シルクジャスミンとは
シルクジャスミンはガーデニングに人気の観葉植物です。ただ、「ジャスミンティー」として利用される品種とこの植物は全くの別種ですので注意しましょう。
温暖な気候の植物
この品種は形態としては「草」というより「低木」に該当するもので、インドやマレーシア、沖縄諸島などの比較的温暖な土地に生えています。
ゲッキツ
シルクジャスミンはガーデニングにおいては「ゲッキツ」と呼ばれる場面の方が多いかもしれません。ゲッキツという名前は「月橘」と書きます。月+柑橘類の橘という漢字ですね。
豊かな香りを連想させる名前
この品種が月光の灯る夜に花びらから柑橘類の爽やかな匂いを漂わせるところから付けられました。他にオレンジジャスミンや姫万里香などの、豊かな匂いに由来した名前があります。
シルクジャスミンの特徴
花言葉は「純粋な心」
シルクジャスミンは可愛らしい白い花を付け、その花からは何とも甘く爽やかな匂いが周囲に漂います。また、この品種が咲かす白い花には「純粋な心」という花言葉があります。
目にすれば分かる花言葉の意味
ガーデニングにおいてはこの品種は初心者の方にも気軽に育てられる種類のものですので、是非ご自分で育ててみて、その白い花を実際にご覧になって下さい。きっと、この花言葉の意味が分かることでしょう。
シルクジャスミンの実は食用可能
開花期は梅雨の6月から初秋の9月までとなっております。また、この品種は開花の後で紅の実を付けることでも知られます。この実はそのまま生で食べられますし、加工すればジャムなどでも楽しめます。
インテリアとしても人気の植物
葉は厚く光沢のある美しい緑の色合いを持ちお部屋のインテリアとして重宝されます。シルクジャスミンがあるだけでお部屋はぐっとお洒落な空間へと昇華します。それでは詳しいシルクジャスミンの育て方を見ていきましょう!
シルクジャスミンの育て方ガイド
①作業準備
育て方の初歩は植え替え
シルクジャスミンは種での販売はあまり行われていません。主にある程度成長した子供の苗の状態で販売されています。そのため、苗の植え替え作業をする必要があります。
植え替え作業は生長期に
苗の植え替えは生長する時期に行うのがベストです。根が新しい土にしっかりとはりめぐり安定した成長が見込めますよ。この品種の場合は5月から8月の時期に行うのが最善です。
場所を決めよう
苗の植え替えをする前に、シルクジャスミンを「どこ」で育てるのか。その場所をあらかじめ決めておきましょう。この品種は日当たりのよい場所を好みます。室内で育てるにしろ、屋内で育てるにしろ、まずどこで育てるのかを決めるのが最初の工程です。
日当たりがよく風の通る場所を
ただ、この品種は日光を好みますが、真夏の強すぎる日差しを当て続けるのは絶対にいけません。この品種は湿度のある地域由来のものなので土が乾ききらない程度には湿度を保てる場所を選定してあげましょう。また、できるだけ風の通る場所が好ましいです。
カイガラムシの発生予防
これは害虫予防のための方策です。この品種は害虫がつきにくい種類のものですが、それでもあまり風の通りの悪いジメジメした環境だと、シルクジャスミンの天敵となる害虫カイガラムシが発生しやすいので注意しましょう。
②土作り
鉢は大きめのものを
育てる場所が決まったら、次はいよいよ植え替えのための土と鉢の準備です。土に植え替えをする場合には鉢は必要ありません。鉢は苗よりも少し大きなサイズのものを選びましょう。特にガーデニングを始めたばかりの方は大きめのサイズのものを選んだほうが苗の植え替え作業がしやすいですよ。
屋外に植える場合は注意しよう
土は鉢植えの場合と土植えの場合とで変わってきます。それはこの品種が冬の寒波に弱いことが理由です。冬の時期に根が凍ってしまうと最悪、枯れてしまう原因となってしまうので特に屋外に植える場合には注意しましょう。
最適な土を用意する
また、この品種は水はけのよい土を特に好みます。鉢植えの場合には一般的な観葉植物用の土を購入していただければ問題ありませんが、仮に自作するのなら水はけがよい赤玉土と根を保護してくれる腐葉土を周囲の環境に応じてブレンドしましょう。7対3で7が赤玉土で3が腐葉土です。
環境に応じて調節しよう
