゆでる、ドレッシングを使うなどの工夫を。) ・ひき肉や脂身のある肉の料理の添え ・パスタ、焼きそば、焼きうどん 中華料理としてごま油を使うのはもちろん、オリーブオイルに変えてイタリア風にするなど、レシピに一工夫加えるのも楽しいですね。
チンゲン菜の効果的な食べ方②たんぱく質と合わせる
たんぱく質は、βカロテンやカルシウムの吸収を助けたり、βカロテンやビタミンCと共に摂取することで動脈硬化を防いだりすると言われています。肉や魚介類、大豆製品などと組み合わせたレシピを活用しましょう。
チンゲン菜とたんぱく質の料理例
次のような食材との炒め物やスープ、おひたしが、おすすめです。 ・鳥のささみ、豚の赤身などの肉 ・エビやカキ、イカ、魚などの魚介類 ・厚揚げや豆腐など大豆製品 ・卵 チンゲン菜は、多くの食材と相性が良いので、レシピにもさまざまなバリエーションがあります。毎日の冷蔵庫の中身を活用したチンゲン菜料理にも、レシピをヒントにチャレンジしていけそうですね。
チンゲン菜の効果的な食べ方③汁物にする
チンゲン菜に含まれているビタミンCは、水溶性で、水に溶け出してしまう性質があります。ですから、調理したときの水分をそのまま食べられるレシピを使うと、ビタミンCを逃してしまうことを防げるのです。
チンゲン菜を使った汁物の料理例
・スープ ・あんかけ ・雑炊、クッパ ・中華麺、うどんなど汁のある麺類 チンゲン菜は、アクがないのでゆで汁を捨てる必要がありません。ビタミンCが溶け出た汁にそのままとろみをつけたり、麺類のスープにしたてあげたり。自分でも効果的な食べ方を意識してレシピを工夫してできるといいですね。
チンゲン菜の効果的な食べ方④生で食べる
チンゲン菜は、加熱調理するのが一般的で栄養価も活かしやすいのですが、生でも食べられる野菜です。ビタミンCを損ねるリスクも少く、酵素が摂れるなどのメリットもあるので、生食のレシピも試してみてはいかがでしょうか。
チンゲン菜を生食する料理例
・スムージー、青汁 ・ピクルス、キムチ、浅漬、ぬか漬け チンゲン菜を使ったスムージーにも、多くのレシピが出回っています。ただ、癖のなさが好評のチンゲン菜も、生で食べると、時には辛味やえぐみが気になることもあるようです。その場合は、さっとゆでてから調理してみると口当たりがよくなることが知られています。
チンゲン菜を暮らしに活かす
チンゲン菜の魅力や効能、そして、それを活かすための効果的な選び方、保存の仕方、食べ方を御紹介しました。ポイントをおさえて活用するだけで、普段の食生活がより健康的になりそうです。栄養価の高いチンゲン菜を上手に使った食生活を、ぜひ、暮らしにとりいれてみてくださいね。
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