乾燥剤シリカゲルとは
乾燥剤シリカゲルの成分と構造
シリカゲルは、二酸化ケイ素をゲル状にしたもので、英語で二酸化ケイ素をシリカと呼ぶことから、シリカゲルと呼ばれるようになりました。この二酸化ケイ素は、無色半透明の物質ですが、塩化コバルトで青色に着色することで、乾燥しているかどうかが一目でわかるようにされています。
構造としては、シリカゲルはスポンジのように穴がたくさん空いてます。これは多孔質構造と呼ばれ、体積に対して表面積が広くなり、水を吸着させやすいのです。
乾燥剤シリカゲルは再利用することができる
シリカゲルが便利なのは、安価で再利用ができるためです。一度使ってしまっても、うまく乾燥させることで何度でも使うことができます。一度使って捨てるなんてことは勿体無いので、再利用をしっかりとしてうまく活用しましょう。
シリカゲルの歴史
シリカゲルは、現在では家庭用として大変人気となっていますが、元々は軍事目的で利用されていました。第一次世界大戦中に毒ガスの吸着材として、アメリカ、ドイツなどで研究されていたのが始まりと言われています。
シリカゲルは、石英などから作ることができるため、大変安価に大量生産することができ、潜水艦内部を乾燥させることにも利用されたようです。
シリカゲル以外に有名な乾燥剤1:石灰乾燥剤
シリカゲル以外に有名な乾燥剤な一つとして、石灰乾燥剤があります。こちらの成分は酸化カルシウムである生石灰で、強いアルカリ性の物質です。この石灰乾燥剤の特徴として、吸湿力が強いというのがあります。
そのため産業用の乾燥剤としてよく活用されますが、あまりにも吸湿力が強いため、触ると肌が傷つくので注意してください。 また、石灰乾燥剤は、一度水分を吸湿すると、消石灰となってしまうため、乾燥剤として復活させることはできません。
シリカゲル以外に有名な乾燥剤2:脱酸素剤
脱酸素剤は、食品の乾燥剤として使われる乾燥剤です。還元鉄が袋の中の酸素を減らし、食品が湿気るのを防ぎます。こちらも残念ながら乾燥剤として復活させることはできません。しかし、食品の賞味期限が切れるまでは乾燥剤として効果が残っているので、そのまま乾燥剤として使えます。
シリカゲルはどんなものに利用されているの?
安価で肌に優しく、再生可能なシリカゲルは、日常の様々なものに利用されています。もっとも一般的な利用方法としては食品用の乾燥剤です。そのほか住宅の湿気対策やカビ対策にも使われてます。
シリカゲルを利用してドライフラワーも作れる
シリカゲルは粒子が細かく、軽いため、花の形を崩すことなく乾燥させてくれます。シリカゲルを利用して可愛いドライフラワー作りに挑戦してみても良いかもしれません。
簡単に乾燥剤シリカゲルを再生させる方法1:フライパン
再利用できることで他の乾燥剤より使いやすいシリカゲルですが、再生方法はいくつかあります。まずはフライパンでの再生方法について見ていきましょう。
1.シリカゲルを袋から取り出す
まずはシリカゲルを袋から取り出し、袋から取り出します。この時、水分を吸ったシリカゲルはピンク色になっているでしょう。フライパンに満遍なく広げることがポイントです。
2.シリカゲルを弱火で炒る
次に、シリカゲルを弱火で炒ります。強火だとシリカゲルが焦げてしまい、乾燥剤として復活させることができなくなるため、必ず弱火にしましょう。全体的に青色に変わるまで炒ります。
3.粗熱をとる
シリカゲルが全体的に青色になったら、火を止めて、粗熱が取れるまで10分ほどおきます。熱したばかりのシリカゲルはかなり温度が高いので、触らないように注意しましょう。
4.密閉容器に保存する
再生させたシリカゲルは、密閉容器に入れて保存しましょう。せっかく再生させたのに、湿気の多いところに置いたら逆戻りです。使いたい時は、不織布のパックなどに入れて使えば良いでしょう。
簡単に乾燥剤シリカゲルを再生させる方法2:電子レンジで再生させる
