バーベキューに欠かせない炭
海・山・キャンプ・河原…これらに欠かせないと言えるのはバーベキューではないでしょうか。今では夏の風物詩と言ってもいい程バーベキュー人口は増加しました。そんなバーベキューで絶対になくてはならないもの。それは、食材でもなければバーベキューコンロでもありません。
バーベキューに絶対になくてはならないものとは…「炭」です。炭がなければ食材は焼けません。バーベキューコンロも荷物になるだけです。
バーベキューに使う炭は実はいろいろな種類がある
一言で炭と言っても実はいろいろな種類があります。また種類によっても火の付き具合が違ったり、燃焼時間が違ったりとあります。
炭の選び方によっては、楽しいはずのバーベキューが失敗談になってしまう可能性もありますので、バーベキューを楽しくするためにもまずはバーベキューの「命」とも言える炭の種類から紹介します。
バーベキューにおすすめの炭の種類
炭は大きく分けると2種類になりますが、細かく分類すると4種類あります。用途によっても選ぶ種類が異なることもあるので知っておくととても便利です。
バーベキューで使う炭の種類:①黒炭(くろずみ)
黒炭 12kg
大きく分類した内の一つです。黒炭と言われ、切り口が放射状になっているのが特徴です。バーベキューで使う炭は全部黒じゃないの?と思われるかもしれませんが、実は同じ黒い炭でも全く違う特徴を持ちます。
バーベキューで使う炭の種類:①黒炭(くろずみ)の特徴
黒炭は楢(なら)・樫(かし)・椚(くぬぎ)などの「どんぐり」のできる広葉樹が好まれ全て国産でできています。火おこししやすく、燃焼時間も長く煙や匂いがあまりないのでバーベキュー向きな炭ではありますが値段が高めで、空気が通りやすく樹脂成分が残留しているせいか火が消えにくいので後処理が少し大変です。
バーベキューで使う炭の種類:②白炭(しろずみ・はくたん)
こちらも大きく分類した内の一つです。「備長炭」は聞いたことがあると思いますが、備長炭も白炭の一つです。白炭は黒炭を作られる過程で変化を与え作られます。「ねらし」という工程をすることによって黒炭よりも硬く締まります。そして「消し粉」をかけ消化します。かけられた灰や砂によって表面が白くなるので「白炭」と呼ばれます。
バーベキューで使う炭の種類:②白炭(しろずみ・はくたん)の特徴
白炭は、一度火が付くと火力が安定し燃焼時間も圧倒的に長いので料理人には好まれますが、火をつけるのには苦労しますし値段が高めです。酸素量不足ですぐに消えてしまうので単体ではバーベキュー向きとは言えません。 黒炭よりも空気が炭の内部に入りにくく火おこしはかなり大変ですが、火消しは空気さえ遮断すれば早く消えるので後処理は時間も手間もいりません。
バーベキューで使う炭の種類:③オガ炭
オガ炭というのは木を加工する際にでる「おが屑」を圧縮して加工したものです。加工をするので形が均一になるのと中央に空洞があるのが特徴です。
バーベキューで使う炭の種類:③オガ炭の特徴
燃焼時間も長く煙も少ないですが、火が付きにくいというデメリットもあります。値段は産地で差が出たりしますが、燃焼時間が長いので火おこしができればコストパフォーマンスは良いです。 バーベキュー経験を積んでチャレンジするのも良いかと思います。中には着火剤が含まれるものもありますので、火おこしさえできればバーベキューには向いていますが、黒炭同様、燃焼時間が長い分後処理に少し手間がかかります。
バーベキューで使う炭の種類:④マングローブ炭
一般的にホームセンターなどで見かけるのがこの「マングローブ炭」です。その名の通りマングローブを使った炭のことですが、マングローブという植物は実在しません。マングローブとは熱帯・亜熱帯地域の河口周辺に生えている植物を総称したものです。
バーベキューで使う炭の種類:④マングローブ炭の特徴
長さも大きさも不揃いのものが多く簡単に折れたり砕けたりします。値段が安く火おこしもしやすくどこでも手に入るので、バーベキューをしたほとんどの方はこのマングローブ炭を使っていると言えます。 燃焼時間が短く、つぎ足しをこまめにしなければいけないことや炎があがるのがデメリットです。燃焼時間が短いので、消火は早く後処理の手間はそれほどありません。
バーベキューでのおすすめの炭の選び方
ほとんどの方がバーベキューをするときに持っていく炭は1種類かと思いますが、実は数種類利用することによってバーベキューをもっと楽しむことができます。
おすすめの炭の選び方①黒炭とマングローブ炭
