自宅で炭作り
炭を作るのは難しい?
バーベキューなどで炭を使うときに多くの人はホームセンターなどで購入しているのではないでしょうか。炭はどのような工程で作られているのかがわかりにくいものの一つです。そのため、炭を自分で作るのが難しいもののように思われます
自宅で炭を作れる
しかし炭は作り方の原理を知ればそれほど難しいことなく作ることが可能です。小規模な炭であれば自宅でも作ることができ、また一斗缶などを準備すれば本格的な炭を作ることも十分に可能です。自分で作った炭でバーベキューということも不可能ではありません。
自宅での炭の作り方を紹介
自宅で炭を作る方法としては大きく、アルミホイルの使用、空き缶の使用、一斗缶の使用の3通りがあります。それぞれの炭の作り方を紹介します。また作った炭はバーベキュー以外でも活用できます。便利な炭の活用術も併せて紹介します。
炭のできる原理
炭ができる原理を知る
自宅での炭を作る方法の前に炭ができる原理について説明します。炭の原料となるものには様々ありますが、概ね同じ原理で炭が生成されます。どのように炭が出来ているのかを知ると炭作りのイメージもわきやすくなります。炭を作る際の参考にしてください。
空気と結合できない状態を作る
炭の代表的な原料である木を例にして、炭のできる原理を説明します。木は普通の状態で燃やすと最終的には全て燃えて灰だけが残ります。これは、木が燃えているときに空気と結合することにより生じる現象です。
炭作りでは木を燃やしつつも空気と結合できない状態を作ります。
炭素が残り炭ができる
空気と結合できない状態で木を燃やすとどのような違いがあるかというと、木の中の炭素が酸素と結合ができない状態になります。酸素と結合できない状態で燃焼することで抜けるのは水蒸気やガスのみとなり、炭素だけが残ります。
この炭素が木に残ったものが炭になります。
伝統的な木炭の作り方
伝統的な木炭の作り方
自宅で簡単にというわけにはいきませんが、伝統的な木炭の作り方をひとつ紹介します。材料自体は珍しいものはなく、上で紹介した原理通りの作り方になります。伝統的な木炭の作り方を学び、自宅での炭作りのイメージを固めてください。
必要な道具は3点
木炭づくりに必要なのは、木炭に変わる木の枝、地面に敷く稲わら、木の枝を覆う籾殻の3つです。特に籾殻(もみがら)は大量に必要となるため、個人で準備しようとすると非常に困難です。この点が伝統的な木炭作りの難しい点のひとつになります。
籾殻で酸素との結合を防ぐ
木炭を作る工程としては、はじめに稲わらを地面に敷き詰めます。その上に木炭にしたい木の枝を置きます。大きなものなどは事前にカットしたりもするようです。木の枝の上に大量の籾殻を乗せます。
この籾殻によって、木炭のできる原理である酸素との結合を防ぎます。
木炭の完成
火をつけて、あとは火があまり強くなりすぎないように注意します。木炭を作るにはいぶす程度の火力がベストだと言われます。火が落ち着いたらあとは1日置くと炭の完成です。このように炭作り自体は原理さえわかれば難しいことはありません。
木炭と備長炭
備長炭は難しい
備長炭は炭の中でも最高級品だというイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。備長炭を作ってみたいという人もいるかもしれませんが、備長炭は生成させるのが難しい炭になります。このため自宅で作る場合には備長炭は作れないと考えたほうがよいです。
備長炭は1000度以上で燃焼
備長炭を生成する原理もいわゆる黒炭と同様です。しかし、備長炭を生成するためにはいくつかの違いがあります。わかりやすいものとして温度があり、黒炭は400度から700度での燃焼ですが、備長炭は1000度以上での燃焼になります。
この点を見ても備長炭を作るのが難しいことがわかるのではないでしょうか。
白炭も強い火力が必要
備長炭に近いものとして、白炭があります。白炭も700〜1000℃で焼成と、非常に強い火力が必要です。このように炭の中にはいくつかの種類がありますが、自宅で作る場合には必要とされる火力が比較的強くない炭がメインになります。
炭の自宅での作り方(アルミホイル編)
アルミホイルで簡単炭作り
家庭で炭を作る方法で簡単なものにアルミホイルの使用があります。アルミホイルを使って酸素との結合を遮断して炭化させます。アルミホイルを使った炭作りで代表的なものとして割り箸を原材料とするものがあります。
アルミホイルを使った炭作りは子供の自由研究として扱われることもあるなど手軽なものです。
アルミホイルで割り箸を包む
手順としてはまずアルミホイルで割り箸を包みます。この時両側にゆとりを持たせるのがコツです。余った部分を片方は潰して、もう片方は空気孔とします。あとは、両端を上に向けつつ火でアルミホイルを炙っていきます。火は弱火がよいようです。
冷やして炭の完成
炙っていると割り箸から煙が出てきます。この煙が出なくなったら、割り箸をアルミホイルごと水で冷やします。このときにアルミホイルは非常に熱いので火傷しないように気をつけてください。冷やし終えたら割り箸の炭の完成です。
炭の自宅での作り方(空き缶編)
空き缶で炭を作る
