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スズメダイの生態や基本情報まとめ【魚図鑑】

スズメダイは、人気のカクレクマノミと同じ300種類を超えるスズメダイ科の仲間ですが、色も地味でうろこも大きく硬いので、食用としては一般的に人気がありません。大阪や九州など一部地域や韓国では普通に食べられるポピュラーな魚で実は旬の時期はとても美味しいそうです。
2020年8月27日
outdoordogs
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スズメダイ/分類

スズキ目ベラ亜目スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属

スズメダイはスズキ目ベラ亜目スズメダイ科スズメダイ亜科スズメダイ属、オヤビッチャやミヤケスズメダイという魚と間違えられることが多いです。スズメダイ科の魚には観賞魚として人気のカクレクマノミやルリスズメダイといった、発色の良くきれいなカラーの魚が多いが、スズメダイは観賞魚として人気のある種類の魚とは違い、色味が悪く地味で食用としては小骨が強く、身も薄いのであまり人気がありません。

別名

スズメダイの別名は、地域によってさまざまな呼び名があり、アブッテカモ、オセンコロシ(オセンゴロシ)、ネコノヘド、カジキリ、ナベトリ、ヤハチ、アブラウオ、ツバクロなどと呼ばれています。

別名オセンコロシ(オセンゴロシ)について

スズメダイは別名で「オセンコロシ」(オセンゴロシ)や「オセン」と呼ばれているがその由来は、昔、紀州の国(現在の和歌山近辺)で、お仙(おせん)という人がスズメダイを食べたところ、喉に固い骨が刺さって死んでしまったから「お仙殺し」(オセンコロシ、オセンゴロシ)と呼ばれるようになったとされていますが、真相は不明です。スズメダイは体長の小さな魚ですが、それだけ小骨が固いということで、伝えられている話です。

スズメダイ/外国名

Pearl-spot chromis

Pearl-spot chromis(パールスポットクロミス)体に真珠の班点があるスズメダイという意味で、スズメダイは水中では赤みを帯びた色に見える場合がある。魚群を形成して沿岸部に生息しています。

スズメダイ/学名

Chromis notata

Chromis notata(クロミスノタータorクロミスノタタ)は体にしるしのついた、色のついた魚という意味で、尾ひれの上部についている斑点を示しているといわれています。死んでしまうとこの斑点は消えてしまうことが特徴です。

スズメダイ/由来(漢字)

雀鯛(スズメダイ)

雀鯛(スズメダイ)の名前の由来は、体が茶色で、小さく、丸い目が雀に似ているからとされています。鯛という漢字が入るので真鯛の仲間と間違えられますが、全く違う種類です。分類上は鯛とは異なりますが、鯛の形に似ているので全く関係がないがスズメダイと呼ばれています。


スズメダイ/生息地域・分布

日本では東北地方以南の沿岸域に分布

スズメダイの生息地域は青森県から九州南岸までのほぼ全域で東北地方以南の沿岸域に生息するとされています。日本海・東シナ海・太平洋沿岸、瀬戸内海、伊豆・小笠原諸島、琉球列島に広く分布し、約300種を含むスズメダイ科の中でも寒い地域に最も分布する魚で約8℃の低水温まで耐えられ、国内で越冬できるとされています。秋田や宮城よりも寒冷地方になると、生息数が少ないとされています。

スズメダイ/生態・生育環境

生育環境と生態

スズメダイの生態は、水深2m〜30m程度の岩礁や珊瑚礁を群れで生息しているが、タイドプール(潮溜まり)でもよく見られる。肉食性で主に動物性プランクトンを捕食する。夏の繁殖期から秋にかけてオスが卵を守るので、繁殖時期によっては、スズメダイは時として凶暴でダイバーに攻撃してくることもあります。防波堤などでもよくみられる魚で、非常に多く生息しています。

