忘れな草の由来や育て方
四月になると、小さな花びらをたくさんつけたきれいな花が咲きそろう忘れな草。その、ひとつひとつの花は米粒ほどしかない花ですが、一株にたくさんのブルーの花が満開に咲いた風景は美しさを醸し出しています。最近の忘れな草は、一般的なイメージのブルーの他にも、ピンクや白の花をつける品種もあるんです。今回は、そんな忘れな草の育て方や種まき法時期、花名の由来などを紹介していきます。
忘れな草の詳細情報
まずは、忘れな草の基本情報についてまとめてみました。
科名属名
忘れな草は、ムラサキ科のワスレナグサ属になっています。属名のミオソティスの由来は、ギリシア語でハツカネズミを意味する「mys」と耳を意味する「ous」を語源としています。そのため、よく忘れな草の葉っぱを見てみると、葉の形がハツカネズミの耳のように見えてきます。
学名
そして、忘れな草の学名は、Myosotisでした。
英語名・別名
英語名では、「ミオソチス」・「フォーゲット・ミー・ノット」と呼ばれています。日本の和名は忘れな草ですが、以前は「ワスレナイクサ」とも呼ばれていました。また、別名でヒメムラサキ・ルリソウなども呼ばれることがあります。
原産国
忘れな草は、世界の温帯で広く自生しており、とくにヨーロッパを原産国としています。夏の暑さが苦手ですが、ヨーロッパでは宿根草として育っています。
草丈
忘れな草の草丈は、約10~50cm程度です。花は、白やピンク・定番の青・紫などの品種も多数品種改良されています。
忘れな草とは
忘れな草は、原産地では多年草の植物に分類されています。しかし、日本の気候では夏の暑さをしのげず、一年草扱いとされているんです。忘れな草の特徴は、花期が長い、暑さ・蒸れに極端に弱い、一年草というのが挙げられます。種まきとポット苗の植え付けは、異なる時期に行うのが一般的です。越冬するのは簡単なので、苗を大きくなって寒くなったときにしっかり根を張れる状態にしておくことが、育て方の基本になってきます。たくさん花を開花させる植物です。さらに開花時期も長いため、適時肥料切れしないように与えるように注意してくださいね。
忘れな草の花の特徴は、可愛い小柄な花をらせん状にまくようにして穂状に花を密集して咲かせます。開花の季節になると、花を下から順に上へ向かって咲かせていきます。繁殖力が旺盛で、どんな土質でも大株に育つ性質があります。種まき以外でも、園芸店ではポット苗が流通しているので、好きな色の忘れな草を購入して寄せ植えにするのもおしゃれで可愛いと思いますよ。少しのアクセントになったり、たくさんの株を植え付ければお花のじゅうたんも出来上がります。
忘れな草の開花時期
気になる、忘れな草の開花時期について紹介します。あわせて、花言葉や花名の由来についいてもチェックしていきましょう。
開花時期
花期が長いのが忘れな草の特徴でもあります。その開花時期は、3月下旬~6月上旬が目安になっていて、地域によって少しずれることもありますよ。
花名由来
花名の由来は、ある悲恋の物語が由来しているとされています。ドナウ川に、若い騎士ルドルフとその恋人のベルタが川を散策していた時の話です。ベルタは、皮の岸辺に咲いていた、きれいいな一輪の花を見つけました。勇敢なルドルフは、ベルタのためにその花をと摘んでこようとして川岸に降ります。しかし、降りた場所は、なんと急な流れの川になっていて、見る見るうちに流されていってしまいました。
恋人に残した言葉が由来に
最後に、ルドルフは精一杯の力でその一輪の花を岸に向かって投げます。そして最愛の恋人ベルタに「Vergiss・mein・nicht(私を忘れないで)」という言葉を残して流れていってしまいました。のちに彼はなくなってしまいます。悲しんだベルタは、この花を大切にして「忘れな草」と呼ばれたというお話です。
花言葉
この悲恋の花名の通り、忘れな草の花言葉は、「真実の愛」・「私を忘れないで」とされています。開花の季節には、なんだか胸が切なくなってしまいそうですね。
英語の花言葉
英語の花言葉は、日本語と同じ意味の「私を忘れないで」をつけられています。しかし、直訳の「don’t forget me」ではなく英語花名は「forget・me・not」ととされています。古い歴史の中で英語も変わっていったことが理由になっています。
忘れな草の育て方①種まき
土作り
水はけと水もちがよい土を好みます。草花用培養土を使うか、自分で土づくりをする場合は、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で作るとよいでしょう。そこに、元肥として緩効性化成肥料をすきこんでおきます。肥料が多すぎると、草だけが茂って、花つきが悪くなってしまうので、様子を見ながら施すようにしましょう。
種まき方法
種まきは、直まきでもポットでも栽培することができます。種まきする前日に、一晩は種を水につけておきましょう。そうすることによって、発芽率がよくなります。種は、暗発芽種子といって光を遮ることで発芽することを言います。そのため、種まきは深くにして、上から約2~3cmほどの覆土をするようにしてくださいね。