黒炭とマングローブ炭の2種類です。最初は火おこしが最もしやすいマングローブ炭に火を付けます。火おこしにより炎がでたら、黒炭を入れ火力を安定させます。
黒炭とマングローブ炭がおすすめの理由
黒炭はマングローブ炭よりも燃焼時間が長いので、最初の火おこし以外は黒炭を使うと炭を使う量を抑えられコストパフォーマンスが良く、煙・匂いがないので食材も美味しく焼けます。ワンランク上のバーベキューをしたい方におすすめです。
おすすめの炭の選び方②白炭とマングローブ炭
マングローブ炭の火おこしのしやすさと白炭の燃焼時間と火力安定性をミックスしたものになります。少量のマングローブ炭を燃焼させたら白炭を入れ空気(酸素)をしっかりと取り入れるようにし白炭を燃焼させます。
白炭とマングローブ炭がおすすめの理由
白炭の燃焼時間は他に比べ圧倒的に長く、空気さえきちんと取り入れればつぎ足しなしでも問題ありません。炎も上がりにくく煙・匂いがほとんどないのでバーベキューの時にピザを焼くなどにはおすすめです。バーベキューの経験を積みこだわりが出てきた人におすすめの選び方です。
おすすめの炭の選び方③黒炭とオガ炭
オガ炭は火おこしがしにくいですが着火剤入りのものがあり、黒炭は比較的火おこししやすいため黒炭で火おこしをしメインはオガ炭で使うという方法でコストを抑えることもできます。
黒炭とオガ炭がおすすめの理由
どちらも火力の安定度が高く、また、どちらも火持ちが良く煙・匂いが少ないので火おこしさえ済めば美味しく手間なくバーベキューが楽しめます。バーベキューになれた頃の方におすすめな選び方です。
初心者向けの炭の選び方を紹介
これからバーベキューを始めたい、または何度か経験しているけどうまくいかないという方におすすめの炭の選び方をご紹介します。
初心者向けの炭の選び方:オガ炭とマングローブ炭
マングローブ炭だけでも問題ありませんが、バーベキュー初心者の方でよくありがちなのが火おこしをした後につぎ足しを忘れて、また最初から火おこしをするということです。。
オガ炭とマングローブ炭がおすすめの理由
オガ炭を混ぜることにより火持ちが良くなるため、バーベキューに夢中になり多少つぎ足しを忘れてもオガ炭の火のおかげで再度火おこしをしなくても済みます。
炭の必要量はどれくらい?
バーベキュー炭の必要量ですが、基本的に1人1kg、または1時間1kgと言われています。バーベキューコンロの大きさや食材、風などにも左右されるので、あくまでも目安として考えた方が良いです。おすすめとしては人数×1.5kgくらい用意しておくと、足りなくなるということはほぼないと思います。
メーカーオリジナルの炭を比較
ホームセンターに並ぶバーベキュー炭のほとんどはマングローブ炭になりますが、同じマングローブ炭でも値段・燃焼時間が変わるのはご存知でしょうか。
バーベキュー用木炭:コメリ(KOMERI)
コメリ(KOMERI)は全国に1188店舗展開するホームセンターです。沖縄県だけにはまだ店舗はありません。コメリのオリジナルバーベキュー炭は細かいのが少なく安炭の中では良質です。
コメリの炭 情報
画像の商品の値段は100円以下/kgなのでコストはかなり抑えられます。ですが、火おこしに10分少々の時間を要し、燃焼時間は1時間程度なのでパフォーマンスは低めです。
コメリの炭 おすすめタイプ
値段を抑えたい人や、こまめにつぎ足すか短い時間で少人数でやる場合にはおすすめです。標準量より少し多めにしておくと良いと思います。
バーベキュー用木炭:コーナン
コーナンは319店舗展開していますが一部地域にはなく、主に西日本に展開されているホームセンターです。コーナンのオリジナルバーベキュー炭は細かい物も含まれますが全体的には大きめです。
コーナンの炭 情報
画像の商品の値段は約160円/kgなのでコメリと比較すると高めですが平均的な値段になります。火おこしに要する時間は10分弱ほどで燃焼時間は1時間半ほどです。コストパフォーマンスは良い方だと思います。
コーナンの炭 おすすめタイプ
お住まいの地域にコーナンがある方は一度試してみるのも良いかと思います。オンラインショップでも購入可能です。
バーベキュー用木炭:ビバホーム(LIXIL VIVA)
ビバホーム(LIXIL VIVA)は88店舗展開するホームセンターです。主に東日本に展開されています。ビバホームのオリジナルバーベキュー炭は長さが短く太いというイメージです。細かい炭は少ないです。
ビバホームの炭 情報
画像の商品の値段は約140円/kgと平均的で火おこしには10分ちょっとかかりました。燃焼時間は2時間弱なのでコストパフォーマンスは十分だと思います。