スズメダイ/特徴・形態

特徴と形態

スズメダイの全長は約15cm程度、体は少し丸みがあり、木の葉のような形をしている。体長の割には厚く大きな固いウロコにおおわれていて、色はほぼ灰色から黒の褐色で、背ヒレの終わりの尾ひれの付近に生きているうちだけ白い斑点があり死んでしまうと斑点が消えるのが特徴。

スズメダイ/釣り情報

エサ取りと呼ばれるスズメダイ

スズメダイは釣ろうと思って釣れるのではなく、磯や防波堤でイワシ、ボラ、サバ、ふぐ、アイゴなどの小物の魚を狙って釣りをしていると狙っている魚が釣れず上がってくるので、エサとりや外道といわれていて釣りたい魚が釣れなくなり釣り人をイライラさせる存在です。時期は4月から11月、特に夏から秋の朝〜昼に多く釣れる魚。撒き餌をすると群がってきてエサ釣り師達に嫌われる魚として知られています。

スズメダイを釣るには

スズメダイは狙って釣るというよりも勝手にかかってくる外道として知られていますが、防波堤や磯でのファミリー釣りでは、アジ、サバ、イワシ、カワハギ、メジナ狙いのウキ釣り(エサはオキアミやアオイソメなど定番のもので良い)、チヌやメジナ狙いのウキフカセ釣り、とアジ子狙いのサビキ釣りで狙うことができる。引きは子供の釣りの練習にもちょうど良いので、防波堤での釣りの練習をするのにはちょうど良いが、スズメダイを狙うのでなく、できれば他の食べられる魚がかかって欲しいと思われる存在です。

スズメダイ用に仕掛けを合わせる必要はない

独特の味や食感であまり人気がないスズメダイを目的として釣りをする人はいないかもしれないほど外道の扱いをされるスズメダイは、わざわざスズメダイように仕掛けを合わせる必要がなく、子供用に売っている海釣りセットでも十分にヒットします。時期や条件によっては撒き餌を撒けば近くにいたスズメダイが大量に集まってきて、スズメダイの魚群に当たってしまった場合は、場所を変えるか諦めるか、せめて夕方以降に時間を変えると少しは釣れない対策になります。

ルアーでも良くかかるスズメダイ

スズメダイはルアーを使った堤防釣りや磯釣りでも狙っていないのにかかってくることがあります。自分の口よりも明らかに大きなルアーでも小さなスズメダイがかかるので、釣り人も驚くことがあるそうです。スズメダイはどんなセットの仕掛けでもかかってしまうやっかいものとして扱われてしまう外道です。スズメダイは、オヤビッチャやミヤケスズメダイと間違われることが多い魚です。


スズメダイ/味・選び方

スズメダイは食用魚としてあまり知られていない魚ですが、旬である産卵前の春から夏頃までの間は、脂がとても強いので、濃厚な旨味がありとても美味しい魚です。関東などではあまり認知されていないが、大阪ではポピュラーな魚として、福岡特に博多では旬の時期は高級魚として認識されている。四国の一部地域や対馬でも食べる魚として風習があるそうで、時期によっては磯臭いという人も多いので、選び方としては食べるならできるだけ旬の時期のスズメダイがおすすめです。

スズメダイ/栄養・寄生虫

スズメダイは白身の魚なので、タンパク質を多く含んでいます。皮下に寄生虫がいる場合があります。体長が小さく身が薄いのであまり栄養はありません。

スズメダイ/料理・調理方法

スズメダイの調理方法は塩焼きや唐揚げ煮付け、塩漬け焼きなどがポピュラーです。

博多の郷土料理「あぶってかも」

スズメダイは関東などではあまり知られていない魚で市場にも多く出ない魚です。しかし、大阪や、福岡など九州の一部地域ではポピュラーな魚として認識されており、九州、特に福岡の博多では旬の春から初夏の時期は高級魚として「あぶってかも」という郷土料理があります。あぶってかもとは博多だけで呼ばれている料理で福岡では普通に魚屋や料理やのお品書きに入っているメニューだそうです。「あぶって食べると鴨の味がする」、「炙って噛もう」「あぶってと噛む料理だから」と理由は定かではありませんが、博多では時期になると一般的に普通に食べられている料理です。