種まき時期
種まきに適した時期は、9月下旬から10月下旬です。本来、原産種の忘れな草は多年草として分類されています。しかし、夏の暑さや過湿で枯れてしまうんですね。この時に出た種を採取しておくと、翌年種まきを行うことができますよ。
忘れな草の育て方②植え付け
忘れな草の、苗の植え付けについて見て行きたいと思います。
植え付け場所
忘れな草は、日当たりを好みます。そして、湿り気には弱いのでなるべく風通しがよい場所に植え付けるようにしましょう。花が咲き始めていたら、半日陰でも育てることができますよ。
植え付け方
忘れな草は、一株で大きく横に広がる性質があります。このため、忘れな草の苗は、約20~30cm間隔で植えつけるようにしましょう。
植え付け時期
霜の降りない秋に植え付けると、根が張って寒さと共に大きく育ちます。または、春になってから植え付けることも可能です。すでに苗の状態が、花がたくさん咲いているようだと植え付けても根ずくのが難しいかもしれません。なるべく、秋の終わりまでに植え付けることをお勧めします。また冬場の霜対策に、付べたがけをしておくとよいと思います。
忘れな草の育て方③剪定
ここからは、忘れな草の剪定方法について紹介します。
剪定方法
忘れな草は上手に剪定ができれば、長期間花を楽しむことができるんです。このため、花の開花が終わった枝をバッサリ剪定するようにしましょう。こぼれ種を使って、翌年の開花させたい場合はそのままにしておいても問題ありませんが、根元からすっきり剪定することによって種ができず体力を花の開花のほうにむけることができるんです。剪定をしなくても、一年草で枯れてしまうので長く花を楽しみたい方は、剪定を適時するようにしましょう。
忘れな草の種類
忘れな草には、いろいろな色の花があります。以前は青色の忘れな草が一般的でしたが、近年はピンク系などカラフルにそろっています。ここでは、忘れな草の品種について書いていきたいと思います。
ミオマルク
一般的な」忘れな草よりも日御回り花が大きい品種です。濃いブルーの花が鮮やかで、切り花としても花壇の色どりに添えるなど様々な楽しみ方ができそうです。
ブルームッツ
品種改良の末に、育てやすい品種が生まれました。このミオマルクは、花径が約1cm程度の極小輪をしています。花の色は、青紫色で草丈は約50cmになります。少し背丈は高いですが、みっちりとたくさん咲かせる姿には、魅了されてしまうと思いますよ。
苗の選び方
たくさん忘れな草の苗が流通する季節になると、どんな苗を選んだらいいか悩んでしまいますよね。苗は、葉っぱが生き生きとした緑色をしているものを選ぶウようにしましょう。健康的で、お店の管理が行き届いている証拠です。園芸店で水やり管理がよくない苗を購入してしまうと、回復に時間がかかってしまい根に栄養が行き届くのも遅くなってしまいますよ。また、花がこれから咲き始めるような蕾の状態の勢いのある苗がおすすめです。
忘れな草の可愛い寄せ植え
忘れな草は、1株で植えてもかわいらしい植物ですよね。しかし、まとめて植え付けると開花の季節になるとお花のじゅうたんのように広がって見事な情景が生まれます。さらに、お庭や花壇、素敵なプランターを使って寄せ植えを行うのもとってもかわいいんです。ここからは、忘れな草を使った寄せ植えについてみていきましょう。
バスケットに寄せ植え
寄せ植えをするときには、花が咲く季節が同じものを選ぶようにしましょう。季節が少し違うものだと、リレーのように順番に開花するのでいろいろな表情が見えて楽しいですよ。また、植え付けるときには、最低でも3種類はあったほうがよいかもしれません。理由は、忘れな草の特徴で開花季節が長いということです。開花季節は、およそ3月から6月です。この間一緒に咲いてくれる植物を探して植え付けるようにしましょう。上の画像では、デージーなどを一緒に寄せ植えしています。寄せ植えをしたら、それぞれがぐらつかないように溝にもしっかりと土を寄せておきましょうね。
リースに寄せ植え
季節に合わせた寄せ植えリースがあると、玄関が一層華やかで四季を感じさせてくれるもの尾になりますね。忘れな草は草丈が低いので、リースにして吊るしても違和感がありません。大きく広がった葉っぱも、カラーリーフのようにもアレンジできるので春の季節にはぴったりですね。さらにヒューケラも植え付けられているので、濃淡のある緑がグラデーションのように楽しむこともできます。フレッシュさを感じさせてくれる、すてきな寄せ植えになっています。
忘れな草を育ててみよう
忘れな草の育て方や花言葉・花名の由来などをまとめてきましたがいかがでしたか?こぼれだねでどんどん増やすことのできる植物なので、一年草でも育て方は比較的簡単です。種まきの時期や植え付けの時期を気を付けて、根を傷めないように植え付けるようにしてくださいね。開花時期が長くなるように、気が付いたときは剪定と適時、肥料を施すように気をつければ大丈夫です。春の開花したたくさんのきれいな忘れな草が咲いてくれたらうれしいです。