この割合を基本として皆さんの住環境によって調節します。寒い場所なら腐葉土の割合を少しずつ増やして調節し、暖かい場所ならその逆にといった具合です。屋内で育てるのであれば、そこまで神経質になる必要はありません。
土の自作もガーデニングの醍醐味
土のブレンドはガーデニングの楽しみの一つでもあります。これができればもうガーデニング初心者とは誰も言えません。余裕があれば是非とも挑戦していただきたいところです。
③植え替え
苗の植え替えを
土の準備が終わったらいよいよ植え替えです。もともと購入時に植えてあった鉢から根に付いた土を3割ほど残して抜き出します。その後、植え替え先の鉢にシルクジャスミンを移して、新しい土を被せていきましょう。
成長期なら肥料を与えよう
この時に、もし植え替えの時期がこの品種の生長する期間に該当する季節であるのなら、肥料を与えておくことをおすすめします。シルクジャスミンは生長する時期に肥料を与えておくと花や実が付きやすく、枝もよりぐんぐんと伸びてくれますよ。
観葉植物用の肥料を、遅効性のものなら二ヶ月に1回。即効性の液体肥料なら20日に1回程度の頻度で土に入れていきましょう。
肥料を与える際の注意点
ただし、ここで注意点があります。シルクジャスミンの生長する時期でない期間に肥料を与えるのは絶対にやめましょう。この品種は生長する時期と、それ以外の時期とでは成長幅が大きく異なる種類のものです。
成長期以外に肥料は与えない
そのため、生長する時期でない期間に肥料を与えてしまうと、余計な栄養分が根に悪影響を及ぼして最悪、枯れてしまうこともあります。「シルクジャスミンは生長する時期以外の期間には肥料は不要」と覚えておきましょう。
④水やり
水やりは土が乾燥したら
水やりは土が乾いたら与えます。水の量はたっぷりと与えましょう。特に暖かくなってくる5月からの生長する時期にはこの品種は驚くほど枝を伸ばしていき、その分だけ土からは水が吸われていきます。
完全に乾燥する前に水やりを
もともと、温暖な地域で根を張ってきた品種なので、土が乾燥しきった状態のまま長時間、置いておくのは厳禁です。
水やり作業は習慣化しよう
毎日、土の状態を確認するようにクセをつけておきましょう。生長する時期でない期間には土が完全に乾ききってから水やりをしておけば十分です。
土だけでなく葉にも水やりは必要
また、室内で育てていく場合には葉が乾燥する傾向があります。そのため、1週間に1度、霧吹きで葉の表裏に軽く水を噴きつけて適度に湿気を持たせるようにしましょう。
⑤枝の剪定
水やりと並んで必須の剪定
シルクジャスミンを育てていくに当たって、枝の剪定は必須の作業と言えます。剪定をする上で注意すべきなのは「剪定の時期」です。これも肥料の場合と同様に、この品種の生長する時期、5月から8月の時期に剪定を行うようにしましょう。
大胆に剪定してみよう
この時期のシルクジャスミンは本当に毎日、ぐんぐんと枝を伸ばしていきます。そのため、ある程度大胆に剪定をしてしまっても大丈夫です。この品種がガーデニング初心者の方に向いている理由の一つに「強靭な生命力」が挙げられます。
成長期なら切りすぎても大丈夫
その生命力の強さは剪定をしっかりとしておかないと、どんどん枝が伸びていきお部屋の天井にまで届いてしまうほど。
お部屋の雰囲気を損なうばかりか枝が密集しすぎて傷つけあってしまうので、剪定をして枝を整えていきましょう。生長する時期であればある程度は切りすぎても枯れることはありません。
伸びすぎた枝はきちんと整えよう
生長する時期以外の期間であっても過度に伸びた枝であれば剪定しても問題はありませんので、特にガーデニングを始めたばかりの方は練習のつもりで大胆に剪定作業を楽しんでください。
シルクジャスミンが枯れる・花が咲かない原因
枯れる原因は主に温度
シルクジャスミンの枯れる原因として理由は複数、存在します。前提としてこの品種は暖かな気候の地域にもともと生育するものなので、あまりに寒い環境に置かれると葉が少しずつ落ちていきそのまま放置してしまうと枝や幹ごと枯れる最悪の結末を迎えます。
肥料を与えるタイミングに注意
また、生長期間以外に肥料を与えることも枯れる原因です。肥料はこの期間内に与えましょう。枝を切る作業の場合はある程度は期間に融通がきくのですが、基本的には生長期間内に行うのが望ましいです。