乾燥剤シリカゲルをより簡単に再生させるには、電子レンジを使う方法があります。ただし、電子レンジは温度調整が難しく、正しい方法で乾燥させないと、焦げたり爆発したりしてしまいますので、正しい方法で乾燥させましょう。
1.シリカゲルを袋から取り出す。
まずはシリカゲルを袋から取り出します。シリカゲルは一袋に10g入っており、電子レンジで加熱する場合は、一袋分ずつ乾燥させましょう。電子レンジで一度に大量のシリカゲルを乾燥させると、ムラができてしまうので要注意です。
2.解凍モードで約3分加熱する。
まずはシリカゲルを電子レンジの解凍モードで3分ほど加熱します。普通のあたためだと温度が高すぎるので、必ず解凍モードを使ってゆっくりと加熱しましょう。
3.数分冷ます
電子レンジであたためた直後は温度が高いので、1~2分ほど置いてしっかりと冷まします。
2と3を繰り返す
シリカゲルが完全に青色になるまで2と3を繰り返します。だいたい2,3回繰り返せば完全に青くなるので、それまで頑張りましょう。全て青色に復活したら、フライパンの時と同じように密閉容器に入れて保存します。
簡単に乾燥剤シリカゲルを再生させる方法3:衣類乾燥機を使う
大量のシリカゲルを乾燥させるのは衣類乾燥機を使うのが効果的です。衣類乾燥機は加熱温度も高くなりすぎず、大量のものを乾燥させるための機械なので、大量のシリカゲルを復活させるのにはもってこいですね。
1.シリカゲルを大量に袋から出す。
まずはシリカゲルを大量に袋から出しましょう。1kgまで可能となっております。
2.布状の袋に詰める。
次に、布状の袋に入れてください、網目の詰まった洗濯ネットなどに入れるのがおすすめです。
3.普通のモードで乾燥させる
あとは、いつもと同じように、いちばん普通のモードで乾燥させるだけです。衣類乾燥機は、しっかりと回転もしてくれるため、シリカゲルをムラなく乾燥させてくれ、加熱温度が高すぎることもないです。乾燥が終わってもし少し青いようでしたら、もう一度回して完全に復活させましょう。
簡単に乾燥剤シリカゲルを再生させる方法4:天日干し
天日干しでシリカゲルを乾燥させるのは、電気やガスを使わないのでいちばんエコですよね。晴れてる日は天日干しでシリカゲルを乾燥させるのも良いかもしれません。また、天日干しだと、シリカゲルがフライパンやネットなどについて後片付けが面倒などということも起こりません。
時間がかかるのが欠点
ただし、天日干しの場合は、大変時間がかかり、また、他の再利用方法に比べて温度が上がらず乾燥具合が物足りない場合があります。また、天日干し中に雨が降ってきたら全てが台無しになってしまいますよね。
晴れた夏の日には天日干しがおすすめですが、完全に青色に戻したい場合は天日干しよりも電子レンジやフライパンを使っ復活方法の方がおすすめです。
再生シリカゲルを焦がしてしまった場合
シリカゲルは焦がしても有害物質が発生することはありませんが、シリカゲルを青く見せるために使われている塩化コバルトの方は、焦がすと変色しなくなり、常に紺色のままとなってしまうため、吸着能力があるかどうか判断できなくなってしまいます。そのため、シリカゲルはなるべく焦がさないように注意しましょう。
再生シリカゲルの再利用方法:靴を乾燥させる
再生シリカゲルの使い道として、濡れた靴を乾燥させるというのがあります。雨の日などは靴がびちょ濡れになってしまった場合や、足にたくさん汗をかいてしまった場合にシリカゲルが大変効果的ですです。袋などに入れて靴の奥にいれて活用しましょう。
再生シリカゲルの再利用方法:濡らしてしまった携帯を乾燥させる
シリカゲルの使い道として、携帯を乾燥させるというものがあります。携帯をうっかり水の中に落としてしまった場合は、すぐにでも乾燥させる必要がありますよね。その場合は、シリカゲルの中に1~3日入れておくと、効果的です。新しい携帯に買い換える前にシリカゲルを活用してみましょう。