アルミホイルよりも少し上級の家庭での炭の作り方としては空き缶の利用があります。空き缶はアルミホイルよりも大きいため、炭にするものも割り箸よりも大きな物でも可能です。空き缶で作る炭としては松ぼっくりなどが人気のようです。
空き缶での炭の作り方を紹介します。
空き缶に炭にしたい物を入れる
要領としては他の炭作りとほぼ変わらず、空き缶の中に炭にしたい物をいれます。この時空き缶のパッケージなどは外しておくようにしましょう。空き缶に物を入れたら上部分をアルミホイルでフタをします。
アルミホイルは針金で固定するなどして外れない状態にしておきます。
空き缶を火にかける
空き缶を火にかける前にアルミホイルに穴を3つ空けておきます。後はアルミホイル側を上にして、金網などの上においてからコンロで火にかけます。はじめの内は煙が出てきますが、煙がでなくなったら炭の完成です。
こちらもアルミホイルの時と同様に熱いので火傷しないように気をつけましょう。
家庭で炭インテリア
空き缶を使った炭の作り方では、松ぼっくり以外でも様々な物を炭にできます。空き缶を使った炭作りでインテリアに使える物を作るということもあります。例えば折り鶴や、果物などを炭化して部屋に飾るという方法もあるようです。
家庭の炭インテリアでおしゃれな生活を楽しむこともできます。
炭の自宅での作り方(一斗缶編)
自宅炭作りの最上級
家庭での炭作りで最上級と言えるのは一斗缶を使った炭作りです。空き缶よりも大容量で炭を作ることができます。炭の作り方はアルミホイル、空き缶とほぼ同様ですが、多少違う工程もあります。家庭での最上級の一斗缶の場合の炭の作り方を紹介します。
木炭や竹炭をつくる
はじめはアルミホイルや空き缶の時と同様に炭にしたいものを一斗缶の中に入れます。木を大量に入れて木炭にするほか、竹を使って竹炭にするなどが一斗缶での炭作りで主のようです。いずれの場合も隙間をあまりあけない方がよい炭ができると言われています。
煙が出てくる
木や竹を入れたら一斗缶にフタをします。上に重しを置く作り方、煙突を設ける作り方などがあります。一斗缶ではコンロなどで熱することが出来ないので基本的にはレンガを使用します。レンガの上に一斗缶を置いて火をつけます。
他の場合同様に火をつけると煙が出てきます。
木炭・竹炭の完成
他の方法と少し違うのは煙の色が白くなったら一斗缶を土の中に入れる点です。土の中に一斗缶を入れるのは炭の火を消すことと目的としています。上手く炭が出来ていると、一斗缶の中の木や竹から水分が抜けて軽くなっているはずです。
あとは火が消えるのを待って木炭や竹炭の完成です。
木炭の活用法
家庭で炭は作れる
このように炭は家庭でも比較的簡単に作ることができます。ぜひ家庭での炭作りに挑戦してみてください。また炭には生活の中で様々な活用方法があります。知っておくと便利な木炭の活用方法を紹介します。
水を浄化する
木炭の活用方法として水の浄化機能があります。木炭には水の中の不純物を吸収してくれる働きがあります。水を使用する場所に取り入れることで生活のクオリティが上がること間違いありません。
浴槽に入れる、水道水に入れる、御飯を炊く時に入れるなどで木炭を活用できます。
消臭効果も期待
木炭に期待できる大きなものとしては消臭効果もあります。木炭の表面の穴が空気の汚れや匂いを吸収してくれます。匂いの気になる場所に木炭を置いておくことで匂いの改善が期待できます。
トイレや下駄箱、冷蔵庫などの匂いの気になる場所に木炭を置いておきましょう。
竹炭の活用法
自宅での竹炭活用法
竹炭も一斗缶を使った炭作りで比較的簡単に家庭でも作れるものになります。竹炭にも木炭同様に様々な活用方法があります。木炭に勝るとも劣らない竹炭の活用方法も紹介します。
浄水効果や消臭効果
竹炭にも木炭同様に水の浄化機能や消臭効果が期待できます。竹炭も概ね木炭と同様の使い方で効果を発揮します。浴槽に入れたり、料理に使ったりといった利用、匂いの気になる場所に竹炭を設置といった利用が効果的です。木炭も竹炭も生活の強い味方です。
電磁波の遮断も期待
また竹炭は電磁波を遮断する力を持っているとも言われています。特に炭化温度750℃以上の竹炭がその力を持ちます。パソコンやテレビなどの電磁波は身体への悪影響も懸念されるものです。竹炭によってそういった悪影響を抑えることが期待できます。
炭の作り方まとめ
作り方の原理を覚えれば簡単
アルミホイル、空き缶、一斗缶それぞれでの炭の作り方を紹介しました。炭の作り方の原理を覚えれば比較的簡単に炭を作ることができます。家庭での炭作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。
炭作りで充実の生活を
作った炭は定番のバーベキューでの利用のほか、インテリアや生活でのお役立ちアイテムとしても利用可能です。炭を生活に取り入れることで生活のクオリティが上がること間違いなしです。炭作りを通して今よりも充実した生活を手に入れましょう。
自宅で作れる物をもっと知りたい方はこちらも
炭以外にも自宅で作れる物には様々あります。一見難しそうに見えるものでも炭同様に原理を知ることで家庭での挑戦も決して不可能ではありません。自宅で様々な物を作って生活をもっと豊かにしていきましょう。
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