ビバホームの炭 おすすめタイプ
火おこしに自信のある方や長時間のバーベキュー時にはおすすめです。オンラインショップで購入可能です。
バーベキュー用木炭:トップバリュ(イオン)
イオングループは全国に402店舗展開するショッピングセンターです。イオンのオリジナルブランドであるトップバリュのバーベキュー炭は、箱にも書かれているように大きめに切りそろえられています。
トップバリュの炭 情報
画像の商品は約170円/kgなので値段は少し高めです。火おこしも15分弱かかり火力が安定するまで30分ほどかかりましたが燃焼時間は2時間程度ありました。
トップバリュの炭 おすすめタイプ
こまめにつぎ足しをするのが苦手な方や長時間のバーベキュー時にはおすすめです。全国に展開されているので購入しやすいのはメリットです。オンラインショップで購入可能です。
バーベキュー用木炭:キャンパーズコレクション
山善のキャンパーズコレクションというブランドになります。こちらのバーベキュー炭は以前は形が不揃いで細かい物も多くありましたが、現在では形・大きさの揃ったものが多いです。
キャンパーズコレクションの炭 情報
画像の商品は約200円弱/kgと紹介した中では一番値段が高いです。火おこしには10分ほどかかり、燃焼時間は1時間半ほどです。コストパフォーマンスはあまり良いとは言えません。
キャンパーズコレクションの炭 おすすめタイプ
一箱10㎏のものもありますので大人数や何度もバーベキューをする方にはおすすめです。オンラインショップで購入可能です。
バーベキュー用木炭:ケーヨーデイツー(D2)
商品画像がありませんがケーヨーデイツーというホームセンターのオリジナル炭が個人的にはおすすめです。ケーヨーデイツーは181店舗展開しているホームセンターで、北陸を除く本州に展開されています。ケーヨーデイツーのオリジナルバーベキュー炭は、大きさは全体的にそろっており板状になっています。
ケーヨーデイツーの炭 情報
値段は約130円前後/kgと少し安めで、火おこしに要した時間は5分ほどです。燃焼時間も2時間ほどなのでコストパフォーマンスは紹介した中では一番ではないでしょうか。
ケーヨーデイツーの炭 おすすめタイプ
初心者の方にはもっともおすすめで、火おこしに時間をかけたくない方にもおすすめです。ですが、店舗が展開されていない地域の方には購入が難しいかもしれません。シーズンになればオンラインショップで購入できるようになるかもしれませんが、現在ではオンラインショップでの取り扱いがないです。
バーベキュー用木炭と言っても、商品により差があるのでご自身のバーベキュー歴やバーベキューの規模などに合わせて選ぶのもバーベキュー炭の選び方の一つです。 ※燃焼時間・火おこし時間はあくまで目安と考えてください。炭の保管状況やバーベキュー時の環境によっても差が出ます。
バーベキューでの炭の使用方法
バーベキュー①:火おこしの方法
火おこしがバーベキューをする上で一番の悩みどころという方も多いはずです。うちわで扇いでもなかなか点かず、息を吹きかけても燃えてくれないという経験をされた方におすすめの火おこし方法を紹介します。
バーベキューその1:火おこし方法① 新聞紙
バーベキューの火おこしと言えば新聞紙が思い浮かぶと思います。用意するものが少なくコストパフォーマンスも良い一番スタンダードな火おこし方法です。新聞紙で井桁を作り炭の真ん中と周りに炭を立て上部に小さめの炭を1、2個置き火種を投入すればOKです。 バーベキューで道具を使わずに新聞紙とライターと炭だけであっさりと火おこしができたらかっこいいですよね。
バーベキューその1:火おこし方法② バーナー
ロゴス LOGOS バーベキュー 着火バーナー
バーベキューを何回もするという人は必ず持っていると言ってもいい程のアイテムになりました。値段は1000円前後のものからあるので比較的安価に手に入れることができます。火おこしへの苦労がなくとても便利なアイテムです。小さなお子様がいる中でバーベキューをする際は取り扱いに特に注意が必要です。
バーベキューその1:火おこし方法③着火剤
今では新聞紙での火おこしに匹敵するスタンダードなバーベキューの火おこしアイテムです。使い方は簡単で、着火剤をバーベキューコンロに置き火をつけるだけです。その上に炭を置いていきます。あとは炭に火が付くのを待つだけです。バーベキュー初心者の方には一番おすすめの火おこし方法です。 火おこしについてこちらに詳しく掲載されておりますので参考にしてみてください。
これで簡単!バーベキューで即火おこしが出来るコツ、方法をご紹介!