再生シリカゲルの再利用方法:調味料の保存
シリカゲルの使い道として、調味料を乾燥させるというものがあります。。調味料が湿気てしまい、固まってしまうことがあると思います。その場合は、シリカゲル袋を調味料の瓶や袋と共に保存しておくと良いでしょう。2,3日置いて置けば、調味料がサラサラになるので大変効果的です。
再生シリカゲルの再利用方法:化粧品と一緒に
シリカゲルの使い道として、化粧品を長持ちさせるというものがあります。パウダー状の化粧品は、水分に弱く、すぐに固まってしまったり、腐敗の原因にもなってしまいます。シリカゲルを化粧品と一緒に保存させておくと、化粧品の劣化を防ぐのに効果的です。化粧品と一緒にシリカゲルを保存してください。
再生シリカゲルの再利用方法:衣類を保存する
再生シリカゲルの使い道の一つとして、衣類の保存があります。長い間、衣類を保存していると、虫に食われたりとすることがありますが、シリカゲルを衣類の間に挟んでおくと、乾燥するため、虫が寄ってきません。ダニなども、シリカゲルの付近には寄らないので、服を綺麗な状態で保存するのに便利です。
再生シリカゲルの再利用方法:カメラレンズや天体望遠鏡を保存する
一眼レフカメラのレンズや天体望遠鏡などは、精密な機械であるため、湿度に弱い傾向にあります。そのため、保存の際にはシリカゲルを入れてあげると良いでしょう。シリカゲルを小さな袋に入れて、そのままカメラのケースの隅に置いてあげるだけでしっかりと機能します。
再生シリカゲルの再利用方法:肥料として再利用する
シリカゲルの使い道として、肥料として利用すると効果的です。ただし、この肥料に活用することができるシリカゲルは、石灰乾燥剤タイプのシリカゲルのみです。石灰乾燥剤は、白い粉のようなものが混じっているので、見れば判別可能となっています。こちらのシリカゲルは一度湿気を含むと再生することができません。
手や肌につかないように注意
また、こちらは、シリカゲルと石灰乾燥剤が混じっているので、一度湿気ると再生することができなくなります。また、吸湿力がとても強いので、手や肌につかないように注意して活用しましょう。
シリカゲルを食べてしまったら
シリカゲルの袋には「食べられません」と記載されていますが、原材料であるシリカは食品の添加物として利用を認められているため、食べても体に害がある訳ではありません。
シリカは、清涼飲料水のろ過に使われたり、ふりかけなどの調味料が固まってしまわないために添加物として含まれていたりします。そのほか歯磨き粉や化粧品などに含まれているため、実は馴染み深いものなのです。
食べないようにするのが基本
ただし、シリカゲルを大量に食べてしまうと、脱水症状などに陥ってしまうため、たくさん水を飲んでください。また、同じ乾燥剤でも、石灰乾燥剤などは体に有害となってしまうため、いずれにせよ乾燥剤は子供などが食べないようにしっかりと管理をする必要があります。
乾燥剤シリカゲルの再生と再利用のまとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では、乾燥剤シリカゲルの性質や、再生方法、様々な活用方法などについてご紹介しました。シリカゲルは温度をあげすぎないで加熱することが大切ですが、一度大量に乾燥させたら、あとは様々なものを乾燥させるのに効果的です。
上手く再生して有効活用しよう
乾燥剤シリカゲルは再生することができ、様々な使い道があるので、大変便利な乾燥剤です。家庭用としてもっとも便利な乾燥剤なので、うまく再生させて上手に活用させましょう。 最後までお読みいただきありがとうございました。
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