あぶってかものレシピ

「あぶってかも」のレシピは特にありません。生の状態のスズメダイを水で良く洗い、硬いうろこも内蔵も取らずにスズメダイに塩をふって寝かせ、そのまま焼くだけでスズメダイを丸ごと食べるという料理です。大きく硬いうろこがカリカリなり、旬の時期は脂がのってとても身が柔らかく、強めの磯の香りでお酒のおつまみにぴったりです。塩をふって良く焼くだけの簡単レシピで食べることができるスズメダイは博多の人々には初夏を知らせる旬の魚なのです。

ヤハゼ(スズメダイ)のセゴシ

九州の北部の博多、山口などの一部地域では、スズメダイのことをヤハゼとも呼び、初夏を感じる風物詩としてスーパーなどでも並ぶポピュラーな魚です。スズメダイは小骨が固くて多いので食べるのには揚げ物などが多いですが、セゴシと呼ばれるスズメダイの内蔵を取り、背骨や骨がついている状態まま輪切りにザクザクと切り刺身にすることで、骨の髄と身が合わさった旨味と刺身だけど刺身じゃない食感が出る調理法です。魚の骨と磯臭い刺身が嫌いな人はおすすめできない料理ですが、食べてみるととても美味しい調理方法です。

チャリフェ


韓国ではスズメダイは「チャリドム」と呼ばれ、済州島の郷土料理として有名です。「フェ」(肉や魚介を生で食べることをフェといいます)で食べる料理がポピュラーで、日本のセゴシのように生のスズメダイを骨ごと輪切りにしてお刺身にして、辛みのある味を付ける「チャリフェ」が人気メニューです。

チャリフェのレシピ

チャリフェの作り方は決まったものはなく、鱗を落として水洗いしたスズメダイの内蔵を取り出し、頭と固いヒレ、皮、尾を切り落とし、セゴシのようにスズメダイの身を生の状態で骨ごと薄くざくざく切り、甘めのコチュジャンにお酢や、醤油、砂糖、塩、味噌などの調味料を適宜入れ、すりごまや粒ごまとごま油を回しかけるだけというあとは各家庭の味つけでよいのです。

スズメダイをみそ汁でいただく

スズメダイは外道の魚で、狙っていないのに勝手に釣れてしまうちょっと厄介な存在ですが、旬の時期は脂がのって旨味があるので、新鮮なうちに釣った魚達と共に味噌で味をつけてみそ汁でいただくのも出汁が出て美味しいですよ。

スズメダイを海鮮雑魚鍋でいただく

みそ汁同様、自分で釣った魚を鍋で食べると出汁がより味わい感じて絶品です。釣れたスズメダイや雑魚達とともに魚介の出汁に酒と醤油、塩で味をつければ海鮮雑魚鍋になります。

スズメダイのポワレ

スズメダイを上品に調理するレシピもあります。鯛を参考にご紹介します。鯛より身が薄いので、スズメダイの大量消費にもぴったりです。

ポワレとは蒸し焼きという意味です。 <材料> 鯛の半身、バター20g、白ワイン 大さじ2、塩コショウ少々 <作り方> 1熱したフライパンにバターを入れて、塩コショウしておいた鯛の皮の方を下に焼きます。 2ジュウ!っていったら白ワインを入れて蓋をして、弱中火にします。そのまま火が通るまで5分。お好きなソースでいただきます。鯛はふっくらと仕上がります!

スズメダイ/その他

スズメダイの生態や基本情報から、レシピまでご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?スズメダイの人気がない理由は、見た目がどこか熱帯魚っぽく美味しくなさそうで、実際磯臭く、大きく成長したスズメダイはより骨が硬く、丸揚げなどでバリバリ食べれるように揚げなければいけないイメージがあるからで、同じ大きさの魚に比べると鱗も身も固い魚です。しかし旬の時期には脂がのっていて美味しい魚といわれており、博多や大阪で旬の時期に是非食べてみたいお魚です。