花が咲かない場合には
「枝も葉も元気いっぱいなのに、なぜか花が咲かない」というのも、この品種を初めて育てる方がよくぶつかる壁になります。ただ、花が咲かないからといってあまり思い悩む必要はないですよ。
開花時期には幅がある
この品種はもともとインドやマレーシアなどの温暖で高湿度の環境で根を生やすものなので、国内の平均的な環境ではこの品種がもともと有する開花時期の感覚がずれてくるのも当たり前なのです。
きちんと育てれば必ず花が咲く
そのため、場合によっては花が咲かないという年も十分に考えられますが、別段心配する必要はないですよ。きちんと健康に生長できるように環境を整備して、枝が伸びて葉が茂ればきちんと花が咲く時が来るでしょう。
花が咲かないときには室内で
ただ、もし少しでも早く花を見てみたいという場合には、屋外より室内で、できるだけ暖かくして育ててあげればより花が咲く確率は上がることでしょう。
シルクジャスミンの増やし方
増やし方は種・挿し木の二通りある
シルクジャスミンの増やし方は大まかに分けて二つあります。種で増やすか、それとも挿し木で増やすかです。お手軽な方法は挿し木で増やしていく手法なのですが、種での増やし方も簡単にご紹介します。
種を綺麗に洗い
この品種は紅い綺麗な実をつけます。この実が完全に成熟するまで待ち、その後、実を水で綺麗に洗い内部の種を取り出します。育苗箱などの容器に赤玉土を入れておき、そこに軽く霧吹きなどで水を吹きかけて湿らせます。
乾燥しないように管理する
そして、1cmほどの穴を掘り、そこに種を植えてください。あとは土が乾燥するので適度に水を与えながら防ぎつつ日陰で管理をして、芽が出て葉が2枚以上生育したら鉢に植え替えていけば新しいシルクジャスミンの苗が完成です。以上が、種での増やし方ですので、チャレンジする際には参考として活用してください。
挿し木はより簡単な増やし方
次に、よりお手軽な挿し木による増やし方をご紹介します。これもまた肥料の項や剪定の項と重複しますが、シルクジャスミンの生長する時期、すなわち5月から8月に行うのが最善です。そのため、挿し木に利用する枝は剪定の際に出たものを使用するとよいでしょう。
葉は少し残しておく
この時に、挿し木に利用する枝の長さは13cm前後のものを選びましょう。枝についた葉は3割ほど残しておき、その他の葉は切り落とします。その後で挿し木したい枝を、赤玉土をつめた鉢に挿して、たっぷりと水を与えます。
簡単だが時間のかかる増やし方
枝から新しい根が生えてくるまでに1ヶ月以上の時間が必要ですので、根が生えてくるまで土が乾燥しないように水を与え続けてください。根が無事に生えてきたら、植え替えのときと同じように新しい鉢に移せば完成です。
シルクジャスミンの冬越し
耐寒性があるシルクジャスミン
シルクジャスミンは暖かい地域の植物ですが、冬越しができるだけの耐寒性も備えています。この品種は0度以上の環境であれば枯れることなく冬越しが可能です。
より元気に冬越しするには
ただ、確かに0度以上あれば枯れることはないのですが、確実に植物自体は弱っていきます。より元気な状態で冬越しを行い、次の季節に繋げるためには10度から20度程度の気温環境に置くのが好ましいでしょう。
室内に避難させよう
そのため、屋外に植えてある場合でも冬の間は室内で管理するなどの方策を講じる必要があります。日当たりのよい環境に移しておくと冬越しを万全な状態で行えますのでおすすめです。また、冬の季節は乾燥しますので葉に霧吹きで水を与えて乾燥を防いでおけば冬越し後により健やかに生育してくれます。
冬越しのポイント
ただ、室内で冬越しのための管理を行う際の注意点として、暖房器具の温風を直接当ててしまうことは厳禁です。室温は高まり暖かくなるのですが、そのかわり過度に乾燥しすぎて悪影響を及ぼすのです。気をつけましょう。
シルクジャスミンのまとめ
シルクジャスミンについてはいかがでしたでしょうか。ガーデニングをこれから始めようと考えている方から、ガーデニングをすでに始めている方にまで自信をもっておすすめできるシルクジャスミンを是非、皆さんも育ててみましょう。
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