キャンプでのバーベキューや焚き火の「火おこし」でなかなか火がつかったという苦い経験ありませんか? そんなあなたも、ノウハウさえ知っていれば...
バーベキューその2:着火剤の種類
着火剤には液状のものと固形のものがあります。液状のものは炭に直接かけ変えた部分に火を付けます。一つ気を付けることは追い点けは厳禁です。液体燃料なので気化した燃料に火が点き衣服に燃え移るという可能性もありますのでやめましょう。 着火剤についてはこちらに詳しく掲載されておりますので参考にしてみてください。
着火剤おすすめ10選!火おこしが簡単になるワケがここに!
キャンプやアウトドアでバーベキューコンロや焚き火など、火を使う場面が多々あるかと思います。何も火種が無いところから火を起こすのって、実は結構...
バーベキューその3:炭の後処理方法
後処理・片付けまでがバーベキューです。公共の場(海や川など)はもちろんですが、バーベキュー場などを利用した時もきちんとした後処理をして最後までマナーよく楽しくバーベキューをしましょう。
バーベキューその3:炭の後処理方法①バケツに水
炭に直接水をかける方がいますが実はNGです。炭に直接水をかけると、大量の水蒸気が上がり細かな灰が飛び散ります。周りでバーベキューをされている方にも迷惑がかかるのでやめましょう。水で消すときはバケツに水を入れトングで一つずつ炭を入れ冷やしていくのが良いです。
バーベキューその3:炭の後処理方法②火消し壺の利用
様々なアウトドアメーカーで出している火消し用の壺があります。炭の火おこしもできとても便利です。バーベキューを毎年のようにやるという方には必需品かもしれません。持ち帰りもそのままできるので後処理はとても便利です。
バーべキューその3:炭の後処理方法でNGなこと
河原などでは特にバーベキューで使い終わった炭を川辺付近やその場に捨てていく方がいますがマナーとして絶対にNGです。バーベキューで使い終わった炭は自分たちが出したゴミと同じなのできちんと持ち帰りましょう。 バーべキュー場によっては、使い終わった炭専用のごみ捨て場があるところもあるので、そちらにきちんと捨てましょう。どんなに経験や知識があっても、炭の後処理などきちんとしたバーべキューマナーがなければ意味がありません。
炭についてのQ&Aと注意
炭の再利用はできる?
後処理で火消し壺がおすすめなもう一つの理由が炭の再利用ができることです。火消し壺はアルコールランプのように酸素の供給をストップして火を消すので自然と火が鎮火します。炭の形も変わらずなので再利用が可能になります。
炭は作れる:interrobang:
炭は簡単にではないですが、自家製炭を作ることができます。また、最近では炭作り体験などができるところもありますので、バーベキュー用にオリジナル炭を作ってみるのはいかがでしょうか。
炭の扱いには注意が必要
炭は炎が出ていなくても内部は燃焼しています。燃えてないと思い素手で触ると火傷をすることもあります。燃焼させた炭を扱う時は、消火後もトングや火消し棒などを使いましょう。 また絶対にダメなのは炭を捨てて帰ることです。捨てた場所に万が一、草や燃えるものがあった場合、大火事を引き起こす原因となります。ゴミもそうですが、炭もきちんと消火し持ち帰りましょう。バーベキューの思い出を素敵なものにするためにも、炭の管理をしっかりしましょう。
まとめ
今回はバーベキューに必需品の「炭」についてご紹介いたしました。今まで漠然(ばくぜん)と選んでいた炭の選び方を少し変え、「炭を選ぶ」ことでより楽しいバーベキューを、また今までとは違うワンランク上のバーベキューをしてみてはいかがでしょうか。
土佐備長炭 中丸 約2kg 8本前後 消粉付 直径 約3~5cm 長さ 24cm前後