テッポウウオの捕食方法と飼育方法を知りたい!
テッポウウオという魚をご存知でしょうか。この魚はちょっと変わった捕食方法をします。水族館などでもショーのひとつとしてテッポウウオの餌やりを見せてくれるところもあります。今日はこのテッポウウオの捕食方法とその飼い方をご紹介します。テッポウウオの面白い捕食シーンをぜひ何度もみたいという方は、飼い方のコツを覚えていってください。
テッポウウオの基本情報
テッポウウオの捕食や飼い方を知るには、まずそれがどのような魚なのかどんな生態なのかを知ることが大切です。テッポウウオの基本情報から見ていきましょう。
テッポウウオ/分類
テッポウウオは、スズキ目・テッポウウオ科の魚です。スズキといえばシーバス。スズキ(シーバス)はとても大きな魚ですね。テッポウウオも大きくなると全長40cmほどまで成長する個体もいます。小さな魚だと思って飼いはじめると、思わぬ大きな水槽が必要だということに気づくでしょう。
テッポウウオ/外国名
テッポウウオは海外では「Archerfish」と呼ばれています。Archerは射手(いて)のこと。弓などで射撃をする人のことです。日本語に訳すと射手魚ということになります。これもテッポウウオの捕食する姿を見てつけられた名前でしょう。
テッポウウオ/生息地域・分布
テッポウウオが生息しているのは東南アジアの温かい海です。インドの東部からオーストラリアの北部まで、その生息地域はとても広いです。日本は分布域に入っていないと思われていましたが、最近になって沖縄でテッポウウオが生息しているのが確認されています。
テッポウウオ/生態・生育環境
テッポウウオが住んでいるのは淡水から汽水域。シャケのように川にも海にも生息できる生き物です。とは言ってもシャケのように産卵のために川に登ってくるのではなく、単に行動範囲が広い魚ということくらいしかわかっていません。テッポウウオの生態は現在でも多く謎が残っている魚なのです。
テッポウウオの捕食方法
さて、それでは今回のテーマのひとつであるテッポウウオの餌の食べ方についてご紹介していきます。まずはテッポウウオが食べる餌の種類から見ていきます。
テッポウウオの捕食/食べ物
テッポウウオは肉食です。水中の小魚や小さな甲殻類なども食べます。そればかりか、水上にいる昆虫類まで食べてしまいます。テッポウウオは非常に食いしん坊の魚といえるでしょう。
テッポウウオの捕食/食べ方
テッポウウオの餌の食べ方は、その名前の由来にもなっています。口から水を発射して、まるで水鉄砲のようにして水上の虫などを水面に落としてから食べます。水の上すれすれくらいの枝にいる昆虫なら、水を発射することすらせずに、頭を水面から出して直に口でパクリと食べることもあります。
テッポウウオの捕食/餌を食べない
テッポウウオを飼うときには、餌を食べないということもあるでしょう。テッポウウオはとても食欲の旺盛な魚です。餌を食べない場合は病気の可能性が高いでしょう。特に、テッポウウオは水質の変化で白点病にかかることがあります。テッポウウオの飼い方で、餌を食べなくなった場合は白点病を疑い、他のテッポウウオに餌にされないよう水槽を分けてあげましょう。
テッポウウオの捕食動画
それでは、実際にテッポウウオがどのように捕食するのかを映した動画をご覧いただきます。水族館での餌やりのショーの様子ですので、テッポウウオが口から水鉄砲のように水を発射して餌を落とすところがよくわかります。
テッポウウオの生態/水の吐き出し方
動画でも説明していましたが、テッポウウオが水鉄砲のように口から水を勢い良く吐き出す仕組みは、まず口の中に水をため、エラを閉じることで水の勢いをつけて発射します。どうしてテッポウウオだけこのような捕食する生態を持ったのか、まだこの謎も解明されていません。
スナイパー
動画でご覧いただいたように、テッポウウオの水鉄砲は非常に命中率が高いことがおわかりでしょう。プールに潜ってみるとわかりますが、水中からだと光の屈折率の違いで水上にあるものの位置が実際に見えているのとズレていることに気づくことがあります。でも、テッポウウオはその光の屈折率まで計算して位置を割り出しているといわれています。なぜテッポウウオにこのような特技があるのか、更にテッポウウオの謎は深まります。
テッポウウオの飼育方法
テッポウウオは個人の家で飼うこともできます。テッポウウオの捕食シーンを好きなときに見てみたいと思ったら飼い方をマスターして、テッポウウオ飼育にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
テッポウウオ飼育/水
テッポウウオは淡水にも汽水域にもいる魚です。淡水での飼育も可能ですが、汽水飼育のほうが向いています。テッポウウオ飼育には水温を25℃~27℃に設定します。水質はアルカリ性よりが好ましいでしょう。飼育する水の種類ですが、この後テッポウウオの選び方でもお話しますが、淡水で飼うのか汽水で飼うのかはペットショップで育てられていた環境によります。詳しくは後述を参考にしてください。
テッポウウオ飼育/水槽の大きさ
テッポウウオの大きさには個体差があって15cmから大きくなると40cmほどになるものも出てきます。このことから小さな水槽では買い換える必要も出てきます。複数のテッポウウオを飼いたい人はとくに、水槽の大きさは60cm以上の幅があるものを選びましょう。
テッポウウオ飼育/寿命
テッポウウオはどのくらい長生きするのでしょうか。テッポウウオの寿命は3年程度といわれています。金魚の寿命は10年~15年。日本では飼うのが登録制になり、新しく飼えなくなったガーの種類でもスポテットガーは寿命が10年といわれていますので、家で飼育できる魚の中ではあまり長生きしない、寿命の短い魚といえるでしょう。
テッポウウオ飼育/難易度
テッポウウオは淡水でも飼うことができますが、できれば汽水飼育が好ましいこと、大きさの違うテッポウウオを一緒に飼うことは難しいこと、大きな水槽が必要なこと。この3つの点だけを見ても、初心者が気軽に飼うことができる魚とはいえません。
テッポウウオ飼育のコツ
テッポウウオ飼育のコツは、とにかく大きくなる魚ですので水槽は大きなものを用意するということ。とても食欲が旺盛な魚ですので大きさの違う個体を一緒にしないということが必要となってきます。
テッポウウオ飼育/値段
テッポウウオはそれほど高い魚ではありません。ペットショップで1,000円~2,000円ほどで売られています。何匹も買うときは、なるべく同じくらいの大きさのものを買います。
テッポウウオ飼育/選び方
同じ大きさの他に、テッポウウオを買う時に少しでも長生きしてもらうために丈夫な個体を選ぶことも大切です。テッポウウオの縞模様がハッキリとしていて、色艶のよいものが丈夫な個体の目印です。また、ペットショップでは淡水で飼っているのか、汽水で飼っているのかも重要な選び方のポイントです。ペットショップと同じ飼い方をした方がよいので、淡水で飼いたい場合は淡水飼育のテッポウウオを、汽水飼育で長生きさせたいなら汽水で飼っているテッポウウオを買いましょう。
まとめ
水鉄砲のように口から水を発射して餌を捕獲する、面白い魚テッポウウオの生態や飼い方、テッポウウオの捕食シーンの動画を見てきました。ちょっと飼い方は難しいですが、自宅でも飼うことができる魚です。餌の捕食シーンを見ているだけでも飽きないテッポウウオ、白黒の縞模様の姿も綺麗な魚です。今までよりもさらに興味を持っていただければ幸いです。
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