本結びについて知ろう!
本結びは紐や布端をギュッと硬く結ぶことができる結び方・ロープワークのひとつです。他の結び方の基本とされることも多いので、この本結びとはどんな結び方なのかしっかり覚えておくと色々な結び方・ロープワークに応用できます。
本結びとは
本結びはぎゅっと紐同士、または紐と別の紐を結ぶやり方です。一度結ぶと解けにくいつなぎ方ともいわれています。この解けにくい本結びを簡単にほどく解き方もあるのですが、それも後述でご紹介します。
別名
本結びは日本語だけでも非常に多くの名前で呼ばれているやり方です。かたく結ぶつなぎ方であることから「かた結び」。この他本結びと似たニュアンスがある「真結び(まむすび)」。「細結び(こまむすび)」「まる結び」、「しめ結び」、「平結び」という呼び方もされています。どれも同じ紐の結び方の名前なのだから驚きですね。
英語名
イギリス英語では、本結びのことを「Reef knot」といいます。リーフとは船の帆を縮めるという意味で、船の帆に当たる風を調整するのに帆を縮める作業をするときに、この結び方を使ったことに由来します。これがアメリカ英語になると「Square knot」という呼ばれ方をします。
本結びの結び方
それでは、色んな名前がある結び方の基本にして王道ともいえる「本結び」の結び方を写真で1工程ずつ詳しくご説明していきます。本結びの結び方がどうしても覚えられなかったという人も、写真なので1工程ずつじっくり眺めて確認することができるでしょう。ぜひ本結びの紐のつなぎ方を覚えていってくださいね。
本結びの結び方1
まずは結びたい紐をクロスさせます。左右どちらの紐を上にしても本結びにすることができますが、右利きの人は右手で結ぶ作業をすることから左側の紐を上にした方がやりやすいでしょう。写真のような形になります。
指の形
紐をクロスさせたら、クロスさせた上の紐に右手の親指の腹を、クロスさせた下の紐に右手の人差し指の腹を当てて押さえます。
本結びの結び方2
右手の2本の指で紐のクロスさせたところを押さえたら、左手は左の紐のクロスさせたところから少し下を手を添える程度に軽く持ちます。そのまま右手を内側にひねるようにしながら、下の紐を下に向けます。左手の指でその紐先を上向きに導き写真の形のようにしてあげます。
本結びの結び方3
先ほど左側の紐のまわりをぐるりと下か上にまわした紐先を、固定していた左側の紐先の下にクロスするようにします。今度は左手でそのクロスさせた部分を先ほどと同様に親指と人差し指の腹で押さえます。
本結びの結び方4
最初に右手で行ったロープワークを今度は左手で逆向きからおこないます。右手の指で紐をつまんで輪から引き出してあげましょう。そのようにしてできあがったものが上の写真のような形になれば成功です。
本結びの結び方5
紐端や長い方の紐を引き締めて結び目を硬くすると本結びの完成です。4方向から力を入れることで綺麗な結び目にすることができます。
本結びの解き方
本結びは「かた結び」と呼ばれるくらいに、結び目が硬くてほどきにくい結び方といわれています。しかし、ちょっとしたコツで面白いようにスルリと本結びは解くことができます。ここでは、本結びの解き方のコツをお教えします。
本結びの解き方1
先ほど作った本結びをした紐を1本、右手で持ち縦にします。同じように上に向いている紐先を左手で持ちます。
本結びの解き方2
先ほど右手と左手に持った紐をそのまま左右にぎゅっと引っ張ります。そうするとその紐が一本の紐であり、その中に持っていなかった紐が絡んでいたというのがわかるでしょう。
本結びの解き方3
左手で持っていた短い紐端を離して右手で紐を持ったまま左手で絡んでいる紐を紐はし方向に移動していきます。
本結びの解き方4
紐はしをここまで移動させた様子。硬く結ばれていた本結びがこんなにも簡単に解けるのかと思うようにスルスルと移動していきます。
本結びの解き方5
写真のように簡単に紐端からもう片方の紐の結び目が取れました。残ったのは結び目のない1本の紐だけです。紐の解き方のコツは最初に持った上に向かう2本の紐を間違えないこと、もうひとつのコツは思い切ってギュッと左右に引くことです。
本結びのやり方・使用例
本結びは紐を結ぶだけでなく、色々なシーンでも使われている結び方です。ここでは、本結びが活躍する場のほんの氷山の一角をご紹介していきます。あなたの身の回りにも本結びがあちこちで使われているはずです。興味が出たなら身の回りの本結びを探してみるのも楽しそうです。
ベルト・帯留め
本結びはベルトや帯留め、帯締めを留めるウエスト周りをしめる結び方として使われています。古くは古代石器時代から本結びがされていたのが古い出土品からわかります。古代ローマ時代では本結びに結んだベルトをしている石像が発見されています。これを「ヘラクレス結び」と呼びます。
三角巾
本結びは医療の現場でも広く使われています。包帯を結んで留めるには本結びにするようにと古代ローマ時代の大プリニウスの著書である「博物誌」は教えています。現在でも日本では腕を怪我したときに吊る三角巾は本結びで結ぶようにと指導されます。硬くしっかりと結べるので三角巾が落ちることが少ないためでしょう。
釣り針
ロープワークの本結びとはまた違うのですが、釣り針をハリスに留め付ける結び方も本結びと呼ばれます。釣り針に使われる本結びの結び方は以上のとおり。釣り針の本結びの結び方を動画でご確認ください。
水引
祝封筒などに使われる水引。こちらの記事のアイコン画像にも使用しましたが、水引も本結びで結ばれています。この場合の水引は二度と起こらないようにという意味を込めて、輪にせずに結んだ先を切りっぱなしにしてあるのが特徴です。
風呂敷・お弁当包み
古くからよく本結びが使われてきたシーンはお弁当の包みや風呂敷の包みなど布端を縛る結び方です。キュッと手早く結んで、手で持ち手としたときも解けにくいので好まれて使われています。
本結びから派生した結び方
本結びは古くから使われている結び方の基本ともいえるロープワークです。本結びから派生した結び方もたくさんあります。ここでは、そんな本結びの派生・アレンジした結び方をいくつかご紹介します。
縦結び
本結びの結び方ととてもよく似ていますが、2度めのクロスから最後に輪の中に紐を通す方向が逆だと紐端が長い紐と平行にならずに縦になります。この結び方を縦結びと呼びます。靴紐でも、どうしても紐が縦になって綺麗に結べないという人が時々いますね。それはこの縦結びと同じでクロスの仕方と輪の中の通し方が違うのです。
ちょう結び
長い紐を持って引っ張ると本結びのように解けやすいですが、紐の端を引くとスルスルと簡単にほどける本結びの派生結びが「ちょう結び(ちょうちょ結び)」です。紐端をすべて引き抜かず、輪っかに残した形で本結びを結び切ることで「ちょうちょ」のような形の結び方になります。
片花結び
ちょうちょ結びの蝶の羽根部分を1つしか作らない結び方です。片方は輪に残さずら紐端を引ききってしまいます。紐の用尺が足りないとき、または帯締めのデザインとして片花結びが使われる場合もあります。
外科結び
本結びを結ぶ時、最初にクロスさせる部分を1回ではなく2回ぐるぐると巻き付けるようにしてから本結びをする結び方です。結び目の強度がアップする結び方となります。
まとめ
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